女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
スタッフ日記
2010年12月第5週
2010/12/31 (Fri)

12月30日(木曜)晴れ
後、今年もだいたい48時間だ~い!
待ちにまったこの日、シネマジャーナル・ビックサイト支店開店!
年に2回、この支店の副店長(自称・アカデミー助演女優賞級の演技力で)を勤めるのが生きがい・・・、いやボケ封じ。
今回もいろんな出会い、映画談義が炸裂しました。
助っ人(私が副店長なら、若いアルバイトさんかな?)がお2人きてくださり、本当にたすかりました。
アルバイトさん!ありがとうございました!
私の感じでは2時半が店じまいかなと踏んでいましたが、なんのなんの、それから約一時間売れ続け、違った、しゃべり続けでけっこう売れました。

でも、この異次元空間、意外と疲れます。
その証拠に、電車は乗り過ごす、切符は落とす、駅員さんに「どこから乗られましたか?」ときかれても「アノゥ・・コミケ・・・?ナンやら展示場・・・」としどろもどろ。
まぁ、家に帰り着くまで、頭をしゃきっとしないと<嫌味の嵐>に対抗できないとコーヒーを飲み一服。 そのあと、トイレに入り、ふっとみた鏡には65歳の老婆の顔が・・・。
おもわず「あんた誰?」と言い出しそうになりました。
朝行くときは『ミザリー』や『黙秘』のキャシー・ベイツだったのに、帰りは『ゴースト もういちど抱きしめたい』の霊媒師・樹木希林になっていたのです!(笑)

(美)

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2010年12月第4週
2010/12/26 (Sun)

21日(火)イラン大使館で冬至の夜(シャベ・ヤルダー)を楽しむ催し。この日を境に、太陽が闇に勝つ日々が始まるとして、イランでは家族揃って冬至の夜を祝います。大使館の方や大学の先生方から冬至の夜の風習や意義について説明いただいたあと、東京外国語大学、大東文化大学、中央大学でペルシア語を学ぶ学生さんたちがペルシア語でスピーチ。難しい言葉を駆使してのスピーチも凄かったけれど、心に届いたのは、自分の言葉で時々間違えながらも笑顔で堂々と語った女子学生のスピーチでした。東京外国語大学の学生さんたちによるペルシア語劇を楽しんだあと、大使公邸で美味しいイラン料理に舌鼓。素敵なスピーチをした学生さんたちに、イランの方たちも励ましの言葉をかけていました。冬至には、太陽の色を彷彿させる西瓜やザクロを食べて健康を願う風習があり、季節はずれの西瓜をたっぷり味わってきました。


イランで冬至の夜に欠かせない西瓜と柘榴。アジール(木の実類の盛り合わせ)も!

22日(水) 日比谷公園で名残りの紅葉を楽しんだあと、『英国王のスピーチ』完成披露試写会へ。兄の国王エドワード8世が、米国人のシンプソン夫人との結婚を選択して退位した為、国王に即位したジョージ6世。子供の頃から吃音症のため人前で話すのが大の苦手だったジョージ6世ですが、国王となった以上、国民に向けてスピーチをしないわけにいきません。オーストラリア人の言語障害セラピストであるライオネル氏の助けを得て、堂々と国民に向けて話すことができるようなる姿を描いた作品でした。

人の心に届くスピーチとは・・・と、二日続けて考える機会がありましたが、私に人前でのスピーチの楽しさやコツを教えてくださったのは、今年1月に天国に旅立たれた中東ミニ博物館の館長である大野正雄先生。1990年4月の開館以来、ほぼ毎月1回開催されていた講演会の後の懇親会で、参加者全員の1分間スピーチの時間がありました。人前でのスピーチが苦手だった方も、回を重ねるごとに饒舌になり、長くなると大野先生が大きな鈴を鳴らして、そろそろ終われと合図したものでした。その日の講演内容に絡めての話や、近況報告など、さ~て短い時間で何を話そう・・・と考えるのも、楽しみでした。
先週、18日に中東ミニ博物館最後の講座が開かれました。この日の皆のスピーチは、こぞって大野先生への思いと感謝の言葉。中東ミニ博物館は閉館となりましたが、いついつまでも大野先生から学んだ寛大さと、物事への好奇心を忘れないようにしたいと思います。


中東ミニ博物館最後の講座に大野先生を慕う人たちが駆けつけました

さて、今年もあと数日になってしまいました。この1年、Web版シネマジャーナル&スタッフ日記(もちろん本誌も!)をご愛読いただき、ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

(咲)

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2010年12月第3週
2010/12/19 (Sun)

14日(火) フォン・シャオガン監督の大ヒット作『唐山大地震』の完成披露試写会に行くつもりでいたら、(白)さんから、同じ時間、『婚前特急』完成披露試写会の舞台挨拶に榎木孝明さんが登壇すると言われて、それは大変!と、そちらの取材に行ってきました。榎木さんの役柄は、吉高由里子さん演じる24歳のヒロインの5人の彼氏の一人! お父さんじゃなくて、え~ 彼?! 30歳の歳の差! でも、榎木さんならOKか・・・と。

会場のFS汐留ホールに行く前に、銀行に寄ろうとカレッタ汐留に寄ったら、ちょうど葉加瀬太郎プロデュースの光のショーが始まったので、ついつい観てしまい、FS汐留ホールに着いたときには、すでに取材陣が中に入ったあと。でも、最前列の端っこが奇跡的に空いていて、しかもそれが榎木さんのすぐそばの席! 嬉しい取材となりました。
 ★笑いに満ちた舞台挨拶の模様は、特別記事でどうぞ!


※ クリックで拡大します

舞台挨拶終了後に本編の上映。吉高由里子さんの言葉「チエのアグレッシブさとポジティブさんに感心」と榎木孝明さんの言葉「自分の人生、自分の選択」をかみ締めながら楽しみました。

◆『婚前特急』2011年4月1日(金)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー!
公式サイト >> http://konzentokkyu.com/


16日(木)『孫文の義士団』の先行内覧試写会へ。原題は《十月圍城/Bodyguards and Assassins》。そう!ピーター・チャンのもと、豪華メンバーが結集したあの大ヒット作です。東京中国映画週間で上映されたものの観にいけなくて残念に思っていたのですが、無事公開が決まりました。孫文が武装蜂起のための同志との密談に香港に立ち寄った1時間の間、孫文を抹殺しようと企てる清朝の暗殺団500人と対峙する護衛の者たちの物語。密談中、暗殺団の目をくらませようと、孫文の身代わりの人物を乗せた車を引いてまわるのですが、護衛をかって出た義士団の者たちが次々に暗殺団にやられてしまいます。この映画で描かれている密談は史実とは異なりますが、革命が成就された陰で名もなき人々が数多く命を落としたことをずっしりと感じさせてくれました。

11月に香港を訪れた際に、香港観光協会の発行した地図を頼りに中環から上環の孫文ゆかりの地を歩いたばかりでした。孫中山記念館は、中国人で初めてミッドレベルに住むことを許された何甘棠の邸宅だった瀟洒な洋館を修復したもの。『孫文の義士団』で、ワン・シュエチー演じる革命を支持する実業家ユータンの住まいを彷彿させられました。

冒頭、「デモクラシーとは・・・」と熱く説くヤン先生が撃たれてしまうのですが、中環や上環の街角に革命家が暗殺された場所を示す案内板があったことを思い出しました。ちなみに、このヤン先生を演じていたのは張學友さん! プレス資料に居並ぶ豪華キャストの中には名前がなかったのですが、特別出演でした。

◆『孫文の義士団』2011年GWシネマスクエアとうきゅう他全国ロードショー
公式サイト >> http://sonbun.gaga.ne.jp/


さて、もう今年もあと2週間で終わりですね。12月30日に、年末の風物詩冬コミケ(コミックマーケット)に出展します。昨年の冬、今年の夏と2回参加して、コミケにすっかりはまってしまった(美)さんと共に、会場で皆様にお目にかかって映画談義できるのを楽しみにお待ちしています。

冬コミケ
日時:12月30日(木曜日)10時~16時
場所:東京国際展示場(東京ビッグサイト)
交通案内: http://www.comiket.co.jp/info-a/C79/C79info.html

シネマジャーナルの配置場所: 東地区“L”ブロック-57b

★シネジャ予約受付けます!
購入希望の号をお気に入りの監督や俳優の名前を添えて予約いただけましたら、特別付録をご用意します! (特別付録はご要望にお応えするようにします。)

タイトル索引や、目次一覧で欲しい号を検索してみてください!
タイトル索引 http://www.cinemajournal.net/bn/title.html
在庫一覧 http://www.cinemajournal.net/bn/zaiko.html
冬コミケ会場での購入予約先: cinemajournalhp@yahoo.co.jp

(咲)

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2010年12月第2週
2010/12/12 (Sun)

6日(月)文京シビックホールにてイラン・イスラム共和国大使館で開かれたイランの伝統スポーツ「ズールハーネ」公演へ。太鼓を敲きながら詩を吟じるのにあわせて行う古式体操で、日本での公演は35年ぶり。イランで何度か観たことがあるのですが、とにかく面白くて大好きなので、この日を心待ちにしていました。なのに、なんてこった! カメラを持っていくのをすっかり忘れてしまいました。観るのに集中できたからいいっか~と思いつつ、このところ、映画上映の日程を間違えたり、会合会場の鍵を取りに行くのを忘れたりしていて、脳ドックを受けたほうがいいかも・・・。 さて、ズールハーネですが、直訳すると「力の家」。ユネスコの無形文化遺産に認定されています。もともとイランの町の各街区にモスクや市場などと共に必ず道場があって、英雄的精神を培う目的で鍛錬が行われてきました。公演では、まず、ズールハーネにつき物の打楽器の演奏。10人以上での演奏は迫力がありました。続いて、ズールハーネの実演。ウォーミングアップの体操から、40キロもある盾を持ち上げるもの、ミール(こん棒)を駆使しての鍛錬などが続き、クライマックスは目隠しをしての旋廻や、キャッバーデと呼ばれる鉄の鎖で出来た弓状のものを使っての競技。最後に、全能なる神と全世界の人々に平和と友好が訪れるようにお祈り(ドアー)して終了。謙虚さと礼節、寛大さ、誠実さを大切にするズールハーネの精神を感じさせてくれるラストでした。なにより、詩にあわせて競技を行うのが、詩を大切にするイランらしくて、大勢の人に知ってもらいたいイランの伝統競技です。これから日本でも広めていく予定があるとか。ぜひ、注目してください!


イラン・イスラム共和国大使館からいただいた招待状。                  
写真は、ミール(こん棒)を掲げるイラン・レスリング界の英雄ゴラームレザー・タフティー。

(咲)

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2010年12月第1週
2010/12/5 (Sun)

あっという間に、もう師走ですね。 さて、今週はアモス・ギタイ監督作品にどっぷり浸った1週間でした。先週報告できなかった東京フィルメックスの後半からどうぞ! 

27日(土)アジアから20名の若手映画人を募集して行われた人材育成プロジェックト「ネクスト・マスターズ」のプログラムでアミール・ナデリ監督とアモス・ギタイ監督のレクチャーを傍聴。

まずは、アミール・ナデリ監督。「私の英語はアメリカの生活の中で学んだもので上手じゃないけどよろしく!」と、イランを出て、この24年間はアメリカで映画を撮ってきた自身の経歴を早口で語ります。映画のことを話す時のナデリ監督はほんとに嬉しそう。「既に短編を作っているあなたたちに何を教える必要が?」とも。自身がかつてイランで撮った短編を見せてくださいました。イラクとの戦争で誰もいなくなってしまった監督の故郷の町。石油パイプラインが走り、炎があちこちにあがっている中を、男の子たちが駆け回り、氷を手にして喜々とする姿・・・ 「私の映画は皆こう!」 何かを得る為に突進するエネルギッシュな人間を描き続けてきたナデリ監督作品を凝縮したような短編でした。「映画は心で撮るもの。テクニックやお金で撮るものじゃない」と結び、「もう1本見せるね。凄いよ!」と、パキスタン国境近くの干上がってしまった湖で撮った短編を上映。「来年は、ここで『CUT!』を見せるから楽しみにして!」と息巻いてレクチャーは終了しました。


アミール・ナデリ監督
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次に、アモス・ギタイ監督。うってかわって、静かな落ち着いた雰囲気。司会は市山尚三さん。通訳は、ギタイ監督について熟知している藤原敏史監督。ギタイ監督が「まず質問を貰って始めましょう」と投げかけますが、手があがらないので、「じゃ、もう戻りましょう」と笑っておっしゃる一幕も。その後、高尚な質疑応答が続いた後、これにすべての要素が詰まっているという5分の短編を見せてくださいました。監督のお父様が設計したキブツでの食事風景や学芸会などを収録した作品。そして、最後にこの日上映される『ベルリン・エルサレム』の冒頭が上映されました。ぞくぞくする映像に、期待が高まりました。


『エステル』上映後のQ&A。右から市山尚三さん、アモス・ギタイ監督、藤原敏史監督(通訳)
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28日(日) いよいよ東京フィルメックスのクロージング。観客賞の『Peace』(想田和弘監督)も、審査員特別賞の『独身男』(中国、ハオ・ジェ監督)も観てなくて、しまった!という思い。でも、最優秀作品賞の『ふゆの獣』(内田伸輝監督)は、25日の夜、キアロスタミ監督のレクチャーが終わって帰ろうと思ったら、雨が降っていたので、雨宿りがてら観たのでした。雨に感謝です。同じ会社に勤める4人の男女が縦横に絡み合う物語。感情があふれ出るような会話に、ぐっと惹かれた作品でした。110万円で作ったという映画。主役二人が半同棲している部屋もスタッフ自身が提供、バックに流れるピアノもスタッフが弾いていて、手作り感溢れる作品でした。出演者を代表して加藤めぐみさんが「役者の演技を信じてくれた監督、ありがとう」と、涙ぐみながらお礼の言葉を述べられたのが初々しくて素敵でした。


(左)『ふゆの獣』出演者を代表して加藤めぐみさん                  
(右)『ふゆの獣』内田伸輝監督。「まさか受賞すると思わなくて、今日もフィルメックスの
ストライプのTシャツで楽しんでました」と喜びを語りました。            

東京フィルメックス授賞者と審査員の皆さん
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クロージングは、フィルメックスではお馴染みのイ・チャンドン監督の『』が上映され、監督が上映の前後に登壇されました。60半ばにして初めて詩を詠むことに挑戦する女性の物語。アルツハイマー、集団暴行事件など、社会問題を織り交ぜて描きながら、美しい自然を愛でる心を感じさせてくれる作品でした。


クロージング作品『詩』について静かに語るイ・チャンドン監督
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30日(火)アモス・ギタイ監督特集上映で、『石化した庭』が日本初上映されるというので、日仏学院へ。ソ連崩壊直後のロシアで撮影した作品。スターリンがかつてシベリアにユダヤ自治州を作ろうとした地ビロビジャンでもロケ。あんなはずれじゃ、自治州を作ってくれてもねぇ・・・という印象でした。せっかく出かけるたので、以前に観て正統派ユダヤの戒律が興味深く描かれていた『カドッシュ』も観てきました。

2日(金)藤原敏史監督が撮った『アモス・ギタイと「アリラ」についての断片』を拝見したら、『カドッシュ』は、宗教右派が台頭した時代に撮った作品で、「もしほんとにイスラエルが宗教国家になったらどうなるかを観てもらいたかった」と監督が語っていました。そういう意図があったのだと、改めて感心しました。

日仏学院でのアモス・ギタイ監督特集上映は、12月12日(日)まで続きます。まだまだ通って未見の作品を観たいなと思います。

(咲)

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2010年11月第4週
2010/11/28 (sun)

東京フィルメックスを楽しんだ1週間でした。家の事情や、ちょっと早い忘年会のお誘いもあって、どっぷりとはいきませんでしたが、中東関係はきっちりおさえたという感じ。

22日 トークイベント「渋谷実作品の魅力」にウルリッヒ・グレゴールさん、エリカ・グレゴールさんと共にアミール・ナデリ監督が登壇。作品ごとにびっしりメモを取ったノートに、映画から映画を学ぶというナデリ監督の貪欲な姿勢を垣間見る思いでした。まだまだ語りたいことはおありのようでしたが、3時から始まる『』を観たいと話を切り上げて大急ぎで立ち去りました。


   トークイベント「渋谷実作品の魅力」     渋谷実作品について熱く語るアミール・ナデリ監督
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23日 イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督が、ジュリエット・ビノシュを主役に迎えてイタリアで撮った『トスカーナの贋作』。上映が終わって明るくなったら、舞台下の真ん中にキアロスタミ監督と通訳のショーレ・ゴルパリアンさんが既に満席の客席に向って立っていらっしゃいました。壇上の椅子よりも、観客に近いところで顔を合わせてお話したいとスポットライトも消しての和やかなQ&A。久しぶりに来日された監督を、日本の観客は大喜びで迎えました。最後に「次作は日本で撮るという報道もありますが・・・」とイラン人の方より日本語で質問があり、「友達のナデリ監督が日本で撮って、心配ないと言ってくれました。言葉はショーレさんに任せて、私は演出に専念したいと思います」と、日本で撮ることへの意欲を語りました。日本でどんな作品を撮ってくださるのか、ほんとに楽しみです。


『トスカーナの贋作』上映後のキアロスタミ監督の和やかなQ&A
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25日 『ハンター』(イラン・ドイツ)の上映後、ラフィ・ピッツ監督にインタビュー。道路に書かれた星条旗の前にバイクに乗った青年たちが居並ぶ写真で始まる本作。デモ隊と警察の銃撃戦で妻を失った男が警官を撃ち殺して森の中に逃げるが、やがて追ってきた二人の警官に捕まる・・・という展開。色々な事情があって主役を自身で演じた本作、映画の中ではセリフも少なく寡黙な男でしたが、監督ご自身は饒舌な方。今のイラン映画界が休眠状態であることや、本作に革命前のイラン映画を数点挿入された思いなど、たっぷり語ってくださいました。


『ハンター』ラフィ・ピッツ監督
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ビー・デビル』(韓国)チャン・チョルス監督にインタビューの時間をいただいたので、取材場所の江戸川橋へ。9人しか住んでいない島で、虐待されてきた女性がついに切れて男たちや老婆たちを惨殺する物語。上映後、監督はじめ来日ゲストの方たちから「楽しくご覧いただけましたか~?」と第一声。うっ、楽しく・・・はちょっと違うと思ったのですが、思い返すと、あれは楽しむしかないかもと。実際、監督にお話を伺ってみると、深いテーマをスタッフ皆で楽しみながら撮ったのだなぁ~と感じました。島の名前を無島(ムドゥ)と名づけたのはなぜか?など、まだまだ伺いたいことはあったのですが、7時から東京フィルメックスのネクスト・マスターズのプログラムでキアロスタミ監督がレクチャーするのを傍聴するために、20分程でインタビューを切り上げて有楽町に戻りました。


『ビー・デビル』チャン・チョルス監督
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キアロスタミ監督のレクチャーはペルシア語で行われ、いつもは日本語に訳すショーレさんが、この日は英語に。イランの詩を数多く引用してのお話。(訳すのが大変!)何か問題にぶつかった時には、14世紀の詩人ハーフェズの詩が自分を助けてくれたと語られました。
トスカーナの贋作』の中でもイランの詩を引用された箇所があり、監督にとって(というよりイラン人にとって)何かを語る時に詩はなくてはならないものであることを感じさせてくださいました。


ネクスト・マスターズのプログラムで語るキアロスタミ監督
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(咲)

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2010年11月第3週
2010/11/21 (sun)

19日 『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』などで日本でも密かにファンを増やしているトルコ系ドイツ人のファティ・アキン監督。 来年1月22日から公開される『ソウル・キッチン』が大阪ヨーロッパ映画祭で上映されるのを機に初来日されました。『クロッシング・ザ・ブリッジ』では主演アレキサンダー・ハッケさんにインタビューしたり(シネジャ69号に記事掲載)、昨年ドイツ映画祭で『ソウル・キッチン』が上映された折には、主演のアダム・ボウスドウコスさんを拝見したりしているけれど、ファティ・アキン監督ご本人にお目にかかるのは初めてで、ミニ記者会見にいそいそと出かけてきました。拍手に迎えられて入ってきた監督の第一印象、眉毛が濃い! 質問者の方をじっと見て、饒舌に答えてくださる方でした。会見はドイツ語でもトルコ語でもなく英語で行われて、ちょっと残念だったので、フォトセッションの最後にトルコ語で「テシェキュル・エデリム(ありがとうございます)」と言ったら、「ビルシェイディール(どういたしまして)」とにっこり笑ってくださいました。


ファティ・アキン監督

ソウル・キッチン』は、多文化社会ハンブルグを故郷とする移民二世の物語ですが、コメディタッチの賑やかな作品で、これまでの作品の重厚なイメージを期待していくと、えぇ~っ?と驚きます。作風の違った映画を作った思いなど、たっぷり語ってくださった会見の模様は、大阪ヨーロッパ映画祭でラウンドインタビューに参加する(香)さん(美)さんの報告とあわせてお届けする予定です。


20日 第11回東京フィルメックスの開会式。会場入口でアミール・ナデリ監督にお会いし、幸先のいいフィルメックスのスタート。「日本で映画を撮ったのですね!」「いい映画作ったよ! 期待してて」とガッツポーズ。昨年のフィルメックスでも、よく一緒にいるのをお見かけした西島秀俊さんを主役に撮った『CUT(原題)』がどんな作品に仕上がったのか、ほんとに楽しみです。(今回は西島さんの顔を観ていれば幸せだから、忍耐は強いられない作品かな?!)

さて、東京フィルメックス、今年はどんな作品に出会えるでしょうか。また体力勝負の1週間です。

(咲)

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11月18日(木曜)

第17回大阪ヨーロッパ映画祭が、11月18日~23日まで、大阪駅近くの肥後橋イシハラホールで開催中。
18日、夕方から、オープニングセレモニーとオープニング上映が行われた。
先ずは、開始時間が遅れた件で映画祭実行委員長パトリス・ボワトー氏より緊急の謝罪と、開催の挨拶によって皮切られた(写真1)。 名誉委員長で、ポルトガルの名優ホアキン・デ・アルメイダ氏(写真2)、駐日欧州連合代理大使ステファン・フーバー氏(写真3)、 「大阪市ゆとりとみどり」の代表者から映画を通じてヨーロッパ各国の理解を深めるこの映画祭の役割の大きさと、 日本ポルトガル修好150周年を記念した特別プログラムへの祝いの言葉を皮切りに、 短編と長編を1作品ずつ上映された。


写真1                 写真2                 写真3

面影万田邦敏監督/ベルギー、日本/ワールドプレミア/24分
ベルギーの家具職人エリック(ヤン・デクレール)は、自分の後を継がず、日本の大阪で家具作りをしていた息子を三年前に事故で亡くしてしまった。大阪に来たエリックは、息子の行きつけの団子屋 の主人に贈ったという椅子を見せてもらう。 エリックはその椅子に向かって、亡き息子に語りかけるのだった。

この作品は去年のこの映画祭の時、ヤン・デクレール氏が滞在中の3日間で撮影したもの。 言葉が通じないはずのエリックと、団子屋のおやじさんの会話が、面白く、ほろっとする場面もあった。名優の渋い演技は大阪の下町に溶け込んでいた。(美)


『面影』の監督と出演者による舞台挨拶
(マイクを持つ中央の男性が万田邦敏監督)
※ クリックで拡大します

強盗ベンヤミン・ハイゼンベルグ監督/オーストリア、ドイツ/97分
ヨハンは栄冠あるマラソンランナーだ。だが彼の能力を駆使した連続銀行強盗犯でもあるのだ。

これはオーストリアで実際にあった話。
スタントマンなしで、マラソンシーンは本物のマラソン大会を撮影したとお聞きしました。(美)

実話をもとにした作品で、オーストリア版『悪人』というところ。主人公の男ヨハンは、強盗の容疑で服役中にマラソンの練習を欠かさず、保護観察中にも数々のマラソン大会で優勝する。その足の異常なほどの速さを利用して、その間にも繰り返していた銀行強盗の現場から逃亡する。お金を奪うものの、それを使う形跡はなく、ただそれを隠し持っているのが謎だ。強盗をして逃げ仰せることに喜びを感じているのだろうか。そんな毎日を繰り返すヨハンがハローワークで仕事探しの最中にかつての恋人か幼なじみのエリカに再会し、同居することになる。二人の関係は次第に親密となるが、それを振り切るかのように、憑かれたように犯罪を繰り返す。山岳マラソン大会後には、彼に理解を示してきた保護観察官までトロフィーで殴打して殺害する。しかし、逃亡中に侵入した家で拉致した老人にナイフで反撃され傷を負った男は、それが致命傷となり逃亡中にことつきる。最後に彼女にかけた電話で、相手に切らないでと言いつつ永遠に目を閉じる姿が、自業自得とはいえ痛々しい。作品の中では彼の行動の謎の原因については多くが語られないが、彼にはどうも家族がいないことが、彼の謎の行動に原因らしい。守る、守ってくれる人が存在しない場合、人間は自殺や犯罪を起こしやすいとはよく言われるが、原作においては原因についてどう説明されているのか気になった。(K)

第二作品目は面白かったが重い作品でもあり、小腹もすいていたので、シネジャの記者二人は閉会後に近くの居酒屋でキムチチャーハンをつつきながら、しばし感想を軽く話しあった。


お土産にもらったモンシュシュのフィナンシェ!
その時撮った一枚がこれ。今回は堂島ロールで全国に名を馳せる大阪の老舗モンシュシュが特別協賛で、素敵な箱に入った名物のフィナンシェが来場者の一部に配られ、ちょっと嬉しい演出であった。



11月20日(土曜)

野生の愛セヴェリン・コルナムサ監督・脚本/スイス/95分

不器用な男とその妻、少しだけ働きにきたスペイン男、それぞれしっかり人間が描けていた。(美)

スイスの農家の比較的まだ若い夫婦の物語。妊娠した妻の代わりに労働するスペイン人が来てから、家族に変化が訪れる。
今ではあり得ないと思われるような亭主関白ぶり、妻を家畜以下にしか扱わない暴君ぶりには最初驚かされるが、彼自身がどうも母親不在の家庭で育ったような暗示がある。(K)


40エムレ・シャーヒン監督/トルコ・アメリカ/87分


手持ちカメラ撮影部分のぶれが大きく見にくい箇所があるが、 犯罪都市イスタンブールっていう感じでした。 監督さんはイスタンブールの真実の姿というが疑問点も多い。 しかし刺激的な作品です。(美)

イスタンブールの日常の背後で蠢く様々な問題(家父長制、家族の崩壊、農村からの家出や犯罪、アフリカからの不法入国、ブローカー)が、出所の怪しいお金の詰まったバックによってひと繋がりとなり、ドキュメンタリー・タッチで浮き彫りにされる。全体として暗い青みががった映像と、テンポの速さでハードボイルド調で、ナイジェリアから不法入国した男の回想シーンが明るいのと非常に対照的である。その暗さ、ゴミの多い場末の風景が、イスタンブールの知られざる現実ということか。しかし最後には殺人を犯した男が蜂の毒にあたって死ぬというのが道徳的な結末だった。日本ではあまり報道されていないトルコ社会の現在について、もっと知りたくさせられた作品だった。(K)


一日のいのちマルク・デクルー監督・脚本/オランダ/94分

これは見応えありました。特異な作り方で驚きました。(美)


リスボン物語ヴィム・ヴェンダース監督/ドイツ・ポルトガル/99分

新作ではないが、ヴィム・ヴェンダース監督の心温まるロードムービー。一服の清涼剤のようでした。今年は日本ポルトガル修好150周年ですが、ポルトガルの美しい風景を存分に楽しめました。(K)


的中ヴィンコ・ブレシャン監督/クロアチア・セルビア/100分

戦時中に夫であるセルビア人の兵士を殺され、ポルノ女優をして生計を立てるようになった女性デーサと、その夫を狙撃し、戦後は私立探偵をしていたクロアチア人の元兵士マルティンの織りなす物語。語り手は、国なき民ロマで、音楽演奏のほか、生活のためにポルノ男優もつとめる「巨根のジュロ」。ユーゴ内戦という深刻な事件が背景にあるが、そんなテーマだからこそ抱えるタブーを幾つも乗り越え、人間的で楽しめる内容になっている。(K)

(美)(K)

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2010年11月第2週
2010/11/14 (Sun)

9日(火) 朝から(白)さん宅で、(美)さんと3人でシネジャ80号の編集作業。(切ったり貼ったり、まさに家内工業なんです!) 早め早めに原稿を書かなくちゃと思っているのに、いつも編集日ぎりぎり。もう間に合わない~~っと思ったけど、翌日から香港に行くので、私には後がない! 火事場の馬鹿力で書き上げました。夜7時過ぎまでかけて、8割方編集作業を終え、残りは今回の取りまとめ役の(暁)さんにバトンタッチ。(実は最後の仕上げが大変なので、中途半端なものを渡して申し訳ない思い)

10日(水) 原稿も書き終えて、すっきりした気分で、いざ香港へ。今回の旅、Sさんから香港に行きたいけど土地勘がないから、ホテルをどの辺りにすれば便利か教えて~と、相談に乗っているうちに一緒に行くことになったもの。午後便のほうが5千円安かったので、出発日を一日早めて、1泊だけ一度泊まってみたかった重慶大厦(チョンキンマンション)の安宿に泊まることにしました。検索したら、ビル内にたくさんある安宿を比較して紹介しているサイトがあって、それを参考に「深夜特急」のロケの時に大沢たかおさんが泊まった宿「ドラゴンイン」に決定。3階にあるので、エレベーターがダメでも何とかなる階というのも安心かなと。予約メールを入れたら、すぐに快諾の返事がきて、「ビル入口付近にいるタチの悪いインド人の客引きに気をつけて」などと、あれこれ注意事項が書いてある最後に、「あなたが信用できる客であることを願ってます」とありました。 ひぇ~ ホテルを予約して、こんなことを言われたのは初めてだ! 

重慶大厦は、ネーザンロードをはさんでペニンシュラホテルの斜め向かいにあるのに、まるで別世界。これまでに何度も印パキ料理を食べに行ったり、インド映画のDVDを買いに行ったりしたことはあるのですが、独特の雰囲気に泊まってみる勇気はなかったのです。そも、Sさんは宿も行き当たりばったりで一人旅をされる方。ご一緒なら心強いなと思い切ったのでした。


左:重慶大厦入口                                
右:「深夜特急」のロケの時に大沢たかおさんが泊まった宿「ドラゴンイン」のフロント

夜11時過ぎに重慶大厦に着いたら、案の定、入口で「安くていい宿があるよ」とインド系のお兄ちゃんに声をかけられました。振り切って3階のドラゴンインへ。気のいいおじさんが迎えてくれて、一人175HKドル(1900円位)の宿代を前払いして、部屋へ。意外と小奇麗。トイレにシャワーが付いているのは噂に聞いた通り。トイレも意外に広かったけど、ここでシャワーを浴びるのは私には無理! トイレットペーパーがないと思ったら、シャワーがかからないように上の方に設置してありました。テレビは3CHしか映らなくて、その内の1CHは、パキスタンの国語であるウルドゥー語放送。重慶大厦の民族配分がわかりますねぇ。ちょっと荷物を置いて散歩に出よう・・・という気になれないというのが正直な感想。


ドラゴンインの私たちが泊まった3人用の部屋(手前がダブルベッド、奥がシングルベッド)

左:ドラゴンイン トイレにシャワーが……
右:トイレットペーパーの位置に注目!  

翌朝8時、さっさと定宿のYMCAに移動しようと早々にチェックアウト。昨夜のおじさんと違って、オーナーのおばさんが出てきて、「昨夜の部屋、ほんとは3人用で400ドルの部屋だった」とぶちぶち言われます。「他にも素敵な部屋があるのよ」と見せて下さった部屋、カップルにはいいけど・・・というラブリーな雰囲気。窓の外は、私たちの泊まった部屋と同様、ゴミが見えました。これから移動するYMCAが1400ドル位と言ったら、もったいないと散々おばさんに言われたけど、私が窓の外に見たいのはゴミじゃなくて香港の雄大な景色! でも、重慶大厦に泊まったのは、わくわくする素敵な体験でした。


ドラゴンインのラブリーな部屋

という次第で、あとの3泊は、お気に入りのYMCAのハーバービュールームに泊まって、朝昼晩と変わるビクトリアハーバーの光景をたっぷりと味わってきました。スターフェリーや2階建てトラムやバスを乗り回して、懐かしい映画のロケ地もいくつか巡ってきました。(あえて映画のロケ地巡りと言わなくても、初香港のSさんに香港名所を案内すれば、必然的にロケ地に行けるのが嬉しい!)


左:お気に入りYMCA12階の部屋からの眺め
右:こちらもYMCA12階の部屋から    

今回、原稿に追われて、事前に新しい情報を何も調べられなかったのですが、YMCAの隣に、「1881 Heritage」という新しいスポットが出来ていてびっくり(昨年10月完成)。映画『ラヴソング』で、シウクワン(レオン・ライ)がテレサ・テンにサインをしてもらった後、車に乗っているレイキウ(マギー・チャン)とキスする場面の背景の高台に、白地に水色の枠のコロニアル風の建物が写っているのですが、それが1881年に建てられた元水上警察本部。色が塗り替えられていますが、建物をそのまま修復して上手に利用して、ホテルやレストランになっています。今回、外からだけで中を見学しなかったけれど、日本軍が使っていた時代の名残もあるそう。次回の楽しみです。そんなこんなで、美味しいものもたくさん食べて、すっかりリフレッシュしてきました。


左:「1881 Heritage」の全貌                  
右:「1881 Heritage」映画『ラヴソング』に出てくるのは、この景色

(咲)

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11月13日(土曜)
少し風もある肌寒い今日、名古屋市内の古い商店街<円頓寺商店街>で、入場無料の映画祭が開催された。 日常の中の映画祭をテーマに誰でもふらっと立ち寄れる映画祭だ。 会場は4ケ所に分かれている。メインはホテルだが、ふれあい館、小さな喫茶店、レストランの ちょっとしたスペースにプロジェクターを置いて上映するのだ。 コーヒーを飲みながら、和食を食べながら映画を楽しむ。

そこで、朝から夕方まで四本の映画を観た。
喫茶店で(下の写真は喫茶店まつば)上映するが注文はしなくてもOK。 コーヒーを2杯も飲んでしまいました。濃い目の美味しい珈琲。


一秒の温度』井上真行監督/ぴあフェスティバル2009グランプリ作品
小説家になる夢を持つノボルは空回りばかり、初めて第一次審査通過の通知をもらい、舞い上がる彼だが…
台詞が不鮮明でいらついた。ノボルの家庭内と友人関係が描かれているが、 脚本が練られていないので、理屈っぽさが目立つ。 これがグランプリとは思えない作品だった。

今度はベトナム料理を食べながら・・・。

カンタ!ティモール』広田奈津子監督/東ティモール、日本/2009年
スハルト政権は東ティモールの抵抗に対し激しい弾圧を加えたため、 1980年代までに多くの人々が殺戮や飢餓により命を落とした。 インドネシア占領下で命を失った東ティモール人は20万人にのぼると言われている。 1991年、平和的なデモ隊にインドネシア軍が無差別発砲し、 400人近くを殺したサンタクルス事件は、住民の大量殺戮事件として世界的に知られることになった。 その後インドネシアから独立するが、それからも弾圧は止まなかった。
東ティモールのことは知っていたが、日本からインドネシアへの多額の援助資金が、 このようなことに使われていたとは知らなかった。 生き残った老人は「悲しい出来事だが誰も怨んでいない。人類はすべて土に繋がる家族だ」と言い切っていた。


私の叙情的な時代』任書剣監督/ぴあフェスティバル2009年企画・技術・観客賞
そつなく生きる中国人留学生が、日本で体験する日々を描いている。
中国人独特のシビアな金銭感覚は有名だが、 台湾や韓国の留学生との違いなど面白い作品だったが、約100分はどうみても長い。

小さなお店を改造したふれあい館で、

隣人ルサンチマン』壇琢磨監督/29分/2009年
就職活動中のマサキは、アパートの隣の部屋から聞こえる児童虐待や泣き叫ぶ声に耳をふさいだ。 バイト仲間の友人に相談して、児童相談所に通報するが…。
これが一番よかった。若い男2人の台詞のやり取りが自然で、ストーリーの起承転結がしっかりしていた。

(美)

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2010年11月第1週
2010/11/7 (Sun)

10月31日(日)

逃した魚は魚は大きかった!

3週間前から、シネマジャーナル次号80号の編集作業にかかっています。
でも、10月23日~31日まで東京国際映画祭が開催され、シネジャスタッフは編集を一旦置いて、映画祭作品を見たり、取材に走ったり大忙しの毎日でした。
そんな中、26日夜、プレス試写で『鋼のピアノ』を観た後、映画館入り口近くのシートに座っていたら、隣にいた人たちから「この作品どうでしたか?」と中国語で声をかけられ、ついつたない中国語で「良かったです。好きな作品です」と返事をしたら、この作品のマネージャー蔡唸(ツァイ・ニエン)さんたちでした。
それから、いろいろ話し始め、主演俳優の演技はどうだったかとか、この作品のどこが良かったかとか聞かれてしまい、四苦八苦しながら、しどろもどろの中国語で答えたんだけど、なんとか通じたのでした。そのうち、チャン・メン監督と主演俳優ワン・チエンユエンにインタビューしてほしいと言われ、それは願ってもないことだけど通訳がいないと無理だし、映画祭事務局に話を通さなくてはだめということで、夜10時すぎだったけど映画祭事務局に電話をかけたら、まだ人がいたので、インタビューの件申し込みをしてみました(映画祭事務局の方お疲れ様です)。
日程と通訳の調整ができたら可能ですとのことだったけど、この時点で、27日と28日で、先方と空いている時間をつき合わせた分には、大丈夫だったんだけど、私が可能な27日には通訳の都合がつかなくて、28日夜は先方に用事が入っていてインタビューはできませんでした。他にも可能な日があったら調整してくれるといわれ、31日最終日が休みだったので、この日にでもと思ったけど、あいにく次の日に編集をやるというので、原稿の準備ができていないからあきらめました。
でも、今日31日のクロージングに行ったら、なんと、ワン・チエンユエンが主演男優賞を獲った! 時間の都合をつけて、取材しておけばよかったと後悔。
逃した魚は大きかった。ちょっと残念。


主演男優賞受賞のワン・チエンユエン (『鋼のピアノ』)と審査員のジュディ・オングさん
(クリックで拡大します)


2010東京国際映画祭 受賞者集合(クリックで拡大します)

(暁)

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1日(月) 怒涛の東京国際映画祭が終わった翌日、フィンランド映画祭で上映された『4月の涙』のアク・ロウヒミエス監督にインタビュー。会場の恵比寿ガーデンプレイスには、もうクリスマスのイルミネーションが輝いていました。早い!
4月の涙』の舞台は、1918年、フィンランド内戦の末期。女性たちも兵士として数多く参戦したことを始めて知りました。白衛軍の男性兵士が、捕えた赤衛軍の女性兵士を小船で湖をわたって連行するうちに心を惹かれあうようになる・・・という物語。戦争のむなしさと共に、女性のたくましさも感じさせてくれる素敵な作品でした。日本文化に憧れていたという監督、写真の背景に日本的なものがあればいいのにと残念がっていました。インタビューの模様はいずれお届けします。

4月の涙』2011年春、シネマート新宿、シネパトス銀座他 全国順次公開予定。


『4月の涙』アク・ロウヒミエス監督 (クリックで拡大します)

4日(木) シネジャ80号の原稿に追われる中、新大久保のグローブ座で行われた『7級公務員』(監督:シン・テラ)の試写へ。カン・ジファンとキム・ハヌル主演のアクションコメディ。恋人どうしの二人は、方や国家情報院の海外要員、方や国内要員。お互い身分を明かせず、誤解から二人は別れてしまいます。3年後、仕事の「現場」で鉢合わせますが、またまたほんとの気持ちを明かせない二人・・・  いろんなことを忘れて笑えるドタバタ喜劇でした。上映後には、グローブ座で公演中のミュージカル「カフェ・イン」に出演中のカン・ジファンが登壇。ファンを前に楽しく語ってくれました。素の姿が爽やかなカン・ジファンでした。 

夜、イラン大使館で開かれた平城遷都1300年祭記念コンサートへ。昨年も来日した伝統音楽のグループと嬉しい再会でした。山積みになった原稿のことも忘れ、魅惑的なペルシアの調べに酔いしれたひと時でした。さぁ、原稿の追い込みです!


ペルシア伝統音楽のグループ(クリックで拡大します)

(咲)

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2010年10月第5週
2010/10/31 (Sun)

10月30日(土曜)
朝から関東一帯の台風上陸で風雨が強い中、 恵比寿ガーデンシネマでフィンランド映画祭が開催された。 日本初公開ばかり7作品。 今週の11月5日金曜まで上映されている。まだ間に合うので、是非ご覧いただきたい。

オープニング作品
ツイステッド・ルーツ』サーラ・サーレラ監督・脚本/フィンランド
代々、アンティーク家具の修理店を経営して来たミッコは、 遺伝性疾患のハンチントン病が進行し、先行きが不安になっていた。 妻ミルハミは教師だが、実弟の借金を肩代わりさせられ、返済を迫られている。 夫婦の間にできた娘は高校生。 友人どうしで共同生活をしたいと、家を出たがっている。 そして中国人の養子ルミ。ルミは小学生だ。 その4人に、もう1人、ミッコの先妻との間にできた長男が加わり、 5人の織りなすシリアスな家族ドラマが、 フィンランド北部の冬の町を舞台に描かれている。
養子であるルミの存在が、この作品を暗くなる一歩手前でくい止め、バランスをうまく取っている。 皆、自分の悩みが限界に達するまで、溜め込んでいる。 長年、生活を共にしている家族でも、言葉にしないと解らないことだらけだが、 伝え方の言葉やタイミングが本当に難しいんだなと痛切に感じた。 妻ミルハミは、どんなに窮地に追い込まれているとはいえ、 「それを言ったら終わりじゃない?」と思うほど、痛烈な台詞を言う。 (それは観てのお楽しみだが、気の強い私でさえ、きっと言えない台詞…) うっかり言ったにしても、 家族は許し合えるのかと考え込んでしまったが、 幸せな気分で観終わることができたのは、養女ルミのおかげだ。 ありがとう!ルミ。


ヤコブへの手紙』クラウス・ハロ監督/2010年アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表作品
終身刑だった女性レイラは、恩赦で出所し、盲目の老牧師の家で働くことになった。 仕事は主に、信者から悩みを訴える手紙を読み、返事を書くことだ。 毎日届く手紙を楽しみにしているヤコブ。 出所を喜んでもいないし、手紙を読み書きするのも、嫌々なレイラ…。
昨夜オープニング・セレモニーの時に、ハロ監督が自作のことを少しだけ語られた。 その短い紹介の言葉に、ホロッとしてしまった。 この作品は来年1月後半に一般公開されるが、 いち早く観たいと、予定を変えて会場に足を運んだ。
古典的クラシック音楽が流れる中、ゆっくりとストーリーが進む。 ヤコブとレイラは無駄口も聞かず、気持ちは平行線だ。 毎日、簡単な挨拶と手紙を置いて行く郵便配達人も、 レイラが刑務所を出てきた女とわかり、恐く回り道をする。
(ちょっと眠くなった私。感動作品って思ったのに…)
しかし、 手紙が来ない老牧師が、生きる気概をなくしていくのを心配になったレイラは、 たまたま一通だけ来たカタログを見ながら、 自分の過去や悩みを、まるで人ごとのように訴える場面から変わる…。 これを書きながらも、迫るものを抑えることはできない。


危険なレシピ』ジョン・ウェブスター監督・脚本
地球温暖化を機に、ウェブスター一家(夫婦と幼い息子二人)はライフスタイルを変えないで、 石油化学製品を一切買わない、<オイリーフリー>の生活の実践を決めた。
ドキュメンタリー好きな私には、見逃せない作品。 この提案をしたのはジョン・ウェブスター監督自身だ。 奥様は渋々納得して、1年間の<車のない生活、プラスチック製品ダメ、ビニールラッピングされた食品ダメ、等々>の生活に突入。 生活必需品のほとんどが使用制限される中、 監督さん一家は大きく様変わりする。 時には夫婦喧嘩もしていたけど、ひとつの目標に向かって行けた家族が羨ましいなと思った。 それに、自分の生活を考えてみるきっかけにもなる。 自動車は持たない、テレビは見ない、化粧もしないから、 少しは温暖化阻止につながってるかなとひとりニンマリしてしまった。

(美)

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東京国際映画祭で連日六本木に通った充実の1週間でした。たくさんの作品の中から何を観よう・・・と悩みながらスケジュールを組みましたが、今年観た作品は、ほとんどハズレなし。特に『サラの鍵』『神々と男たち』『風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』が心に残りました。パン・ホーチョン監督の『恋の紫煙』も絶品でした。
映画の合間にインタビューや記者会見、上映後のQ&Aの取材と連日びっしりのスケジュール。世界各地の映画人から直接お話を聴ける貴重な機会、両親の食事のことも気になるけれど、映画祭優先!
そして、映画祭が終わると、いよいよシネマジャーナル80号の編集です。昨年、本誌発行月を4月、8月、12月から2月、6月、10月に変更したのですが、これだと東京国際映画祭の記事を翌年の1月にまとめることになってしまいます。年を越してしまい、どうにも気が抜けると、10月発行を11月発行に変更して、東京国際映画祭の記事を入れることにしました。定期購読の皆様、どうぞご了承ください。

さて、この日記がアップされる頃には、各受賞作品も決まっていますね。今年東京サクラグランプリに輝くのはどの作品でしょうか。観客賞は、金曜日の最後にもう一度観た『サラの鍵』が受賞! 素敵な監督さんでした。ぜひ一般公開してほしい作品です。

★インタビューした方たち★

24日  アジアの風『ドッグ・スウェット』(イラン)
ホセイン・ケシャワルズ監督、共同脚本・プロデュースのマルヤム・アザディさん
二人は一緒に映画を作るうちに友情が愛情に発展してご結婚。男3人がウィスキーの話で盛り上がっている場面で始まる本作、同性愛、不倫、女性のボーカルなど、イランでタブーだったり禁止されているテーマに挑戦。女性が部屋の中でスカーフを脱いでいる姿をちゃんと映す一方、信心深い女性が部屋の中でもスカーフをしている姿もみせていて、ほんとのイラン人の生活を垣間みることができます。


『ドッグ・スウェット』ホセイン・ケシャワルズ監督(左)、マルヤム・アザディさん

24日 コンペティション『ゼフィール』(トルコ)
ベルマ・バシュ監督、シェイマ・ウズンラルさん
自然の美しさ、母と娘の関係を描いた作品。「監督ご自身とお母様との関係は?」とお伺いしたら、「愛されている子で幸せ」と、本作にも出演しているご両親のことを語ってくださいました。子役のシェイマさんが大好きな映画はトルコで有名なコメディアンが出ている映画『AROG』や『GORA』。「そういう映画に出てみたい?」と聞いたら、「もちろん!」と目を輝かせていました。


『ゼフィール』ベルマ・バシュ監督(右)、シェイマ・ウズンラルさん

26日 コンペティション 『フラミンゴ No. 13』(イラン)
ハミド・レザ・アリゴリアン監督、ラスール・ユーナン氏(脚本・俳優)、バラン・ザマミさん(女優)、フーマン・アーマディ・トフィギさん(プロデューサー)
キアロスタミ監督作品に必ず出てくるジグザグの道をアリゴリアン監督も再現。紆余曲折のある人生を象徴した道です。結婚したのにフラミンゴを追いかけて消えてしまうソレイマンを演じたラスールさん。いまだに詩や文学の世界を追いかけて独身だと語ります。クルド人のバラン・ザマミさんは、小さい時から強く生きなければいけないと教育されてきたそうで、まさに映画の中の一人強く生きるタマイそのものでした。


『フラミンゴ No. 13』左からバラン・ザマミさん、ラスール・ユーナン氏、ハミド・レザ・アリゴリアン監督、
助手のナデールさん、フーマン・アーマディ・トフィギさん

26日 natural TIFF『四つの命』(イタリア=ドイツ=スイス)
ミケランジェロ・フランマルティーノ監督
セリフを排除した静かな映画。撮影した場所は?とお伺いしたら、いきなり足を組んで、長靴型のイタリアのこの辺・・・と、自分の靴を指差されました。物静かな映画と対照的に、実に饒舌な方でした。


(左)『四つの命』ミケランジェロ・フランマルティーノ監督            
(右)『四つの命』撮影場所を教えてくださるミケランジェロ・フランマルティーノ監督

詳細記事は、シネジャ80号で! (頑張って書かなくちゃ・・・)

(咲)

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2010年10月第4週
2010/10/24 (Sun)

22日(金) 『スプリング・フィーバー』が11月6日から公開されるのを前にロウ・イエ監督が来日。東京国際映画祭で手一杯だけど、これはなんとしてもお会いしたい!と、時間をいただきました。7月に主演俳優、チン・ハオ(秦昊)さんとチェン・スーチョン(陳思成)さんにお話を伺った時に、「ロウ・イエ監督は映画を撮る為なら、どんな貧乏でも厭わない清貧な方」というスーチョンさんに対し、「いや、満ち足りているけど、それ以上の財産や蓄えを得ようとは考えない方」とチン・ハオさんが反論して二人の意見は平行線。監督に二人の会話をお伝えしたら大笑い。(どう答えたかは、いずれインタビュー報告記事で!) あと、もう一つ、スーチョンさんも監督もレスリー・チャンが大好きで、『欲望の翼(阿飛正傳)』でレスリー演じたヨディが上目使いで鏡を見ながら櫛で髪の毛を整えたあと下着姿でチャチャを踊る場面をオマージュとして入れたと伺っていたので、監督のレスリーへの思いも伺いました。「存命だったら映画出演をオファーしますか?」との問いには、「勿論!」。役柄はレスリー・チャン自身とのことでした。あぁ~残念! 


『スプリング・フィーバー』ロウ・イエ監督(クリックで拡大します)

この日は、『ハーモニー 心をつなぐ歌』(2011年1月、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国にて公開)がコリアンシネマウィークで上映されるのに合せて来日したカン・テギュ監督にもインタビュー。韓国・清州女子刑務所に実在する合唱団をモデルに物語を構成。刑務所内で出産し、いずれは手放さなければならない子を育てる女性を演じたキム・ユンジン。わが子も泣いてしまうほどの音痴。これまでにないコミカルな演技が光ります。そのほか、家庭内暴力で偶発的に人を殺してしまうケースが多いこと、死刑執行、女囚と家族の関係など様々な問題を、暗く重くせずに世間に訴えかけてくれる、ちょっとほろっとする作品です。


『ハーモニー 心をつなぐ歌』カン・テギュ監督(クリックで拡大します)

23日(土) 東京国際女性映画祭のオープニング作品『家族との3日間』を観てから、東京国際映画祭のグリーンカーペット取材に走り、スチールの最終受付に滑り込みました。 という次第で、今年も沿道に陣取ることになり、フォトセッションの順番を待つゲストの方たちのくつろぐ姿や、フォトセッションの後姿をばっちり撮ることができました。(トホホ)  昨日お会いした『ハーモニー 心をつなぐ歌』のカン・テギュ監督もキム・ユンジンさんと歩いて来られたので、お声をかけたら手を思い切り振ってくださいました。

私の隣で取材していたドイツ人の記者の方が、「彼女は誰?」と聞いてきた女性が2人。藤原紀香さん、ジュディ・オングさんでした。確かに華がありました。 さて、東京国際映画祭もいよいよ本番。体力勝負の1週間になりそうです。

(咲)

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2010年10月第3週
2010/10/17 (Sun)

13日 チリの鉱山事故で閉じ込められた33名の方の救出が始まった日に観たのは、『信さん 炭鉱のセレナーデ』。炭鉱で生業を立てている九州のとある島が舞台。離婚して都会から子連れで帰郷してきた綺麗なお母さんに憧れる少年信一。その子が青年に成長すると、小雪さん演じるお母さんも彼にほろっとしてしまう。そう、20歳の歳の差なんて、歳を取ってしまえばなんてことない! 時は、昭和の30年代後半から40年代。信さんが口ずさむ「鉄人28号」の歌が懐かしかったです。そして、この物語のラストは炭鉱事故。あの時代、よくテレビのニュースで目にした出来事でした。

>> 作品紹介

14日 チリの鉱山で33名の方すべてが救出されました。この日観たのは『[リミット]』。イラクで民間トラックドライバーとして働くアメリカ人のポールが何者かに襲われ、棺に入れられて地中に埋められるという話(原題は『BURIED(埋められた)』)。携帯電話で米国関係当局に必死になって助けを求めるけれど、電話はたらい回し。チリで大統領が音頭を取って救出に当ったのとは大違い。画面はずっと地中の棺おけの中。地中の狭いところに長い間閉じ込められていたチリの方たちの思いをぐっと感じさせてくれる映画でした。(あ~しんど!)

>> 作品紹介

16日 私が事務局を預かる日本イラン文化交流協会主催の講演会。「チャランポランのルーツは、ペルシア語のCharand-parand ?」という演題で上岡弘二先生にお話していただきました。どちらも、「たわごと、ざれごと、いいかげん」の意味で音がとても似ています。奈良時代に渡来した胡人(ペルシア人)がしゃべっていた言葉から借用したという、まことしやかな説もあるのですが、言語学的に分析すると違うということがはっきりわかりました。
上岡先生によれば、比較言語学の原則
1.素人は音の似ているものを比べ、プロは音の似ていないものを比べる
2.素人受けする魅力的な説はインチキである
とのことです。世の中、素人受けする話を鵜呑みにしているケースが多々ありますね。
チリの鉱山事故からの救出劇は感動物語でしたが、裏に潜む様々な問題を考えると、ただただ感動しているだけでは済まないなぁ~と、しみじみ。

(咲)

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2010年10月第2週
2010/10/10 (Sun)

昨日(10/9)は東京国際映画祭のチケット売り出し日。前々日に映画祭プログラムをゲット。前日の8日は会社から帰宅する途中、翌日行く予定のぴあの下見に行き、サンクスにも調査に行き、結局ぴあで買おうと決めた。

プログラム検討に入ったものの、見たい作品を書き出したり、見たい作品が集中している23,24日は何を優先するか散々迷ったりしているうちに時間がたち、気がついたら3時半過ぎ。3時55分に布団に入り、4時15分に一緒にチケット買いに行こうと連絡しあった友人からの電話で起床。なんと20分横になっただけ。タクシーで吉祥寺のチケットぴあに向う。電車が動く前に並ぼうと思ったから。

5時ころ着いたら先客がいて、結局私たちは3,4番目。それでもそのくらいなら、なんとか見たい作品がいくつか取れるのではないかと思ったのに惨敗。友人は第一希望の『モンガに散る』が取れず、第2希望の『台北カフェ・ストーリー』も取れず、結局第3希望の31日日曜日の『重慶ブルース』が取れたという状況。

私は、23日土曜の『イップマン』をあきらめ、会社を休むことにして、金曜日昼間の『イップマン序章』、『イップマン 葉問』と、その日18:20~の『愛に関するすべてのこと』のチケットを狙ったのだけど、すべて取れずがっかり。平日昼間の上映なのに取れないなんて、そりゃないよと思った。こんなに早くから並んだのになんだったの!という一日だった。知り合いに聞いても、ほしいチケットが買えなかったという人が多かった。

チケットが取れなかったのは、自分の調査不足や、チケット売り場の人の不手際もあるとは思うけど、基本的に上映会場の狭さが大きいと思う。調べてみたらTOHOシネマズ六本木ヒルズで、だいたい80席~645席、シネマート六本木で52席~165席くらいと、渋谷でやっていた時と較べたら会場の広さが全然違う(シアターコクーン747、オーチャードホール2,150!)。映画祭が六本木に移った事情は知らないけど、せめてもう少し広い会場がある場所での映画祭開催を望む。

それに、プレリザーブの発売も大きいのでは。それによって一般売りが少なくなっている。聞くところによると1枚のチケットに付き500円以上の手数料がかかるとか。ぜひ観たいというファンの心理を利用したこの売り方は、この映画祭に限らない。それが日常化していることに疑問を感じる。

この観たくても観ることができない状況、なんとかしてほしい。

(暁)

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9日(土) 東京国際映画祭の前売り開始日。以前は友人たちと手分けしてチケットを買いに走ったものですが、今はプレス試写に甘んじている私。どうしても観たい作品は自分で確保しないと観られないことも多いのですが、早起きする気力がなくてダメですねぇ・・・。イラン人の友人に頼まれていたチケットを外出したついでに12時過ぎに買いに行ったら、『ドッグ・スウェット』はぴあで最後の1枚をゲットできたけど、『フラミンゴNo.13』は売切れでした。暁さんは朝早く行ったのに惨敗と泣いていますが、皆さんは、観たい映画のチケットを確保できましたか~?

人のチケットだからと油断したことを反省しながら、クラス会の集合時間の1時ぴったりに駅に着いたら、すでに皆集まっていました。福岡、鹿児島、信州からも出てきてくれて、大学の同級生7人でのクラス会。ランチの時から男性軍はさんざん飲んで、わいわい騒ぎながら大学の跡地や、同級生の一人が下宿していたアパートを訪ねたりしました。大学は移転して、跡地は老人ケア施設と公園になってしまっているのですが、アパートは健在。あっという間に数十年前に引き戻されました。この後も、夜の宴会にカラオケと、縁あって4年間の学生生活を共にした仲間との楽しいひとときでした。

今週は、6日に『半次郎』企画・主演の榎木孝明さんに思いもかけずインタビューの時間をいただけて、1年ぶりの嬉しい再会でした。『半次郎』では、西郷隆盛役の方を公募で選んでいるのですが、最終オーディションを行った鹿児島の映画館に西郷さんがずらり・・・という話が楽しかったです。そも、鹿児島には西郷隆盛に似た風貌の人が多いとも伺ったので、鹿児島から出て来た大学の同級生に聞いてみたら、やっぱりそうだとか。思えば、その同級生も濃い顔立ちでした!

半次郎』は、九州での9月18日からの先行上映に続き、10月9日から東京他全国で上映が始まりました。


榎木孝明さん(クリックで拡大します)

(咲)

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2010年10月第1週
2010/10/3 (Sun)

24日深夜熊本から帰った翌日、イラン大使館主催の「日本国明治期遣波使節団130周年記念講演会」へ。明治政府が初めて中近東に公式使節団を派遣して今年で130年。受け入れたカジャール朝ペルシアのナーセロッディーン・シャーは、「日本とイランはアジアの東と西」という言葉を残しています。この講演会には、130年前に国を代表してイランを訪問した吉田正春氏や横山孫一郎氏のお孫さんも列席され、なんとも感慨深いものがありました。 (が、旅の疲れで講演会の最中にしっかり寝てしまった私でした・・・)


日本国明治期遣波使節団一行の写真

26日 シネジャ主催のフリマ。準備期間が短かったので、あまり宣伝もできず心配していましたが、トークの時間には、新宿で開かれていた「哥哥的一天」が終わって駆けつけてくださった方たちも大勢いて、会場いっぱいになりました。「張國榮跨越97演唱會」の映像をバックに語ってくださった遠藤さん。レスリーを知ってまもなく、香港のこのコンサートで前から2列目で握手してしまった遠藤さん。この人と会いたい!と、中国語を勉強し始め、「中国人は偉い人にしか会わない」と聞いて、ひたすら上を目指して働いてきたそうです。 思えば私の人生も、レスリーを知ってから色々と変化がありました。会場にいらした皆さんにも、そんな思いがよぎったひと時ではなかったでしょうか。
また、フリマの店頭でも、読者の皆さんと直接お話することができて楽しかったです。フリマ&トークにご来場くださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。またいつか、アジア映画ファンの皆さんと、交流を深める時間を持てればと願っています。


トーク「DNAが変わった日」の様子を後ろからそろっとお届けします

(咲)

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2010年9月第4週
2010/9/25 (Sat)

20日から「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2010」に行って、24日深夜熊本から帰ってきました。今回、映画祭は3日間だけしか参加しなかったのですが、西アジアを中心に5組の方にインタビューしたり、福岡や東京の映画ファンの人たちと居酒屋で映画談義したりと充実のひと時を過ごしました。

福岡観客賞は、タジキスタン映画『トゥルー・ヌーン』。ノシール・サイードフ監督には、昨年、NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映された折にお会いしていて、嬉しい再会でした。インタビュー記事を掲載した78号をお渡しして、「今回は観る時間が残念ながらない」とお伝えしたら、「昨年観てくださっているから充分。どうぞ他の映画を観て」と優しいお言葉。観客賞のトロフィーを手に、「監督にとって何より励みになる賞」と嬉しそうに語っていました。



イラン マジド・マジディ監督
映画祭20周年を記念して、マジド・マジディ監督特集が組まれ、新作の準備で忙しい中、大好きな福岡に駆けつけてくださいました。


セレモニーホール』(イラン)アブドレザ・カハニー監督
名優パルウィズ・パラステュイが「セリフが少ないのが気に入った」と主演を快諾してくださったと、やんちゃ坊主のように笑う監督でした。


私のテヘラン』(イラン・オーストラリア)グラナーズ・ムサウィー監督と主演女優のマルジエ・ワファメールさん。どちらも美人!今度はマルジエさんがグラナーズさんを主演に映画を撮りたいと語っていました。


まぼろしの砦』(アゼルバイジャン)シャーミル・ナジャフザデ監督
ソ連時代はどこの町や村にもあった映画館が、崩壊後に激減。今や、バクーに2軒しかないと嘆いていらっしゃいました。


11時10分前』(トルコ)ペリン・エスメル監督
新聞や時計のコレクターの実の伯父を主人公に撮った作品。日本ではお気に入りの遺品を一緒に燃やすと知って、伯父に聞かせたいと興味津々の監督でした。


観客賞を受賞した『トゥルー・ヌーン』(タジキスタン)ノシール・サイードフ監督

22日夜、観客賞授賞式の取材を終えて、大分へ。翌日、やまなみハイウェーをバスで走って阿蘇山に行ったのですが、霧とガスで火口は見られませんでした。(東京は大雨だったそうですが、阿蘇のふもとは晴れていたのです・・・) 内牧温泉の「阿蘇の湯」に泊まって、美味しいお料理に舌鼓。温泉もつるつるのいいお湯でした。翌日は快晴! 阿蘇の火口に再挑戦。エメラルドグリーンの神秘的な火口湖から、もくもくと白い煙が立ち上って迫力ありました。


(左)阿蘇の麓は晴れていたのに、霧とガスで火口規制中の看板にがっかり!
(右)翌日、リベンジを果たして観た阿蘇の火口             


アジアフォーカスの旅の締めは熊本城。歩き疲れた~

さて、いよいよ明日26日(日)は、シネジャ主催のアジア映画ファンのフリマ&トークです。トーク レスリー・チャン迷 遠藤智子が語る「DNAが変わった日」の当日申込みは、レスリー・チャンのグッズコーナーで受付けます。整理番号を配布しますが、予約の方が優先になります。どうぞご了承ください。皆様のお越しをシネジャ一同楽しみにお待ちしております。

(咲)

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9月19日(日曜)

名古屋駅から深夜バスで福岡(アジアフォーカス映画祭)へ行く。8時半から翌朝7時半までの11時間の長距離だが、新幹線往復ジパング3割引でも、こちらが6000円安い。バス往復切符を買う。行きはデラックス・シートにした。2時間おきに休憩がある。売店の人の言葉が、少しずつイントネーションが違ってくるので面白かった。予定どおり博多駅に着く。歩いて5分のアパホテルで荷物を預けて、トイレで体を拭き、下着を替えて身だしなみを、整える。まず落ち着いて喫茶店でゆっくりする。今日はこれから4本だから、栄養ドリンクも飲む。いざ!会場へ。


9月20日(月曜)

『夢追いかけて』リリ・リザ監督/インドネシア/日本初公開
ブリトン島に住む三人の子どもたちの成長物語。夢に向かって高校へ通う三人に、親の失業という現実が立ちはだかる。
○リリ・リザ監督と聞いて女性監督と思っていたらなんとヒゲの男性監督!この監督は昨年上映された『虹の兵士たち』で、今年の作品は続編。憧れのフランスのソルボンヌ大学を、何年も貧しい生活をしながらお金をためて、やっとフランスにたどり着き、それから苦学して、大学を受験する。その道のりの中で成長する若者の姿を爽やかに描いていた。

『セックスワーカー』ハーマン・ヤウ監督/香港/日本初公開
ナイトクラブで働くホステスたちの現実を通して、中国返還後、本土からの出稼ぎ者の流入で、次第に変わっていく香港社会を描いている。
○どぎつい言葉がポンポン飛び出すので驚く。体を売る交渉もうまく、元締めのママにも負けてはいない。全体的にからっとしているので惨めさはない。一番やさしい人が、ゲイの青年だったのが皮肉だった。

『セレモニーホール』アブドレザ・カハニー監督/イラン/日本初公開
葬祭場の閉鎖に追い込まれた精神科通院中の経営者。一方、職場を失いそうになった従業員は生き残りを考え、経営者は閉鎖を思いとどまるのだが…。
○深夜バスのせいか?ほとんど寝てしまった。すみません・・・。観た方の評判は良かった。

『手のとどく限り』ハム・ギョンノク監督/韓国/アジア初公開
障害者施設で過ごす身体不自由な者同士の恋。妊娠したことから、性的暴力を疑われる。健常者の善意に鋭いメスを入れる、一種挑戦的な作品。
○途中で逃げ出したくなった・・・。こんな気持ちになった作品ははじめて。映画の始まる前、前の方の声がやかましいので気になっていたが、主演の体の不自由な女の人が来場しておられたのだ。映画が始まり、介護施設の彼女の生活、同じ施設の彼と隠れてセックスするのもカメラは捉えていた。どこまで演技なのか、ドキュメンタリーなのか解らないが、観たあと、途中退場しなくて良かったと思った。

最後の作品で興奮して目はパッチリだが、今夜はおとなしく帰って、とホテルに着く手前約200歩に天然温泉(700円)があった。ホテルに一度帰り、ホテル備え付けのタオルをこっそり持ち出して温泉へ。30分ぬる湯につかり、マッサージ器で疲れを出してから、ぐっすり寝た。


9月21日(火曜)

『10月のソナタ』S・ウィットゥラニット監督/タイ/日本初公開
偶然が重なり、惹かれあうようになった男女の恋物語。2年後の10月に会おうと約束し、二人は別れる。時は民主化運動のさなか。5年後、ようやく再開した二人は……。
○主演の女優さんの美しいこと!17歳から60歳過ぎまでを演じていたが、髪型や化粧で違和感なくストーリーの入り込んでしまった。と、いっても話は珍しくない恋愛すれ違いもの。女優さんの黒々とした大きな瞳の魔力に、朝から酔ってしまった。

『11時10分前』ペリン・エスメル監督/トルコ、フランス、ドイツ/日本初公開
古いアパートで何十年もの間集め続けたおびただしい数の新聞紙に埋もれて暮らす孤独な老人。一方、田舎から出てきたばかりで最初は老人の雑用をさせられていた管理人は、次第に自分の夢を持ち始める。
○福岡に来て良かったと思った作品。監督さん(美人+センス+気さく)のインタビューも同行させていただいた。シネジャ80号をお楽しみに。

『ありふれた話』A・スイッチャーゴーンポン監督/タイ/日本初公開
身体麻痺の青年は介護を通じて、触れ合い語り合うことで、人間性を快復していく。幻想的な映像で巧みに表現される精神世界には、宗教的体験にも通じるものが感じられる。
○暗くて、俳優さんが地味で、また寝てしまった。

『豆満江』チャン・リュル監督/中国/日本初公開
北朝鮮との国境である豆満江沿いの村に住む12歳の少年と、危険を冒して豆満江を渡ってくる北朝鮮の少年の物語。脱北者の事件が増えるにつれ、子どもたちの友情にも亀裂が走りはじめる。
○中国側もほとんどが朝鮮語を話し、食べるものも同じなので区別がつかなかった。サッカーをしている姿に、『クロッシング』を思い出した。

この日の夜は福岡映画同好の皆様と美味しいお刺身などをいただく。映画の話をしていると、本当に楽しい。


9月22日(水曜)

『私のテヒラン』グラナーズ・ムサウィー監督/イラン、オーストラリア/日本初公開
オーストラリア人の恋人と結婚して、社会的制約が厳しいイランの生活から脱出しようとする主人公の女性。ある日、出国のための健康診断でHIV感染がわかる。恋人は離れていくが、出国の希望は捨てなかった。
○エイズに罹っていたと知り、激怒した恋人と、「そんなはずない!何かの間違いだ!」と泣き喚く女性・・・。その時、いつも生活の邪魔をしていた隣の女の子が、自分の知る限りの言葉を使い、一生懸命に喧嘩を止めさせようとしていたシーンが印象に残っている。

『ばあさん』ブリリャンテ・メンドーサ監督(『どん底』)/フィリピン/日本初公開
ローラとはタガログ語でお婆さんの意味。殺人事件の被害者と加害者。ふたりの孫息子をめぐり、ふたりの祖母が対峙し、それぞれの主張が交錯する人間ドラマ。
○ここまで雨が降るかぁ?と思うぐらい大雨の連続。2人のお婆さんの性格は違うが、生活の苦しみは同じ。だからこそ話が上手く収まった。日本ではちょっと考えられないが、国の事情が透けて見えて興味深かった。

『月はどっちに出ている』崔洋一監督/日本/1993年
普通の会社で働けない男ばかりがいるタクシー会社で働く運転手の在日コリアン人。彼は母の経営するフィリピンパブで働くホステスと彼女の部屋で押しかけて同居してしまう。
○大画面で観たのははじめて。ルビー・モレノのたどたどしい関西弁が妙の耳に残った。

帰りの深夜バスは、8時半に出て1時までぐっすり。今回の福岡行きの大失敗は携帯をトイレに落としちゃったこと。それ以外はあまりお金も使わず、温泉も2回入ったし、満足だった。福岡の映画同好の方と、また来年!と固く約束してお別れした。

(美)

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2010年9月第3週
2010/9/19 (Sun)

11日 秋田・角館へ。東京は晴れていたのに、東北は大雨。角館から、ドラマ「アイリス」でスンヒ(キム・テヒ)と北の諜報員ソンファ(キム・ソヨン)が銃撃戦を繰り広げた秋田内陸縦貫鉄道に乗って、松葉にある旧ユースホステルへ。設立40周年を祝って、かつての常連が集まりました。ビョンホンのファンの方から頂いたアイリス・ロケ地巡りの小冊子は、常連仲間に大受け。何しろ、若い頃よく遊び歩いた場所がロケに使われているのですから。でも、この小冊子、角館ではもう入手できませんでした。角館の町のあちこちには、ハングルを併記した道案内も出来ていて、「アイリス」効果を感じましたが。大雨の中、やっぱり辰子姫は見たいねと、車を連ねて行って来ました。「アイリス」に回想シーンで何回も出てきましたが、神秘的で素敵な田沢湖の味わえる場所です。


  角館・上級武士の邸宅 門構えも立派       角館・下級武士の家 こちらは観光客も少なめ


(左)角館の町中の看板にハングルが併記されてました!                    
(右)秋田内陸線角館駅にもドラマ「アイリス」の名場面の写真が (光っている左端が辰子姫の像)


(左)「アイリス」で女どうしの銃撃戦を繰り広げた秋田内陸線の車内(残念ながらロケに使った車両ではありません)
(右)「アイリス」に何度も登場した辰子姫の像                                

16日 東京フィルメックスのラインナップ発表記者会見へ。角館の後、羽後本荘に住む高校時代の親友と19年ぶりに会って、しゃべり通したせいか、帰ってから一日休養したのに疲れが取れてなかったのですが、フィルメックスの内容がいち早く知りたい!と行ってきました。初回からイラン映画を上映してきたフィルメックス。今年もイラン映画『ハンター』がコンペ作品に入っていて、ほっ! キアロスタミ監督がイタリアで撮った『贋作』も。アモス・ギタイ監督特集も嬉しい。11回目を迎えた東京フィルメックス、新しい試みもあって盛りだくさん。今から楽しみです。
詳細はHPでご確認ください。 http://www.filmex.net


「第11回東京フィルメックス」ラインナップ発表記者会見     
前列右より内田伸輝監督、園子温監督、想田和弘監督、白鳥あかねさん
後列右より市山尚三さん、林加奈子さん              
(クリックで拡大します)

夜、第7回ラテンビート映画祭のオープニング作品『Paper Birds(英題)』を観に新宿バルト9へ。映画は、スペイン内戦で妻子を亡くした喜劇役者と、両親を亡くした男の子の交流を描いたヒューマンドラマ。久しぶりに映画を観て泣いてしまいました。翌日、エミリオ・アラゴン監督と、出演女優のカルメン・マチさんにインタビューできることになってお会いしたら、二人とも駆け寄って抱きしめてくださって、右と左の頬に交互にチュッチュッの挨拶。(あ~ これって、イラン人と一緒だ!) 陽気にたっぷり語ってくださったお二人の話は後日お届けします。
◆ 『Paper Birds(英題)』 2011年秋、銀座テアトルシネマ他全国順次公開予定)


『Paper Birds(英題)』エミリオ・アラゴン監督(右)と、出演女優のカルメン・マチさん
(クリックで拡大します)

さて、20日からアジアフォーカス・福岡国際映画祭に行ってきます。帰ってきたら、もうシネジャ主催のフリマです。(アジアフォーカスでのインタビューの準備も、フリマの準備も終わってない・・・ 汗) フリマには、お宝をたくさん持っていそうな方も出品してくださることになりました。どうぞ、皆様、宝探しにいらしてください。遠藤智子さんのレスリーの話が聴けるのも貴重な機会です。ご来場をお待ちしています。 フリマの案内→ 8/29のスタッフ日記, チラシ(pdf)

(咲)

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2010年9月第2週
2010/9/12 (Sun)
クーラー無し!蚊取りせんこうの臭い漂う映画祭

暑い名古屋から、これまた暑さでは負けていない京都に映画祭に出かけた。
目指すは京都大学の西部講堂。『関西クィア映画祭2010』(クィアとは、奇妙なとか変なという意味) が開催されているので、2作品だけ観に行った。
初めての西部講堂。なんとぶっこわれそうな古い建物。驚いてパンフレットを見ると書いてあった! 「西部講堂は今にも壊れそうな建物です。木製の椅子で固く、おまけに空調がありません。その変わり、自由があります」と。これ、読んでたらきっと来なかった…。

中には、マットの上にゴロンと横になって観ている方もいて、寛いで?深刻な作品を観ている。 空調はなくても思うほど暑くなく、我慢できたし、お茶も無料で置いてあった。 だが蚊には悩まされた。蚊取りせんこうの臭いと汗が混じった独特な臭いは、なかなか乙なものだったが…。


『刑務所のトランスジェンダー』ジャネット・バウス監督他/アメリカ/2006/日本プレミア上映
アメリカの刑務所では外性器だけで、性別を分けるので、 手術をしていないトランス女性は男性房に収容され、様々な被害を受けている。 このドキュメンタリーは、彼女たちが直面する困難を描いている。

○彼女たちといっても、化粧はしているがどこから見ても変わったおじさんから、 「えっ、元は男の人?」と、びっくりするほど魅力的な人までいて、それぞれの刑務所体験が語られた。 特に深刻なのは、女性らしさを持続するため、毎日彼女たちはホルモン剤を服用しているが、 服役中は許可されない。申請しても病気と見なされないからという理由だ。 薬を飲まないと、みるみるうちに、ひどい更年期障害の様な病状が出て、自殺したり、自傷行為をする。 ある人は『ヘドウィク・アンド・アングリーインチ』のように苦しみの余り、自分で切ってしまう人もいた。 今では、長い年月の彼らの裁判で、アメリカもほとんどの州が、ホルモン剤だけは出すようになった。 この作品は<体は男だが、気持ちは女>だが、<体は女だが、気持ちは男>の方の刑務所はどうなっているのだろうか。


『ココデナイドコカ』中川あゆみ監督/日本/2010
同棲していた恋人との別れ、将来の仕事、母親との確執、新しい恋人、楽しいゲイパレードやクラブイベント。 楽しいことも悩むこともある日常生活を、姉である監督のカメラが至近距離から撮影したドキュメンタリー。

○弟を丁寧に撮っているが、食い込み方が物足りない。語りは弟ばかりで、姉の問い掛けや対話がない。 と思って観ていたら、カメラは優秀で信頼しているカメラマンに撮って貰ったとトークで聞き、私の不満の原因がわかった。
(紹介文には監督がカメラを・・・と書いてある)
弟が精神安定剤を飲み続けている様子を姉はどう見ていたのだろうか。 弟の将来を見守り続けるであろうメッセージも感じられなかった ドキュメンタリーは、監督の目(カメラ)で撮ってほしいものだ。

あ~、京都土産は、蚊にくわれた痕が4つだった。(美)

(美)

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30日(月)9日 『スープ・オペラ』の試写へ。35歳独身のルイ(坂井真紀)は、育ての親である叔母のトバちゃん(加賀まりこ)が若い男と恋に落ちて家を出てしまい、ひとりぼっちに。そこへ自称画家のちょっとあやしい男・トニー(藤竜也)と、いつもにこにこ笑っている青年・康介(西島隆弘)が転がり込んできて、奇妙な共同生活が始まります。トニーが、ルイにしみじみと「結婚って、エジプトのバスのようなもの」と語り始めて、思わず身を乗り出した私。「エジプトのバスって、いつ来るかわからない。来ても止まってくれない。ちょっと減速してくれるの。そこに、えいっと飛び乗るの」。 ふ~む、面白い例えだと思いながら、もっといいバスが来るかも~と、乗り過ごしてきた我が人生が頭をよぎりました。でも、この映画の加賀まりこ演じるトバちゃんの例もあるから、今度バスが来たら乗ってみるのもいいかな。(かなりガタのきたバスが来そうだけど! あ、私もガタがきてるので、飛び乗るのは大変!)

この日は試写に行く前に、香港に行ってみたいというSさんと有楽町の国際ビルに入っている香港政府観光局で待ち合わせ、その足で地下にあるトルコ料理「トプカプ」で美味しいランチをいただきました。香港の話をしていたら、私も行きたくなってしまいました。12日はレスリー・チャンの生誕日。香港に飛ぶレスリー迷も多い中、私は秋田・角館です。去年、11月第3週のスタッフ日記で、秋田の旅を報告したら、イ・ビョンホンのファンの方が「それって、ドラマ〔アイリス〕のロケ地です」と、秋田県が作ったアイリス・ロケ地巡りの小冊子をくださいました。ありがたや、読者の方! 

(咲)

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2010年9月第1週
2010/9/5 (Sun)

30日(月) 高知のよさこい祭りをモチーフにした『君が踊る、夏』の試写。 土佐弁って語尾に「き」を付けることが多いんだ~と、初めて知りました。地元の人が聞いたら、ちょっと違和感があるのでは?と思いましたが、役者さんたちがすごく頑張っているのは認めてあげたいと思いました。先日試写で観た『ふたたび ─ swing me again ─』は、我が故郷神戸が舞台なので、とても楽しみにしていたら、風景は確かに懐かしい神戸なのに、言葉が標準語。神戸であって、神戸でないように感じてしまいました。実はこのところ、映画で使っている言葉が気になる作品が続いてます。『わたしの可愛い人 シェリ』は、20世紀初頭、ベル・エポックのパリが舞台なのですが、使用言語が英語。ミシェル・ファイファーにフランス語で語らせる方が変か・・・と思いつつ、これがパリと言われてもねと。そして、ロシアの文豪トルストイの最期を描いた『終着駅-トルストイ最後の旅-』も、英語。こちらもヘレン・ミレンやクリストファー・プラマーにロシア語を話せというのは無理。ま、それが映画だと言ってしまえば、それまでですが・・・。(言葉のことを除けば、どの作品もお奨めの素敵な作品です。)

3日 『友川カズキ 花々の過失』(ヴィンセント・ムーン監督)を試写で拝見。歌手であり画家・詩人である秋田出身の友川カズキが、かつて大島渚監督から『戦場のメリークリスマス』への出演をオファーされた時に、「訛りをなおしてください」と言われ、「言葉をなおせということは、血液型を変えろというようなもの」と出演を断ったというエピソードがありました。言葉って、それくらい大事だよなぁ~と。


さて、中東ミニ博物館の常連仲間である草間徹雄さんの写真展第二弾が東京都健康プラザハイジアで開かれていますので、ご紹介します。 場所は、歌舞伎町のTOKYU MILANOビルの裏手。歌舞伎町に映画を観にいくついでに、ちょっとお寄りいただければ嬉しいです。


(クリックで拡大します)

草間徹雄写真展
中国少見―青海省・貴州省・広西チワン族自治区の情景―
2010年8月21日(土)-9月23日(木) 10:00-19:00
場所:東京都健康プラザハイジア 1階ロビー
西部新宿駅北口より徒歩2分
JR新宿駅東口より徒歩5分
http://www.hygeia.jp/images/event/kusama_201008.pdf
(このサイトで、20枚位の写真が見られます。会場には、100枚位展示されています。)



(咲)

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2010年8月第5週
2010/8/29 (Sun)

29日(日) 今もレスリー・チャンを熱く語り継ぐNEXT CLUB HONG KONG主催の「哥哥的一天」に久しぶりに参加してきました。水田菜穂さんによるトーク「香港映画を召し上がれ」でお腹いっぱいになったあとは、レスリーに酔いしれる至福のひととき。 会場の片隅でシネマジャーナル79号を販売しました。遠藤智子さんによる「追悼 張國榮 いつものように香港で、ということだ」の記事を掲載した号で、ファンの方たちが多数お買い上げくださいました。皆様、ありがとうございました。

さて、昨年8月23日にシネジャ主催で開いたアジア映画ファンのためのフリマが楽しかったので、今年も開催することにしました。 その後、レスリー・チャンや金城武のグッズを追加でいただいたり、(暁)さんが引越しをして、泣く泣く手放さなければならないアジア映画のチラシなどが大量にあったりという事情もあるのですが・・・。 今回の目玉は、毎年レスリー・チャンの命日である4月1日には、何があっても香港に駆けつけ、毎年シネジャに追悼文を寄稿してくださる遠藤智子さんのトーク。遠藤さんと(暁)さんと私の都合で日程を9月26日(日)に決定したら、あ~なんと、次回「哥哥的一天」の開催日と重なってしまいました。実は、去年のフリマも「哥哥的一天」と同じ日だったのですが、熱心なファンの方が無理をしてハシゴしてくださったので、今回は、「哥哥的一天」が終わってからいらしていただける時間に遠藤さんのトークを開始することにしました。 レスリー関係のグッズは、遠藤さんのトーク終了後に追加して出品しますので、ぜひ、「哥哥的一天」の余韻に浸りながら、こちらの催しにもいらしてください!

フリマ: 2010年9月26日(日) 2時開始~6時終了
遠藤智子さんのトーク: 4時半開始
(40分位を予定していますが、話がはずめば成り行きで!)


場所: 文京区本郷1-35-28 メゾンドール本郷302号室


「哥哥的一天」の会場からのアクセス
都営地下鉄 新宿線「新宿3丁目」駅(4駅)→神保町で都営三田線乗換え(2駅)→「春日」下車 (乗換え時間も含め、約16分です。 210円)
春日駅出口A1から徒歩3分 



◆トーク◆

レスリー・チャン迷 遠藤智子が語る 「DNAが変わった日」
レスリーに初めて出逢った日から、どんなに自分が変わったか、みんなでそのことを話しませんか。 当日は、96-97コンサートの頃の息もできなかった毎日と、レスリーがくれたアジアの友だちのことを話したいと思います。台中の体育館の前の道の暑かったことや、シンガポールファンがスタッフに渡した絵葉書のことや、シネマジャーナルのおかげで入れた記者会見のことや、leslie99がメールアドレスの台湾の友だちと過ごした旧正月のこと。皆が同じ体験をきっと持っているでしょう。 9月だから楽しい話をしましょうよ。

★トーク参加予約受付けます。 景山咲子 cinemajournalhp@yahoo.co.jp
 (なお、フリマは無料ですが、トークは参加費300円となります。)

(咲)

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2010年8月第4週
2010/8/22 (Sun)

19日、映画『ANPO』の試写へ。1960年の安保闘争から半世紀。日本で生まれ育ったアメリカ人のリンダ・ホーグランド監督が、60年安保を絵画・写真・映画などを通して描いたアーティストたちの証言を集め、日本にも抵抗の歴史があったことを検証していくドキュメンタリー。50年前、まだ小学生になったばかりでしたが、国会議事堂前でデモに参加していた東大生の樺美智子さんが亡くなったことは、ショッキングなニュース映像として鮮やかに脳裏に残っています。子供心に「安保反対」の言葉が刻み込まれたものでした。『ANPO』を観て、当時の安保反対デモが、一般市民も参加したものだったことを再認しました。神戸で高校教師をしていた父もデモに参加したことを思い出し、尋ねてみたら、「咲ちゃんも別の日にママと一駅歩いてるよ」と言われ、びっくり。(まったく記憶にありません・・・)

20日、『TOKKO 特攻』(リンダさんはプロデューサーだった)を観て、いつかインタビューしたいと思っていた(暁)さんの強い熱意でリンダ監督へのインタビューが実現。60年当時、国会議事堂の近くに住んでいて、連日のデモを間近で見ていたシネジャ創始者の一人である佐藤さんも同席。日本の公立の小中学校を卒業したリンダ監督はネイティブな日本語で語ってくださいました。インタビューの模様は、後日、特別記事で!

★『ANPO』9月18日渋谷アップリンクファクトリーほか全国順次公開

(咲)

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8月21日(土曜)

一昨日、昨日と体調がイマイチ。暑さに負けたかな。 今日は昼前までのんびり寝床の中。 体調は万全ではないが、京都にドキュメンタリーを観に行くことにした。 もちろん在来線・青春切符日帰り。

会場は、京都河原町の「ひとまち交流会館」。 初めて行く場所なので緊張する。(この緊張が、案外ボケ封じになるんですよ)

2008年9月7日~2009年1月13日の129日間、ピースボートの第1回「ヒバクシャ地球一周・証言の航海」に、 広島・長崎のヒバクシャ103名が参加した。今日のドキュメンタリーは、 世界20ヶ国、23港を訪れたこの航海に同行した、若い監督さんたちの二作品。 会場には約30名ほどの方が集まっていた。

フラッシュ・オブ・ホープ~世界を航海するヒバクシャたち
エリカ・バニャレロ監督/コスタリカ、日本/2009年/61分/

バニャレロ監督は1981年生まれ。コスタリカ出身の女性監督。
広島で被爆し、現在はカナダに住んでいるサーロー節子さんの証言を中心に、世界を巡る被爆者たちの航海を追った作品。
オリジナルアニメの『サダコ』とオリ鶴に込められた願いを軸に、核のない世界の希望を描いていた。 サーロー節子さんの明瞭な英語、日本語が世界平和の訴えを、一層力強く感じさせてくれた。 このドキュメンタリーで<戦後7年間、原爆や原爆被害の報道や出版を規制されていた>ということを初めて知った。
名古屋に帰り、少し詳しい方にお聞きしたが「地下出版でいろいろ出ていましたよ。だが、新聞には載らなかったはずだ。」と教えてくれた。

ヒバクシャとボクの旅

国本隆史監督/日本/64分/
監督は1980年生まれ東京出身。
ヒバクシャの証言を聞いても「どうすればいいのか分からなかった」という監督が、 ヒバクシャとの船旅を通じて、「被爆経験の継承とは何か」というテーマを模索した作品。 この船旅に参加した中には、生まれたばかりから幼児の時に被爆した方が十数人いた。 実際の体験がない<若い被爆者>が、何をすればいいのかと悩むシーンが印象に残った。

時間の都合でトークには参加できなかったが、戦争も原爆も知らない人、記憶が薄れてしまった人に、 この二つのドキュメンタリーが作られたことは意義があると思う。 貴重なドキュメンタリーを作られたお二人に感謝する気持ちでいっぱいだ。

(美)

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2010年8月第3週
2010/8/15 (Sun)

13日(金) いよいよ夏コミケの日。 どんよりした空模様に、あまり暑くならないかなぁ~と、少しホッ! 昨年初参加した冬コミケで味をしめた名古屋の(美)さんが、今回も一緒に参加。左隣のブースは、L&G映画のコミック本。今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭も1本を除きすべて観た(美)さん。さっそくお隣の方たちと話が盛り上がります。そして、右隣には大きなシャー・ルク・カーンの写真が・・・。「冬コミケのときに、奥さまからシャー・ルク・カーンのことが載ったものを全部買って来るように頼まれたといらした男性がいましたよ」と言ったら、「それ、私です!」と。その方がレスリー・チャンも好きだとわかり、こちらも話が盛り上がりました。

お盆休み中の(暁)さんが、助っ人でお昼過ぎに到着。東京ビッグサイトには仕事で何度も来て慣れているはずなのに、駅から人がびっしりで、近道は封鎖。たどり着くのが大変だったとか。

今回もいろいろと映画談義ができ、楽しいひと時を過ごすことができました。お買い上げくださった皆さま、覗いてくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。冬コミケの申込書も買ってしまいました。当選したら、また参加しますので、どうぞよろしくお願いします。

(咲)

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ビック(リ)サイトの一日

8月13日(金曜)え~!13日の金曜! きっと記念すべきホラー日?になりそう。
朝5時に目覚ましをかけたが、4時半に起きてしまった。大晦日のコミケの時も興奮と不安の余り寝付きが悪かった。今回は二回目だが<コミケ夏の陣>は冬以上の混雑と聞かされ、またまた興奮して寝付きが悪い昨夜だった。朝風呂に入り、いち早く家を出る。

まずはコーヒーと見回すが、5時半ではどこも開いていない。仕方なくコンビニへ。「そうだ!栄養ドリンクを飲んでみよう」
いっぱい並んだドリンク類を前に迷っていたら、カウンターのお兄ちゃんが「精力つけて、一日がんばるんだったらリポビタンが一番出ますよ」と教えてくれた。
お兄ちゃん「こんなに早くから大変ですね」
私「今からコミケに行くから、一日頑張らないといけないんですよ」
お兄ちゃん「えっ、ビックサイトのコミケ?アニメを書いてるんですか」
私「映画の雑誌ですよ」
お兄ちゃん「じゃあ、キネマ旬報ですか」
(私の心「…キネマ旬報がコミケに出すかぁ~?…」)
私「仲間で作っているんですよ」
お兄ちゃん「へぇ~、頑張ってください」(かわいい青年に和む私)

食料、ドリンクと準備万端で、いざ新橋へ。新橋からゆりかもめに乗り換えると、もうそこはビックサイトに行く人たちばかり。
去年・年末31日の私の人生初めての満員電車の恐怖はなく、聞こえてくる話し声に関西弁あり、東北弁ありで、私も連れがあったら猫みたいな名古屋弁まくしたてたのに。

スイスイと20分ぐらいで「国際展示場正門」へ。私はまずはスタバに入り、コーヒー飲みながらも通路を見ると、一段と多くなる人の波。ゆっくり飲む気分になれず店を出る。
7時半開門。目指すは<東・ヨ・57b>。少し早めに来場して正解だった。

横幅90、縦30センチのシネジャ・ビックサイト支店、いざ開店準備。すぐその後から、シネジャ(咲)さんが到着。なんやかんと工夫して小さなペースを飾り付けして、10時の入場を待つ。

いよいよ10時。しかしダラダラ入場で、年末の地響きのような早歩きの、ザックザックと近づいてくる音はない。去年はサークル者総立ちで、拍手で出迎えた感動はなし。残念。

いち早く、シネジャブースに駆け付ける方はいませんが、ひと通り目的の買い物をすませた人が、足を止めてくださった。
「どうぞ、見本をご覧になってください」
「最近、どんな映画をご覧になりましたか」
など話が弾むと“お買い上げ~”ゴングが鳴ったようなもの!話しの引き入れ方、買っていただいて心から「ありがとうございました!」と頭を下げる喜びは、いつもご商売の方は、味わっていらっしゃるのかなと感じた。

途中、シネジャ(暁)さんが陣中見舞いに駆けつけてくださる。武蔵野のお水を凍らせたのをいただく。(このお水、渋滞した帰りのバスの中で、すごく助かりました)

売上は予想をすこし上回ったところだが、いろんな方と映画の話しが出来て楽しかった一日だった。

なんか癖になりそうな<シネジャ・ビックサイト支店・副主任>役。

(美)

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2010年8月第2週
2010/8/8 (Sun)

6日 『隠された日記~母たち、娘たち~』のジュリー・ロペス=クルヴァル監督にインタビュー。監督には、2006年のフランス映画祭で『トワ・エ・モア』(劇場公開タイトル:『正しい恋愛小説の作り方』)が上映された折にお会いしたことがありました。その時に、次の作品で1950年代と現代の女性の両方を描きたいとおっしゃっていたのが、この映画。女性に自由がまだあまりなかった時代に生きた祖母の日記を通じて、母や娘の今を描くという手法。母を演じたカトリーヌ・ドヌーヴがエッフェル塔の柄のドレスを着た姿が圧巻でした。そのドレスの持つ意味など、いろいろとお話をお伺いしました。インタビューの詳細は10月下旬の公開直前に!


ジュリー・ロペス=クルヴァル監督

ホテル西洋銀座でインタビューを終えて、程近い築地本願寺の納涼盆踊り大会へ。友達から誘われ、え~盆踊り・・・と思いながらHPをチェックしてみたら、“日本一美味しい盆踊り”という歌い文句。最初、ウツクシイ盆踊りかと思ったら、オイシイ・・・だったので、これならば!と。なるほど、築地市場の老舗など美味しい屋台がいくつも出てました。大きな櫓の周りにはテーブルと椅子も並べられていて、まさにビアガーデン。盆踊りは眺めるだけでしたが、場所柄か築地の料亭の女将風の方や市場の男衆の方らしき方が浴衣を粋に着こなして踊っていらして、腰の入り方なども見事! これぞ日本の夏の風物詩、楽しいひと時でした。クルヴァル監督にも是非!とお奨めしたのですが、行かれたかなぁ~ 

さて、いよいよ夏コミケの日が近づきました。13日の金曜日(!!) です。コミケは昨年末の冬コミケが初体験。風が吹き込む冬と違って、夏はかなりの熱気らしく、さてはて暑さに耐えられるか・・・ですが、会場で皆様と映画談義できるのを楽しみにお待ちしています。

日時:8月13日(金曜日)10時~16時
場所:東京国際展示場(東京ビッグサイト)
シネマジャーナルの配置場所: 東地区“ヨ”ブロック-57b

トップページの「お知らせ」に掲載していますが、シネジャの予約を受付けています。
購入希望の号をお気に入りの監督や俳優の名前を添えてご予約いただけましたら、できる限り特別付録をご用意します!

タイトル索引や、目次一覧で欲しい号を検索してみてください!
タイトル索引: http://www.cinemajournal.net/bn/title.html
在庫一覧: http://www.cinemajournal.net/bn/zaiko.html
夏コミケ会場での購入申込み先: cinemajournalhp@yahoo.co.jp

(咲)

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2010年8月第1週
2010/8/1 (Sun)

25日(日)「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010」へ。 川口から無料シャトルバスが出ているとはいえ、朝一番の上映に間に合うように行くには、ちょっと根性がいります。でも、この日の一本目『けがれなき愛』は、アン・ソンギさん主演なので、はずせない! 恋愛経験のない50男が、25歳の女の子に恋をしてしまうという物語。 彼女から電話がかかってくると、自分で「オッパー(お兄さん)は・・・」なんて言ってしまう、はじけて可愛いアン・ソンギさんでした。 恋に歳は関係ない! と、励まされます。上映後、シン・ヨンシク監督がQ&Aに登壇。自分の世界に閉じこもっていた人物が恋愛したらどうなるかを描いてみたかったそうで、アン・ソンギさんと数年前から映画を作ろうと計画。相手役にイ・ハナさんを起用したのは、大俳優アン・ソンギさんを前にして物怖じせず、ちょっとつついてみたり気楽に接していたからだそうです。素敵な歳の差カップルでした。


素敵な歳の差カップルを描いた『けがれなき愛』    『けがれなき愛』シン・ヨンシク監督     

午後、本映画祭で初めて上映されるイランを舞台にした映画『テヘラン』のナデール・T・ホマユン監督にインタビュー。 パリ生れフランス国籍の監督で使用言語はフランス語とのことだったのですが、ペルシア語もOKとわかり、通訳を友人のカトリン・モアフィさんにお願いしてペルシア語でお話を伺いました。 パリで育った監督は、9歳半の時にイランへ。なんと、1979年のイスラーム革命の直後のこと。(その頃に外国にいたのならあえて混乱している故国には戻らないのが普通では?)  14年間イランで過ごし、映画の勉強をする為にフランスに戻ったそうですが、1年に2回はイランに帰る生活。ずっといないからこそ見える社会の変化があると言います。 『テヘラン』は、地方から出てきたものの仕事がなく、赤ちゃんを借りて物乞い。その赤ちゃんを売春婦の若い女に盗まれ保証金を払うために悪の道に。地方から夫を追って出てきた妻も夫を助けようと麻薬の運び屋に・・・。 イランの人たちが生きるのに精一杯な現状を知ってほしいという思いで作ったそうですが、あまりに暗い物語。テヘランの町をあちこち見せたいという思いもあって、物乞いを主人公にしたそうで、確かにテヘランの緑豊かな住宅地から、下町の雑踏まで、さまざまな顔を見せてくれます。また、お葬式や結婚式などイランの儀式が自然に物語の中に織り込まれているのも興味深かったです。 イラン人の彼女と一緒に来日した監督、黒澤明監督の映画で憧れていた日本を満喫されている様子でした。(IDパスにJRの切符が・・・)


(左)熱く語る『テヘラン』ナデール・T・ホマユン監督
(右)『テヘラン』ナデール・T・ホマユン監督とイラン人の彼女 二人はパリ在住

31日(土) 再びSKIPシティへ。『闇への一歩』(イラク、トルコ)はまたまた朝一番の上映! (つらい・・・) イラク北部の村。米軍の攻撃で家族を亡くした少女ジェネットは、唯一残った肉親である兄を訪ねてキルクークの町へ行きます。兄が爆弾テロの犠牲になり、トルコの病院に搬送されたと知らされた彼女は、密輸を行う一団に加わってトルコへ。 せっかくトルコに入国できたのに、そこで自爆テロ実行犯に仕立てられてしまうという物語。 冒頭のイラク北部の村はトルコ語を話す村。 キルクークの町で、ジェネットがアラビア語で兄の居所を尋ねると、「クルド語を話せ」と言い返される場面がありました。この映画、イラク北部の言語状況をよく表していました。 そのために、ジェネット役には複数の言語をしゃべれる女性が必要で、監督は、トルコのシリア国境近くに住むスザン・ゲンチを見出すことができてラッキーだったと語ります。映画には、数年前に訪れたことのある東トルコの町ウルファの石畳の通りなども出てきました。その折、ウルファ郊外のシリア国境近くの村も訪ねたのですが、年配の女性にトルコ語で話しかけたら「トルコ語はわからない」と言われ、アラビア語で挨拶したら喜んでくれたことを思い出しました。 若い人は学校でトルコ語を学ぶけれど、年配の方は民族の言葉しか解さないのですね。 3ヶ国語が出来るというスザンは、演技初体験ですが、目の表情など自然な演技が光っていました。 


『闇への一歩』目の演技が光るスザン・ゲンチ   『闇への一歩』トゥル・イナッチ監督Q&A   

長編部門国際コンペティションの作品は、上記の3本と、『透析』をDVDを拝見しただけなのですが、どれも力作でした。さて、本日、どの作品が受賞するのでしょう。観た作品が受賞できると嬉しいな。

>> 公式サイトへ!

(咲)

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2010年7月第4週
2010/7/25 (Sun)

19日 イラン大使館ホールをお借りして日本イラン文化交流協会主催の講演会を開催。暑い中、大勢の方が参加してくださって、ほっ! 中東文化研究所の森島聡さんの講演の中で、「イランは乾燥した風土がもたらす物を大事にする社会」と言われ、今さらながら興味深かったです。車も30年以上前のものが錆びないので健在! 日本なら、とっくにスクラップです。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010で上映される『テヘラン』のホマユン監督にインタビューできることになり、DVDを送っていただいて観たのですが、その冒頭にも、年代モノの車がひしめくテヘランの通りが映し出されていました。 

さて、講演会の後、大使公邸で美味しいイラン料理の昼食をご馳走になって、全員帰ったのを見届けて、第19回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭『スプリング・フィーバー』上映後のトークへ。ちょっと遅刻してしまいましたが、最前列に座席を確保してくださっていて、アップリンクさんに感謝! 先日、ラウンドインタビューでお会いした主演俳優、チン・ハオ(秦昊)さんとチェン・スーチョン(陳思成)さんのお話を再び聴くことができました。さすがにこの映画祭らしく、司会は綺麗なドレス姿の男性の方。この映画祭らしく、きわどい質問も飛び出します。チン・ハオさんが語った撮影秘話。監督が、「俳優が裸になるのを躊躇するようなことがあったら、スタッフも皆、裸になろうか」とおっしゃっていて、撮影の中で難しい局面になった時に、近づいてきて「僕たちも脱ごうか?」と言われたとか。 あ~ それって、『色情男女(夢翔る人 色情男女)』だ! と、今になって気づきました・・・ ボケてるのは、暑さのせい? 年のせい?


司会のマーガレットさんの話に聞き入るチン・ハオさん(真ん中)とチェン・スーチョンさん(左)
(クリックで拡大します)

(咲)

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2010年7月第3週
2010/7/18 (Sun)

17日(土) 中国、ロウ・イエ監督の『スプリング・フィーバー』(原題:春風沈酔的夜)の主演俳優、チン・ハオ(秦昊)さんとチェン・スーチョン(陳思成)さんが第19回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のために来日され、ラウンドインタビューに参加してきました。
昨年、東京フィルメックスで『春風沈酔の夜』のタイトルで上映されたのを観た時に、なんといっても気になったのが、スーチョンさんが上目使いで鏡を見ながら櫛で髪の毛を整えたあと、下着姿でチャチャを踊る場面。これって、まさに『欲望の翼(阿飛正傳)』のヨディ! 質問の順番が回ってきた時に、まっさきに聞いてみました。ロウ・イエ監督もチェン・スーチョンさんも、レスリー・チャン(張國榮)が大好きで、彼へのオマージュとして入れたとのことでした。答えた後に、スーチョンさんが、涙、涙・・・と手振りするので、私も手振りで涙、涙・・・。

夜、アンディ・ラウ(劉徳華)ファンのシネジャの暁さんに、「チン・ハオ、華仔を薄くしたような美男子だった」と言ったら、「アンディ、濃くないんですけど・・・ 濃いといえば、ラウ・チンワン(劉青雲)」と言われました。スーチョンさん、誰かに似てると思ったら、そうだ、ラウ・チンワンだった! 確かにラウ・チンワンは濃いけど、華仔も充分濃い、いやいや濃くない・・・と、暁さんと私の意見は平行線!

         
    チン・ハオ(秦昊)さん ちょっとアンディ・ラウ風?   チェン・スーチョン(陳思成)さん こちらはラウ・チンワン似?

チン・ハオ(秦昊)さん(左)とチェン・スーチョン(陳思成)さん(右)
(いずれもクリックで拡大します)

チン・ハオさんとチェン・スーチョンさん、二人とも一つの質問になが~く答えてくれて、時には意見が食い違ってお互いの発言の後に口を挟む場面も。二人とも役者魂を見せてくれました。実物を観たい方は、19日 2時からスパイラルホールでの上映の後、Q&Aセッションに登壇します。 >> http://tokyo-lgff.org/2010/prog/index.html#11

スプリングフィーバー』一般公開は、11月6日から渋谷シネマライズ他全国順次ロードショー。 http://www.uplink.co.jp/springfever/
先日、渋谷シネマライズで試写会が行われたのですが、『ブエノスアイレス(春光乍洩)』が上映された時のことを思い出して感無量の私でした。はぁ~

(咲)


青山スパイラルのL&G映画祭の三日目の夕方、渋谷アップリングで『スプリング・フィーバー』のジャン役のチン・ハオと、ルオ役のチェン・スーチョン(浮気の調査した男優)の、合同インタビューの記録係りとして同行しました。映画で観た感じと違うので、一瞬わかりませんでしたが、チン・ハオはこの作品では見せてくれなかった笑顔を、チェン・スーチョンは「お友達になるなら、こちらの人だわ」と思わせる親しみを、私に(みんなに?)投げかけてくれました。19日祝日の 本作上映には、きっと会場では、ため息ならぬ「サマー・フィーバー」?が起こるはずです。

(美)

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2010年7月第2週
2010/7/11 (Sun)

10日  埼玉・与野にある中東ミニ博物館の常連仲間である草間さんの写真展が神保町で開かれ、常連仲間が20人近く集まりました。中東ミニ博物館では、1ヶ月に1回定例会が開かれていたのですが、今年1月に大野正雄館長が急逝されて以来、定例会も開催されず、ここで知り合った方々と顔を合わせる機会もなくなってしまいました。せっかく顔馴染みになった縁を大切にしようと、手探りで連絡網を作り、何かにかこつけて集まっています。90歳を越えた方も、ご自身が旅した懐かしい地の写真を観がてら駆けつけました。
ちなみに、草間さんは映画も好きな方で、茨城の自宅近くで観られない映画は東京まで観にいらっしゃる方。シネジャで紹介した映画は、これは観なくては!と、出来る限り観るという有難い読者です。 写真展は14日まで開催されていて、草間さんは連日会場に詰めているそうです。旅の話や映画の話に応じてくださることと思います。ぜひ、足を運んでみてください! 

草間徹雄写真展
異郷 I
中国青海省チベット族の祈り

2010年7月9日(金)-7月14日(水)
12:00-19:00(最終日17:00)
gallery福果 (ギャラリーふっか)
神保町 A7出口を出て左折。喫茶さぼうるの2階
http://www18.ocn.ne.jp/%7Efukka/


草間徹雄写真展フライヤー

(咲)

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2010年7月第1週
2010/7/4 (Sun)

6月30日 朝、飛び込んできたパク・ヨンハ自殺のニュースに、え~? なぜ~?と呆然。「冬のソナタ」も、ヨン様よりも、俄然サンヒョクを演じたヨンハに好感を持ち、2004年6月20日に横浜ランドマークで開かれたイベントにも、誘われるままに思わず行ってしまったことのある私。今年1月末には、『作戦 The Scam』の記者会見に、いそいそと出かけたものでした。 明るく冗談を飛ばしていたヨンハの笑顔を思い出して、涙、涙。(報告記事→ http://www.cinemajournal.net/special/2010/sakusen/index.html )レスリー・チャンのファンが4月1日を忘れられないように、パク・ヨンハのファンに6月30日という日が刻み込まれることでしょう。32歳で旅立つのは早すぎます・・・ まだまだ活躍してほしかった! ご冥福をお祈りしています。


2010年1月26日 『作戦 The Scam』の記者会見で、監督をからかうパク・ヨンハ
(クリックで拡大します)

東京島』の試写へ。観ておくべき映画といわれたものの、なぜ?と疑問に思いつつ観ていたら、後半イラン人が出てきました! 中国人相手にペルシア語で叫ぶ場面も。ちなみに監督の篠崎誠さんは、キアロスタミ作品に関する批評も書かれている方と、後から判明しました。思えば、2003年11月、東京フィルメックスのトークイベント「キアロスタミの魅力について語る!」にも登壇されていて、もちろん参加したので、お話を聴いたこともあったのでした。記憶力の悪さに愕然!

RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語』を有楽町ピカデリーで。祖父母の代まで島根県なので、縁のある出雲が舞台の映画がヒットしていて、なんだか嬉しい。宍道湖湖畔を走る一畑電鉄に乗ったのは中学生の頃で、もう何十年も前ですが、その時に印象的だったのが綺麗に刈りそろえられた築地松。防風林として民家の北西部分に植えられた黒松が壁のようにそそり立っている姿が、そこかしこに見えた記憶があるのですが、映画の最後に電車が走るのを空から写している場面でも、その築地松があまり見えませんでした。ネットで「築地松」を検索してみたら、“近年は松くい虫の被害や築地松を剪定する職人の不足、そして生活習慣の変化によって築地松の散居集落の景観は消滅の危機に瀕しています”とありました。伝統文化は大事にしたいけれど、なかなか難しいですね。
さて、映画は、大会社でリストラを言い渡す立場になった主人公が、ふと自分の小さい頃の夢を思い出し、自らも会社を辞めて電車の運転手になる話。私の場合は、「会社の希望」で辞めた結果、今、好きなことをしているという、棚ボタのような人生の転機でした(収入が伴わないのは残念ですが!)。生きていれば、どんな良いことが起こるかわからないのに・・・と、つくづく。

7月1日 新宿武蔵野館で『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』。映画の日のためか、内容が内容だからか男性が多い! ジョニー・トー作品でお馴染みの黄秋生、任達華、林雪の顔を観ただけで、もうワクワク。林家棟が、ずいぶん成長したなぁ~と感慨深いものがありました。ジョニー・アリディも、渋くて、すっぽりジョニー・トーの世界にはまり込んでました。計算尽くされた銃撃戦の始まる前の立ち位置、雨の中や月夜の華麗な銃撃戦・・・、そして、合間にはお決まりの美味しそうな食卓を囲む場面! マカオや香港の街の切り取り方も、さすがジョニー・トー! と、満足して家に帰ったら、香港返還から13年とのニュース。ちょっと前までは、7月1日といえば、返還の時を香港で迎えたことを思い出していたのに、映画を観ている時にもすっかり忘れてました。大事なことも、こうして忘れていくのかなぁ~ 最後まで覚えていることってなんだろう・・・

(咲)

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2010年6月第4週
2010/6/27 (Sun)

21日(月)シネジャ79号の発送のために、(白)さん宅へ。今度こそ、白山神社の紫陽花が満開♪と楽しみに向かったら、神社の方から来る人たちが何人も紫陽花を手にしています。今日は紫陽花を配っているの~?と思ったら、【20日に紫陽花祭も無事終わりました】とのことで、ばっさり紫陽花の花が全部切られていました! 神社の周りの紫陽花は切られずにいたので、満開の紫陽花を楽しむことができましたが、今年は咲くのが遅かったのですから、臨機応変に伐採するのを遅らせればよかったのに・・・!!! という次第で、私も切られていた紫陽花をいただいて帰りました。


白山神社境内で伐採された紫陽花をいただきました      裏手の公園から眺めた白山神社本殿    

さて、79号、前回78号の写真の刷り具合が悪かったので、真っ先に写真をチェック! 今回は綺麗に刷り上っていました。もっともモノクロなのですが・・・ 記事の出来具合は、読者の皆様のご批評をお待ちしております。

この日は4時から『樺太1945年夏 氷雪の門』(村山三男監督、1974年)主演の二木てるみさんにインタビューするお時間をいただいたので、発送作業途中でいそいそと失礼しました。映画は、終戦直後の樺太で、不可侵条約を破ってソ連が侵攻してくる中、最後まで電話交換手としての職務を全うして自決した9人の乙女の物語。1974年、公開直前にソ連から横槍が入って公開中止に。一部地方のみで短期間上映され、お蔵入りになっていたのを当時の助監督の方が数年前に発掘してDVDにされ、この度、日の目を見ることになったのです。(7月17日よりシアターN渋谷他で公開) 小さい頃から、テレビ小説「おはなはん」などで好きだった二木てるみさんにお会いできるとウキウキ。テレビではふっくらとしたお顔に見える二木さんですが、お会いした彼女は、小顔で華奢。還暦を越えているとは思えない可愛らしい方でした。それでいて、しっかりとモノを言うパワフルな方。撮影当時のエピソードを伺ったら、真っ先に出てきたのが、「稚内のロケで毎日蟹が出てきて、最初は嬉しかったけど皆うんざり」というお話。実は、私が「氷雪の門」と聞いて最初に思い出したのも、30年以上前に札幌の「氷雪の門」という蟹専門店で、これでもかというくらい蟹を食べたことだったので大笑い。話がはずみ、宣伝会社の方がストップをかけてくださらなかったので、気がついたら1時間20分くらい経っていました。どうまとめよう・・・と呆然です。どうぞ楽しみにお待ちください!


36年ぶりに公開される主演映画の宣伝にいそしむ二木てるみさん
(クリックで拡大します)

23日 気になっていた『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』を観に。ストーリーを見たら、古代ペルシャが舞台なのに古代と中世ペルシャの物語で有名な人物の名前に由来すると思われる名前が入り混じっているし、暗殺教団で有名なアラムートの砦も中世のものだしで、頭の中に???が飛び交っていたのです。 そこはまぁファンタジーと割り切って楽しんできました。アラムートの町はCGで外観は描かれていて、実際に行ったことのあるイランの山奥のアラムートの砦とは似ても似つきません。そして細部は、どうみてもモロッコのカスバ(古い城砦の町)。『ドゥーニャ&デイジー』や『グラディエーター』でもロケに使ったところと同じかな?と思いました。 そして、先週観た『SEX AND THE CITY2』にも出てきたモロッコの赤い沙漠がまたしても登場! ロケ地としてモロッコは人気ですねぇ! 
樺太1945年夏 氷雪の門』も、樺太ではさすがに撮影できないので、似た地形のところを探してロケ。いかにそれらしく見せるかが監督、特に美術監督の腕次第なのですね。 

(咲)

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2010年6月第3週
2010/6/20 (Sun)

15日 新宿バルト9のシネマチネ料金(1200円)の時間に『SEX AND THE CITY 2』を観に。アラブ首長国連邦のアブダビが舞台だけど、SEX がつくタイトルのために、アブダビ政府が撮影を許可せず、モロッコでロケをしたというので、これは観なくちゃ!と。
アブダビ行きの前に、ゲイカップルの結婚式。しかもユダヤ人!(思わず身を乗り出す私) ユダヤ教の結婚式では花婿がグラスを足で踏んで割る風習があるのですが、おぉ~なんと、二人でグラスを割りました! で、いよいよアブダビへの豪華招待旅行。ロケはモロッコとわかっているので、どんな風に撮っているのか興味津々。マラケシュのスークにいる人たちも、男性はねずみ男のようなモロッコのフード付コートでなく、湾岸諸国のオバQ風の長い白い衣装に輪っかで抑えた白い長いスカーフかターバン。女性もカラフルなモロッコのジュラバではなくて、黒一色のアバヤにニカーブ(鼻と口を隠す布)をつけて、いかにもアブダビを演出していました。でも、あの赤い沙漠はまさにモロッコ!(もっともアブダビの沙漠は知らないけれど) SEX AND THE CITY は、テレビシリーズも映画も観たことがなくて、いきなり『2』で初体験だったのですが、これは素直に面白かったです。いくつになっても人生楽しまなくちゃ!と元気も貰いました。
 それにしても撮影を断ったアブダビ、いまや、観光客が増えると喜んでいるそうですね。ネットで検索してみたら、そも、同じアラブ首長国連邦のドバイを舞台に撮ろうとしてドバイに断られ、アブダビに変更したけど撮影を断られ、アブダビを舞台にしたままモロッコでロケしたそうな。結局一番得をしたのはアブダビ? 

この映画を観にいく前に『ヒロシマ・ピョンヤン 棄てられた被爆者』(伊藤孝司監督)の試写に行ったのですが、こちらは08~09年に3度の平壌ロケを敢行されたもの。朝鮮民主主義人民共和国に住む広島・長崎の被爆者に焦点を当てた初めての映画。幼いころに原爆投下直後の広島に母に連れられて行き被爆した女性の日常生活を追いながら、日本政府に放置され続けてきた在朝被爆者の怒りや悲しみを描いた作品(プレス資料より)なのですが、片隅にピアノの置いてある広い居間の食卓に豪華なおかずが並んでいて、国が撮影許可したところでしか、やはり撮影はできなかったのだろうなぁ~と思ってしまいました。監督の撮りたかったものの意図は充分理解できたのですが・・・


映画の原点となった写真集「原爆棄民」(1987年 ほるぷ出版)を手に、
製作の意図を語る伊藤孝司監督

映像がどうにでも見せかけることができることを感じた2本を続けて観た一日でした。

さて、シネジャ79号も、いよいよ21日に出来上がります。定期購読の皆様、どうぞお楽しみに! Webからの注文も受け付けております。誰のファン・・と書き添えて申し込んでいただければ、配慮します!

(咲)

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2010年6月第2週
2010/6/13 (Sun)

9日 白山の(白)さん宅でシネジャ79号の最終編集。ぎりぎりに続々届いた原稿に(白)さんはふぅふぅ。(私も当日原稿を持ち込む始末! すみません・・・)

シネジャ創設者の一人泉悦子監督による「女性監督情報特集」では、新進の女性監督の仕事ぶりをたっぷり紹介します。国内外で行われた映画祭の報告もたっぷり。特集「映画を観た後やってしまったこと」、お馴染み遠藤智子さんのレスリー・チャン追悼記事「いつものように香港で、ということだ」、台湾ロケ地巡り『海角七号』。その他、今回も盛りだくさんの内容です。発送は21日を予定しています。白山神社の紫陽花は、まだ三分咲きくらい。発送日には満開を迎えているでしょうか・・・ 


    白山神社の紫陽花も、あと一息で満開       こちらは飾りつけした紫陽花   
(クリックで拡大します)

10日 79号の編集も終わって、すっきりした気分で「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2010」のオープニングイベントとシンポジウム1「観光と映像による日韓連携の重要性」の取材へ。表参道の緑が眩しかったです。そして、アン・ソンギさん、沢村一樹さん、ク・ヘソンさん、別所哲也さんという夢のような顔ぶれ! ため息でした。(詳細は特別記事をどうぞ!)


(左)眩しい緑にあざやかな赤@表参道
(右)「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2010」オープニング。
後ろに並ぶ美女の正体は特別記事をどうぞ!(クリックで拡大します)

さて、編集に追われている最中、夏コミケ当選のお知らせがきました! 昨年末の冬コミケに続いて、2回目の参加決定です。

日時:8月13日(金曜日)10時~16時
場所:東京国際展示場(東京ビッグサイト)
シネジャの配置場所: 東地区“ヨ”ブロック-57b

コミケ常連の友人が落選したと聞いて、あらためてコミケ人気を感じました。気を引き締めてコミケ特典のアイディアを練らなくては・・・  予約いただければ好きな俳優や監督の記事が掲載されているバックナンバーにオマケを付けて持参しようと思っています。寒い冬コミケと違って、かなりヒートアップするらしいので、体力もつけなければ! 皆様と会場でお会いして映画談義できるのを楽しみにしていますね~

(咲)

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2010年6月第1週
2010/6/6 (Sun)

6月になってしまいましたね。今週は音楽づいた1週間でした。

31日(月) アキバシアターで試写。世界の一流指揮者のクラシックコンサートを映画で体感できるという「シネ響 マエストロ・シックス」シリーズの第一弾、サイモン・ラトル氏指揮によるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート。ラフマニノフのピアノ協奏曲では、中国のランランさんのピアノが絶品でした。ランランさんの表情を間近で観られるのも映画だからこそ。チャイコフスキーのくるみ割り人形では、チンチンチンという可愛い音がタンバリンで奏でられるのですが、あんな風に(映画で観てくださいね)鳴らすのだと初めて知りました。
クラシックの後は、イラン大使館で開かれた伝統音楽コンサートへ。 6月2日にファーテメ・ザハラー(預言者ムハンマドの娘)の生誕日とイラン女性の日を迎えるにあたり、イランより二人の女性演奏家サーラー・アハマディーさんとゴルヌーシュ・マラーイェリーさんが来日。弦楽器のサントゥールと打楽器による伝統音楽に民族音楽の要素や彼女たち自身のモダンなアレンジも加えた素敵な演奏でした。サントゥールは、ダリウシュ・メールジュイ監督の『サントゥール奏者』でタイトルにもなっている伝統楽器。ピアノの原型とも言われています。タンバリンの親分のようなダフは、クルド民族の伝統楽器でバフマン・ゴバディ監督の映画『わが故郷の歌』などにも出てきたもの。ダフより一回り小さなタンバリン風は、ダーイェレというアゼルバイジャンの楽器だと教えていただきました。ダーイェレとはジャファル・パナヒ監督の『チャドルと生きる』の原題。円とか丸いという意味があります。演奏が終ってから、二人を囲んでおしゃべりしたり、楽器を触らせていただいり、楽しいひとときを過ごしました。


サントゥールを持ち上げて見せてくださるゴルヌーシュさん(左)と、
ダーイェレを持っているサーラーさん 足元の大きい方がダフ
(クリックで拡大します)

2日(水)『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』の試写。またまたマエストロ! ブエノスアイレスのコロン劇場にタンゴの歴史をつくりあげた偉大なる巨匠(マエストロ)たちが一堂に会した一夜限りの奇跡のステージ。タンゴこそヨーロッパの影響を受けていないアルゼンチン独特のものと、マエストロたちは胸を張って語ります。迫力あるコンサートでした。映画が終ってすぐ、イラン大使館での「女性の日」の催しへ。30分の遅刻で一昨日の彼女たちの演奏は終っているかも・・・と心配していたら、私の到着と同時に大使夫人のスピーチで式典が始まりました。会場は女性限定だったので、この日は大使夫人はじめイランの女性たちはスカーフをなさっていませんでした。スカーフ姿を見慣れているので、雰囲気が違って一瞬どなただかわからない方も。演奏をした二人も、月曜日には髪の毛一本も見せていなかったのが、素敵な髪型でした。写真はご法度なので、披露できないのが残念! 何人ものスピーチが続いて時間が押して、演奏が15分足らずになってしまったのも残念でした。

(咲)

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2010年5月第5週
2010/5/30 (Sun)

27日(木) (白)さん宅でシネジャ79号の第一回編集。白山神社を通って行ったのですが、紫陽花はまだ蕾でした。2回目の編集日の時には見頃を迎えていることと楽しみです。 今回、原稿はまだあまり集まってなかったので、ページ割りをした後、(白)さん手作りのお餅のベーコン巻を頬張りながら、(美)さんと三人で最近観た映画のことなど、おしゃべりを楽しみました。でも、「これはよかった!」という映画の話題はあまりでてきませんでした。この数年、大衆演劇に惚れ込んでいる(白)さん。観客へのサービス精神の素晴らしさを、映画も見習うべきと言います。

さて、79号の特集記事の一つ、「映画を観たあとやってしまったこと」の原稿はかなり集まっていて、皆さんの珍行動に笑ったり、映画がいかに人生を変えたかに感心したり、校正をしながら、しっかり楽しみました。この特集への投稿を5月第3週のスタッフ日記でも呼びかけましたが、友人から私の日記を読んで、すぐに投稿したのに問題が生じて送れなかったので、めげてやめたとメールがきました。日記の info@cinemajournal.net をクリックすると送信画面が出てくるのですが、ちょっと不具合が生じる場合があったようです。せっかく投稿してくださったのに、エラーになった方にはお詫び申しあげます。今は、エラーにならないようにしてあります。 100文字~200文字程度の短いものでも結構ですので、映画を観たあと思わずやってしまったことなど、ぜひお聞かせください! 6日までに届いたものは本誌に掲載できる可能性があります。楽しみにお待ちしております。

(咲)

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2010年5月第4週
2010/5/23 (Sun)

17日(月) シネジャ79号の編集日が近づいて原稿は気になるけれど、試写の残り日程の少ないものや、いち早く観たいものがあって、一気に3本の試写へ。3本目に観た『孤高のメス』は、脳死が認められてなかった時代に脳死肝移植に挑んだ医師の物語。複雑な患者は大学病院に送ってしまう医師が大半の市立病院。そんな中、命を救いたい一心で患者に向き合う新任医師の姿に惚れ惚れ。実は、三月末に母の首に腫れ物を見つけ、開業医に紹介された市立病院へ。「何かありますね~」(それは私にだってわかる!)と言っただけで、ずいぶん先の日程の検査予約をさせられました。結果「腫瘍のようなので面倒みれない」と、大学病院に行くことに。(最初から大学病院に行けばよかった・・・ 検査代返せ~!) 大学病院では、初日に出来得る限りの検査をして、なんとか早く原因を突きとめようとしてくださいました。その後、いくつかの検査を経て、悪いものでないことが判明。先生の説明もわかりやすく、ほんとうに安心できました。医師の資質に歴然とした差があることをまざまざと経験したばかりだったので、『孤高のメス』には、ぐっときました。病院選びはほんとに大事ですね。

22日(土) 吉祥寺の従姉の家に遊びに行ったら、「今朝、散歩していたら楳図かずおさんに会った」と言うので、そうだ、『グワシ!楳図かずおです』で観た赤と白のストライプの家は吉祥寺だったと思い出し、連れていってもらいました。玄関先には綺麗な花が咲き乱れ、訴訟も起されたという赤白の家も町並にしっくり収まっていました。門の脇に昔ながらの赤いポストがあって、母が、「あ、ポスト・・・」と投函しそうに。植木が覆っていても、老人にはまぎらわしいですね。私たちがいる間にも、2組、外観を見学にきた方がいて、ちょっとした観光スポットになっていました。映画『グワシ!楳図かずおです』で観た家の中も楳図さんの個性炸裂の楽しいものでした。ちょっと中も拝見できると嬉しいかも~ 


赤白ストライプが可愛い楳図かずお邸   母が思わず投函しそうになったポスト

まことちゃんが通りを見下ろして見物客を歓迎!

(咲)

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2010年5月第3週
2010/5/16 (Sun)

次号シネジャ79号の特集の一つは「映画を観たあとやってしまったこと」。真っ先に思ったのは、“あの映画”さえ観なければ、何十回も香港に行くことはなかっただろうなぁ~ということでした。映画に出ていたものを食べて帰ったり、買ってしまったりといったささやかなものから、仕事を変えたという人生の転機まで、きっと皆さん、いろいろあることと思います。(info@cinemajournal.net に、皆さんの珍行動など、是非お寄せください! 5/23迄にいただいたものをセレクトして本誌に掲載します。) 

15日から公開が始まった『書道ガールズ!! ―わたしたちの甲子園―』、試写を観て以来、日本テレビの“ズームイン!!SUPER”で毎朝宣伝していたこともあって、主題歌が頭の中をぐるぐる回っています。(これも、映画を観たあと、よくある現象ですね!) 高校生たちの行動力ある元気な姿に、私もやる気を出さなくちゃ!と励まされました。(でも、腰が重い・・・)

14日、アーロン・クォック主演の『殺人犯』の試写に行って来ました。「観るのに覚悟がいる」と言われた作品で、確かに冒頭から惨い場面が・・・。アーロンの鬼気迫る姿も凄いです。それでも、久しぶりの香港映画、海の見える素敵な家が舞台だったからか、あ~香港に行きたい!と、なんだか爽やかな気分になった私は変? 

(咲)

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2010年5月第2週
2010/5/9 (Sun)

あっという間にGWも終ってしまいましたね。充分リフレッシュできましたか~?

4日(火)両親を連れて横浜の姪っ子のところに曾孫を見せに行ったのですが、さすがにGW、中華街は人、人、人・・・。車の中から知り合いの方を見つけたけれど、あっという間に雑踏の中に。その直後、山下公園を歩いていたら、イランのアラグチ大使ご家族とお会いしてしまいました。シルク博物館でペルシャ絨毯展を開催中なので、会って不思議はない場所なのですが、びっくりでした。


花壇展@山下公園
(クリックで拡大します)

6日(木)劇場版『ぺ・ヨンジュン3D in 東京ドーム 2009』の試写へ。3Dは、博覧会などでは経験済みですが、長編映画は初体験! 試写の会場には、3Dだからという理由だけで観にきたライターの男性の方も! 映画って観る動機は様々ですね。 専用の眼鏡をかけるのは鬱陶しかったですが、まるで生身のヨン様がそこにいるようでした。公式HPを開いたら、「誰もが最前列の感動を体感できる!」とありましたが、まさに、そんな感じ。
夜、中野サンプラザで開かれた「パク・シニャン ファンミーティング」の取材。こちらは生身のパク・シニャンさんですが、取材席は後ろの方なので、さっきのヨン様の方が身近でした! 前回のファンミがつい昨日のようですが、確認してみたら去年の4月11日! ほんとに時の経つのは早いです。さて、今回のファンミ、西アフリカ・シエラレオネの子どもたちのモノクロ写真で始まりました。長年勤めていた商社で経済協力部門に所属していたので、馴染みのある国なのですが、出張した人たちから、治安が悪くて怖い思いをしたことをよく聞かされた国です。テレビ番組の取材で行ったパク・シニャンさんも、日中でもアジア人が一人で歩くのは危険を感じるところと語っていました。でも、悲惨な内戦を経験したのに、子供たちの笑顔が純粋で素晴らしかったそうです。ファンミの案内状をあらためて見てみたら、「We Serve !! ~Malawi Benefit 2010~」というチャリティイベントでした。じっくりとお話を聞かせてくださったファンミの模様は後日お届けします! 

(咲)

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2010年5月第1週
2010/5/2 (Sun)

GW真っ最中ですね~ 皆さま、どんな休日をお過ごしですか? 毎日が連休の私も、いつもと違ったお休み気分です。


4月26日 纐纈あやさんの初監督作品『祝(ほうり)の島』の完成披露試写会へ。原発建設に反対し続ける山口県祝島の人たちの日々暮らしを記録した作品ですが、見終わってほんわりした気持ちになる素敵な映画でした。プロデューサーの本橋成一さん(『ナージャの村』『アレクセイと泉』監督)は、24年前にチェルノブイリ原発事故が発生した日である4月26日に、なんとかして本作の完成披露を行いたかったと、舞台挨拶で語っておられました。今日の新聞にチェルノブイリのことをどこも載せてないと嘆いてもおられました。(完成披露試写会の模様は、特別記事でどうぞ!)

纐纈あや監督
纐纈あや監督

私自身、チェルノブイリ原発事故発生のニュースを聞いた時、何をしていたかは思い出せないのですが、事故の起こった年の秋、ウズベキスタンに旅をしたのは、はっきり覚えています。 旅行説明会の時に、「チェルノブイリの影響は?」と質問した方がいて、「遠く離れていますし、風向きが違いましたから大丈夫です」と旅行会社の方が答えたのでした。その風向きの先のスウェーデンに当時住んでいた友人が、「食べ物に絶対影響があるはずだけど、食べないわけにいかない」と盛んに心配していました。昨年、その彼女に癌が見つかりました。チェルノブイリのことは、すっかり忘れていたのですが、もしや因果関係が?と、『祝の島』の完成披露試写会に行って脳裏をよぎりました。思えば、いろんな形で環境汚染が進んでいて、どんな形で身体に影響を受けているのかわかりませんね。


5月1日 新宿コニカミノルタプラザで10日まで開催中の野町和嘉写真展「サハラ、砂漠の画廊」の会場で行われた野町さんのスライドトークへ。グーグルアースで撮影場所を見せてくださったのですが、写真に撮った4本の椰子の木まで特定できてしまうのには、びっくり。トークの後、『ハートロッカー』を観に日比谷のみゆき座へ。千円で観られる日で、さすがに満席! インターネットで予約しておいて正解でした。爆発物処理にあたる人たちの勇気には感服しますが、なぜ爆発物を仕掛けるような事態になったのかを思うと、米軍兵士の姿はイラクに不要と思ってしまいます。通訳を介さないと意思疎通ができない中で、誤解による攻撃も行われていることと胸が痛みます。重い気持ちで映画館を出て、夜の会食の待ち合わせまで時間があったので、丸ビルで開催中の「ショパン展」へ。生誕200年なのですね。ショパンの人物像が浮かび上がってくる展示でした。ショパン自筆の譜面もみられます!
5月5日まで。丸ビルホール(丸ビル7階) 入場無料
GWで、時間を持て余している方、是非いらしてみてください!

東京都写真美術館ホールで、ショパン生誕200年記念上映として『別れの曲』(監督:ゲツァ・フォン・ボルヴァリー、ドイツ映画、1934年)も上映中です。5月16日まで。

(咲)

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2010年4月第4週
2010/4/25 (Sun)

23日夜、神戸の小中学校時代の同級生が上京するのに合わせて、東京界隈にいる同級生に声を掛けて、銀座のルーマニア料理「ダリエ」で同窓会を開きました。一人、アイスランドの火山噴火の影響で出張を延期したので参加できた男性が。と思ったら、もう一人、出張中に火山が噴火しブリュッセルで5日間足止めを食い、やっと帰ってきたという男性も。空港で過ごさざるを得なかった人たちと違って、出張費でホテルに泊まり、ムール貝を食べたり散策も楽しんだらしいので、それはちょっとうらやましいハプニングですね。この日集まったのは10人。その内の二人が火山噴火の影響を受けたという高打率!

さて、ルーマニア料理。オスマントルコの支配が長かったので、料理もお互いに影響しあったのでしょう。どことなく似ているものも多かったです。ルーマニアといえば、『4ヶ月、3週間と2日』(2007)を思い出しますが、あの映画の最後に、能天気な女の子が食べていたのは、どんな料理だったのでしょう・・・


ルーマニアの代表的料理盛り合わせ
右からミティテイ、サルマーレ、ムサカ。
右奥の黄色いのはコーンの粉で作った主食のママリーガ。
(クリックで拡大します)

(咲)

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2010年4月第3週
2010/4/18 (Sun)

昨日は朝起きたら雪景色! もう葉桜だというのにびっくりですね。


満開の桃に白い雪  4月の風景と思えない!

今週はなかなか出かけられなくて、映画もいくつか観るのを諦めました。アカデミー賞を取った『ハート・ロッカー』、いつになったら観られることでしょう。そんな中、日韓合同ドラマプロジェクト「テレシネマ7」の中に、どうしても観たい作品があって試写に行って来ました。日本の人気脚本家のオリジナル作品を、韓国の人気俳優・監督で製作するという日韓共同制作プロジェクト。どの作品も、ドラマでよく知られた俳優が出ているので、韓流ドラマ好きの全国の皆さんの心をくすぐることと思います。
で、『トライアングル』と『顔と心と恋の関係』の2本を木曜日に観てきました。『トライアングル』は、大金持ちの若き未亡人から、高価な美術品を盗もうとする詐欺師と、それを察知して幼馴染と称して近づく警官の若い女。よ~く出来たシナリオで、最後の最後までしっかり騙されました。アン・ジェウクが、いかにも調子のいい詐欺師っぷり。警官を演じるカン・ヘジョンの可愛いこと! 未亡人演じるイ・スギョンは、お金持ちそうに見えなかったけど、とにかく楽しめるストーリーでした。
その後に観た『顔と心と恋の関係』は、「がんばれ!クムスン」や「京城スキャンダル」で気になっているカン・ジファン主演。交通事故にあって、視覚障害に陥っている時に助けてくれたブスな女の子を美人に見間違えて一目惚れ・・・というお話。女の子を演じてるイ・ジアは、決してブスじゃないのですが、歯並びを悪くして不細工に見せかけています。私は若い頃、前歯がガタガタだったのですが、就職前に差し歯にしたのでした。でも、その差し歯が結構大きくて、後年、小さめの差し歯に変えたら我ながら雰囲気が変わったと思いました。歯って、大事ですね。今また歯があちこちボロボロで歯医者に行かなくちゃ・・と、関係のないことを映画を観ながら思い出したのでした。

(咲)

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2010年4月第2週
2010/4/11 (Sun)

いつまでも寒くて、お蔭様で今週も連日たっぷり桜を楽しめましたね。思えばお花見の季節、毎年シネジャの編集でふぅふぅ言っていて、のんびり桜見物とはいかなかったのでした。発行月が変わって、心置きなくお花見ができました!

4日 恒例の駐日アラブ大使夫人の会主催「第12回アラブ・チャリティーバザー」へ。会場は赤坂アークヒルズ。もちろん桜坂のお花見とセット。美味しいアラブ料理に舌鼓。アラブ映画のDVDでも売っていると嬉しいなと思ったのですが、見つけられませんでした。そういえば、アラブ映画祭、またやらないかなぁ~


(左)民族衣装の男の子が可愛くて、ひっきりなしに被写体になっていました
(右)大人になったアラブの男も素敵です

8日 偶然テレビのチャンネルを回していたら、『野ばら』(1957年 ドイツ マックス・ノイフェルト監督)を放映していて、懐かしくて、思わず最後まで観てしまいました。小学生か中学生の頃、家に帰ると3時頃から洋画を放映していて、その中で深く記憶に残っているのが『巴里の空の下セーヌは流れる』や『野ばら』。同じ映画を連続3日やっていた記憶があるのですが、飽きずに毎日観たものでした。「野ばら」や「アヴェ・マリア」の歌も大好きでした。『野ばら』の主人公を演じたのが、ミハエル・アンデだということも頭に刻み込まれていたのが、物覚えの悪い私にしては不思議です。何十年も経って、あらためて観てみて、実はこの主人公の少年、ハンガリー動乱で孤児になり、ウィーンに逃れてきたのだと知りました。そんな歴史的背景があるとは、少女時代にはもちろん知る由もなく・・・ 映画って、観る時によって感じることも違うし、新たな発見があって面白いですね。

10日 両親と根川緑道へ。はらはらと散る桜の花びらが素敵でした。今年のお花見もこれが最後でしょうか・・・ 来年も家族そろってお花見ができますように! 


花びら舞う中、鴨のカップルものんびり      名残の桜@根川緑道    

(咲)

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2010年4月第1週
2010/4/4 (Sun)

1日(木)レスリー・チャンのファンにとって、一生忘れられない2003年4月1日。あの日から、もう7年。共にレスリーを追っかけ、共に泣いた迷友たちが、今年も阿吽の呼吸でこの夜はレスリーの為に予定を入れずに空けていて勢揃い。献杯をした後は、あっという間にあの頃に戻って、おしゃべりに花が咲きました。レスリーがくれた縁をいつまでも大切にしたいと、今度はレスリーの誕生日を待たずに、また会いたいねと別れました。レスリーがいなければ、決して出会うことのなかった友たち・・・ これだけ素直に胸の内を語れる友はいない、ほんとに大切な人たちです。

この日、皆と会う前に観た『ONE SHOT ONE KILL -兵士になるということ』(藤本幸久監督)は、レスリーの命日にこの映画はちょっと・・・という映画でしたが、これはアメリカを知る為に、是非観るべき作品。ポレポレ東中野で4月16日まで公開されている『アメリカ-戦争する国の人びと』(藤本幸久監督)とセットで観てほしい作品です。ブートキャンプで新兵たちが叫び続ける声にグッときた身体を、レスリーも愛でた千鳥ヶ淵の桜で癒しました。(どのあたりで観たのかなぁ・・・)


レスリーも愛でた千鳥ケ淵の桜(クリックで拡大します)

(咲)

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2010年3月第4週
2010/3/28(Sun)

まだまだ肌寒い日が続いていますが、桜もほころび始めましたね~

22日 『アリス・イン・ワンダーランド』の取材に行って、初めて生ジョニデを拝むはずだったのですが、父がダウン。涙を飲んで諦めました。取材は(千)さんにお任せ! 父の切符のキャンセルの為に外には出かけたので、ついでに府中の東郷寺で今年第一弾のお花見。みごとな枝垂桜を楽しんできました。帰ってきたら、父はすっかり元気になっていて、ホッ! (ムム、ジョニデ見たかった~!!!)


ジョニデの代りに観た東郷寺のみごとな桜

25日 旅行会社主催のアルバニア説明会へ。オスマントルコ支配が長かったところで、いつか行ってみたい国の一つです。実は、私が初めてシネジャに原稿を書いたのが、アルバニア映画『スローガン』でした。第14回東京国際映画祭でグランプリを取った作品ですが、シネジャのスタッフが誰も観てなくて、たまたま私が観ているのを知っていた(暁)さんから頼まれた次第でした。(2001年12月発行 54号
さて、アルバニア。どことなくトルコの影響を受けた町並の残る町や、ギリシャ・ローマの遺跡、教会にモスク・・・ 未知の風景をたっぷり見せてもらいました。あと、興味を引いたのが、春分の日が「ノウルーズの日」として祝日になっていたこと。イラン暦は春分の日から始まるのですが、元旦をノウルーズ(新しい日)と呼びます。ノウルーズを祝う文化は、ペルシア文化圏だけでなく、バルカン半島にもあることは、今年2月23日に、「3月21日」が「ノウルーズ国際デー」として国連総会で正式に承認されたというニュースで知りました。決議は、イランのほか、国家行事として「ノウルーズ」を祝う諸国(アゼルバイジャン共和国、アフガニスタン、タジキスタン、トルコ共和国、トルクメニスタン、カザフスタン、キルギスタン)との共同イニシアティブにより作成されたもの。「インド、アルバニア、マケドニアも起草グループに加わっています」と、ニュースにありました。アルバニアでも家族揃って着飾ってお祝いするそうで、ちょうど前日、イランのお正月を祝う会に招かれたばかりだったので、なんだか嬉しくなりました。



イランのお正月の飾りハフトシーン(7つのS)

アルバニアはイスラーム教徒が7割ですが、宗教を厳しく禁じた時代を経て、今や豚肉のソーセージも平気で食べる若い人もいるとか。一方で、弾圧されても宗教を守ってきた人たちもいるそうです。

26日『クロッシング』キム・テギュン監督にインタビュー。試写に行けなくて、DVDを送ってもらったのですが、久々に心を揺さぶられる映画でした。あまりの素晴らしさに、21日に観て以来、毎日観てしまった作品です。自由もなく悲惨な生活を強いられている北朝鮮の人々・・・ アルバニアが鎖国時代を経て自由になったように、いつか時代は変わるのでしょうか・・・  (美)さんが、さっそくテープ起こししてくれましたが、記事のアップは来週目標です。


キム・テギュン監督

(咲)

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2010年3月第3週
2010/3/21(Sun)

水曜日 高校時代の友人たちと会食。花が見たいと一人が言うので、向島百花園へ。梅はもう終わりだし、桜はまだ・・・ 百花園というからには何か咲いているでしょう~と行ってみたら、一番咲いていたのが、ボケでした。私たちにぴったりでした!


    向島百花園はボケの花が満開 そして、もう一つ私たちにぴったりのワビスケ

桜橋から眺めたスカイツリー     作業中のリフト    

木曜日 フランス映画祭オープニングの取材。お昼に麻布四ノ橋のイラン大使館に行ったので、ぶらぶら歩いて六本木ヒルズに向ったら、途中で通りかかった東京都立中央図書館で企画展示「生誕100年記念 黒澤明~資料が語るその人物と足跡~」を開催中でした。寄りたいな~と思いつつ、取材の立ち位置は受付順なので、先を急ぎました。会期中に行くのを忘れないようにしなくちゃ。(会期:5月5日迄 http://www.library.metro.tokyo.jp/info/archive/document.php?g=event&id=61 ) さて、フランス映画祭の記者会見とオープニングの取材。黒澤明展に寄ろうかどうしようか迷った数分のせいで、ちょっと出遅れてしまいました。来日したゲストの数は、横浜の頃に比べると、ぐっと少なくなってしまったのですが、レッドカーペットには、大勢のファンが詰め掛けて、ゲストもサインや握手に快く応じていました。まさにファンの為の映画祭ですね。熱気溢れるオープニングの様子は、特別記事でどうぞ!

(咲)

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桃まつり』弐のうそ、へ行ってきました。レイトショーにもかかわらずイッパイのお客様でした! ホラー作品あり、不倫・浮気ドラマあり、と「壱のうそ」とはまた違った嘘が楽しめました。 シネジャ78号も微妙に(笑)売れている様です、ありがとうございます。引き続き販売させていただいてます。


(千)

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2010年3月第2週
2010/3/14 (Sun)

フランス映画祭の試写で通っていた日仏会館で、3月7日~9日に「日仏女性フォーラム」が開かれるのを知って、9日、日経ホールに行って来ました。女性作家たちによるディスカッション「女たちのダイアログ」の最終セッションで、この日のテーマは、『恋も仕事も』。フランスの作家リディー・サルヴェールさんと江國香織さんが登壇。司会の平野啓一郎さんが、「フランスは女性の権利が守られていると聞いているけれども、男性と比べて社会で働く上で不利なことは?」と質問。 あ~この質問はよせばいいのに・・・と内心思ったら、リディー・サルヴェールさんは堂々と「作家としても精神科医としても一度たりとも女性として不利を感じたことはありません」と、きっぱり。以前、フランスの女性監督にインタビューした時に、何人かにこの質問を投げかけて、「今さら何を聞いてるの?」という顔をされ、日本の女性の置かれている立場を逆に彼女たちに露呈させてしまった苦い経験を思い出した次第でした。
 この日のリディー・サルヴェールさんの発言は心に残るものが多かったので、紹介したいと思います。ご自身、精神科医としての仕事を持っているので、モノを書くのは「ひったくりの方法」で、いつでもどこでも集中して書くのだそうです。一方で、何もしない無駄な時間を持つことはとても大事。「日本では、マリナージュ(漬け込む)の時間が短いと聞きました」とおっしゃると、江國香織さんが、「私はほとんどマリナージュの状態」と返します。(私もだ! でも、まだまだ時間にも気持ちにも余裕のない暮らしをしているのが日本人でしょうか・・・) リディー・サルヴェールさんは最後に哲学者ジャック・ランシエールの「解放への道は、他者を精神において対等とみなすこと。男性であれ女性であれユダヤ人であれ・・・ なのに、世の中は不平等の原則に情熱を持っている人が多い」といったような言葉を引用されました。(ちょっと聴き取りに自信なし) 要は、他者と比べてうらやましがらないことが一番!と納得。翌々日、以前バングラデシュ大使をされていた先輩にお会いしたら、「ロンドン大学が世界で行った国民の幸福度調査で、バングラデシュは1位」という話題になりました。最貧国といわれている国ですが、他の世界を知る機会が少ないこともさりながら、家族の絆が強いことが幸福感に繋がっているのでしょうか。ちなみに、日本は90番台と幸福度が低いという調査結果。どうすれば幸福度があがるでしょう・・・ 時間的には自由で幸せだと思っている私も、先行きを考えると必ずしもハッピーとばかり言っていられないことに気付きました。はぁ~ 

(咲)

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シネジャ78号を納品ついでに桃まつり初日にお邪魔しました・・ 会場の渋谷ユーロはレイトショーにもかかわらず人、人、人でイッパイ。客席には出演女優の洞口依子さんもいらしてました。スクリーンの中でも綺麗だけど、本物はもっと綺麗でした(笑)受付でシネジャ78号を販売させていただいてます。こちらもどうぞ宜しくお願い申し上げます!!


壱のうそ初日舞台挨拶

(千)

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2010年3月第1週
2010/3/7 (Sun)

今週も先週に引き続きフランス映画祭の試写に何回か行く予定だったのですが、3日に丸一日イラン関係のシンポジウムがあることがわかり、予定の組みなおし。いくつかの試写を諦めざるをえませんでした。セシル・ド・フランス主演の『スフィンクス』は、エジプトが絡みそうで外せない・・・と試写を観にいったら、なぁ~んだ、スフィンクスは薬物の名前でした! エジプトは全然関係なかった! 突っ込みどころ満載の犯罪映画でしたが、そこそこ楽しめました。

さて、3日は「新たなコミュニケーション手段と新たな社会 イランを事例として」に参加してきました。スカイプを使って、カナダにいるイラン人の先生も登壇。いかにイランの社会運動にインターネットが影響を与えているかを考察するシンポジウムでした。ネットの出現は、31年前のイスラーム革命の時代とは決定的に違う動きを社会にもたらしているのですが、はたしてイランの行方は・・・? この日、活発に意見を述べたり質問したりしたのは、イラン人女性たちでした。大学生の6割以上が女性というイラン。女性たちが社会を動かすのは間違いないと感じた一日でした。

(咲)

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2010年2月第4週
2010/2/28 (Sun)

22日(月)昨日の夜はウキウキして寝付きが悪かった。8時間14分のドキュメンタリー観るのだ。
山形ドキュメンタリーの大賞プラハティ賞を二回も受賞したワンビンに負けない長さ、 負けない内容の日本人監督作品を、待ち望んでいたからだ。
神田区民会館・神田公園洋室Bってどんなとこだろう?張り切り過ぎて9時20分に着く。 小さな部屋だった。まだ準備中だったが荷物だけ置いて場所をゲット!
近くに商店やコンビニがないと8時間以上は辛いと、手づくりハムトーストやみかん、あられ、お茶を持参。しかし、後で気付くがここは東京のど真ん中!近くに素敵なコーヒー&ランチの店があった。

観た作品は、『アメリカ ―戦争する国の人びとー』(藤本幸久監督/494分) 詳細は、作品紹介をどうぞ! (→ 作品紹介『アメリカ ―戦争する国の人びと―』

朝10時からずーっと夜7時過ぎまでみてしまった。途中10分ぐらいうとうとっとしたが、最後まで観られた! 
しかし、まだ余力があるので次の作品も見る。日頃、7時間半かけ、在来線乗り継いで上京しているから平気だ!

(美)

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間寬平さんが、「アースマラソン」でイスタンブルに到着し、癌に罹ったことが判明した・・というところまでは知っていたのですが、その後も走り続け、いつのまにかイランで映画撮影中なのですね。『風の絨毯』のキャマール・タブリーズィー監督が、アースマラソンでイランを走る寬平さんを是非主人公にして撮りたいと熱望されたのだそうです。【謎の日本人ランナー「カンペイ」が、沈滞する村を励まし再生させる物語】とのこと。

アースマラソンのブログ(http://earth-marathon.laff.jp/)に、寛平さんが、「きねやの乙女餅」を監督に差し上げた・・・とあって、思わず反応してしまいました。中学卒業まで神戸に住んでいたのですが、年に数回両親に連れられて行ったのが宝塚ファミリーランド。乙女餅は、宝塚に行くと必ず買って帰った大好きな和菓子。懐かしいです。「監督もイランにも似たお菓子があると気に入られた」とありました。そう、確かにあります! 寬平さんもスタッフの方々も、イラン人の優しさに触れて、ニュースで受ける怖いイメージを払拭された様子。ブログで多くの日本人にそのことを知ってもらえるのが何より嬉しいです。撮影中の映画『ランアンドラン』は、3月20日からの沖縄国際映画祭に出品されます。(今も撮影中ってことは??? 猛スピードで編集して仕上げですね!)タブリーズィー監督の作品ですから、絶対面白いはず。沖縄に駆けつけていち早く観たいところですが、寬平さん主演ですから、もちろん公開されますよね。それまで我慢です。(咲)


アジアフォーカス・福岡映画祭2004の折に来日したタブリーズィー監督(左)
『ザ・リザード』は、囚人が僧侶の袈裟を失敬して脱獄し、人々に崇められてしまう爆笑物。

(咲)

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2010年2月第3週
2010/2/21 (Sun)

「フランス映画祭2010」(3月18日~22日)の試写が12日から始まりました。私にとって、フランス映画への興味は、イスラーム諸国からの移民絡みと、ユダヤ絡み。17日(水)は、家で休養しようかなと思ったのですが、『クリスマス・ストーリー』の内容を検索してみたら、「クリスマスを祝わないユダヤ人の彼女」という文言があったので、これは観なくては!と。ユダヤ人は物語のほんの一つの要素でしたが、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の本作、骨髄移植に絡む家族の物語で、素敵な映画でした。最近、友人たちが相次いで癌に罹って闘病中ということもあって、いろいろ考えさせられました。

18日(木)韓国文化院ハンマダンホールで、「真!韓国映画祭」で上映される『飛べ、ペンギン』の特別試写会の舞台挨拶取材。市役所のある課を舞台に4つのエピソードが描かれた作品で、この日は新入社員でお酒の飲めないベジタリアンを演じたチェ・ギュファンさんが登壇しました。結構長い挨拶を綺麗な日本語で行った彼は、現在、神戸で日本語の勉強中。映画の中では、ちょっと不気味な笑顔で笑わせてくれたのですが、なかなか清楚で素敵な青年でした。舞台挨拶とその後の囲み取材の報告は、後日お届けします。


(左)チェ・ギュファンさん舞台挨拶。通訳は彼の日本語の先生で息もぴったり。
(右)チェ・ギュファンさん。誠実さが溢れる青年でした。

19日(金)フランス映画祭のオープニング作品『ミックマック』の試写。いずれ公開されるからやめようかなと思ったら、父親を西サハラの砂漠での地雷除去作業中に亡くした少年が大人になって武器商人に復讐するという物語。しかも、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督なので、イスラームが絡まないはずはない!と観にいってきました。やんわり戦争批判をしながら笑わせてくれました。
せっかく外出したので、この間から気になっていた『サヨナライツカ』も観てきました。なんといっても、大好きな西島秀俊さん! 観た方から老けメイクがいただけないとか、内容に関してもあれこれ言われていましたが、実はこの日は誕生日だったので、人生を振り返るのにふさわしい映画でした。(フフ♪) 思えば、タイのオリエンタルホテルは、レスリーゆかりの地。『恋戦。OKINAWA Rendez-vous』で共演した加藤雅也さんも出演していました。西島さんもだけど、加藤雅也さんの老けメイク、ちょっといただけなかった! それにしても、25年の時を経て、再会した二人がレストランでメニューを見るのに、共に老眼鏡をかける姿には、まさに私も!と笑うに笑えませんでした。気持ちはいつまでも若いつもりなのですが、肉体的衰えは隠せませんねぇ・・・

(咲)

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2010年2月第2週
2010/2/14 (Sun)

9日(火) キノアイ、シネマスコーレ、シネマコリアの三者が共同配給して開催する「真!韓国映画祭」の試写へ。田代親世さんとお隣の席に。韓流スターの記者会見やファンミの折に、ご挨拶したことはあったのですが、初めてゆっくりお話しました。日本の韓流ブームの立役者として名を馳せている田代さんですが、香港中文大学に留学して北京語を学ばれたこともある香港通なのは、皆様もご存知の通り。どっぷりはまるきっかけはチョウ・ユンファだったのですね。 そして、田代さん原作で、脚本も手がけられた『台北に舞う雪』(霍建起監督)が、いよいよ2月20日から公開されます。
「小説【台北に舞う雪】も出しましたので、本屋さんで覗いてみてくださいね~」と言われました。お話していて“才媛”という言葉がぴったりだなぁ~とドキドキでした。 (ちなみに、この度発行したシネマジャーナル78号にも、『台北に舞う雪』は、たっぷり5ページ特集! 霍建起監督と莫子儀(モー・ズーイー)のインタビュー、【台湾ロケ地めぐり(1) 平渓線沿線】と、盛りだくさんです。)


    霍建起監督         莫子儀(モー・ズーイー)

さて、この日最初に観た『飛べ、ペンギン』は、市役所のある一つの課を舞台に繰り広げられる人間模様。子供の勉学の為に妻子を米国に住まわせている課長が、夜つきあってくれる相手を仕事中に必死に探す姿に、かつて会社勤めしていた頃、同じような上司がいたなぁ~と懐かしく思い出しました。部下たちが、何かと言訳をつくって断るのも、いずこも同じ? 同僚たちと毎晩のように飲んで騒いでカラオケに行ったりした時代も、遠くになりにけりです。


『飛べ、ペンギン』 (C) 2009 INDIESTORY Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

10日(水)かつての会社の友人たちで、香港映画好きの仲間と会食。1年に数回一緒に香港に行った時代もあったのですが、追っかける相手が違って、一緒に香港に行くことも少なくなりました。そも、私の場合は、追っかけていた相手が天国にいってしまったのですが・・・ 久しぶりに、のんびり香港に行きたいね~と語り合いました。
彼女たちと前々から約束していたら、同じ日に、オーストラリアから一年に一度帰国するK夫妻主催の酒宴があるとの知らせ。26年前のスペイン・モロッコのツアーでK夫人が添乗員だったという縁が今も続いているのです。K夫妻は現在ブリスベン近郊の海辺でプチホテルを経営していて、シーズンオフに1ヶ月休暇を取って日本経由世界のどこかで過ごすという、うらやましい人生をおくっています。30分だけ酒宴に参加し、いつもテンションの高いK夫妻に元気を貰いました。数年前のK夫妻主催の酒宴で知り合ったYさんは、中国・昆明に語学遊学していて一年ぶりに帰国。Yさんとは酒宴の前にお会いして、遊学生活をたっぷり聞かせていただきました。先日、ラオスの古都ルアンパバンまで旅してきたとのこと。昆明から寝台バスで24時間なのだそうです。近い!と思ったら、ベトナムの『モン族の少女 パオの物語』の舞台になったあたりは、さらに近くて、バスで8時間とか。昆明郊外には、『雲南の少女 ルオマの初恋』や『さくらんぼ 母ときた道』の舞台になった棚田もあるし、Yさんが昆明にいる間に訪ねたいなぁ~と思いました。

13日(土)シネジャ78号が出来上がり、みぞれ交じりの雨の中(白)さん宅へ行き発送作業。表紙の画像が左寄りになっていたり、写真が粗くて色が薄いなど、仕上がりがイマ二つか三つくらいで、読者の皆様に申し訳ない思いです。原稿のあちこちに間違いを見つけてしまうのは、いつものこと。どうして校正の時に気がつかなかったのかしら・・・と、老眼のせいにしたりしています。ページ数がいつもより6ページ多い94ページですので、どうか許しを! 目次をご覧になり、お買い求めいただければ嬉しいです! 

(咲)

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2010年2月第1週
2010/2/7 (Sun)

3日は節分。外出前に近所の高幡不動尊に寄ってみました。ちょうど第一回目の豆まきが終るところに到着。予定の電車まで時間があったので、境内の梅を愛でながら奥の方まで散策してみたら、次の豆まきの為に年男・年女の人たちやゲストの方たちが歩き始めるところでした。年男から直接手渡しで豆を貰ってしまいました! 隣に立っていたおじいさんは、自分の歳の数を貰うと頑張っていました。手に入りきるでしょうか?? 皆に福が来るといいですね。
このところ、映画を観ても寝てしまうことが多くなって、気が付いたら終っていることも・・・ (試写じゃ、結末教えてくれぃ~というのも恥ずかしい!) 映画がつまらないわけでもないので、疲れているのですねぇ。元気という福が欲しい今日この頃です。


      高幡不動尊           豆まき@高幡不動尊     

     年男から豆をいただく       綺麗どころからも豆をいただく

(咲)

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2010年1月第5週
2010/1/31 (Sun)

24日(日)78号の原稿も書き終わってないのに、【エジプトと写真・オーガニックの旅・「旅と空想の美術館」ツアー】に参加してきました。行き先はエジプト・・・ではなく、山梨県北杜市。清里や小淵沢がいつのまにか北杜市になっていたのですね。主目的は、「清春 旅と空想の美術館」で2月28日まで開催中の常見藤代さんの「砂漠のサイーダさん」写真展。エジプトの砂漠でただ一人、家族と離れて遊牧生活をおくる女性サイーダさん。彼女を6年間かけて追った素敵な写真を初めて観たのは、もう4年程前でしょうか。個展の会場でちょっとだけお話した常見さんと、その後、アラブ映画祭の会場で再会。それ以来のお友達です。

さて、現地に着くまで、バスの中で常見さんがエジプトで撮ったビデオを見せながらトーク。サイーダさんの遊牧生活だけでなく、カイロの市場や、家のそばの路地で夜通し賑やかに騒ぐ結婚式の様子など、エジプトの庶民の様子が興味深かったです。(ベリーダンスに鼻の下を伸ばしていた方も!) ちなみに私たちの乗ったバスのボディには大きく「天ぷらバス」と書いてあって、駐車していると子ども達が興味津々で寄ってきます。天ぷらを揚げてくれる屋形船のバス版を想像してしまいますが、天ぷら油の廃油をリサイクルした燃料で走るバス。エコを意識したツアーだったという次第で、最初に降り立ったのは、農家の廃屋を借りて田舎体験している方のところ。40人程の参加者のほとんどは中東好き。雑木林の開墾や稲作体験の話にちょっと戸惑いながらも、八ヶ岳や富士山の雄大な姿を眺めながら自然に接したひと時でした。


快晴の空に山が綺麗でした!(山の名は??)     東京から毎週通って田植えした水田    

べるがの森でオーガニック野菜の美味しいランチをいただき、「旅と空想の美術館」へ。サイーダさんの写真を観るのは4度目でしたが、可愛らしい室内に飾られたサイーダさんは、また違った印象。


べるがの森 ~白洲・尾白の森 名水公園~         オーガニック野菜のランチ     


     清春 旅と空想の美術館             常見藤代さんとサイーダさん  

そして、最後の目的地は「清里フォトアートミュージアム」。今井寿惠「生命の証―馬とともに40年」の最終日でした。馬の写真か・・・と、あまり期待してなかったのですが、これがもう凄い写真展でした。今井寿惠さんは、77歳で亡くなられる前日までカメラマンとして仕事をしていた方。1956年「白昼夢」展で心象風景をイメージした写真で鮮烈なデビュー。前衛的な写真に時代が追いついてない状況でした。ファッションカメラマンとして活躍していた1962年、交通事故で1年半の間視力を失います。奇跡的に回復し、その時に観た『アラビアのロレンス』の広大な砂漠の中を一頭の馬が遠くから近づいてくるシーンに魅せられ、馬を追っかけるようになったそうです。映画は、人生を決定付ける力も持っているのですね。そして、競馬場ではベストポジションを用意して貰える実力に。今井さんの撮られた馬の写真の数々に溜息でした


清里フォトアートミュージアム

素敵な旅だったので、つい報告が長くなりました。この旅に元気を貰って、78号の残りの原稿を仕上げ、29日(金)無事入稿しました。休日が入る関係で、発行は2月中旬を予定しています。2009年読者とスタッフのベストテン、東京国際映画祭や東京フィルメックスをはじめとする秋の映画祭特集など、インタビュー記事も多数! いつもより6ページ多い94ページです。是非、お読みいただければ嬉しいです!

>> 78号目次

(咲)

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2010年1月第4週
2010/1/24 (Sun)

シネジャ78号編集日目前の18日、中東ミニ博物館の館長先生が天国に旅立たれました。テヘラン、アンカラ、イスラマバードの日本人学校長を歴任し、定年退職後に自宅を改造して開館。この春に二十周年を迎えるのを楽しみにしていた矢先のことでした。12月中旬、中東ミニ博物館の定例講座でお会いした時に、私の体重が勝つ程に痩せておられ心配していたら、年末にご入院されたとのこと。16日にイランのザクロを持ってお見舞いに伺ったら、手を差し出されて、しっかりと大きなザクロを握り締めてくださいました。それからわずか二日後の訃報・・・ 涙、涙です。
毎月会報を遅れることなく発行されていた先生、次々号の巻頭文も用意されていたと伺い、筆の遅い私は深く反省。「継続は力」も先生から学んだことです。シネジャも地道に続けていきたいと思います。そして、先生がくださった大勢の人との縁も大切にしていきたいと思います。合掌


中東ミニ博物館AA同好会恒例の花より団子のお花見の会。
トルコ料理屋さんで館長先生ご夫妻を囲んで。
2009年4月

(咲)

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2010年1月第3週
2010/1/17 (Sun)

13日(水)京橋にある映画美学校の地下にある第二試写室で『ルドandクルシ』(メキシコ)の最終試写。1時間位経って、ガエル・ガルシア・ベルナル演じるバナナ園で働いていたおトボケ男がサッカー選手として成功し大邸宅に住み始めたところで、ブチっと画面が真っ暗に。全館停電で復帰の見込みがないのでと、上映中止になりました。補助灯と懐中電灯の明かりで外に出たのですが、これが東京大停電なんて事態だったら・・・と、ちょっとヒヤッとしました。夕方、お詫びのファックスが入って、隣のビル解体の影響で送電が切れてしまったとか。映画美学校の入っているビル自体、今月で閉館して解体されるそうです。漆喰のデコレーションが素敵な建物なので、なんだかもったいないです。


レトロな雰囲気の映画美学校1階ホール             美しい漆喰の装飾     
(クリックで拡大します)

その夜入ってきたハイチ大地震のニュース。2007年の第8回東京フィルメックスで上映されたハイチ映画 『食べよ、これが我が体なり』を思い出しました。冒頭、空撮で海から町を映し出した圧巻の映像、横たわる白人の老婆、食べ物をむさぼる黒人の子どもたち、カーニバルでの奇怪な仮装行列など、強烈な印象を残した作品でした。テレビから映し出される大地震の被害の凄さに、被災者の皆様が一刻も早く安全な生活ができるようになることを祈るばかりです。


熱く語る『食べよ、これが我が体なり』のミケランジュ・ケイ監督
第8回東京フィルメックスにて

そして、今日は私の故郷神戸を襲った阪神淡路大震災から15年。町は復興しても、災害を実際に経験した方たちには色々な思いがいつまでも消えないことと思います。いつ襲ってくるかもしれない天災には逆らえないとなると、毎日を精一杯楽しく過ごすしかないっか~と、相変わらず能天気な私です。

(咲)

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2010年1月第2週
2010/1/10 (Sun)

お正月もあっという間に過ぎ去って、もう10日ですね。シネマジャーナル本誌の発行時期が去年の半ばから変更になって、2月・6月・10月になり、今、シネジャのメンバーは2月に発行する78号に向けて追い込み中です。以前の発行が4月・8月・12月で、4月は年度末にぶつかる、8月は夏休みをちゃんと休みたい、12月は11月末の東京フィルメックスや年末で忙しい・・・と、変更したのですが、お正月休みにゆっくり原稿を書ける!などというのは夢のまた夢でした。年末に書ききれなかった年賀状や、初詣など家族との付き合いもあるしで、まだ山の麓にいる私です。でも、いつも早く書き終える方からは、続々原稿が届いています。結局、締切ぎりぎりにしか書けない性格なのだなぁ~と反省。
そんな状態で映画を観にいく時間などほんとはないのですが、7日、『パーフェクト・ゲッタウェイ』(デヴィッド・トゥーヒー監督)がマスコミ最終試写だったので観にいってきました。(千)さんも来ていて、始まるまでおしゃべり。いつもならプレス資料を読んでから映画を観るのですが(実は寝てしまうことも多くて!)、ハワイ・カウアイ島を舞台にしたサスペンスというだけの予備知識で拝見。いやもう、えええっ~と驚く展開で、クラクラ。終ってから資料をみたら、表紙に「この映画の結末は、誰にも喋らないでください」と大きく書いてありました。内容はともかく、カウアイ島が綺麗だったなぁ~と思ったら、最初の空撮などはカウアイ島ですが、トレッキングやビーチなど多くの場面はプエルトリコで撮影したと判明。思わず、プエルトリコに行ってみたくなりました! 


『パーフェクト・ゲッタウェイ』
2010年1月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開
公式サイト:http://www.perfect-getaway.jp/

(咲)

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2010年1月第1週
2010/1/3 (Sun)

新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞシネジャをご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。


コミケのシネジャ・ブース

さて、昨年最後の一大イベント、大晦日のコミケ初参加報告です。
コミケの存在は知っていたものの、そも、シネジャがコミケ??と思っていました。中東の旅本などを出している友人から、「出す資格充分ありますよ」と言われ、ホイホイ参加することにしたものの、お盆の夏コミケで下見する予定が高熱で行けず、まさしくぶっつけ本番。行く道々、発足当時から関わっていらっしゃる友人の旦那様が、「会議室一部屋で始めたコミケが、まさかビッグサイト全部使ってやるような大規模なものになるとは思わなかったですよ」と感慨深くおっしゃっていました。ビッグサイトにただただ長机が並ぶという想像を絶する会場。手慣れた友人が小道具をいろいろ持ってきてくれて、長机半分の狭いところに、効率よく10種類のシネジャと、チラシなどを並べることができました。
助っ人に駆けつけてくれた名古屋の(美)さん、「あんな超満員の電車には生まれて初めて乗りました」と腰を抜かしてました。コミケには何回か友人の手伝いで参加しているという若手新人の(千)さんも無事到着。
10時開場。どっと人が入ってきて、人気ブースに駆けていく姿が見えました。(「走らないでください!」の声が・・・) 初参加なので、どれほどの方が興味を示してくれるかドキドキ。開場してほどなく、1990年代に「電影風雲」という香港映画や台湾映画の同人誌を作っていた方が通りかかって気付いてくださいました。しばしお喋りして懐かしいひと時でした。(「電影風雲」には、ほんとにお世話になりました!)ほかにも、中華圏の映画好きの方が何人も目を留めてくださいました。台湾映画『永遠の夏』(公開タイトル『花蓮の夏』)のその後を書いてましたよね・・・と尋ねてきた方がいて、(美)さんの初インタビューがこの作品だったので話がはずみました。
「東ブロックN 19-a」 のメモを持った男性の方が、奥さまからシャールクカーンのことが載ったものがあったら買って来るように頼まれたとやってきたりもしました。残念ながら持参してなくて、せっかくいらしてくださったのに、申し訳ありませんでした。タイやベトナムの映画に興味があるという方も! どの号にも、いろんな方面の映画が掲載されているのですが、自分自身きっちり把握してなくて、すぐに対応できなくて反省! 中東映画を扱っていることに感激してくださった方もいて、こちらはばっちり対応できました。(ちなみに、web版シネジャの「資料室」のところに「タイトル索引」があって、気になる作品をシネジャで取り上げているかどうか、検索できます!)
初参加でしたが、結構、次から次へといろんな方が覗いてくださって、映画談義に花が咲き楽しい時を過ごしました。お買い上げくださった皆さま、関心を示してくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。勢いで夏コミケの申込書を買ってしまいました。また会場でお会いできれば嬉しいです。

(咲)

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