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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

「中島みゆき『縁会2012〜3 劇場版』」
翁長裕監督インタビュー

平行法で立体視できます☆ ©2014 YAMAHA MUSIC PUBLISHING,INC.

2015年1月24日(土)より、新宿ピカデリー&丸の内ピカデリーほか、全国ロードショー。



©2014 YAMAHA MUSIC PUBLISHING,INC.

2012年10月25日から2013年5月23日の大阪フェスティバルホールこけら落とし公演まで、全国13会場29公演行われた、シンガー・ソングライター中島みゆきのコンサート「縁会」が劇場版となり、2015年1月24日(土)より全国の映画館で上映されている。本作は中島みゆきライブ映像の劇場版第5弾。
ミリオンヒット曲「空と君のあいだに」「地上の星/ヘッドライト・テールライト」、NEWS 23のエンディングテーマ曲「最後の女神」、「化粧」「泣きたい夜に」「時代」、そして27年ぶりにコンサートで演奏された「世情」など、珠玉の名曲20曲がスクリーンに甦る。


公式サイト
http://www.enkai-movie.jp/

配給:ローソンHMVエンタテイメント
協力:株式会社ヤマハミュージックパブリッシング・株式会社ヤマハミュージックアーティスト


©2014 YAMAHA MUSIC PUBLISHING,INC.

翁長 裕(おなが ゆたか 1957年~)プロフィール

沖縄県那覇市生まれ。音楽業界を中心に活躍する映像作家。プロモーションビデオ、ミュージックビデオ、TV映像、写真集等を手がける。
1981年、カメラマンアシスタント時代に撮りためていたアンダーグラウンドロックシーンのフォトドキュメンタリーが写真月刊誌「写楽」で特集される。
1982年 独立しフリーカメラマンに。音楽誌や写真グラビア誌を中心に活動を始める。
1983年 ロックバンド「RCサクセショ」のオフィシャルカメラマンに抜擢されたことをきっかけに、佐野元春、渡辺美里、大沢誉志幸らのミュージックビデオ制作やライブ映像を手がける。
1986年 自らの映像制作会社イフを設立。ディレクター&カメラマンとして、P.V(プロモーションビデオ)やライブビデオ等、音楽映像全般の企画制作を開始する。
久保田利伸、矢沢永吉、泉谷しげる、沢田研二、喜納昌吉&チャンプルーズ、GLAY、Blankey Jet Cityなど、日本の音楽シーンをリードするアーティストの映像を数多く演出、音楽ライブの劇場化を多く手がける。
2004年 中島みゆき「夜会 Vol.13 24時着0時発」演出
2007年 中島みゆき「一期一会」P.V演出、その中でQVISION(翁長裕が発明した立体映像表示装置)が主要小道具として登場。
中島みゆき初のライブドキュメント「歌旅 中島みゆきコンサートツアー2007」演出

中島みゆきコンサートの劇場版は、2012年の第1弾『中島みゆきLive 歌旅劇場版』以降、「中島みゆきLIVE&PV 歌姫 劇場版』」『中島みゆき 雛まつり』『中島みゆき「夜会 Vol.17 2/2」劇場版』と、全ての作品に監督として携わる。今回の「中島みゆき『縁会2012~3 劇場版』」は5作目。


◎インタビュー

取材 宮崎暁美(M)

*コンサート映像を映画にする

:中島みゆきさんのコンサートの映画化は、今回で5作目とのことですが、最初が2012年の『歌旅』ですから、わずか2年の間に5本もの作品が公開されたということですよね。すごいことです。全作品監督されていますね。今までコンサートの映像というのはビデオやDVDで見てきたのですが、それを映画館で公開するということ、みゆきさんに限らず、そういう例がいくつも出てきていますが、そのわけは?

翁長裕監督:ODSという流れがあるんです。いわゆる劇映画でないコンテンツを映画館で見てもらうということです。それは、近年若い人たちが映画館に足を向けなくなったのをなんとかしたいということでもあります。そんな中で、若い人は音楽物が好きということもあるので、今までパッケージとして売られていたようなものを良い音で大きな画面で見せたいというのがあります。
それに乗っているというのはあるのですが、みゆきさんの場合は、コンサートは大きな会場ではやらず、あくまで自分の声が届く範囲というキャパの大きくない会場でやるから、来られる人も限られている。そういう人たちにも彼女の音楽やパフォーマンスを届けられるならという思いがあり、そこで、双方が合致したということではないかと思います。

ODS “Other Digital Stuff/other digital source”の略
“非映画デジタルコンテンツ”とも呼ばれている。
映画以外のコンテンツを映画館で上映すること。5.1チャンネルサラウンドシステムをはじめとする上映設備を利用して、リアルタイムで、コンサート、演劇、オペラ、バレエ、スポーツ中継などの映像を大画面に写し出す。リアルタイムのものばかりでなく、ライブビデオなども鑑賞できる。

:今まで撮りためたものがあったから、この短期間に公開できるものができたということですね。

監督:そうですね。テストケースとしての『歌旅』があったのですが、『歌旅』を作るにあたって、「単なるライブビデオを出すつもりはありません。」最初の打ち合わせの席で、みゆきさんからきっぱりと言われました。この作品は彼女のコンサートの初映像化という、最初で最後かもしれないという一大アプローチでしたので、ツアータイトルに込められた言葉の意味を考え、僕の撮ったツアードキュメントをMCの代わりに曲間の要所要所に入れてあります。そういう成り立ちもあり、『歌旅』は、単なるライブビデオではなく、1人のアーティストの音楽人生のひとコマを切り取った、人間ドキュメンタリー作品として捉えて欲しいと思っています。
『歌旅』劇場版の制作にあたっては、純粋に彼女のコンサートを追体験してもらいたいとの立場から、ドキュメント部分を除いた演奏部分のみを繋ぎ直しました。その作品がこの劇場版シリーズの第一弾になったわけです。続く、第二弾、第三弾というのは、その流れで撮りためた映像を同じようにお届けできるように作ったわけです。


*みゆきさんを撮るようになったきっかけは?

:元々はロック系のアーティストを撮っていたとのことですが、みゆきさんを撮るようになったきっかけはあるんですか?

監督:きっかけは、メーカーの方で新しい切り口の演出家を探していた時期に僕の作品を見ていただいたことです。
幸いにもオファーを頂戴しました。それで、最初にやらせてもらったのが「夜会Vol 14 24時着00時発」でした。
その時は、舞台を映像化するという経験があまりなかったんですね。それで不安もあったのですが、実際拝見すると、舞台とはいえ音楽劇じゃないですか。だから入っていきやすかったんです。ただ、舞台劇を再構築する作業とコンサート映像の大きな違いは、ステージという枠の有無です。舞台は基本的に正面から見て成り立つ世界で、こっちのアングル、あっちのアングルという視点が飛び交うのはどうなのか?という自問自答がありました。けれども、“夜会”という摩訶不思議な宇宙空間を再構築するという楽しさに、そんな不安はすぐに消し飛んでしまいました。


*中島みゆきを撮る

:みゆきさんは、やさしいけど、強さがあるような歌とか、彼女の振る舞いが好きでファンになったのですが、そういうのが監督の映像からも伝わってきます。

監督:ありがとうございます。そこが僕の1番尊敬しているところです。みゆきさんの紡ぎ出す世界観というか、どこを向いて歌を作っているのかという、その価値観に一番惹かれています。選ばれた言葉の強さと美しさ、それにポップなメロディライン。それとプロ集団が奏でるサウンドですよね。それが全て合わさって言霊(ことだま)となってささってくるんです。
若い音楽家たちの言葉は刹那的ですよね。今を楽しくいこうというような。そういうのも否定しているわけではないですが、それを通りすぎた後に来るなぎの世界というか、浮き沈みがあって、調子いい人、調子悪い人がいると、彼女の場合は、調子悪い人の方に向いてくれているじゃないですか。最終的に「大丈夫だよ」というメッセージを伝えてくれる。そこが首尾一貫しているでしょ。そこは最大限敬意を持っているので、それを伝えたいという意志があるからこそのアングルであったり、カットの選び方だったり、曲の並べ方だったりなんだろうと思います。
ロックっぽいアレンジの曲は、それなりに活力というかリズム感を出しています。そして、そういうことを感じ取っている人たちのじゃまをしないように歌詞を繋いでいます。

:彼女の歌は暗いとか言われたりしていましたが、心折れた人の応援歌というのは一貫してありますね。

監督:僕もこの年になって、やっとそれが素直に受け止められているようになったのかなと思います。

:昔、みゆきさんの歌のことを怨み歌だの、暗いだの言っているのを聞くと、「よく歌を聴いてよ。違うでしょ」と反論しながら、みんなそういう風に思っちゃうんだともどかしく思っていました(笑)。
でも、今は心に染み入る歌、人生の応援歌として受け止められるようになって嬉しいです。

監督:なるほど。しかも彼女は、長く最先端にいるわけじゃないですか。今の「麦の歌」(NHK朝ドラ「マッサン」の主題歌)だってそうですが、深い世界観を持った歌ってあきないですよね。ご本人もどこかでおっしゃってましたが、ドラマの展開に合わせて、どんどん曲の解釈が変わっていくというのは、この曲の持つ懐の広さだと思うんです。ですから、こういうのをいくらでも出せるという、あの人の奥深さ。以前コンサートのMCで、『同じ時代に生まれてくれて、ありがとう。』という言葉がありました。逆の意味で、我々はこれから先、彼女と共にに生きられる、過去の作品ばかりでなく新作をリアルタイムに聴けるという、とてもラッキーな世代なのではないかなと思いますね。

:オールナイトニッポンのファンだったものとしては、彼女の歌だけではなく、曲の合間の話も聞きたいところではあるのですが、それは彼女自身がしたくないという以上無理ですね。

監督:MCは、本人がライブに来てくれたお客様のためのものというポリシー、鉄の掟があったわけですよ。それが見にこれない人たちのところにも、自分の表現を納得した形のものを伝えたいということできているわけです。MCというのは当日の臨場感のわけですよね。ライブの音楽だけを繋いだ括りというものは、ライブに新たな解釈というか、本来歌だけで15曲とかやってもいいと思うのですが、ところがそれでは来てくれたお客様に申し訳ないとか、ちょっと歌だけでは重たすぎるという思いがあってのことだと思います。あの歌とMCのギャップというのは、彼女一流の深くて重い歌の照れ隠しのような気がするんですね。

:私もそう思います。

私は彼女の歌では「時代」が一番好きで、「ファイト!」を聴いて、彼女にずっとついていこうと思ったのですが(笑)、翁長さんはどの歌が一番好きですか?

監督:曲というか、僕の映像で好きなのは「愛だけを残せ」ですね。あの曲はアレンジ違いもありますが、今回の「縁会」ではバラードっぽくなっています。それがすごく好きですね。

:彼女のたたずまいとか、アーティストとの組み合わせ。ほとんど同じメンバーで新たな挑戦をしていると思うんですが、冒険を求めつつ安心感というか、ファンからすると「彼女はこれだよね」というのは見たいんですね。そういうのを映像で伝えていっていただけたらありがたいです。

監督:彼女は守りに入ってはいないですし、大事なものがわかっている人です。自分にとって大事なスタッフはすごく大切にしています。今、こういう流行だからこういうスタッフをというのではないですよ。ご自身が試行錯誤した中で出会ってきたスタッフ達、 彼らもまたも同じようにみゆきさんの深いところに惹かれて繋がってきた人たちですよね。売れていようが売れていまいが関係なしに彼女のアーティスト性に惹かれている人たちが、今、残っているわけですよ。みゆき組というかね、一流の才能の集まりは強力だと思います。

:コーラスの方たちも20年以上一緒にやっている方もいますよね。

監督:家族みたいなものですよね。


*音楽映像の世界に入ったきっかけ&ライブ映像を撮る醍醐味

:音楽業界に入ったきっかけは? もとはスチールカメラをやっていたとのことですが、音楽や好きなアーティストがいてこの業界に入ったのですか?

監督:みゆきさんに限らず、いろいろなスタイルのアーティストの作品をやらせてもらってきましたが、スチールカメラマンになろうと思った時、コマーシャルや報道など、カメラでもいろいろ分野がありますが、その中で一番感覚が合ったのが音楽の分野だったんです。趣味で友人とバンドをやっていたということもあると思います。好きなものにはこだわれるじゃないですか。食べることができなくてもやることができる。そんな中でいろいろなきっかけがあって、その流れの中で写真から動く画に来たんです。当初、写真で音楽のことを表現しようとしていたのですが、VTRが一般的になってきたということもあって、自分で静止画よりも動画のほうが、より可能性があるんじゃないかと思いました。

:今は両方やっているのですか?

監督:今は、写真は趣味みたいなものですね。ほとんど動画です。音の聞こえるような写真を目指し色々なアプローチをして来ましたが、究極のシャッターチャンスが生まれないような場面でも、動画だと意外に感動出来たりするわけです。静止画に時間軸の加わることの面白味さに魅了され、ムービーの世界に足を踏み入れた次第です。

:他のアーティストもたくさん撮っていますが、カメラを何台も設置して、いくつものアングルで撮った中から翁長さんがまとめるという形ですか?

監督:撮るというのは記録じゃないですか。けれども良く考えてみると記録と表現とは根本的に違いますよね。記録という観点で見れば、カメラ台数を増やせばそれだけ記録密度が上がるわけですけど、表現となるとそれぞれの絵に意思を持たせないといけない。カメラマンが何を感じて、どう撮るかという動きが出てくるわけです。スチールの場合もそうですが、動画の場合はそれがより顕著に出て、どこにピントを合わせているとか、どこに向かって動くとか、どこに向かってズームイン、ズームアウトするかという一連の流れがそのカメラマンの感情とリンクするわけですよ。自分がカメラをまわす時はそうやって撮るし、同じような感覚を持つ人間がたくさん撮ってくれると、その一番いいところを繋いでいくと見るに耐えるものになるわけです。それが、ただ写っているものを切り替えてゆくと、中継になってしまうわけです。もちろん、それから感じるものは受け手の問題ですから、中継映像で感動する人もいるでしょう。けれども何度も繰り返し観直すうちに、両者の違いは歴然としてくるものです。

:もちろん生が、一番臨場感があるわけですが、逆に劇場では見ることができないものを見ることができるというのが映像だと思います。指先の動きとか、唇の動きを見ることで、別の感情がわきあがってきたり、別のものが伝わってくることもあります。

監督:そうなんです。僕らカメラマンは、ライブ収録の場合、それぞれのカメラマンは特等席にいるわけですよ。そこから得られる情報を一番いい形で調理するということですよね。

:いくらいい映像を撮ったとしてもどうまとめるかですね。

監督:そうですよね。それこそが映像制作の醍醐味なんですが、そこで1番気をつけなければならないことは、観客席で見ておられたお客様の感動よりも我々の作った作品の感動が劣ってはならないということなんです。それはお客様に対しても、またアーティストに対しても失礼なことだと考えています。そうあるべく、作り手の傲慢さに陥らぬよう、常に謙虚な気持ちで作品に向き合っています。これは。「あの時、あの席で見て感動したのに、この映像はしょぼいな」というように言われる可能性もあるわけです。それは、さっき言った、「感情がちゃんとリンクした映像をすくい上げて繋いでいるか」ということにつながると思います。
メリットを得た上での作品作りであるならば、何倍かにして返さないといけないわけで、そこはやはり厳しい世界ですよ。お客様から「生は良かったのになー」と言われると、ごめんなさいという感じ。
「生で見ることができなかった部分を見ることができて良かった」と言われると、それは非常に救いになるわけです。
また、ただアップがあればいいという話しではないですよね。ほどよいところで、ちょうど見せてくれたから収まるわけで、のべつまくなしにいろいろな画が次々と出てきたら、情報的にはいっぱいでも感情がついてこないじゃないですか。要は編集がどうのこうのとか感じさせずに、見終わった時に、「素敵でした」とか、「見応えありました」と思ってくれるような後味を残すための作業ですから。

:そのためには、今までの積み重ねもあるし、一人のアーティストのライブを取る時に、何度かリハーサルとか本番を観てイメージを膨らませるのですか?

監督:アーティストのコンディションもありますが、だいたい2日間撮ります。当日、リハーサルからカメラを回したりもするのですが、ぶっつけ本番のほうが感情がダイレクトに動けるんです。カメラに慣れていないと、1回練習しておかないと本番で失敗すると怖いということはあるのですが、ある程度の技量があるカメラマンは、ぶっつけ本番のほうがいいんですよ。実は何回もやっちゃうと、うまく撮ろうとか余計なことを考えちゃったりするんです。その場のインスピレーションが大事です。

:私も時々、スチールでライブなどの写真を撮ることがあるのですが、ここっていう場面を逃してしまうこともあるから、リハーサルを見ることができればシャッターチャンスのポイントを押さえておくことができるのにと考えることもあります。

監督:スチールは個人作業ですからね。ライブの写真はポジションが命というところがあるじゃないですか。ライブビデオの場合はいくつかの場所で撮っていますからね。


*映画館でライブ映像を見ることができるようになったのは?

:リアルタイムで、コンサートなども映画館で見ることができるような時代になりましたが、これは音響効果などが良くなったことがあるのですか?

監督:ライブ映像などは、劇場のメリットを生かせるコンテンツなんだと思います。もちろん劇映画もそうですが、ミュージカルやクラッシックの公演なども上映されるようになりました。音が良くて、画が綺麗だと入って行きやすいですよね。

:そういう意味では、歌舞伎なども映画館でやっているし、映画館で見ることができる映像は多彩になっていますね。

宣伝の方:映画館がデジタル化したというのがひとつの大きな流れで、フィルムでなくて、デジタルになったので可能になりました。

監督:いちいちフィルムに落としているとコスト的に見合わなかったのが、通信で同時に生中継したりとかできるようになったわけですね。

:今回のコンサート(2014年12月)も撮っているとのことですが、映画になる可能性はあるのですか?

監督:まだわかりませんね。

:どちらにしてもDVDとかにはなるのでしょう。劇場公開版は、DVDになると思いますが、形にする基本的な流れは一緒ですか?

監督:そうですね。一番心地良い間合いと、長さと、展開を吟味して作っているつもりです。

:大きい画面で見ると感動が違いますよね。次回も期待しています。どうもありがとうございました。



取材を終えて

私は中島みゆきさんと同い年。1975年にみゆきさんがデビューした時からのファンです。彼女の歌は私の応援歌でした。傷ついた人の心を優しく包み込む歌、そして奮い立たせてくれる歌など、いつも彼女の歌は私の横にありました。40年近くなります。これってすごい!
でもコンサートには5回くらいしか行ったことがありません。シアターコクーンでのコンサートが始まった最初の頃は、チケット発売日にチャレンジしたこともあったのですが、ほとんどすぐに売り切れでチケットをゲットすることができず、コンサートに行くのは数年であきらめました。DVD時代になってからはコンサートのDVDを買って見たりしました。
でも、2012年、みゆきさんのコンサートを劇場公開版として見ることができるというので、小躍りし、いそいそと出かけました。大きな画面でコンサートを見ることができるというのは迫力があり感動でした。彼女の歌ばかりでなく、所作、目の動き、手の動き、歌っている口元を見ながら、曲を聴くことで、CDとはまた別の思いが伝わってきました。その後、何度も劇場版が作られ、今回が5作目ということで、監督にインタビューすることができ、劇場版を作る時の話を聞くことができました。このような形で映像ができてきたんだということを知り、また映画館で見る楽しみが増えました。
コンサート会場の最前列にいるような臨場感を体感できる貴重な機会。ぜひ皆さんもみゆきさんを見に劇場に出かけてみませんか。(暁)



これまで、シネマジャーナルで紹介した中島みゆきさん関係の記事

音楽好きなので、シネマジャーナルは映画雑誌といいながら、音楽に関わる映画も紹介してきました。中国、台湾、香港など中華圏の映画にはまって、さらにそれがきっかけで中華圏の音楽にもはまり、この20年中華圏の歌を聴いてきました。それはみゆきさんの歌がたくさんカバーされているというのもきっかけでした。たぶん、中華圏ではみゆきさんの歌が一番カバーされているんじゃないかと思います。

シネマジャーナル30号(1994年)
 このカバー曲のもとうたは何? 第一弾
 http://www.cinemajournal.net/bn/30/cover.html

シネマジャーナル31号(1994年発行)
 このカバー曲のもとうたは何? 第二弾
 http://www.cinemajournal.net/bn/31/cover.html

シネマジャーナル31号(1994年)
 中島みゆきの歌と香港ポップス
 http://www.cinemajournal.net/bn/31/miyuki.html

シネマジャーナル85号(2012年)
 音楽をキーワードに映画を語る(13) 『中島みゆきLIVE 歌旅 劇場版』

シネマジャーナル86号(2012年)
 音楽をキーワードに映画を語る(14)『中島みゆき「歌姫 劇場版」』

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