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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
中国映画祭2002(9・18--22 朝日ホール、国際フォーラム)

『ザ・トリートメント』(刮[病だれ+沙])
主演女優・蒋[雨/文]麗さんインタビュー

 19日、上映に先立ち舞台挨拶に登場した蒋[雨/文]麗(チャン・ウェンリー)さんは、 胸のあいた白いブラウスに黒のパンツ姿。すらりとした長身で遠目にも綺麗! 「大地の子」以来、たびたび来日して日本が大変好きです、とご挨拶。

<補足:北京電影学院出身で10数本の映画に出演、TVでも活躍中です。NHKのドラマ 「大地の子」で日本でもお馴染みになりました(陸一心の妻、江月梅)。>

 20日、予定より短くなってしまった時間の中で、慌しくインタビューが始まりました。今日は黒の皮ジャケットに、インナー、ジーンズ、足元はスニーカーです(色忘れました)。髪はヘアバンドで後ろにまとめ、チャームポイントのおでこを出していました。 お母さんになったとは思えないスタイルの良さ!愛くるしい笑顔もそのままです。

チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー 

Q: 映画は全て北京語吹き替えでしたが(アメリカでの映画なのに)?

蒋: 元々は、お父さん(朱旭)以外はみんな英語を話しています。北京で上映の際、字幕でない方が観客が入るとの判断で吹き替えにしたのです。でも南京、上海では原版(英語セリフで北京語字幕)を受け入れてもらえました。 今回はなぜか吹き替えした方が来てしまったようです。

<補足:スタッフの方に伺ったところ、中国から送られるときの手違いだそうです、すぐ原版を取り寄せようとしたのに諸事情で間に合わなかったとのことです。映画に深く関わることなので、次に上映の機会にはぜひ原版で!>

Q: この映画に出演のきっかけは?

蒋: 少し前に母親役を演じたのが好評だったのと、英語を話す女優が少ないことから監督が声をかけてくださったのです。

<補足:TVドラマ「牽手」で母役を演じ大ヒット。多くの女性の共感を呼んだのだとか。
アメリカへは94年に英語を学ぶために行き、後に結婚してから暮らしているので英語に関しては没問題。>

Q: 朱旭(ヂュー・シュー)さんと梁家輝(レオン・カーファイ)さんについて

蒋: 朱さんとは三度目の共演です。俳優としてはもちろん、1人の人間としても大変尊敬しています。明るくて自然体で、毎回学ぶことの多い方です。梁さんとはこれが初めてです。魅力的でスターの風格があって、それでいて少しも偉ぶったところがなく、周りの人をいつも気遣ってくれました。

Q: ロケはアメリカだけですか?

蒋: ミシシッピーのセントルイスというところで、屋内の撮影も全てそこでしました。

<補足:ここで「長いロケ中お子さんは?」とうっかりボケた質問をしてしまいました。まだ当時は生まれていなかったのでした。失礼いたしました。当時はアメリカ在住、現在は北京在住とのこと。>

Q: アメリカと中国の文化摩擦が描かれていますが、ご自身も住まわれた経験があって共鳴されたのですか?

蒋: 両方に住みましたので、共感する部分はありました。歴史と文化の違う遠い国、今は便利に往来ができて近くなっていますが。そういう国の文化の違いがあっても、「愛」があれば「違い」は取り除けると思うんです。 「愛」を基礎にしてコミュニケーションをとって行く、そういうテーマが撮影が進むにつれ、だんだんはっきりとしていきました。

Q: 「グァシャァ」は体験なさったことがありますか? 

蒋: はい、友達にしてもらったりしました。スプーンなどでこすって赤くなればいいんです。熱が出たりした時などよく効きます。日本ではしないんですか?

<補足:「グァシャァ」は「刮[病だれ+沙]」と書きます。これが原題で、英語では” Treatment”と訳されています。漢方で普通に行われる施術というのでしょうか。気の流れを良くして悪いものを外に出すのだそうです。滞っていた悪いものが出ると跡が赤くなると考えるようです。映画では、その跡が児童虐待の証拠と誤解されてしまいます。>

Q: これから挑戦してみたい役柄は?

蒋: いろいろ、毎回違う役に挑戦してみたいですね。

Q: 悪女役なんていかがでしょう?

蒋: 見た目があんまり悪役向きでないので…。あ、日本の映画で『キャッツ・アイ』 に出た時は悪い人でした。イメージが壊れてしまいました。でも「悪」の中にも「善」があります。共感してもらえるような役ならやってみたいです。

チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー
チャン・ウェンリー  チャン・ウェンリー
マネージャーさん?からいただいた写真

<映画紹介>

アメリカに住む中国人夫婦、ダートンとジェニーは仕事も評価され、 幼い息子と幸せに暮らしています。 北京からやってきたダートンの父もゆくゆくは永住許可をもらい、同居の予定。ひとつの小さなできごとがきっかけで、ボタンを掛け違えたように次々と悪い方へころがっていって…。

ダートンに梁家輝、その父親に朱旭、芸達者な2人のやりとりに泣けますが、きりりとした[雨/文]麗さんも印象的な役です。安ホテルでの夫婦の会話のシーンは、彼女の希望でできたところだそうですよ。

インタビュー終わり、スタッフに急かされつつも「アリガトウ」とにっこり、「スミマセーン」と我々に手を振って次のお仕事に向かわれました。ぴん!と姿勢の良い、育ちも良い方だなぁという印象でした。

  1. 中国映画祭(1)『ザ・トリートメント』主演女優・蒋[雨/文]麗さんインタビュー
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(文:阿媽 写真:景山、岸井、阿媽)
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