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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
Oct. 25, 2001 (revised on Nov. 14)

『Needing You/ニーディング・ユー』(原題:孤男寡女)
サミー・チェン(鄭秀文)来日

サミー・チェンサミー・チェン

 香港では歌手として以前から男女問わずカリスマ的人気のサミー・チェン。今までにも何本か映画主演があったが2000年に公開された『Needing You(原題)孤男寡女』以降、女優としても目覚ましい活躍をみせている。そのサミーが香港での4度目のソロコンサートを終えて間もなく来日。11月から公開される『Needing You』の取材を受けた。
今回は公開に併せ、WEB版特別記事として皆さまにその模様をお伝えします。

9月 都内ホテルにて

サミーはジーンズにこの秋冬トレンド、ブラックのフリル付きトップス。最近お気に入り?のヘアアレンジにメイクもナチュラルな感じで登場。華奢なので一見小柄に感じるが、実際は164cm位はありそう。笑顔がキュート!

まず、「ハロー! サミーさん(笑)」と日本語でご挨拶。

ー この作品に出演する前と後では心構えはどのように変わりましたか?

サミー: 『Needing You』に出演してから女優業に更に興味が増しました。この作品の後一気に5本の映画に主演しました。それまではエネルギーを歌手に費やしていましたが、今は女優としてのウェイトが増えています。

ー ジョニー・トー監督と仕事をする前と後では何か変化がありましたか?

サミー: 仕事をする前はとても厳しい監督だと思っていましたが、仕事をしてみて面白い人だと思いました。トー監督はアクション映画もエンターテイメント性の高い映画、芸術作品も撮れる監督だと思っています。

ー 『Needing You』『痩身男女』と共演されたアンディ・ラウさんについては

サミー: 相手役としてとても息が合いました。両作品とも香港で興行成績が良くとても嬉しいです。アンディさんとはまた共演出来たら良いと思うし、その時はもっともっと良い興行成績が出せればと思います。

ー サミーさんはOLの経験がないですが、どうやって役柄を研究しましたか?

サミー: 姉やOLの友人に聞いたり、自分で想像したりしました。

ー コメディとシリアスのどちらを演じるのが好きですか?

サミー: 撮っている間のプロセスが楽しめるのでコメディの方が良いですね。シリアスの方はこれから出演する機会が増えていくと思います。何本か企画もあります。

ー 劇中に出てくるお守りに、恋人から言って欲しい言葉が書いてありますが自分だったらなんと言って欲しいですか?

サミー: I LOVE YOU !(大照れ)

ー ストレートですね!

サミー: はい! I LOVE YOU (キッパリ!)

ー 普段クールなイメージのサミーさんが、かわいらしいKinkiを演じるにあたり抵抗はありませんでしたか?

サミー: 抵抗はなかったです。初めに脚本を読んだとき、KinkiはOLの方が見たとき共感できるような得なキャラクターと感じました。

ー 日本の俳優さんで共演してみたい人はいますか?

サミー: 私は日本語が出来ないので、共演は難しいですね。
言葉の壁という点では、金城武さんなら北京語で話せるのでやりやすいと思います。今、2002年にトー監督作品で金城武さんと共演する企画があがっています。

ー コメディ的な作品でヒットが続いていますが、今後演じてみたい役は?

サミー: たくさんありますね。今までOLの役が多かったので、例えば普通の人やスペシャリスト、お母さんの役も演じてみたいです。

ー 今回仕事以外でどこかに行かれましたか?

サミー: 仕事が終わったらちょっとショッピングに行ってみたいです。日本料理も好きなのでお刺身が食べてみたいですね。

ー 最後に日本のファンへのメッセージを

「『Needing You』は私の日本公開第一作目になります。まず、この映画から私のことを知ってください。どうぞよろしくお願いします」


 というように、意外にもサミーの映画が日本で劇場公開されるのはこの作品が初めて。歌手として常に新しいスタイルを発表し、過去の主演作品もシャキシャキした女性のイメージが強い彼女が、今回は180度変身。かなり変わったクセを持つ、ちょっとぼーっとした女性を演じているのが新鮮だった。サミーはこの作品で女優としても一気にブレイクし、2年間で5本の主演を果たす。今はコメディの比重が多いようだが、シリアスな彼女も観てみたい。

 これまで、トー監督作品に対する私の印象は、『赤脚小子(未公開)』『ロンゲスト・ナイト』『過ぎゆく時の中で』など「やりきれないないほど悲しい話を作る人」であった。
その監督がサミー&アンディでコメディ?と聞き、はじめ「???」であったが、観てビックリ。
とてもステキなラブコメディに仕上がっている。アンディ演じるプレーボーイでやり手の上司とボーイフレンドとの結婚を夢見つつ、平凡にOLとして働くサミー演じるKinkiのやりとりもテンポが良い。(アンディも冷たいヤツかと思いきや、部下思いでまさにスーパー課長!)会社内で起きる珍事やKinkiと家族の会話など「ある、ある」とクスクク笑ってしまった。サミーが唱う主題歌「感情線上」もホッとするようなメロディで作品にピッタリ合っている。
この作品、デートにもお勧めです。

 実は私が今年観た映画ナンバー1はトー監督ザ・ミッションなのだが、「同じ監督で、ここまで違うタイプの映画を作り上げる事が出来るだなぁ」とその才能に感服。


おまけ: 『Needing You』を観る前にぜひ観ておいて欲しいビデオがある。トー監督作品でアンディ・ラウ代表作『アンディ・ラウの逃避行』。本作とは全く関係ない作品だが、映画の中にアンディのセルフパロディが折り込まれているのだ(香港人なら誰でも知っている名場面です)。元ネタを知れば面白さが2倍になるので、ぜひレンタルビデオ店へ!

今夏香港で、ジョニー・トー監督、サミー&アンディ共演で日本ロケの『痩身男女』も公開され評判を得ている。この映画は東京国際映画祭 シネマプリズムで公開。残念ながら前売りは売り切れだが、当日券もあるのでチャンスがあればぜひご覧ください。

Needing You / 孤男寡女』の紹介が本誌51号,53号に掲載。

サミー・チェン雑誌掲載予定
キネマ旬報  11/5
ロードショー  10/21
スクリーン  10/21
DVD&ビデオデータ  10/20
CDジャーナル  10/20
TV Taro  10/24
マリ・クレール  11/22
e+B  11/4
MOVIE GONG  11月上旬
ポップ・アジア  12/10

Needing You

監督:ジョニー・トー(杜[王其]峰)
出演:サミー・チェン、アンディ・ラウ、レイモンド・ウォン(黄浩然)、ラム・シュー(林雪)、フィオナ・リョン(梁藝齢)
配給:グルーヴコーポレーション
上映スケジュール
 11月10日(土)より 新宿ピカデリー4(03-3356-4881)にてロードショー
            連日 11:00/1:00/3:00/5:00/7:00
           新宿駅東口 紀伊國屋ビル裏
           TEL 03-3356-4881
 11月16日(金)より 渋谷シネパレス(03-3461-3534)にてレイトショー
           9:00p.m.より1回上映(日曜休映)
    ・どちらもレディースデイ(毎週水曜日)は女性1000円

 12月より     パラダイスシネマ(大阪)
 12月15日(土)より キネカ大森(レイトショー)

本誌53号

シネマジャーナル53号は渋谷シネパレスでも販売中!


『Needing You』場面写真 『Needing You』場面写真 『Needing You』場面写真
写真提供:LIBERO

★サミー・チェン(鄭秀文)映画出演作★

1992年  新・愛と復讐の挽歌 ラヴ&デス(飛虎精英之人間有情)』 共演:ジャッキー・チュン(張學友)
1995年  百分百感覺』共演:イーキン・チェン(鄭伊健)
1996年  百分百[口岩]feel』共演:イーキン・チェン(鄭伊健)
1998年 行運一條龍』共演:チャウ・シンチー(周星馳) 
2000年  Needing You(孤男寡女)
夏日的麼麼茶 』共演:リッチー・レン(任賢齊)
2001年  鍾無艷』共演: アニタ・ムイ(梅艷芳)、セシリア・チョン(張栢芝)
同居蜜友』共演:トニー・レオン(梁朝偉)
痩身男女』共演:アンディ・ラウ(劉徳華)

『Needing You』関連リンク


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(文:了舟ヒサミ 写真:宮崎暁美 映画写真提供:LIBERO)
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