2010年3月19日
*ストーリー*
ルカ、マニュ、フィリップ、ジャコブ、マリオの五人組は仲の良い幼なじみ。彼らが結成したロックグループ「ラスト」は、着実にファンを増やしていた。レコード会社との契約も目前だ。だが、学業かプロになるのか将来の不安で、メンバーの思いはすれ違う。そこにローラという魅力的な女の子が現れ、微妙に人間関係が崩れていく・・・
パリに実在するクラブ「バス・パラディアム」が伝説的な盛り上がりを見せた80年代を舞台に、監督自らの体験を踏まえ、大人への一歩を踏み出す若者たちの恋と友情を描いた作品。
★エリザ・セドナウイ 1987年イタリアに生まれ、1994年両親の離婚をきっかけにフランスに移住する。2006年モデルとしてデビュー。数々のファッションブランドのカタログ、ショーのモデルをつとめる。本作では一度に二人の男性を愛し、彼らを惑わす、自由で美しく魅惑的な女性ローラを演じる。
「ラスト」の男の子たちを虜にする魅力的な女の子ローラを演じたエリザ・セドナウイさんにインタビューの時間をいただきました。
― 若い人たち一人一人が、個性と魅力に溢れていて楽しめました。ロックバンドのレベルも非常に質が高く素晴らしかったです。この2つが揃った作品は稀なので、嬉しくなりました。
エリザ:ありがとうございます。監督のクリストファーさんも喜ぶと思います。
― 映画の舞台は、今から25~30年前のエリザさんが生まれる前の年代ですよね? でも、今のことのような新しい感覚で観ることができました。
エリザ: 舞台は80年代初めですね。でも、監督が描きたかったのは、特定の年代ではなくて、友達の関係。少年から青年への過渡期で、約束をしたけど守れないこともあったり、人生をどう過ごすかを考える時期。そこに重きを置いて描いたのだと思います。
― 二人の男性を同時に愛するということ、女性として理解できます。
(ここで携帯が・・・ 「スミマセン!」と、電話に出るエリザさん。「インタビュー中なの。あとでね」と言っていたようです。)
エリザ:ローラ役は心がオープンで、大きくて、スペースがいっぱいあるの。愛は愛を除去しない! 気持ちに忠実なの。
― 一番印象に残ったのは、兵役を免除してほしいためにノイローゼだと申告して何とかして逃れるところでした。
エリザ:私もあの場面、大好きよ!
― ルカとマニュの二人がユダヤ人という設定にどういう意図があったかご存知ですか?
エリザ: ユダヤ人はジャコブ。(ここで、私の勘違いが発覚! 失礼しました。) おばあさんが存在感あったでしょう! ジャコブの妹ジョシーを演じた Amandine de la Richardièreは、17歳。自分で歌を作って歌っているの。すごいパワーのある子。彼女はあんなに若いのにしっかりしていて、22歳の私の方が子供っぽいの。
― イタリアで生まれて、その後、ご両親の離婚でフランスに移住したとプレス資料にありましたが、母国語は? そして、エリザさんのアイデンティティは?
エリザ:第一にイタリア語。イタリアで生まれたけど、7歳までエジプトにいたの。アラビア語もわかります。
― アッサラーム・アレイコム!(あなたの上に平和あれ)
エリザ:ワレイコム・アッサラーム!(そして、あなたの上にも平和あれ) わーぉ! アラビア語が話せるのね?
― シュワイヤ!(少し!)
エリザ:日本でアラビア語のわかる人に会えると思わなかったわ。で、エジプトのあと、イタリアに戻って高校卒業までいたの。その後6ヶ月、パリとロンドンを行ったり来たりして、今はニューヨークにいるの。
― そうすると、エリザさんのアイデンティティは?
エリザ: 地球人! イタリアでしょ、エジプトでしょ、フランスでしょ・・・
― 映画出演は2本目ですね?
エリザ:そう! これが2本目。一本目の『Eastern Drift』はベルリンで上映されています。劇場公開される映画は、これが初めて。
― モデルとしてデビューされたそうですが、いつ頃から映画俳優になりたいと思っていましたか?
エリザ: これは運命。女優にならなくちゃと思っていたわけじゃなくて、色々なことに挑戦したいの。
― 心に残る思い出の映画は?
エリザ: 映画じゃないんだけど・・・ 12歳の時に初めて日本に母と来たのですが、素晴らしくて、ほんとに印象的で思い出に残っています。伝統と近代的なもののミックスが絶妙ね。他人に対する思いやりの心も素晴らしいし。あと、お寿司屋さんも楽しみ!
― 今回、監督にお会いできなくて残念だったのですが、監督はどんな人ですか?
エリザ:魅力的な人。大好きです。方針もしっかりしていて、ナチュラルでエレガント。監督も日本が大好き。彼もディナーに和食をいただくのを楽しみにしているのよ。
― あっという間に時間が来てしまいました。監督にもお会いしたかったとお伝えしてください。
朝から多くの取材を受けていたエリザさん。疲れも見せず、はつらつと答えてくださいました。時間が押していて30分の予定が15分になってしまい、作品について深くお伺いすることができなかったのが残念です。
それにしても、7歳までしかいなかったエジプトなのに、アラビア語もちゃんと覚えていて、物心がつく頃を過ごした地を大事にするエリザさんの思いを垣間見たような気がします。これからも映画の世界だけでなく、幅広く活動されるのを楽しみに見守りたいと思います。
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