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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『チョコレート・ファイター』
最強ガールズ・ファイター ジージャー登場

ジージャー、ザブングル

4月15日(水) @スペースFS汐留ホール

5月23日(土)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショーされる、『チョコレート・ファイター』。本国タイでは『レッドクリフ PartI』の2倍以上の興収をたたき出す大ヒットを記録した話題作。華奢で小柄な美少女が、屈強な男たちを次から次へと蹴り倒す、ノースタント、ノーワイヤー、ノーCGの超絶アクションムービーです。この日は、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督が4年をかけて育て上げ、この映画で主演デビュー、ニュー・アクションスターとなったジージャーが来日。日本人ヤクザで父親役の阿部寛さんと共に、舞台挨拶をしました。

ジージャー、阿部寛

舞台に登場したジージャーは、阿部寛さんと並んでいることもあってか、本当に小柄で華奢に見えます。こんな身体でよくもまあ、あんな激しいバトルを展開できるものだと感心してしまいます。

ジージャーは今回3度目の来日。最初は子どもの頃に観光で浅草や奈良やディズニーランドへ行き、2度目はこの映画の撮影で3年前の桜の咲くころに福岡へ行ったといいます。日本の印象を聞かれて、
ジージャー

「日本の好きなところは、気候も景色も好きだし、道路や街がとても清潔なところも好きです。そして日本の皆さんがとても親切にしてくれることも、とても嬉しく思っています。それから、日本の料理もお菓子もとってもおいしいのも忘れちゃいけないポイントです。」
お菓子が入っているところが女の子らしいですね。

阿部さんはタイ映画への出演依頼を最初はどう受け止めたのかと聞かれ

「『マッハ!』を撮った監督の作品と言うことで、まず最初にぼくはアクションはあんまりできないんでそこが心配で、アクションはどのくらいあるんですか? と聞きました。そしたら日本人のヤクザの役で、アクションが凄くできる人ではないので大丈夫ですと言われまして。『マッハ!』のアクション映像が凄かったので、どんな監督なのか、是非その現場を体験してみたいと思ってお引き受けしました。」
アクションはできないと謙遜されていますが、クライマックスではスタントなしで日本刀もって大勢を相手に立ち回り、かなり格好良いんですよ。

実際の撮影現場の様子については、
阿部寛

「香港の作品にも昔出たことがあるんですが、外国の作品だと台本が無いんですよね。もちろんある程度のストーリーは作ってあるのですが、セリフとかはほとんど無いに近いんです。その日に撮るシーンのセリフは、その日に現場で渡されて、話し合いながら作っていくんですが、そんな中でも監督のアクションや演技に対するこだわりは凄かったです。例えばアクションは、日本だったら3ページのシーンを1日で撮るように考えると思うのですが、3か月ぐらい前から仮セットを組んでスタッフ含めて練習させて、2週間かけて撮るんですよ。もしそれが気に入らなければ、更に1週間追加して撮るという、そういう贅沢な環境の中で撮っているので、あのクオリティのものができるのかなと思いましたね。彼女(ジージャー)も4年前から準備して、これが映画初出演で、途中で挫けそうになったこともあるらしいんですが、こうやって凄いアクションをやり遂げたんでね、びっくりしました。」
ピンゲーオ監督の映画は危険なシーンの連続でもあり、新しいアイデアの創出と安全の確保のために、それだけの準備が必要なのでしょうが、日本の映画人にとっては羨ましい環境と言えるかもしれません。

見どころはアクションシーンに違いないのですが、

「監督が一番苦労したことは、映画の中でわたしのような身体の小さい女の子が男を相手に戦って倒すことにリアリティを持たせるにはどうすればいいかということです。それで思いついたのが、わたしの役をある特定のことに大変な才能を持つ自閉症の女の子という設定です。また男の力に負けないために、スピードと柔軟性を使ったアクション設計をしています。加えて阿部寛さんが素晴らしい心の持ち主のヤクザ役を演じていらっしゃるのも見どころです」
ジージャー、ちゃんと阿部さんプッシュを忘れません。その阿部さんは見どころを聞かれて
「最後のエンドロールのところでNG集が映るんですが、ここを見るとCGなしのリアルファイトでアクションシーンを撮るのがどれだけ大変かがよくわかると思います。最後まで見きって下さい」
確かにNGシーンを見ると思わず息をのむようなハプニングの連続です。ジージャーにやっつけられる役をやっているスタントさんたちにも、本当にご苦労様ですと頭を下げたくなります。是非エンドロールも席を立たずに観て下さい。

ジージャー、阿部寛

さて、ジージャーと阿部さんのご挨拶はここまでで、お2人がはけた後の舞台にはお笑いコンビのザブングルが登場しました。加藤さんの方はムエタイの格好ですが、なんか普通にタイ人に見えます。なんでもフィットネス・ジムの方に「あなたの筋肉は素晴らしい、格闘家をやるべきだ」と言われたのが自慢らしく、おきまりのネタ「見ろやこの筋肉〜!!カッチカチやぞ!」とやろうとしたのですが、試写会独特の冷静な空気に途中で心折れてグダグダに(大笑)。
ジージャー、ザブングル どうやらこの2人、ジージャーに戦いを挑みに来たらしく、「あんな小娘には負けない、どっからでもかかってこい!」発言も飛び出します。そのジージャーにいきなり背後から見事な跳び蹴りを喰らうのでした。加藤さん「リハよりかなり強めでびっくり」と言いながら、アクション対決に突入です。

アクション対決 その1 超至近距離バック回し蹴り
ジージャー、ザブングル
ジージャーの回し蹴り
ジージャー、ザブングル
ザブングル・松尾 恐いからお願いだからやめて
アクション対決 その2 ブリッジキック
ジージャー、ザブングル
ジージャーのブリッジキック
ジージャー、ザブングル
ザブングル・加藤 ここまでは何とか
ジージャー、ザブングル
グダグダです

いずれもグダグダな感じで加藤さんの負け。罰ゲームとしてジージャーの寸止めキックをうけることに。加藤さん、初めは「このドラえもんみたいな人、誰ですか」といじってた通訳の田中さんに「寸止めってちゃんと訳して下さいよ」と必死のお願い。

ジージャー、ザブングル
負けました
ジージャー、ザブングル
罰ゲーム 寸止めキック
ジージャー、ザブングル
今の当たったって!

勝負がついたところで最後のフォトセッションが行われましたが、ジージャーは加藤さんの顔に笑い転げていました。

ジージャー、ザブングル ジージャー、ザブングル
そっと加藤の顔を覗く  この顔は凄い武器!と笑い転げるジージャー
ジージャー、ザブングル

『チョコレート・ファイター』5月23日(土)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー

作品紹介記事はこちら

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(文・写真:梅木)

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