ゴールデン・ウィーク公開予定の『歌謡曲だよ、人生は』の完成披露試写会と完成披露パーティー&ゴージャス歌謡ショーに行ってきましたので、みなさまにご報告します。
この作品は昭和の代表的な歌謡曲を題材に、個性豊かな監督たちが自由な発想で撮りあげた12本からなるオムニバス形式の映画です。試写会は普通、映画会社の試写室やホールなどで行われるのですが、今回は映画が公開される銀座の映画館「シネスイッチ銀座」で行われました。また、引き続いて催されたパーティーの会場は、映画館からほど近い、銀座の老舗キャバレー「白いばら」でした。この案内をいただいたときは、嬉しかった! 何故って、以前から銀座をうろうろするたび、このひときわ異彩を放つ、看板を見ただけで昭和の匂いがするお店がとっても気になっていたのです。でも、女一人ではさすがに敷居が高くて入れなかった。このお店に入れるというだけで、「この取材、是が非でも行かせていただきます!」なのでした。
完成披露試写ということで、たくさんの出演者、関係者が観にいらっしゃってました。わたしの座った席の前には、出演者の一人である妻夫木聡さんと、アルタミラピクチャーズの作品ということで、周防正行監督ご夫妻が並んで座っていらっしゃいました。他にも、武田真治さんや内田朝暘さんなどの姿も見えて、思わずミーハー心がうずきましたわ。
最近のポップスでは曲を元に、物語を発展させて、かなり大がかりなミュージック・ビデオ(MV) をつくることがあります。浜田省吾さんの「I am father」「Thank you」のMVは好評を博し、去年『TWO LOVE(二つの愛の物語)』として劇場公開するまでに至りました。また、韓国の音楽界は、映画俳優を起用したショートムービー並みのMV作品を多数制作しています。この映画は昭和の歌謡曲を元につくられた、そのようなショートムービーのオムニバスのようにも見えます。しかし、映画制作の発端は昭和歌謡へのリスペクトを込めて映画を作ろうというところにあるようです。こうして並べて観ると、監督の個性があらわになって、おもしろいです。詳しい内容については、作品紹介をご覧下さい。
さて、試写が終わり、パーティー会場へ移動です。いざ、憧れの(?)白いばらへ。
足を踏み入れると、そこには、わたしが昔の映画でしか見たことのない、まさに昭和のキャバレーの世界が広がっていました。正面にはステージがあり、その左手にあるゴージャスな階段を上った中二階にはバンドがいて、映画で使われた歌謡曲の生演奏をしています。客席についたお客さんには、綺麗なお姉さんたちがついて、お相手をしてくれます。残念ながら、わたしはカメラマンで入ったのでお姉さんのいる席には座れなかったんです。お席の皆さん、楽しそうだなぁ。
パーティーでは、監督や出演者の舞台挨拶、白いばらのダンサーによるダンスショー、さらに映画でテーマにされた曲のうち、「女のみち」の宮史郎さん、「乙女のワルツ」の伊藤咲子さんのお二人による歌のステージが行われました。
舞台挨拶は、何しろ10人の監督と出演者19人が登壇したので、皆さん一言ずつのご挨拶でしたが、お伝えしましょう。
まずは、監督たちを代表して、磯村一路監督がご挨拶。
磯村:今日は皆様、お忙しい中、完成披露試写会そしてこの完成披露パーティーにお越しいただき、ありがとうございます。バスガイドの瀬戸朝香さん、いいですよねぇ(笑)。内容はともかく(笑)。タイトルも『歌謡曲だよ、人生は』。なんだかCMの古田新さんみたいになりそうですが・・・。 次に出演者が一人ずつ、バンドのいるステージから階段を下りて登場です。総勢19名、ステージにぎっしり並びました。 内田朝陽:「乙女のワルツ」という映画をやらしていただきまして、僕自身バンドや音楽が好きなんですが、マモル・マヌーさんとお話をやらせていただけることになって、とても光栄に思ってやらせていただきました。今、映画を観てきたのですが、最近のポップスとは違う何かが歌謡曲にはあるなぁと、あらためて実感しました。ドラム大丈夫だった?(彼はドラマーの役でした。ちょっと照れ笑い)今日はありがとうございます。 本田大輔:「ラブユー東京」で原人の役をやりました。正名さんと原人の役をやらしてもらったのですが、正名さんが非常に可愛くて、いまだに恋をしている状況です(笑)。 正名僕蔵:わたしは今、本田さんに恋してはいませんが、「ラブユー東京」で古代の女および現代の極道ものの役ををやらせていただきました。古代の女をやるのにカツラをかぶっている自分の姿をみて、母親にそっくりだなと実感しました。 松尾諭:「これが青春だ」でエアギターをやりました。撮影は一週間くらいだったんですが、エアギターというのは凄くハードで、一週間で5キロ痩せました。ダイエットには是非エアギターを。 マモル・マヌー:「乙女のワルツ」に出演しました。これが初めての映画出演なんですけど、私、自分の出ているものを見るのが大嫌いで、さっき映画を観まして、頭がボーッとしてしまいました。この映画がヒットすることを願っております。 久保麻衣子:「いとしのマックス」で沢口良子役をやらせていただきました。凄く刺激的な数日間を過ごして、とても楽しかったです。皆さんも楽しんで観てください。 高橋真唯:「乙女のワルツ」に出演させていただきました。60年代の色々な可愛いファッションが着られて良かったです。こういうおもしろいコンセプトの映画に参加できて嬉しく思っています。 インリン・オブ・ジョイトイ:「いとしのマックス」の川井役をやらせていただきました。蛭子さんの作品は凄くいろんな表現がおもしろくて、刺激になりましたし、ちょっと過激なシーンがわたしにとてもピッタリでよかったと思います。 瀬戸朝香:エンディングにかかります渥美二郎さんの「東京ラプソディ」でお世話になりました。今回はバスガイドの役だったのですが、宮崎交通の1954年から着用されているという制服を着させていただいたんです。演じる前にDVDを見せてもらったんですが、着方とか歩き方とか、手の位置だとかの決まりが細かく、本当にすごいこだわりがありまして、楽しんで演じることが出来ました。東京観光をわたし自身もできたので、とても楽しかったです。楽しんで観ていただけたらと思っています。 高橋惠子:「みんな夢の中」に出させていただきました。おかださんが初監督をするということで、これはおもしろいと思って演じさせていただきました。今日初めて作品を拝見しまして、とても暖かい感じのする映画だなと思って、笑うところもたくさんあって楽しかったです。たくさんの人に観ていただきたいと思います。 余貴美子:「ざんげの値打ちもない」人生を送ってきた余貴美子でございますが(笑)、ディープな世界に浸っていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 伴杏里:「僕は泣いちっち」で東京に行ってしまう彼女を演じました。初めてのラインダンスだったんですが、コーチはとても厳しく、練習はハードでした。真冬の早朝の海もとても寒く、厳しい撮影でしたが、本当に楽しかったです。この作品はわたしたちの世代の方々にも観ていただきたいですが、両親や祖父や祖母にも観ていただきたいなと思いました。どうぞよろしくお願いいたします。 吉高由里子:皆さん、初めまして。「ざんげの値打ちもない」に出させていただきました。この作品はセリフのないお芝居だったので、難しかったんですけど、とてもいい経験ができたと思います。 青木宗高:こんにちは。あの、口の中パサパサです。ぼくが生まれる前からたくさんあった良い曲、昭和歌謡が本当にすごい好きになりましたし、もっとたくさん聞きたいなと思いました。あの、「僕は泣いちっち」でボクサーやってました。よろしくお願いします。 大杉漣:「小指の想い出」で恋人役をやりました。すんません、いらんこと言いました。(会場笑。その意味を知りたい方は映画を観てね)今日、東京に出てきて何十年も経つんですけど、初めて白いばらに入ったことをすごく嬉しく思っています。(会場拍手)いやぁ、こんなところだったんだ、もっと早く来てれば良かったなと思って。今日は(映画を観て)宮史郎さんにやられました。それから私、Vシネマというのをすごくたくさんやってまして、月に6本ぐらいヤクザ作品のVシネマをやっていたんですけど、僕にとっての小指の想い出は、月に4回ぐらい小指を落としてたっていうことですね。 武田真治:「いとしのマックス」に出演させていただきました。蛭子監督の漫画にみるような不条理な世界の中で、まっすぐな正義感を持った人間のちょっと歪んだ行動みたいなのが、巧みに表現されているのではないかと思います(会場笑。本当にそうだったんです)。 妻夫木聡:矢口組の「逢いたくて逢いたくて」に出演させていただきました。こういう風に、昭和の歌謡曲、古き良きものが映画という新しい形になって復活するというのは、すごくおもしろいなと思って出演させてもらったんですけど、見終わった後、本当に泣いて笑ってほんわかして、気持ちよくなりました。皆さんにもそう感じていただけたら嬉しいです。 宮史郎:今回、刺青を描いていただいたんですけれども、6時間半、裸で、風邪ひきました。あの時に、これですぐに歌を歌ってくれと言われたら、歌えませんねぇ。のどがカラカラで。その大変さを、また良い勉強させていただいたと思ったんですけれども、俳優さんの大変さがつくづくわかりました。寄席上がりの歌手出身、宮史郎でございました。 徳井優:七字組の「これが青春だ」で大工の棟梁役をやりました。宮さんの隣で、とても光栄です。普段、自分の出ている作品を観ると、非常になんか酸っぱい気持ちになるんですが、今回はほんわかした気持ちで観られて、観ていただくお客様にもほんわかした気持ちになっていただけることと思いますので、是非是非ご覧下さいませ。最後、締めておきました(笑)。 |
左から 蛭子能収 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」監督 磯村一路 「ぼくは泣いちっち」監督 青木崇高 「僕は泣いちっち」主演 内田朝陽 「乙女のワルツ」主演 高橋真唯 「乙女のワルツ」主演 大杉漣 「小指の想い出」主演 武田真治 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」主演 妻夫木聡 「逢いたくて逢いたくて」主演 左から、余貴美子 「ざんげの値打ちもない」主演 高橋惠子 「みんな夢の中」主演 瀬戸朝香 「東京ラプソディ」主演 |
昭和の歌謡曲をテーマにした映画らしい場所での楽しいイベントでした。4月30日(祝)には日比谷公会堂で、映画公開記念コンサートが行われます。出演者は、渥美二郎、伊藤咲子、北原ミレイ、園まり、高田恭子、宮史郎、真木ひでと、ロス・プリモスのみなさん。司会は湯原昌幸、せんだみつおのお二人。ゲストに蛭子監督もでます。前売り券は3月3日より発売開始していますよ。