出席者:ジェイスン・ステイサム(主演)、スティーヴン・チャスマン(プロデューサー)
ゲスト:インリン・オブ・ジョイトイ
司会:伊藤さとり
(c)2005 - Europacorp - TF1 Films Production All rights reserved |
6月3日(土)より全国松竹・東急系にてロードショーされる『トランスポーター2』。前作の舞台はフランスで依頼品は舒淇(スー・チー)扮する謎の美女でしたが、本作では舞台をマイアミに移し、臨時に引き受けた6歳の少年の送り迎えの仕事中、巨大な犯罪計画に巻き込まれます。カーチェイスもアクションも一層スケールアップされ、笑っちゃうほどのド派手さ。全米で前作を凌ぐ大ヒットを記録したというのが納得の、痛快なアクション・エンタテインメントです。公開に先立ち主演俳優ジェイスン・ステイサムが来日し、記者会見を開きましたので、その模様をお伝えします。
ジェイスン:Hello, everybody!! また日本に来られて大変嬉しく思っています。日本は3度目で、前回は3年前でした。今日はたくさんの人々が来てくれて、とても嬉しいです。
スティーヴン:わたしも映画『トランスポーター2』を持ってこられて、大変嬉しいです。
司会:フランク・マーティンという役はジェイスンさんにとってかけがえのないものになったかと思いますが、今回演じるにあたって苦労された点は?
ジェイスン・ステイサム ヒゲ、コイ |
司会:パート2を作るにあたって心がけた点を教えてください。
スティーヴン:最初の作品はトランスポーターのキャラクターを皆さんに紹介するという目的がありました。2作目は1作目を越える作品を作りたいと思い、とにかく皆さんに楽しんでもらえる、まるでライブのような作品を作りたいと思いました。そのことに情熱を傾けた結果、前作を越えるものになったと思います。
Q:ジェイスンさんは様々な作品に出演されていますが、どんなキャラクターに惹かれますか? またこのフランク・マーティンというキャラクターの一番の魅力は何でしょう?
ジェイスン:このようなキャラクターを演じることはとても楽しいことですが、今回に関してはリュック・ベッソンと一緒に仕事ができるということが、僕にとっては大きなことでした。彼は僕の好きなフィルム・メイカーですし、彼は常に面白いキャラクターを書いてくれて、彼と組めば必ずや面白い仕事ができると思いました。僕には役がどういうものかというよりも、誰と組むかということが重要なんです。リュック・ベッソンなら必ず面白い役がもらえますし、ある意味セイフティ・ネットのような存在です。
司会:今回はアウディA8とランボルギーニに乗ってらっしゃいますが、車の運転で面白かったこと、大変だったことはありますか?
ジェイスン:僕もご多分に漏れず若い頃から運転が好きで、結構スピード狂でした。ですから車の運転に関してはかなり経験を積んでいます。しかし今回はランボルギーニなんて初めて運転しましたし、時速30マイルの標識のある道を時速130マイルで飛ばすなんてこともあって、実際なら警察捕まってしまうでしょうが、何と言っても撮影ですから好き放題運転ができました。まるで子供がお菓子屋さんに入って何でも食べられる機会を与えられたような感じで、とても楽しかったです。
司会:ご自身はセイフティ・ドライバーですか?
ジェイスン:かなり昔は危険なドライバーでしたが、今はセイフティ・ドライバーですよ。法定内で運転しています。
Q:前作では舒淇(スー・チー)さんとセクシーな絡みがありましたが、今回のフランクはわりとストイックです。フランクの中に何か変化があったのでしょうか? またどちらのフランクがジェイスンさんに近いと思いますか?
ジェイスン:正直に言って今回はその点がとても残念でした(笑)。リュック・ベッソンがなかなかロマンチックなシーンを書いてくれず、それより悪役をやっつけるシーンが多くて、僕自身はもっとあれば良かったのにと思っています。
僕は1と2とでは違う状況に置かれた同じ男であって、そんなに変わっていないととらえています。フランクと僕がどのくらい似ているかというのは、また別問題で、フランクはとにかく自分にルールを課してそれに従って生きている人間です。反対に僕はルールがあればそれを常に破るタイプで、そのへんは随分と違うかも知れません。
司会:プロデューサーのスティーヴン・チャスマンさんは、今回のリュック・ベッソンさんとのお仕事はいかがでしたか?
スティーヴン・チャスマンP |
Q:何度か日本に来ているそうですが、どんな和食が好きですか? また東京のどんなところへ行きますか?
ジェイスン:ミソ・スープ!(笑) 寿司には少しずつ慣れてきました。でも基本的に僕は母の手料理である伝統的な肉やポテトのイギリス料理で育っているので、なかなか外国の料理には慣れなかったのですが、この仕事を始めて世界中を回るようになって、少しずつ色々な食事に慣れてきました。東京のどこへ行くかということについては、残念ながらホテルですね。常にホテルの部屋にカンヅメになってインタビューを受けていて、日本ではなかなか自分の時間がとれません。今晩はできれば外に出て、お酒を飲んでお祝いしたいと思ってます。
Q:早くもパート3が決まっていると聞きましたが、本当でしょうか?
インリン・オブ・ジョイトイ&美女軍団に囲まれて |
スティーヴン:『トランスポーター3』を作るというのは、わたしたち全員にとって素晴らしいことです。しかし、どんなにいいキャラクターで、どんなにいいシリーズでも、見飽きるということがあります。ですから、少し時間を置いた方がいいかなと思っています。まだ日本では2の公開もこれからですし、きっと作られると思うのですが、まだ具体的な話は何もありません。
Q:前作では女性を運び、今回は子供を運んでフランクはどちらも大変な思いをするのですが、ジェイスンさんは女性と子供ではどちらの方がいいですか?
ジェイスン:女性ですね。女性の方が扱いやすいから。いや、やっぱり子供かな!?(笑)
hold up! |
come back, ladies! |
質疑応答の後のフォトセッションでは、インリン・オブ・ジョイトイと美女軍団が現れ、花束を贈呈。その後、突然マシンガンを取りだしてジェイスンを拉致。ところがジェイスンのセクシー視線とハートをバキュ〜ンでインリンが速攻マシンガン放棄し投降するという寸劇が演じられました。インリン・オブ・ジョイトイと美女たちに囲まれ、ジェイスンかなりご満悦。インリンに「今晩おひま? あとで話しましょう」とエンジンかかってます。その後、1人でのフォトセッションでは「つまんないから、戻ってきてくれぇ〜!」。なかなかお茶目でありました。
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こういったキャラクターの際だつアクション・エンタテインメントというとすぐに007シリーズを思い出すので、ちょっと比較してみましょう。ジェームズ・ボンドは国家機関所属のスパイで、敵も大体国家レベル。女好きで毎回美女と恋に落ち、毎回そのピンチにだけ対応できる奇想天外なメカニックが登場するのがお楽しみ。また普段の立ち振る舞いが優雅な割には、生身のアクションシーンに華麗さはあまりないですね。
一方、ジェイスンが演ずる「運び屋」のフランクは、あくまでも民間人で一匹狼。敵も民間組織なので、スケールは007シリーズより小ぶりになるけど、バラエティには富みそう。フランクはルールを厳格に守るプロフェッショナルな男だけど、やっぱり女と子供には弱いし、ちょっとルール依存症のようなところが可笑しい。ボンドよりはずっとストイック(特に今回は)。奇想天外なメカは無いものの、奇想天外なドライビング・テクニックでピンチを切り抜け、アクションシーンはバリバリ香港テイストで、断然こちらの方が華やかです。
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というわけで、『トランスポーター3,4』と続くだけのポテンシャルは十分にあると思うのですが、記者会見での話によるとまだ3の計画は立っていないみたいですね。製作・脚本のリュック・ベッソンの腹づもりによるのかもしれませんが、ジェイスンもプロデューサーもやる気がありそうなので、きっと3もあると思いますよ。とはいえまあ、まずは『トランスポーター2』を観て楽しんじゃってください。