女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『家門の危機』シン・ヒョンジュン舞台挨拶レポート

9月15日 午後12時半より東京・ヤマハホールにて
シン・ヒョンジュン

韓国歴代ラブコメナンバーワンの動員数を誇る『家門の危機』は、すでに11月18日よりシネマート六本木他にて公開中ですが、さらに、12月9日からは、銀座シネパトスでも上映が始まります。
すっかり遅くなってしまったのですが、9月に開かれた試写会での舞台挨拶の様子をお届けします。シン・ヒョンジュンのそこはかとなくユーモアの漂う雰囲気を感じていただければ幸いです。すでにご覧になった方には、あの場面この場面で彼がどんな思いで演じていたかが思い浮かぶことと思います。また、これからご覧になる方には、彼のコメディー映画に臨んだ真摯な姿を見ていたければと思います。

映画紹介はこちらを参照。



シン・ヒョンジュン

12時、抽選で当たった一般の人たちが入場してきます。賑やかに席取りをするファンの方たち。私のすぐ後ろの40代とおぼしきファンの人たち、「どうやったら、こっちを見てくれるかしら〜?」「若い子なら、大きな声で呼べるだろうけどね」と、そわそわしています。「今、会場の4列目にいま〜す!」とはじけた声で携帯電話で報告している人、団扇を持ってスタンバイしている人・・・ テレビドラマ『天国の階段』や『輪舞曲−ロンド−』で、シン・ヒョンジュンもしっかり人気の韓流スターなのを実感します。
12時半、いよいよ舞台挨拶のスタート。司会は、襟川クロさん。

シン・ヒョンジュン

— まずはご挨拶を

ヒョンジュン:こんにちは。シン・ヒョンジュンです。本日はこのようにお迎えいただき、ありがとうございます。

— 何度も日本にいらして頂いていますが、シン・ヒョンジュンさんにとって日本はどんなところ?

ヒョンジュン:日本に参りますと、多くの方が愛情を向けてくださいます。韓国とまた違った人生を送っていることを感じ、心より感謝しています。

シン・ヒョンジュン

— 韓国のファンと日本のファンと違いはありますか?

ヒョンジュン:日本のファンの方は積極的で義理がたいですね。一度好きになると、僕に未熟なところがあっても、ずっと好きでいてくれます。韓国のファンの人は、こっちの人、あっちの人と好きな人が変わったりします。

— 日本人のファンは一途ですから。

ヒョンジュン:私自身も純粋です。

シン・ヒョンジュン

—『家門の危機』に出ようと思ったきっかけは?

ヒョンジュン:私自身、コメディー映画が好きでしたから。素晴らしいスタッフ、俳優との共同作業をとても楽しんで演じました。皆さんにも、その楽しさが伝わるといいなと思います。

— そうとう爆笑場面があるのですが、日本でのシンさんのイメージはクール。いいの〜?ここまでやって〜と感じたんですけど・・・

ヒョンジュン:申し訳ありません。今までのイメージが嘘でした。(お辞儀してお詫びする姿に、会場爆笑)

— 素顔のシンさんが大分入っているということでしょうか?

ヒョンジュン:そうですね。今までの中でも、私の性格に近くて、自分にぴったり合っているスーツを着ているようでした。(そういえば、この日着ていたグレーのスーツも、彼にぴったり!)

— 女性に奥手で嫁探しに苦労するというキャラクターですが、シンさん自身も奥手ということですか? またどんな女性がタイプ?

ヒョンジュン:女性は皆好きです(と言いながら照れるヒョンジュンに会場爆笑)。可愛らしくてよく笑う女性が好きです。私自身が笑うのが好きなので一緒に笑ってくれる方がいいですね。

シン・ヒョンジュン

— 両親の問題とかあるかと思いますが、国籍はこだわりませんか?

ヒョンジュン:愛は国境をも越えるといいますので、それ以上重要なことはありません。はっ!(と、声を立てて)笑うと長生きして健康になるといいますから、どうぞ笑ってください。(会場爆笑)

— 撮影中のエピソードがありましたら・・・

ヒョンジュン:映画をご覧になればわかると思いますが、たくさんの俳優が出ているのですが、コメディーで大切なのはアドリブ。自分自身がいかに笑わないようにするかが大変でした。(と、神妙な面もちで言う)相手役のキム・ウォニさんもとても好きな女優さんなのですが、途中でお嫁にいってしまい残念です。

— 韓国で大ヒットした作品ですが、日本の人たちにどんなところを見て貰いたいですか?

ヒョンジュン:一人の男と女の愛の物語に、家族のヒューマンドラマが加わった作品です。途中でお手洗いに行っても、話がわからなくなるような映画じゃないですが、どうぞじゅっくりみてください。

— よく澄ました顔で演技ができるなと感心しました。

ヒョンジュン:演技しながら、ほんとに恥ずかしかったです。撮影が始まったばかりのときには、キム・ウォニさんとはあまり親しくなかったのですが、あのちょっとセクシーな場面を撮って親しくなることができました。

— それでは、最後の挨拶を!

ヒョンジュン:日本に来るたびに暖かく迎えてくださる皆さん、ありがとうございます。健康で長生きしてください。また、日本で封切れるまでにしてくださった方々に感謝します。



シン・ヒョンジュン シン・ヒョンジュン

爆笑爆笑の舞台挨拶が終わって、フォトセッション。澄ましてみたり、胸元で手を小さく振ってみたり、終始笑顔でサービス満点。
私は、アジアフォーカス福岡映画祭で上映された『飛天舞』(一般公開タイトル『アウトライブ —飛天舞—』で、初めて彼を認識したのですが、その時の印象は、クールで渋い男。でも、翌年『ガン&トークス』を観て、あ〜、それは勘違い! この人は面白いキャラなんだ〜と思った次第です。今回、初めてご本人を間近で拝見して、さらにその思いを強くしました。真面目に語れば語るほど、その可笑しさが、じわ〜っと伝わってきて暖かい気持ちになりました。『家門の危機』には、ほかにもテレビドラマでお馴染みの顔が出てきたり、ちょっと気になるいい男も出てきたり、かる〜く楽しめます。まだご覧になっていない方は、是非劇場に笑いにいらしてください。

シン・ヒョンジュン シン・ヒョンジュン
シン・ヒョンジュン

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(取材・写真・まとめ:景山咲子)
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