Q1 映画の中でコーラを飲んでゲップ?するシーンが印象的でしたが、撮影のときにあの音がでるまで大変だったのでは?
ウソン 意識して音を出そうとするとなかなかうまくいかず、缶コーラを8本くらい飲んだ記憶があります。ただ私は男ですから比較的うまくできたかなと思っています。ソン・イェジンさんのほうが女性ですから、あの音を出すのは大変だったと思います。
Q2 チョン・ウソンさんの頭の中に消しゴムがあるとしたら、一番消したい記憶、人は何ですか? また消したくないものも教えてください。
ウソン 消したい記憶はありません。なぜなら今の私という存在があるのは過去があるからです。過去というのはつまり記憶であり、思い出という言葉に置き換えられると思います。その記憶を消してしまうことは真の私の姿を消してしまうことになると思うからです。
とはいえ、もし他のものがすべて消えてしまってもひとつだけ残したいものがあるとすればやはり愛ですね。そして愛する人です。愛という記憶は自分でもっていると同時に、相手も持っていてくれている、つまり相手は私の記憶もすべてもっているということです。ですから、愛する人を覚えておくというのは、私自身の記憶もそれだけたくさん持っていられるということだと思います。
Q3 羽田空港でたくさんのファンに迎えられていかがでしたか?
ウソン ファンの皆さんが待っていてくださって嬉しくて本当に感謝をしています。ファンの方たちの姿をみると、私は謙虚な気持ちになります。私は映画が好きで、その好きな仕事をして、演技をお見せしているだけなんですが、そんな私に無条件の愛を与えてくれるということに本当に感謝しています。
Q4 座右の銘は?
ウソン いつも心の中で考えている言葉が「尊重」という言葉です。それは対象がたとえ物であれ、人であれ、何に対しても尊重する気持ちが大切だと思っています。
Q5 ウソンさんはこれまで男っぽいタイプの映画に出演してきましたが、今回本格的な恋愛映画、そしてとても感性豊かな作品に出演したことで、自分の気持ちの中で変わったと思うことや、発見したこと、感じたことがあったら教えてください。
ウソン 私は20代の頃からラブストーリーに興味がありました。影響を受けた映画もやはりラブストーリー、メロドラマが多かったんです。20代のときに演じたかったのも、愛の物語でした。でも実際は男の友情がメインの映画がとても多かった。なかなか恋愛映画に出演するチャンスがなかったので、喉の渇きを覚えるような気持ちで、(いい作品に出会うことを)待ち望んでいました。その気持ちが最も大きくなったのが『MUSA 〜武士〜』に出演した後でした。ちょうどそのときにイ・ジェハン監督から本作のシナリオをもらったのです。とても嬉しく思いましたし、すぐ出演を決めました。
Q6 一番印象に残っているシーンは?
ウソン ラストのコンビニエンスストアのシーン。それから何といってもエンディングです。あのシーンは悲劇的な状況ですが、どこかに希望をもたせてくれるシーンだと思います。スジンとチョルスがどこかに向かって旅立っていく姿が、希望を与えてくれるのがよかった。とても切ない現実ではありますが、若い男女が「見えない希望」を探して旅立っていく、その姿がとても美しいと思いました。演じながら、美しい涙を流せるのではないか、と思いました。
ここまでで質疑応答は終了し、花束贈呈へ。
この映画は日本のTVドラマ「Pure Soul 君がぼくを忘れても」のリメイクということで、TV版に主演した永作博美さんが花束をもって駆けつけた。永作さんはチョン・ウソンの印象を聞かれ、「実物のほうが(映画の中より)数段素敵です、もし(ウソンさんと)共演するとしたら、『私の頭の中の消しゴム』はとっても悲しい話なので、ハッピーなお話で共演したいですね」とコメント。それに対してチョン・ウソンがハングルで返答。通訳さんが「ええ、もちろんです」と訳したのを聞くと、すかさず真似して「モチロンデス」と日本語で答えてくれた。
映画の中でチョン・ウソンが演じるチョルスは、とてもぶっきらぼうな男性だったが、実際にみた彼はささやくような声で物静かに話す男性。そのギャップがまた会見に集まった女性陣のハートを掴んでしまったこと、間違いなしです。韓国では大スターの彼、今までテレビドラマにほとんど出演しておらず、映画でも作品を厳選してきたせいで、日本での知名度はそれほど高くありませんでした。が、この作品で一気にブレイクすること間違いなしですね。
|