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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
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追いかけてイーキン 4 days Part 1

1日目(2/9) イーキン・チェン来店イベント

(渋谷TSUTAYA 5Fにて) 19:00〜

 19:05 恵比須で行われた『ベーゼ・モア』記者会見場から会場に着くと、場内は立ち見客でいっぱい。人が幾重にも重なって、中央が見えない。少しでも見やすい場所はないかと周囲を見やると、1メートルほど離れたところに、知り合いのHさんが。Hさんはイーキンファンというわけではないのだが、会社からの帰り道だからとイベントに来ることにしたのだ。親切にも彼女が見やすい自分の位置を譲ってくれ、ありがたくそこに移る。以下、必死にとったメモと記憶をもとにレポート。

 19:10過ぎ イーキン登場。黒のスタンドカラーのナイロンジャンパーに黒のパンツ(ジーンズ?)という、多分ブランドものなんだろうけど、いたって地味ないでたち。キャーと起こる歓声に「コンニチワ、ボクハイーキンデス」と、定番の挨拶を日本語で。あらら? いつのまにか髪を切っている。特にサイドの髪を耳が見えるほどに短くしてある。おととし、ファンタスティック映画祭で来日したときのヘアースタイルのようだ。私としては、芸能界を引退したチャーリー・ヤンプロデュースのイメチェン・イーキンヘアが気に入っていたので残念だ。

 司会の女性からの質問にイーキンが答えていく形で、イベントは進行していく。通訳はお馴染み周先生。まず、今度のライブについて聞かれたイーキンはダンスも試すと答えた。ダンスが少々苦手なことを知っているファンの間から軽いどよめきがおこる。どんなダンスかと聞かれて、「熱舞(ホット・ダンス)、スペイン風のダンス」。どんなライブかと聞かれて、まずダンスが出るとは予想外。フラメンコちっくなダンス、期待してます。

 そして映画の話へ。まずは2/17から公開される『レジェンド・オブ・ヒーロー 中華英雄』から。苦労した点を問われて武術と答えるイーキン。私が以前見たインタビューでは、英雄(イーキンの役名)のまっすぐな性格を表すために、いつも背筋を伸ばしていなければならないのが大変だったと答えていて、イーキンらしいなあと思ったものでしたが。やっぱり日本でのイメージを考えてのことかしら。それとももう忘れちゃったのかなあ、背筋を伸ばしていたことを。このとき、司会者に「イーキンさんは武術が得意ですものね」と言われ、イーキンはそれを否定しませんでした。また、共演者とは、上海の撮影所近くのレース場で遊んだりしていたそう。

 次に『東京攻略』の話に移り、イーキンは 「この映画は戦う場面が多くて大変だったと思うかもしれないけど、共演者が楽しい人たちばかりで非常に楽しく撮影できた」とふりかえった。

司会: トニー・レオンさんは日本語のセリフで苦労されたそうですが、イーキンさんが苦労した点は?

イーキン: 僕の役は日本語を話す必要がない役だったけど、アクション、特に(クライマックスの)水に落ちるシーンの撮影は大変だった。本当は自分が全部やるはずだったけれど、アクションが多すぎるので、いくつかトニーにやってもらった(この部分、水に落ちるシーンのアクションを二人で分けたのか、映画全体のアクションを分けたのか不明)。

司会: 共演者トニーさんはどんな人?

イーキン: 撮影前はクールなイメージを持っていたけど、全然違う。いつもつばを飛ばして喋る、とってもお喋り好きな人だったよ。

司会: (壁に貼ってあるポスターを指して)このポスターはどうでしょう?

イーキン: OK喇。でも、ポスターを見ると、僕とトニーの目の下にクマができているのがよくわかる(笑)。それから、ケリーの目線がどこを向いているのかわからないな(笑)。でもOKだよ。

 ここでエンクミこと遠藤久美子登場。2人で握手をし、写真タイム(マスコミのみ)。ちょっとエンクミの顔が丸くなったように見えたんだけど、気のせいかなあ? 自分の役を「広東語を勉強している女の子の役で、とりあえず元気な役」と話していた。『もう一度逢いたくて 星月童話』の常盤貴子の役を説明しているかのようだけれど、本当はトニー扮する探偵事務所の助手で、広東語が話せる設定の役です。

司会: アクションシーンはどうでしたか?

エンクミ: 初めてやったけど、すごく難しい。少しは練習したんだけど、練習が足りなかったです。

イーキン: アクションは難しいもので、習ってすぐやれるものではないのによくやったよ。監督は高い要求をする人なんだけど、彼女はそれにこたえてたし、カッコよかったよ。(エンクミ、照れる)

司会: イーキンさんとの思い出、エピソードは?

エンクミ: アクションが速くてかっこいい、すごい人と思っていたんだけど、撮影中フラフラといなくなる。何をしてるかというと、ゲームセンターに行ったり、シュークリームを食べていたり(笑)。かっこいい面とそういう面の両方が見られました。

司会: イーキンさん、甘いものは好きなの?

イーキン: 日本の食べ物はおいしいから、撮影の合間に隙をぬっては探して買いに行ったよ。

エンクミ: 甘栗も食べてました。私もひとつもらいました(笑)

 ここで彼女は退場となり抽選会。今回のイベントでは入場優先券兼抽選券というものがあって、渋谷TSUTAYAで、ライブのチケットか『中華英雄』前売券か『東京攻略』前売券を買った人に配られていたのだ。プレゼントの内容は、3組にイーキンとツーショット撮影権、もう3組にライブのバックステージパス。このとき、番号をひいたイーキンは数字を日本語で読み上げた! 日本語の数字の読み方って複雑だと思うのに、頑張ってました。

 イベント開始から30分になろうという頃、ファンへのメッセージでイベントはお開きに。

イーキン: いつも応援ありがとう。映画については、僕は常に努力しようと試みているけれど、結果はどう出るかわからない。みんなの支持を受けて、これからも頑張っていきたい。コンサートで特別なことというと、今回、日本語を少し勉強したので、一生懸命やった結果をみんなに披露したい。失望させないように頑張るよ。

 努力努力と言っているけれど、いまひとつどう努力しているのか、変化が見えにくかったイーキン。しかし、抽選の数字読み上げで、本当に日本語を習ったことがうかがえ、日本での活動を真剣に考え始めたのかもと思わせた。そういえば、1年前に行われたイーキンパーティー・イン・ジャパンのときより堂々としていて、日本でイベントをするのもすっかり慣れたふう。確かに身体はもたないけれど、頻繁に来日してくれるなら、どこまでもつきあいます…… と思いつつも、生イーキンを見ても全然テンションが上がらないことに不安を感じている私。抽選会でも、イーキンとツーショット権の当選番号が私と1番違いだったのに、ちっとも悔しくない。一体どうしたのだろう、初めての経験だ。もしライブが始まっても盛り上がれなければ、今後シネジャでイーキンの記事が載ることはないのかも……?

(不安に怯えつつも続く

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特別寄稿 Feb. 10, 2001 (文:まつした)
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