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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『東京島』公開初日舞台挨拶報告
無人島に残された男23人と、たったひとりの女。
8月28日 公開日 “東京島”から脱出なる!!!

観客の海に浮かんだ東京島

2010年8月28日(土)13:00~13:30
於 新宿バルト9 シアター8


無人島に漂着した23人の男と、ひとりの女。「東京島」と名づけられた島で繰り広げられる人間模様を描いた『東京島』。
公開初日の8月28日、木村多江さん、窪塚洋介さん、福士誠治さん、篠崎誠監督が登壇して行われた新宿バルト9 シアター8での初日舞台挨拶の模様をお届けします。


ブルーのボンボンを入口で手渡されてお客様が入場。これはフォトセッションの時に、「海」になるのだとか。
MCの宮原さんの呼び込みで、さっそくゲストの4人が登壇。

◆まずは一言!

木村: 去年の10月に撮影した作品が、やっと初日を迎えられて感慨深いです。

窪塚:1年前くらいの撮影で忘れている部分もあるのですが、自然の力を貰って撮影できたので、島にトリップしていただければと。

福士:映画は撮影中も大事ですが、初日を迎えてからも大事な時間だと思っています。よろしくお願いします。

篠崎監督:裏方を代表して挨拶にきました。去年の今頃スタッフと島を歩いてロケ場所を探していました。初日を迎えてとても感慨深いです。映画は全員が集まってようやく出来るもの。スタッフ、キャスト、宣伝、配給の方も含めて、すべての方に感謝しています。そして、観客の方や、沖永良部・徳之島の皆さんにも感謝しています。


木村多江さん           窪塚洋介さん

福士誠治さん            篠崎誠監督

◆肉体的にも精神的にも大変だった島での撮影

司会: 沖永良部島や徳之島でのロケが大変だったそうですが、これからご覧いただく観客の皆さんに一言お願いします。

木村:撮影そのものも大変だったのですが、現場に車で着いて、「現場はあちらです」と言われた「あちら」がすごく遠くて、ロープやハシゴが用意されていて移動することもありました。「トイレはあちら」と言われたら、これまた遠くて20分位かかったりしました。毎日、足がつるような状態で肉体的にも大変でした。窪塚さんから罵倒される役で、すごくムカついて・・・(ここで、窪塚さんが、「だから、リハでビンタされたんですね!」と、割り込む) もう、ほんとにムカついて、マネージャーさんに「今日は肉食べにいく! 肉!」と叫んだこともありました。精神的にも、ほんとに大変でした。

司会:窪塚さん、ビンタ以外のエピソードを!

窪塚: 自然との距離間がすごく近くて・・・。 軟禁状態で島から出られないので、だんだん島と一体化しました。「鳥が低く飛んでるから雨が降るな」などと、わかるようになりましたね。歌うシーンは、台本にはなかったけれど、インスピレーションとして歌えたのは、島のお陰。一回、途中で島から出るタイミングがあったけど、「あれ? 島に戻りたいなぁ」と。変態ぶりに拍車がかかった感じでした。

― 福士さん、男性23人の中で、オネエ言葉がはやったと聞きましたが・・・

福士:マスコミが入る時に、よくいいますね。朝の舞台挨拶(マスコミはいなかった)ではそんなこと全然聞かなかったじゃないですか・・・僕じゃないですけど、女性のいないところで、女性の雰囲気が欲しかったんですかね。小さなスナックが開かれて、チイママから大ママまでちゃんといましたよ。

― 福士さんはオネエ言葉を使わなかった?

福士:若干使わせていただきました。(笑)

― 監督、島への感謝を述べてましたが・・・

監督:波とか海を使うシーンでは、潮の加減で午前中3時間しか使えないことがあったりしました。沖永良部島では、皆、同じ宿に泊まっていて、洗濯機の争奪戦が大変でした。コンテを先にやるのか、毎日葛藤がありました。

◆何もないけど、何でもある! ハッピーエンドは自分で決める!

― オチがばれない中から、お気に入りの言葉を!

木村:「何がハッピーエンドかは自分で決めるわ」という言葉。今も落ち込んだときに使うと元気になります。

窪塚:「何にもないけど、何でもあるよ」 台本にはなかったけど、自然に浮かんだ言葉です。

福士:多江さんが「ケンタッキー」「ショーロンポー」と叫ぶところですね。映画を観る前だと「何?」という感じだと思いますが、映画を観れば皆さん共感していただけると思います。観た後で「福士は正しかった」と、ブログに書いていただければと思います。

― 木村さん、皆さんにどういう気持ちでご覧いただければいいでしょう?

木村:女性が、そして人間が、前向きになるような映画です。見たことのないような自然があって、その中で人間ドラマがあって・・・。自分が無人島に行ったら、どの人物になるだろうと楽しみながら観てください。

●観客の海を背景にフォトセッション

舞台挨拶が終わって、ゲスト4人は観客席の中央通路へ。 そして、カメラやムービーの取材陣は舞台に上がります。
“東京島大ヒット”と書かれた島の形のボードを抱えた4人のゲストの背景に、ブルーのひらひらしたボンボンを持った観客。海に浮かんだ東京島という次第。「東京島」「脱出成功!!」と皆で叫んで舞台挨拶は無事終了しました。


ムービーカメラに向かって手を振る登壇者一行
★☆★★☆★★☆★★☆★

★『東京島』もう一つのみどころ

監督の篠崎誠さんは、イランの巨匠キアロスタミ監督の名前を日本で有名にした立役者の一人。『東京島』にも、イラン人が出てきます。 中国人相手にペルシア語で叫ぶ場面もあります。中国人は中国語で話しているので、会話は成り立たないはずなのに、雰囲気でなんとなくお互いわかってしまう!  東京島は、地球の縮図でもあるのです。

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(取材:景山咲子)
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