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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

We Serve !! ~Malawi Benefit 2010~
パク・シニャン ファンミーティング報告

(c) フラウ・インターナショナル
©フラウ・インターナショナル

主催:東京21世紀ライオンズクラブ
運営:(株)フラウ・インターナショナル
   http://www.frau-inter.co.jp/

パク・シニャンオフィシャルファンサイト
http://park-shinyang.com/



パク・シニャン
生年月日 1968年11月1日
身長 178cm 体重 68Kg 血液型 B型

TV Series
2008年 SBS「風の絵師」
2007年 SBS「銭の戦争」
2004年 SBS「パリの恋人」
1998年 SBS「私のハートを奪って」
1996年 MBC「りんごの花の香り」
1996年 MBC「愛するなら」

Feature Films
2007年 『眩しい日に』
2004年 『犯罪の再構成』
2003年 『4人の食卓』
2001年 『インディアンサマー』
2001年 『達磨さん、遊ぼう』
2000年 『キリマンジャロ』
1998年 『約束』
1998年 『ホワイト・バレンタイン』
1997年 『プアゾン』
1997年 『モーテルカクタス』
1997年 『手紙』
1996年 『ユリ』


母の日も近い2010年5月6日(木)、東京中野サンプラザにおいてパク・シニャン氏を招いて、東京21世紀ライオンズクラブ主催によるファンミーティングが開かれました。「演技派俳優」という形容詞がぴったりのシニャン氏ですが、今回はアフリカの子供たちのためのチャリティイベントという、また一味違ったファンミでした。(報告が遅くなりましたが、詳細をお届けしますので、どうぞご容赦を!)


●第一部 アフリカの子供たちを救おう!

◆オープニング

舞台正面上のスクリーンに映し出されるモノクロ写真。内戦、貧困、飢餓・・・ 一転してカラーでアフリカの子供たちの顔・顔・顔。「希望があるから笑顔があるのです」


© フラウ・インターナショナル
シエラレオネを訪ねた
暑かった
不便だった
思い通りいかない・・・

翌日、この世で一番澄んだ瞳に出会った
マケニという村
反政府というだけで、手足を切った
人間は時に理解しがたい行いをする・・・
僕はいったい何なんだ?

黄色いベストに蝶ネクタイ姿のシニャン氏が司会のイ・ユミさんと登場!
(通訳は、ヨン・ジミさん)

「1年ぶりの日本。久しぶりに皆さんに会えて嬉しい」と第一声。
眩しくて客席が見えない・・と、目を凝らし、ファンの姿を見たいという気持ちに溢れるシニャン氏。
「日本では長い休暇。連休明けで努力してきて下さったことと感謝します。昨日、空港に出迎えてくださった方にも感謝します」
「日本に来て、何を食べましたか~?」とのイ・ユミさんの質問に
「昨日は打ち合わせでお刺身、今朝はパン。朝目覚めてパンを見ると幸せに。パン屋さんでも開こうかと」と、おどけます。(白い帽子を被ってパンを焼いているシニャン氏を想像してしまいます。)
日本にはファンミ以外にも、知人に会いに来たり、家族で北海道に夏も冬も訪れたりしているとか。「どこがお薦めですか~?」と会場に問いかけると、福岡! 八丈島! と声がかかります。


◆4月に訪問したシエラレオネのこと

今回はアフリカの子供たちを救おうというチャリティイベント。
オープニングの映像は、この4月にテレビ局の企画で子供たちに何かをするという目的で行った西アフリカの小さな国シエラレオネのもの。シニャン氏がシエラレオネの経験を語ります。

道のりは大変でした。
10年間内戦が続いて、傷跡が残っている国。
他のアフリカと同じように生活が苦しい。
でも、子供たちの姿からは、アフリカにしかない純粋さを感じました。
遠くて、観光化されたところでもない。
アジア人は一人も歩いていない。
2日かけてたどり着き、3日間取材。2日かけて戻ってきました。

テレビ局側で様々な事前準備をしてくれました。
私自身は、たくさんの予防注射をしました。痛かった! 注射は嫌い!

暑かった!
ほんとに暑い!
サウナに入ってる感じ。

他の国とは明らかに違う。
世の中にこんなところがあるのかと。
空港に着いたけど、大きな倉庫のようでした。

荷物が着いてなかった!
4日後に着くと言われました。

街中へはヘリコプターが早いと声をかけられました。
スタッフから、あれに乗ったら落ちる確率50%以上と言われました。
(ここで思い出したのが、以前、ギニアに駐在していた友人が、離陸して下を見たら、落ちた飛行機の残骸が放置されていたという話でした!)

アフリカは今回が初めて。
よく知らなかったので、考えるきっかけになりました。

子供たちから、「白い人だ!」と声をかけられました。
もちろん彼らは韓国ドラマは観てません。
僕のことは知りません。
子供たちはどこの国も同じ。純粋で明るい。
充分に一緒に過ごせなかった!
今でも、また会いたい。
教室を作ったり、机を作ってプレゼントしました。
我々がいかに豊かな生活をしているかを感じました。

現地の食事が正直合わなくて、暑くてまいりました。
(ここで水をゴクっと飲む。まるで暑いシエラレオネを思い出したよう!)
食糧事情も、飲み水も悪い。
朝起きると子供たちは水を汲みに行きます。
井戸も足りない。
物資も薬も不足しています。
世の中には物も薬も溢れかえっているのに!

世の中にアフリカの子供たちを助ける団体がたくさんあることに思いを巡らしました。
相手を愛することで、自分に返ってくるものがある。

◆マラウイのこと

今回のチャリティイベント「We Serve !! ~Malawi Benefit 2010~」について司会のイ・ユミさんから説明。
マラウイは、世界で一番 HIV の影響を受けている国。
マラウイでは、15才~45才までの推定で14%の大人が HIV ウイルスに感染していると言われ、毎年、約8万7千人が HIV を原因として亡くなっています。そのため毎年およそ7万人の子どもたちが、HIV によって親を失い孤児となっています。人口1200万人のうち、HIV 感染者は80万人以上にものぼり、15歳から50歳までの国民のおよそ7人に1人が HIV に感染しているとされています。
「一番求めているのは、水・食糧・教育。小さなことでも役に立てます。まず関心を持つこと。関心は愛の始まりです」と呼びかけて、第一部終了。


シニャン氏、退場前に、もう一言:
実は今日、プレッシャーを感じています。様々なプログラムが用意されていますが、たっぷり準備もしてきましたので、正直に申しあげますと自信を持っています。
でも、少し待ってて~! ネクタイが苦しくて歌詞を間違えそうなので! 


●第二部 俳優パク・シニャンに迫る!

蝶ネクタイをはずし、白黒のラフなTシャツにジャケット姿で登場したシニャン氏。
「パリの恋人」の映像をバックに、ドラマの中で歌った「愛してもいいですか」をピアノの伴奏で歌います。ピアニストは友人で作曲家でもあるパク・チャンジェ氏。

第二部では、俳優パク・シニャンについて、事前のアンケート結果を見ながら、解剖していきます。


© フラウ・インターナショナル

俳優として演じ始めたのは、1993年。その前に10年間演技を勉強。
「俳優人生に満足していますか?」との問いに
「満足に至らないけど、幸せを感じている」と答えるシニャン氏。


◆質問(1) パク・シニャンを知ったきっかけは?

テレビドラマがきっかけという答えが群を抜いて1位でしたが、2位の「知人の紹介」に、シニャン氏も会場のファンも思わず笑ってしまいます。
「どのように紹介されたのですか?」とシニャン氏。
会場から、「ドラマが面白いよ~ とか」と言われ、納得。


◆質問(2) はまるきっかけとなった作品は?

圧倒的に「パリの恋人」という答えに、シニャン氏も「面白かったですよね」と撮影の裏話をしてくださいました。

シニャン:実は、撮影前に腰を痛めて入院し放映が延期になりました。3ヶ月入院が必要と言われたけれど、テレビ局の方は急いでいたので、早く起きろと。とにかく起きてなんとか撮りました。撮影が終わると松葉杖。私が松葉杖をついてないところを皆さんは観ていたわけです。最悪のコンディションで撮ったのですが、多くの方に楽しんでいただけてよかった!

司会:痛い顔していませんでしたよね。

シニャン:撮影が終わってから、腰が元に戻るまで5年かかりました。でも、パリ恋のお陰で皆さんに会えたと思います。


◆質問(3) どこが一番好き?

「魅力はどこだと思いますか?」と聞かれて、「よくわかりません」とはにかむシニャン氏。
アンケート結果は・・・
 一位 誠実さ、真摯さ、生き方
 二位 声  (「モニターかけると、ほんとにいい声なんです」と、シニャン氏)
 三位 手・笑顔 (えくぼ、目、横顔・・・)


◆質問(4) 動物に例えるなら?

シニャン氏自身の答えは「ピューマ(豹)。目的を一心不乱に目指す」
アンケートでは、一位 ライオン。カッコよくて精悍 (「そんな風に考えたこと一度もない!」とシニャン氏)
トラ、イヌ、コアラと続きます。

司会:草食系? 肉食系?

シニャン:草食系って?

司会:自分から行かない。待つタイプ。

シニャン:僕は積極的!


◆質問(5) 今後演じてもらいたい役柄・作品

ダントツで、ラブコメ、大人のラブロマンスというアンケート結果に、「好きだけど、一番難しいジャンル。良質のラブコメは、そんなに多くない。『ノッティングヒルの恋人』のような良質なラブコメがあれば出たい」と語るシニャン氏でした。


◎韓国・全州の音の旅(Sori)

ここで、5月21日から3日間、韓国の全州に日本のファンと行くツアー「パク・シニャンが奏でる 韓国全州の音」の紹介。

シニャン:ドラマ『風の絵師』の撮影をしていて好きになりました。たたずんでいるだけで幸せを感じます。映画『約束』や『ホワイト・バレンタイン』も全州で撮影しています。もしファンの人たちと旅するなら、どこがいいだろうと考えた時、全州が浮かびました。韓国の中でも独特の地。時間の流れが違う。パンソリの発祥した地でもあります。心を言葉で表現したくなる不思議なところです。


◎ファンからの質問

事前に赤い箱に投函された質問用紙をピックアップして、シニャン氏が答えます。

*日本の歌で好きな歌は?

シニャン:「アイ・ラブ・ユー」 実はあとで歌うつもりで用意してきました。
日本語で歌うのがどれだけプレッシャーかわかりますか? ストレスで唇に腫れ物ができるくらい!

*お風呂に入って最初に洗うのは?

シニャン:髪の毛。実はほとんどシャワーで5分位。バスタブに入るのは、1ヶ月に1~2回です。

続いて客席から質問

*5月8日は両親の日ですが、シニャンさんは何をプレゼントしますか?

シニャン:あ~ 実は父が癌に罹ってしまいました。闘病中ですが、父はとても意志の強い人。よくなるだろうと信じています。皆さんにもご両親がいらっしゃるし、皆さんご自身も親である人もいると思います。両親にもっと親孝行したいと思います。

*ツイッターを始めたのは?

シニャン:今すごく韓国でブーム。面白そうと始めました。人々との距離を近くしてくれると思います。上手にこなせませんが、スタッフと一緒に[パク・シニャン ツイッター]を運営しています。


●第三部 大好きな歌を絶唱

アフリカの映像をバックに、「アイ・ラブ・ユー」を歌うシニャン氏。

司会:楽しかったですか~?

シニャン:私は楽しかったです。 日本語の歌を聴いてくださって、ありがとうございます。

司会:最後にメッセージを

シニャン:皆さんにはいつも感謝しています。いつもお元気でお幸せに! いつも皆さんのことを考えていたいと思います。


一旦退場して、アンコールに応えて、『ノッティングヒルの恋人』のテーマ曲「She」を熱唱。綺麗な英語です。バックには、映画『モーテルカクタス』(多分!)や、『手紙』のチョン・ドヨンとの場面が流れます。
最後に、舞台を右に左に移動してファンに挨拶し、最後に真ん中に戻って投げキッスをして、別れを惜しむように退場するシニャン氏でした。


********

★取材を終えて★

三部構成の今回のファンミ、第1部では、10年間も内戦が続き、今なお生活の苦しいシエラレオネに4月に行かれた時の様子がスクリーンに映し出されました。貧しいけれど無邪気な笑顔でシニャン氏にくっついている子供たちと、それを見つめる慈愛に満ちたシニャン氏のまなざし・・・ まったく知らない国の事でしたが、深い感銘を受けました。

第2部では、事前に行ったアンケートで寄せられた質問に、どんなことにもきちんと答えてくださいました。中に、「今後演じてもらいたい役柄、作品はラブコメ」というものがありました。「大変むずかしい分野ですが、『ノッティングヒルの恋人』のような良質なラブコメがあれば出たい」と答えたシニャン氏。是非実現していただきたいです。

第2部と第3部で、シニャン氏お気に入りの歌を歌ってくださいました。まずは、「パリの恋人」でテヨンに歌った歌。あのシーンを目に浮かべながらウットリでした。そして、歌うたびに感動しているという「アイ・ラブ・ユー」は、日本語で。かなり練習されたということで、発音も良く、あのベルベットボイスで情感込めて歌われ、すばらしかったです。
シニャン氏は、演技を真剣にやっていく道のりは大変であると語り、たくさんの方々に助けられたのでお返しの意味で奨学会を作って後輩を育てるために尽力し、その一方で自身も、もっと感動を伝えられるように、その役が好きになってもらえるように努力を続けられています。
シニャン氏の誠実さ、優しさ、思いやり、サービス精神・・・ それがたっぷり感じられた2時間でした。これからもテレビや映画でお目にかかるのを楽しみにしています。(享)


シニャン氏のファンミ取材は、3回目。毎回誠実な人柄に癒され、演技に対する真摯な姿勢に感銘を受けます。今回、冒頭で報告された西アフリカの小さな国シエラレオネ。かつて勤務していた商社で、シエラレオネ向けのプロジェクトをいくつか担当したことがあります。私は実際に行ったことはないのですが、アフリカ各地を仕事で訪れた同僚の人たちから、アフリカの中でもシエラレオネは状況が厳しくて、外を歩くのが怖いところと聞いたことがあります。(仕事とはいえ、できれば行きたくないとも!) 過酷な地を目の当たりにしたシニャン氏。きっと、いろいろなことを考えるきっかけになったことと思います。一段と大人なシニャン氏を感じたひと時でした。(咲)

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(取材:溝渕享子・景山咲子)
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