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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『純情』完成披露試写会

(取材・まとめ 美波)

撮影:HIROMI
(左から 高橋、栩原、篠田)

『愛の言霊~世界の果てまで~』に続いて、今年の秋、又1本ボーイズラブコミックを 映画化した作品、『純情』が公開される。この作品はBLコミック・挿絵でも有名な富士山 ひょうたの同タイトル作を映画化したもので、『愛の言霊~世界の果てまで~』と同じ三木和史プロデューサー、金田敬監督の作品である。主演はNHK「龍馬伝」沖田総司役、「仮面ライダー響鬼」に出演の栩原楽人、CX「花さかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス」出演の高橋優太、『カイジ 人生逆転ゲーム』の篠田光亮。


8月14日永田町の星陵会館にて、この映画の完成披露試写会が3回開催された。毎回主題歌を歌うaotsukiのライブ、そして三木プロデューサー自らの司会で主演の三人、栩原楽人、高橋優太、篠田光亮が登場するミニトークショーもあり、さらにサイン入りポスターなど抽選プレゼントも当たるというお得感満載のもの。おまけに『愛の言霊~世界の果てまで~』の植野堀まことさんまでゲストで登場。

トーク慣れしていないのか高橋さんはちょっと緊張していたようだったが、篠田さんが場を盛り上げようとしてくれたおかげで、にぎやかな笑いの絶えないトークショーになった。映画上映後であったためか、三人のそれぞれ作品に対する思いを語る言葉に観客もうなずけたのではないだろうか。栩原さんは、男性同志の恋愛、ふれあいが違和感ないように演じたつもりと語り、また高橋さんが何度も語った「あったかい映画」という言葉がとても印象的だった。実は取材は2回目の上映後のトークショーだったのだが、一般観客として見た3度目の上映前のトークでは、この3人は2回目とは大違い。のびのびとしたトークでさらに会場を沸かせていた。今度は上映前のためにネタバレするような話が出来なかったこともあり、話しにくい反面、開き直って自由に話せたこともあるかもしれない。会場からの質問で「誰の役をやりたいか」というものには三人とも、いや植野堀くんまで篠田さんが演じた「宮田」役をやりたいと答えて大爆笑。この三人の間の面白さをここで披露できないのが残念なくらい楽しい瞬間だった。

植野堀くんも、自分の舞台初日挨拶の時のがちがちぶりからは大違い。かなり伸び伸びして楽しんでいたのではないだろうか。

この3回目の時に、栩原さんがボーイズラブ映画としてきれいに作るということだけど、男同士の恋愛映画として不自然なものにならないようにと答えていたが、この言葉が、 今、何を女性達がボーイズラブ映画に求めているのかを言い当てていたのではないだろうか。


(左から植野堀、高橋、栩原、篠田)                 

この映画『純情』は、初恋の甘酸っぱいなんともいえない、優しい思い出の瞬間を思い出させてくれる映画である。特別大きな問題や事件が起きるわけでもない。でも言い出せないまま離れてしまった初恋の人との再会から時間をかけてあの時の思いをよみがえらせてくれる。

トークショーで高橋さんが言っていたように男女で描いたらもっとドロドロになっていただろうという点が男同士ということで、妙に浄化されているような気がする。また高校時代の海岸とバスのシーンがとても効果的に生かされていて、人物と風景の溶け込み方が一枚の絵のようなきれいなシーンに仕上がっている。ただ戸崎の設定がちょっと女性的すぎる描き方のような気がして、原作ファンとしては少し違和感があった。

またトークショーで宮田役の篠田さんがとてもひょうきんだったこと、さらに宮田のめがねのことなど色々裏話を聞かされたおかげで宮田の役が軽く見えてしまったのも少々残念ではあるが、見終わって、ほんわか暖かい気持ちにさせてくれる、何度も見直してみたい映画である。



『純情』

物語はライターの戸崎(栩原)が偶然高校時代の初恋の相手倉田(高橋)と再会、肉体関係から交際が始まる。倉田にどんどん惹かれていく戸崎だが、昔の恋人である先輩宮田(篠田)に仕事だけでなく恋愛に関しても相談をする。別れた恋人に仕事をもらう神経がわからないと、宮田の存在にイラつく倉田の気持が戸崎には理解できず、二人の気持がすれ違っていく・・



公式サイト  http://jyun-jyou.com/

◆出演:栩原楽人 高橋優太 篠田光亮 伊佐美紀 渡辺まき
◆監督 金田 敬  ◆脚本:小林弘利/小鶴
◆原作:富士山ひょうた(ダリアコミックス「純情」フロンティアワークス刊より)
◆製作:日本出版販売/フロンティアワークス/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/ビデオプランニング
◆制作・配給:ビデオプランニング

(2010/日本/78分/カラー/ヴィスタサイズ)

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