2009年7月22日(水)
10月31日(土)恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9他全国ロードショーが決定した『わたし出すわ』は、森田芳光脚本・監督による『(ハル)』以来13年ぶりの完全オリジナル作品です。主演は『ラスト・ブラッド』や『カムイ外伝』など今年映画出演がつづく小雪さん。初の単独主演です。
『わたし出すわ』って、誰しも思わず「何を?」と聞きたくなるタイトルですが、答えはお金。久々に東京から故郷の街へ帰ってきた主人公が、高校の同級生だった5人の親友たちと再会します。そして、それぞれの夢を叶えるための資金提供を申し出るのです。なぜ彼らにお金を出すのか? なぜ彼女がそんなお金を持っているのか? そんな謎をはらみながら、それらのお金が小さな街に次々と波紋を広げていく様が静かに描かれます。
この日の完成披露試写会では、監督と同級生を演じた6人が再集結して舞台挨拶を行いました。
「この映画を作ろうと思ったきっかけは、大きく言えば、銀行は土地を担保にしてしかお金を貸さない。その人がどういう仕事をしたいのか、設備投資をしたいのかといったことをあまり考えず、リスクを軽減することばかり考えての経済関係というものにイヤだなという気持ちがあったことが1つ。もう1つは、お金じゃなくても例えば500円の文庫本でも他の人に与えることによって、その人が大きく進化するきっかけとなることがある。“わたし出すわ”という言葉はいつもおごってもらっている女性がいう言葉だったりするのですが、もっと躊躇せずに出してごらんよという意味合いもあります。」
「森田監督とお仕事させていただいて、本当に良い経験になりました。映画のタイトルは、初めはあまりのストレートさに驚きましたが、だんだんとやはりこのタイトルがふさわしいなと思うようになりました。自分では想像しきれなかった解釈というものにも触れることができて、この作品に参加できてよかったです。わたしは摩耶ほど気前よくはないですけれど、芯が強いところは似ていると思います。」
「ライバルという立ち位置の役でしたが、函館での楽しい撮影で、あっという間に終わってしまったのが残念なくらいでした。タイトルを最初に聞いたときは“え?なにそれ”と思いましたが、すごいキャッチ—なタイトルで皆さんも興味がわくと思いますが、とても面白い作品になっていますので、是非ご覧下さい。撮影スケジュールはそれほどタイトではなかったので、小雪さんと一緒に函館の街を観光ツアーに行ったりして楽しんでいました。」
「お話をいただいたときに、森田監督13年ぶりの完全オリジナル作品と聞いて“マジで!”と思いまして、そんな作品にご一緒できるなんて本当に嬉しく思いました。タイトルの『わたし出すわ』と聞いて思わず“何を”と思いましたが、そこから色々考えさせられる作品でした。道上保は優しい人だったので、撮影期間中からすっごい優しい人間なれたと思います。」
「タイトルを聞いたときの印象は、多分ポロリがあるんだろうなと思いました。実際あるかないかは観ていただくとわかると思いますが、ぼくが1番裸に近い格好をしています。函館に滞在中、1人で函館山に登って夜景を綺麗だなぁと思って見たのですが、綺麗すぎて1人で見るのはあまりにさみしく、皆様は是非素敵な方と一緒に行ってご覧になって下さい。
マラソンランナーの役ということで、コーチをつけていただいてマラソンの練習をしました。東京での特訓の後、函館で小・中学生の選抜メンバーと一緒に練習したんですが、31歳のぼくとしては負けたくなくて、本気を出したんですね。ところが小学生にあっさり抜かれて、心が折れまして、翌日から1人で練習させてもらいました。」
「タイトルを聞いたときは・・・ 言われたからもういいか(笑) 小雪さんが何出すのかなぁ〜って。裏でスタッフにですね、できるだけ『わたし出すわ』というタイトルを言ってくれと言われたので、できるだけ言おうと思います。この『わたし出すわ』、森田監督と初めてお仕事させていただきまして、憧れていた監督でもありましたのでとても勉強になりました。皆様にもこの『わたし出すわ』をご覧なっていただいて、できるだけ『わたし出すわ』と他の方に言っていただけると多分ありがたいと思います。
小雪さんは、本当に自然体で演技をされる女優さんで、これは凄い才能だと思いました。相手が自然だと自分も自然になって、台詞の掛け合いが台詞でなくなってくる瞬間というのが出てくるんです。これは森田監督が狙ったところなんだろうなと思いました。」
「タイトルを聞いたときの印象は、『模倣犯』という映画で1度監督とはご一緒させていただいて、その時に受けたとてもストレートな方だなという印象の通りで、1度聞いたら頭から離れない、力のあるタイトルだなと思いました。前回の監督のイメージは恐いというもので、チューインガムを大きく膨らませるシーンがなかなかできなくて、結構わたしの中ではトラウマになって、チューインガムが好きでなくなったきっかけになったんですね。でも今回はとても優しくしていただいて、函館の美しい景色の中、のびのびとやらせていただきました。さくらという役は身の丈以上の幸せを望まない平凡な主婦なのですが、普段の生活ではどうしても欲をかいてしまうので、憧れの女性だなと思いながら演じさせていただきました。
監督は年上の方にこういうのは失礼かも知れませんが、シャイでキュートで接した方がみんな監督の虜になってしまうのがわかります。」
さて、映画にちなみ、大金を渡されて夢を叶えることが出来るとしたら、どんな夢を叶えますかという質問に対して、それぞれの答えは・・・
監督: 映画を撮ります。不器用なので・・・
黒谷: 自然がいっぱいあって触れられる場所を作りたい
伊坂: バックパッカーになって世界中へ行きたい
山中: ダイソンの手のひらサイズの掃除機が欲しい
小澤: 世話になった両親と姉に恩返しを、ってまじめにとられると困りますが(笑) 温暖化への取り組みになにがしかの貢献ができたらと思います
小池: 女鼠小僧みたいなことにも憧れますけど、監督にこれで映画を撮って下さいって渡して、自分も出さしてもらうっていう、結果非常にいやらしい方向に使ってしまいそうですね(笑)
小雪: ケータリング会社を起こそうかな
ひとくちに大金といっても、その人にとっての大金の額も人それぞれですよね。皆さんなら、どんな夢を叶えますか?
10月31日(土)より恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9ほか全国ロードショー