2009年12月6日、NY上映会が開催され、劇場いっぱいのお客様がご来場されました。NYの日系新聞各紙が大きく紹介してくださったので、当日、3時開場が1時半にはもう新聞の切り抜きをもったお客様が集まり始め、支配人のハワード氏が寒いのと、危ないので、劇場のある地下のドアを開けてくださいました。
熱気に包まれたまま3時15分に開映。終了と同時に大きな拍手をいただき、Q&Aも大いに盛り上がりました。鶴子さんの亡くなるまで前向きに生きた生き様や、当時女性に教育を受けさせるために支えた周りの人々への賞賛など時間ぎりぎりまで多くの方々が発言されました。
会場には鶴子さんのお嬢様、早百合さんの夫である現コロンビア大名誉教授倉西正武氏、お孫さんの渡辺福子さん、映画にも出てくださっているコロンビア大東亜図書館日本研究の野口幸生さん、アーティストの作山畯治さん、またこのあと当劇場で作品展を控えた日本のビデオアートの先駆者飯村隆彦氏、『母の道、娘の選択』の我謝京子監督などがご来場されました。さらに嬉しいことに、鶴子さんの後輩であるコロンビア大で心理学を勉強された日本女性グループの皆様が連絡網を使ってご来場いただき、先駆者の業績にとても感銘をうけられました。今後、コロンビア大やNYUの心理グループで上映会を実現したいと動いてくださることになりました。また、日本女子大卒業生の皆様、群馬県人会の皆様、そしてジャパンソサエティの職員の方々、本当にありがとうございました。
大変でしたが思い切って上映会を開催してよかったなあと思います。鶴子さんの存在と、学問への熱い思いが、NYの人々に知っていただき、これが世界の人々に知っていただくきっかけになることを願っています。
また、本上映会はまったくのスポンサーなし手作りであったことも報告させていただきます。大正時代の和服で受付をして下さった菊池恵美さんとそのお友達、ミレニアムの交渉から、通訳までやってくださったドキュメンタリー映画監督タハラレイコさん、お客様案内からお金の管理をまでお願いした舞台の演出家の河原その子さん。皆さん、子供をあずけたりして、下準備から当日まで一緒に動いてくださいました。
なお2010年2月には日本語版、英字幕版を収録したDVDが発売されます。NYでもさっそく観に来れなかった人々から注文をいただきました。NYでは本作品のような記録、教育系の地味な日本の作品の上映は少なく、はじめてダウンタウンの劇場にいらした人も数多くいらっしゃり、劇場の方も驚いていらっしゃいました。劇場の方にも鶴子さんのみならず、日本を知っていただく機会になればうれしいかぎりです。
シネマジャーナル読者、webファンの皆様、この場をかりて、お礼かたがた上映会のご報告をさせていただきました。