女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『デュエリスト』来日記者会見

カン・ドンウォン、ハ・ジウォン、イ・ミョンセ

2006年4月17日 帝国ホテル

司会 伊藤さとり
ゲスト イ・ミョンセ監督、カン・ドンウォン、ハ・ジウォン

3人が登場して一言ずつのご挨拶の後、質疑応答が始まりました。








ハ・ジウォン
ハ・ジウォン





カン・ドンウォン
カン・ドンウォン





イ・ミョンセ
イ・ミョンセ監督
見た目はごついが耽美な画を撮る






カン・ドンウォン
映画と雰囲気がかなり違う





ハ・ジウォン
韓国版「綺麗なお姉さん」





カン・ドンウォン、ハ・ジウォン、イ・ミョンセ
ドンウォン完璧なモデル体型





カン・ドンウォン、ハ・ジウォン
姉弟愛?

Q 殺陣(たて)のシーンが印象的でした。日本のチャンバラ映画など参考にされましたか? 好きなチャンバラ映画がありますか?

ハ・ジウォン(以下ジウォン) ドンウォンさんと戦うシーンがありますが、既存のアクションよりまず舞踊、タンゴなどを主に学んで、それに武術を足しました。感情の中に剣が入った新しいアクション映画になったと思います。個人的に好きなアクション映画は『グリーン・ディスティニー』です。

カン・ドンウォン(以下ドンウォン) ジウォンさんが先ほど的確な説明をしてくれましたので、付け加えることはありません。僕も『グリーン・ディスティニー』と 『キル・ビル』の1は観ましたが特に参考にした映画はないです。日本の作品も観たのですがタイトルは忘れてしまいました。

Q 決闘シーンは、普通のラブシーンよりも官能的だったと思います。どういう狙いでしたか?

監督 映画の中でもっとも重要なのが闘うシーンです。動きをドラマとして作ってい きました。。ここは死んだ人が生きている人を慰めるシーンでもあります。二人はかなわぬ恋をするわけですが、ラブシーンを直接見せるのでなく、戦いを通して見せようと思ったのです。質問はたいへん的を得ています。

Q 役作りで気をつけたことは?

ドンウォン 参加したのがみんなより後で、準備期間が短かったので、監督の注文通りに演じられるよう頑張ろうと思いました。武術の方は途中でやめて、舞踊、特に 現代舞踊に重点を置きました。今回僕のセリフは少なく、どちらかというと身体で感情を表現することが必要でしたので。

ジウォン 私の場合、シナリオができあがった時点で、このキャラクターはこうだ、 というイメージがありませんでした。撮影に入る前に監督と一緒に役作りをしていきました。衣裳も様々ある中から監督が選んでくださいました。撮影に入る前の準備の過程がもっとたいへんでした。私はドンウォンさんよりずっと小さいのに、力強い武人のイメージを作らなければなりませんでした。(隣でドンウォンが笑うので「どうして笑うの?」と聞いています)

Q お二人セリフで語るより見つめ合って目で語るシーンが多かったと思いますが、 思い出に残っているシーンはどこですか?

ドンウォン 撮影前にタンゴの練習をしたのですが、これは二人の息を合わせる必要があります。おかげで撮影前からかなり親しくなれたと思います。でもあまり親しくなりすぎてしまって、いざ撮影が始まってみると、お互い見つめ合っただけで笑ってしまいました。それがエピソードですね。

ジウォン 私は元々よく笑うほうなんですが、ドンウォンさんもよく笑います。それなのに、悔しいことにドンウォンさんは撮影に入るとぴたっと笑うのを止められるのです。私だけなかなか笑いが止まらなくて、スタッフの方に申し訳ない思いでした。 アクションシーンでも危険なときがありました。背景が暗くよく見えない状況のアクションで、私は誤ってドンウォンさんのあばらを剣で突いてしまったんです。幸いドンウォンさんがプロテクターをつけていたので、大事には至らなかったのですが。 (二人で顔を見合わせて何度も笑っています)

司会 とても仲良さそうに見受けられます。お互いの印象は?

ドンウォン 今日は久しぶりに会いました。知り合って大分たつので、ずいぶん親しくなったなぁという感じがします。ジウォンさんは僕より少しだけ年上で、面倒見がよくて気楽に話せる優しいお姉さんです。準備のときも撮影も一生懸命でした。僕と運動量も変わらないくらいでしたが、よく頑張っていてほんとに努力家だと思います。

ジウォン ドンウォンさんは人見知りだと聞いていましたが、実際あってみると全然そうとは思えませんでした。最初の日、とっても眠そうな目で現れたのが印象に残っています。一生懸命なタイプなんですが、よく眠る人でたびたび遅刻もしてきました (笑)。一緒にいて気楽でとても気が合います。互いにないところを補完しあう、良い関係でした。今も仲良いですよ。

Q 「悲しい目」という名前と役柄について、監督へ。ドンウォンさんはその名前と自分の目についてどう思われますか。

監督 この映画は二つの観点から観ることができます。ナムスン、悲しい目、それぞれの立場からの悲しい初恋です。初恋というのははっきりした形で記憶に残っているものではなく、自分の心の中で作られたものです。また、彼が悲しい目をしているのは、そうならざるを得なかった事情があったからです。ドンウォンさんに会ったとき、まさしく彼こそ「悲しい目」だと思ってキャスティングしました。

ドンウォン 私の目をたとえるなら、ジウォンさんが言ったように「眠そうな目」だと思うんですが(笑)。でも、「悲しい目」と通じるところがあるかもしれません。 またこの役には名前がなかったので、何かつけようと言うことになり撮影中は「ゴッパル」という名前で呼ばれていました。これは韓国では野暮ったい、田舎くさい名前なんです(笑)。日本にもそういう名前があるんじゃないでしょうか?

Q プレスには「日本版はエモーショナルな部分を意識した」とあります。フランスでも公開されるそうですが、国によって編集を変えられるのですか?

監督 もう一度編集する機会があるというのは、監督としてとても嬉しいことです。 日本版の場合は、ラブストーリーを浮き立たせようと思い、説明部分のエピローグ、 プロローグをカットしました。フランスではラストを少しカットして余韻を持たせます。ドイツ、イギリスでも公開予定です。

ハ・ ジウォン カン・ドンウォン

*2年前の国際映画祭『狼の誘惑』の記者会見で、初めてカン・ドンウォンを見ました。うつむき加減であまり喋らず、綺麗で大人しい子だなぁという印象でした。今回は会見に慣れてきたのか、ハ・ジウォンとのコンビが幸いしたのか、笑顔を見せよく話していました。長身で顔が小さく、脚が長く、どんな服も着こなせそうです。ハ・ ジウォンは「綺麗なお姉さん」といった雰囲気です。今回の役は男性顔負けのアクションもあり、女心も見せねばならず大変だったのではないでしょうか。

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(まとめ: 白石 写真:梅木)
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