今年14回目となる株式会社集英社ROADSHOW主催の淀川長治賞。これまでの受賞者はすべて日本人でしたが、今年度は香港が世界に誇るジャッキー・チェンさんに贈られました。『香港国際警察/NEW POLICE STORY』の記者会見が行われた後、同じ場所で設営を変えての授賞式の会場には、淀川長治さんの遺影が飾られ、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」と語りかけられている思いがしました。会場では、大きなスクリーンで『香港国際警察/NEW POLICE STORY』の画面も映し出され、大勢の映画関係者と取材陣が見守る中、和やかな雰囲気で授賞式が執り行われました。
今月号で通算401号、創刊34年目を迎えることができまして、皆様の暖かいご支援の賜物とお礼申しあげます。淀川長治賞は、今年で14回目になります。この賞は日本の映画文化の発展に多大な貢献をされた淀川長治さんの業績を称えて、1992年に設立されました。毎年、映画に貢献した方の中から選出し、表彰を行っております。
本年度は香港のスター、ジャッキー・チェンさんに決定しました。ご存知のとおり、ジャッキーさんは世界的なスーパースター。ROADSHOWでは、80年台に約10年にわたって、人気No.1の座を独占。ハリウッドに進出し、監督としても役者としても大成功を修められました。映画に対するエネルギッシュな活動が評価されたことと思います。ジャッキーさん、ほんとにおめでとうございます。
ジャッキー・チェンが大きな拍手に迎えられて登場。続いて、選考委員の映画評論家 品田雄吉氏、渡辺祥子さん、高澤瑛一氏が壇上に上がり、品田雄吉氏から表彰状が授与されました。神妙な表情で、表彰状を受け取る姿が印象的でした。
デビュー以来、『スネーキーモンキー 蛇拳』『プロジェクトA』をはじめ、大ヒット作品に主演、監督も手掛けるなど30余年スーパースターとして活躍されてきました。日本公開作も50本余りにのぼり、日本においてもトップスターの座を保ち続け、ハリウッドで大成功を修めるなど、エネルギッシュな活動は他の追随を許すものではありません。ジャッキー・チェンさんといえば、日本では知らない人はいません。これまでにも何度も候補にはあがったのに、ようやく今日になったというのは、表彰式に来ていただけるかどうかがポイントで、延び延びになっていたものです。他の候補も出ましたが、今年は来てくれそうだ、絶好のチャンスだという次第で、是非このチャンスをということになりました。ジャッキーさんは香港だけでなく、アメリカでも活躍し、今度日本でも撮影するのではと聞き、楽しみです。さらなる活躍を期待してこの賞を差し上げたいと思います。
ゲストの皆さん、友達の皆さん、評論家の皆さん、ほんとうに今日は嬉しく思っています。20数年前、7年連続で最優秀俳優に選ばれました。また、20数年間、Best20にずっと入れていただきました。自分でも一つの奇跡だと思います。自分自身の努力以外に、ずっとついてきて下さったファンの方々のお力です。投票してくださったのは、ほんとはプレッシャー。芸能界、マスコミの方々からのコメントも拝見しました。ファンの方々の手紙や批評家の方々のコメントを拝見することにより、さらにいい映画を作ろうと思いました。この先も皆さんの応援を頂いて、さらにいい映画を撮っていきたいです。いつもファンの皆さんに言うのですが、私自身はスポーツカーだと。皆様はガソリンです。ガソリンを入れていただかなければ、早く走ることができません。もう、スポーツカーから、クラシックカーに変わっていますが、一番早いクラシックカーになりたいものです。クラシックカーは価値あるものですしね。ドウモアリガトウゴザイマシタ!
次に、公私共に認めるジャッキーのファン、ケイン・コスギさんが駆けつけ、花束贈呈。嬉しそうに迎えるジャッキー。固く抱き合う二人でした。
促されてお祝いを述べるケイン。
「日本のジャッキー・チェン!」と、まずは笑いを取り、「ジャッキー ありがとうございます。」とお礼を日本語で述べた後、英語で「日本の人たち、そして世界の人たちがあなたの見せてくれる素晴らしい映画に魅了されています。これからもお元気で、いつまでも活躍してくださることを期待しています。」と大先輩に感謝の気持ちを語りました。
思えば、生のジャッキーに間近でお会いするのは初めてだったのですが、映画そのままのジャッキーで、初めてお会いしたという気がしませんでした。私が香港映画に魅せられたきっかけは、なんだかんだ言ってジャッキーの映画。最近はハリウッドで撮ることが多くて、ちょっと寂しい思いをしていたのですが、今回は久しぶりに香港が舞台。アクションもまだまだ健在。後に続く若い人たちを育てながら、これからも私たちに夢と元気を与えてくれることと確信したひとときでした。