女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『サマータイムマシン・ブルース』舞台挨拶

6月8日(水) 18:30から 新橋ヤクルトホールにて

『サマータイムマシン・ブルース』出演者

『交渉人 真下正義』の興行成績も好調な本広克行監督の最新作『サマータイムマシン・ブルース』の完成披露試写会および監督・出演者による舞台挨拶が行われたので行って来ました。

石田剛太、中川晴樹、永野宗典、酒井善史、本多力、諏訪雅
ヨーロッパ企画のメンバー
左から石田剛太、中川晴樹、永野宗典、酒井善史、本多力、諏訪雅

 まず、映画の上映前にこの映画の原作舞台劇を上演している劇団ヨーロッパ企画のメンバーが前説として登場し、映画になったことを感謝感激雨霰、霙、雹、ハリケーン!?と喜んでいました。しばし、映画の内容を紹介してるんだか、してないんだかのコネタを披露し、上映後に監督・出演者たちによる舞台挨拶があることを説明してくれました。
 彼らの中で、上の写真の左から3番目の永野宗典さん、右から2番目の本多力さんは、映画の中でも主要なキャラクターである曽我淳と田村明を演じています。他のメンバーもちょこっと出て来ますよ。

 さて映画の上映が終わると、まずは石松大悟役のムロツヨシさんが流しうどんののぼりを持って登場。さらに新見優役の与座嘉秋さんも出て来て司会をこの二人が務めます。さらに小泉俊介役の川岡大次郎さんがひょろっと登場。この川岡さん、ちょっと小泉孝太郎に似ていて、しかも役名が小泉なので混乱してしまいました。それにしてもなんか、ミョーに手作りな舞台挨拶。彼らに紹介されて、まず登場はメンバーの中で一番大変な目に遭う曽我淳役の永野宗典さん。続いて全然そうは見えないけど未来人である田村役の本多力さん。役のまんまで登場。そしていよいよ、主人公・甲本役の瑛太さんが呼ばれると、なんと映画で登場したキャラクター・ギンギン像を抱えて、フラフラしながら登場。実はこういうシーンが映画の中でもあるんです。
「甲本役をやらせていただいた瑛太です。あぁー(マジに息が切れてる)、これ重いんですよぉ!映像で伝わったかどうかわからないんですが、、、今日はお集まりいただいてありがとうございます。去年の夏、皆で一つになって沢山のエネルギーを一つの作品に向けて行くことができました。そしてこんなに良い作品ができて、僕は本当に幸せだと思っています。ありがとうございます。」

 司会の二人が「あぁ、大事な人忘れてた!こんな男ばっかりいてもね、なんか苦いような写真しか撮れないし。(カメラマン達笑)」と呼び出したのが紅一点の上野樹里さん。『スイング・ガールズ』以来、モテモテの彼女。今回はSF研の部室の一部に暗室を持つ、女の子二人だけの写真部員の一人・柴田春華役。瑛太演ずる甲本が彼女に密かな想いを寄せているのです。
 「こんばんわー!皆があまりにも滑りすぎていて、出て行くのが怖かったんですよぉ(笑)」
 はは、舞台上でいきなりダメだししてるわ。司会二人はそれにもめげず、脚本の上田誠さん、監督兼初プロデューサーを務めた本広克行さんを呼び出します。本広監督は司会が紹介を言っている最中にフライングで出て来てしまいました。
 「プロデューサー&監督の本広です。えー、こういう感じで映画を作ってまいりました(笑)。皆の力でとても良い作品になったと思っています。」

 全員登場したところで、あらためて司会が瑛太さんに出演の感想を求めると、彼は真面目に答えようとするのですが、だんだん何が言いたいのかまとまらなくなって来て、途中で永野さんにバトンタッチ!(おいおい)永野さんも「初めての映画出演だったので、ひたすら直球を投げ続けて、それがフィルムに収まっていて、非常に感慨深いです」と真面目に言ってると、司会に「固い固い!」とダメだしをくらい、いきなりモードチェンジ。「あのですね、いやぁホントに楽しかった!この映画ね、もう大ヒットするんじゃないかと思って。一昨日大阪で観たんですけど、まだその興奮が続いていて浅い眠りが続いていますね。」
 川岡さんは一言「とにかく、うどんが美味しかった!!」この作品は去年の夏、本広監督の故郷である香川県でロケされたのです。プレスシートには出演者の一人である升毅さんが「あの日撮影したあの役のオレは自分では不完全だったと、あの時に気づいていたのに言えずにうどんを喰いに行ってしまった。」と告白しています。みなさん、さぞや美味しい讃岐うどんを食べまくったのでしょう。続く上野樹里さんまで「うどん美味しかった!一日午前中に3軒回ったんです。」と、うどんの話が止まらない。
 脚本を担当した上田さんは、依頼された時には「嘘だろうと思った」のだとか。「そのまんま夢見心地で脚本を書かせてもらって、ビックリするような映画ができあがって。すごいですね、あの瑛太君が出て行ったらまた瑛太君が入って来てみたいなの(笑)」確かに舞台では難しいことが、映画では簡単に見せられますからね。
 最後に本広監督が「えー、まあこんな感じで手作り感たっぷりで、舞台挨拶もじゃあ僕たちでやろうとやったのですが、グダグダになってホント申し訳ありませんでした(笑)ではうちの主役に最後に締めてもらいます。」

瑛太「僕は初めて主演というものをやらせていただいて、この作品に出会えたことを本当に心から幸せに感じております。これから宣伝活動がありますが、どこへ行っても胸を張ってお薦めできる映画なので、みなさんも周りの方に胸はって宣伝して下さい。今日はありがとうございました。」

 舞台挨拶が終わり、外のロビーに出ると、映画の中に登場するギンギンとカッパ様の像が展示されていました。そして更に、先ほど登壇したメンバー全員がこの映画の宣伝用のカードを持って、観客の希望者に手渡しで配っていました。それをお友達などに配ってこの映画を宣伝して下さいという趣向なのです。なんか、小劇場で公演する劇団のノリですね。

 これがきっかけで私は原作の舞台劇も見てみたくなりました。そこで劇団ヨーロッパ企画のHPを見てみると、丁度この夏に東京で「サマータイムマシン・ブルース2005」を公演することがわかり、速攻チケット買っちゃいました。きっと映画が上映されるのと同じ頃の公演になると思います。比較して観るのも面白いと思いますよ。


ムロツヨシ
ムロツヨシ


瑛太
瑛太がギンギンを抱えて登場


上野樹里
舞台挨拶では紅一点
上野樹里


上田誠、本広克行
ヨーロッパ企画の脚本家であり本映画の脚本も担当した上田誠(左)と
監督兼プロデューサーを務めた本広克行


瑛太
主演の瑛太


カッパ様


物語で重要な鍵を握るカッパ様の銅像も展示されていました

お見送り
舞台挨拶後、監督・出演者全員で観客に映画宣伝のカードを手渡し

作品紹介はこちら

ヨーロッパ企画のHPはこちら

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(文・写真:梅木)
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