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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『SPY_N』
藤原紀香、アーロン・クォック、ワン・リーホン舞台挨拶

6/19 東京国際フォーラム・ホールCにて
司会:襟川クロ

司会: 紀香さん、すごいことやってますねー!

紀香: アクションも外国映画も初めて。言葉の問題もあるし食べ物も違うし、 色々な苦労やトラブルがありました。でも周囲に助けられて、皆で団結して、 この映画を作り上げることができました。

司会: 香港映画だから、シナリオやセリフが変わったりしたでしょう?

紀香: それは日本でもあるけど、今回は英語のセリフだから。セリフが変更されると、辞書と首引きで本番まであと何分、と時間との競争でした。精神・体力の両面で鍛えられました。私はすごく体が固かったので、柔軟体操から始めました。トレーニングするうち、だんだん上達していくのがうれしかった。格闘技番組(「SRS」)をやっていたのもすごく役立ちましたね。

司会: アーロンさんも生身ですごいアクションをこなしていらっしゃる。なぜスタントなしで?

アーロン: とてもアブナイ、でもOK(日本語で)(場内笑) 初めから監督からスタントなしで、と言われていました。だから観客にも、 これだけ頑張ったというのを見せたい。

司会: 紀香さんのアクションは?

アーロン: 彼女のアクションは「イチバン(日本語)」。今まで色々なアクションをやってきたけど、紀香ほどこなせるアジアの女優はいない。

紀香: 彼、地上172mのガラス板の上でダンスをしてたんですよ! 私は恐くてブルブル震えてたのに。

アーロン: 高いところが好きというわけじゃないけど、現場がピリピリしてたから、皆をリラックスさせようと思って。別の映画でもっと高い所でアクションしたこともある。

司会: リーホンさん、各国からトップクラスのスターが出演する中で、台湾代表として出演した感想は? この映画で、ハリウッドにも負けないという点は?

リーホン: 国際的な作品ということで、初めナーバスだったけど参加できたことを誇りに思います。 ジャッキー・チェンのファンなので、スタンリー・トン監督と仕事ができてうれしいです。ハリウッド超大作と比べてもスタントなしのアクションでアピールできる。誇らしく、うれしい気持ちです。

司会: 皆さん、ケガは?

アーロン: ろっ骨にヒビが入りました。

紀香: 彼、ヒビが入ったまま撮影したんですよ!
私の場合、難しかったのはデパートの5階から4階へ飛び移るシーン。まず手本を見せてくれたスタントマンが軽々とやってのけたので、自分にもできそうだと思ったら、腹筋の力が足りなくて脚が上がらず、4階の手すりに激突! 一瞬ケガしたなと思ったら、サポートをつけていたから柵のほうが折れてしまって。

リーホン: ぼくもそのシーンが一番難しかった。ネクタイをつかまれ、逆さの姿勢のまま 彼女と会話する。一日中そのシーンを撮っていて、その度にハーネスが体に食い込み、苦しくて吐きそうになったけど、彼女が目の前にいるからこらえていました。 (場内笑)

紀香: (とびっきりの笑顔で) がまんしてくれてありがとう。

司会: 映画のみどころは?

紀香: アーロンの車のスタントシーンですね。アーロンとリーホンのいいシーン、友情の場面もあるし。地上172メートルの空気も感じてほしい。

アーロン: 初めからエンディングまで面白い。172mのシーンは私たちもハラハラしていました。ぜひ観て!

藤原紀香はメタリックシルバーのパンツスーツ。アーロンはカジュアルなシャツとジャケット。 リーホンはウェーブをかけた長めの茶髪に細身のスーツで、映画よりもずっとソフトな 雰囲気で、まるで日本のアイドルスターのよう。リーホンへの声援が思いの外、多かった。 前屈して手先が地面につかないほど体が固かったという紀香がここまでやってのけたのは、 本人の努力・頑張りはもちろんだけど、危険を避ける・最小限に食い止める工夫・ テクニックも、香港映画は質・量の蓄積の中から一流のものに磨き上げたということなのだなぁ。

『SPY_N』公式サイト   >>>   http://www.spy-n.jp/

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(文:岸井)
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