「アメリカこそ最悪のテロ国家だ」と語るアメリカの反骨の言語学者ノーム・チョムスキーを描いたドキュメンタリー。9/28のモーニングショー公開以来、土日は立ち見が出るほどの盛況で、11/17より1日3回上映の拡大興行が決定!
昨年9/11にアメリカを襲った同時テロ、その後のアフガニスタン攻撃に対して、アメリカにはそんな資格はないと警鐘し続けるマサチューセッツエ科大学の言語学者ノーム・チョムスキー。アメリカが中南米でしたこと、トルコのクルド人虐殺に手を貸したこと、パレスチナでのイスラエル支援などの例をあげ、アメリカこそが最大のテロ国家だと語る。これはそんな彼の講演光景やインタビューで構成されたドキュメンタリーである。
穏やかな語りロでアメリカの政策に対して鋭いい批判をし、どんな質問にもよどみなく答える博識ぶりは説得力がある。アメリカのマスコミにはほとんど無視されているということだが、講演会には多数の人が集まる。議演や、インタビューなど超多忙な日を送っていて、74才とは思えないパワーを発揮している。そんな姿をカメラは追う。このドキュメンタリーでは当初、数回のインタビューを申し込んだけど、多忙で1回しかできなかったという。その代わり講演会は自由に撮っていいということで、講演模様を中心に追ったドキュメンタリーになった。
チョムスキーは9.11テロのような事件は今まで全世界で幾多もあったけど、これはアメリカ本土が攻撃された初めての出来事だったから、アメリカ人に大きな衝撃を与え、大きな話題になった。しかし、このような事件や理不尽なことはアメリカだけではない、世界中で起こっている。アメリカは世界の最強国としてもっと謙虚になるべきだと語る。
アフガン攻撃に対して、アメリカで反対行動があったということはあまり知られてなかったから、ベトナム戦争当時反戦運動をしていた人たちはどこへ行ってしまったの?と思っていたが、この映画を見て、戦争に反対した人とたちもけっこういたんだと知った。
アメリカは、新たにイラクヘの攻撃をもくろんでいるが、自国の物差しを世界に押しつけるやり方は相変わらずで、世界にはいろいろな考え方があるのだということに気づいてほしいと思わずにはいられない。力で押し込めるというやり方は、世界を破滅に導く考え方だと思う。これは私の考えだけど、チョムスキーの教えでもある
監督はジャン・ユンカーマン。与那国島でカジキ漁をする82才のの老人を追った『老人と海』や、原爆の図で知られる丸木位里、俊夫妻を撮った『劫火?ヒロシマからの旅』など日本で活躍している。プロデューサーは『しがらきから吹いてくる風』『あらかわ』『橋のない川』『まひるのほし』『ハッシュ』などの製作をしたシグロの山上徹二郎。音楽は忌野清志郎。
シグロ: http://www.cine.co.jp/ [イベント&上映スケジュール]
映画の公式カタログ『ノーム・チョムスキー』
ノーム・チョムスキー著 [監修:鶴見俊輔]
定価:1000円/発行:リトル・モア/tel 03-3401-1042
http://www.littlemore.co.jp/enter.html
2002年5月収録の、最新のインタビューと講演から構成。