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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
アーロン・クォック ジャパンツアー2002

8月14日  大阪厚生年金会館
16日  東京国際フォーラム ホールA
17日  パシフィコ横浜国立大ホール

『 』曲目名、「 」MC、[ ]映画題名

 今年の日本の夏は暑かった。そんな夏真っ盛り、アーロン・クォック5年振り2度目の来日公演が行われた。 今回はこの数ヶ月前からコンサートや映画[SPY_N]のプロモーションで来日し、コンサートについては 「出来るだけ日本語でコミュニケーションがとれるように、日本語を勉強中です。 また今回は衣装や構成も新しいものになり、衣装はワイルドなものになりますよ」 とコメント。 なかでも「日本語のオリジナル曲 『時をこえて』を歌います」と嬉しい言葉があり期待が益々高まる。

そして8月、私にとっても怒濤の3日間が始まった。

アーロン・クォック アーロン・クォック アーロン・クォック アーロン・クォック アーロン・クォック

 衣装は微妙に3日間変化したが、構成は同じ。 夏コンという事で客席には浴衣姿の男女も多く華やいだ雰囲気。 開演アナウンスが流れると客席はますますヒートアップし、会場が蛍光棒で彩られる。 そして・・・聞き慣れたあのオープニングの音楽! ダンスナンバー『著迷(ペプシCM主題曲)。 ゴージャスな羽をまとってファンの大歓声の中アーロン登場! 途中羽織っていた羽を外し、日焼けした胸がはだけると客席から「キャー」と歓声(もちろん私も)

 最後のポーズを決めて・・・ファンの「なんて言うかな? きっと日本語だよね。ワクワク」の期待通り、「こんばんは!皆さん、元気ですか?」「今日は全国から僕に会いに来てくれてありがとうございます。日本のコンサートは2回目です。長い間支持してくれて、本当に感謝しています。」「今日は皆さんのために、一生懸命、歌って、踊ります。いっしょに楽しんでくださいね!」と挨拶する。わぁー、誰もが聞き取れるほど日本語が上達している。特に一生懸命の所は力がこもっていて良い感じ。

 そのまま『I love You So 太愛イ尓[アンナ・マデリーナ]主題曲)『有若所失[小親親]主題曲)とバラード系映画の主題歌が2曲続き、衣装替え。

 ステージ上では、ダンサーがボクシングをイメージしたキュートでコミカルな振り付けで踊る。そこへ手に皮のグローブ、黒の革パンツにタンクトップ、赤いスパンコールのキラキラジャケットのアーロン登場! でダンスナンバー『越愛越好』。この曲は藤原紀香さんと共演した中国富士フィルムCMソング。その設定がボクシングだったのでこういう演出です。途中、人間マイクスタンド?! が出て来るのですが、私はいつも笑ってしまいました。曲後のMCでは「K-1ボクシングが好きですか?観たことありますか? 僕はK-1ボクシングのファンです」「ボクシングの他に好きなものは・・カーレーシングと泳ぐのが好きです」この部分、東京、横浜では水泳から「温泉」に変わり・・「一緒にはいりましょうか? ・・・ハズかしぃ〜」と笑わせる。

 『誰人代替イ尓』『唯一色彩[PARA PARA櫻之花]挿入曲)と甘いバラード2曲の後は『食イ尓落肚』。ラップが入ったり、スパニッシュぽかったりする不思議な曲です。この後のMCはアーロンのお茶目度爆発の日本で大好きな食べ物紹介、「しゃぶしゃぶと刺身は旨いですねぇ〜」。カニのポーズ(私には伊勢エビに見えたよぉ)「カニ〜、カニ〜」。。。。「香港に帰っても、思い出すのは・・・日本の食べ物・・・じゃなくてぇ、あなたたちですぅ」。。。「キャー!!!」まったくアーロンという人は! さっきまであんなにキメキメで踊っていたのにこのギャップ!! でも、ここがまた彼の魅力なんですけどね。

 『愛下去』、ファンにはクマのぬいぐるみでお馴染みの『當我知道イ尓們想愛』『別説』とバラードが続く。ふとここで「アップテンポとバラードが交互に続くこの構成で良いのか?」と疑問が湧く。香港でのコンサートは長いのでさほど気にならないが、時間の短い日本のコンサートではダンスナンバーでの盛り上がりが「プチッ!」と切れてしまうのだ。近年のアーロンのバラードは本当に良いものになってきたが、やっぱりみんなが期待しているのは「誰にも真似できない華麗なダンス」。特に激しく踊り続けなくても良いが、アップテンポをもう少し増やしても良かったと思う。

 次は私の大好きナンバー『絶対美麗』。女性ダンサーのティアラ付き衣装もかわいい。アーロンは白のD&Gのグラフィティ柄のジャケット&パンツ、こんなスタイリングは彼にしか着こなせないでしょう。

 高音が切ない『被愛』では、事前に一部座席に蛍光棒が貼ってあり、それだけをつけると客席に「ハート」の光が浮かび上がる演出。。。のはずだった。 が?! 客席からは見えないのでアーロンの説明(日本語)、時には機転の効いたアドリブもあったのだがちょっとわかりづらかった様子。

 次の曲『狂野之城』では「この歌は、皆さんと握手タイムです。これから、みなさんのところに行くよ〜」舞台を降りての握手タイム。ラッキーな人はダンサー達がその様子をポラロイドカメラで撮り、その場でプレゼントされる! 握手は特に横浜での混乱振りが凄く、途中でアーロンは舞台上に上げられてしまうほど。ケガ人が出なくて良かった。

 この後、スクリーンにクレジットロールが流れ・・・ いよいよ『失憶【諒解】備忘録』。そうよ!私はこれが観たかったのよぉ! このカンフーバージョンがもう一度観られるだけで幸せ。そしてこの曲に欠かせないのは帽子。今回はいつもと違うハンチングタイプだったのが残念な気もしたけど、アーロンはこの曲とダンスに特にはかなりの自信を持っていると思うので、観ていてもとても余裕を感じる。

 『驚變[風雲]主題曲)『遊園驚夢』。ううっ・・なぜか風雲の歩驚雲を意識してロングヘアー(でも稲垣吾郎風)ズラで登場。バックスクリーンのカッコイイ映像と重なり・・イケてない加減が増し苦笑。評判を知ったか、横浜公演ではかつらではなく『失憶【諒解】備忘録』の白キャスケットを逆向きに被るという荒技!うーん。素のままで良かったのに・・と思う。

 舞台は一転してアーロンらしいダンスナンバーメドレー『愛情基本法』『木偶襲地球』『Summer Aloha』『動起來』メドレーへと続く。ここはアーロンの独壇場! 魅力溢れるステージングで会場一体になった。

『愛的呼喚』は彼が大切にしている一曲。歌い慣れているせいもあり、いつも安心して聞き入る事が出来る。

 暗転し、赤い忍者スタイルのダンサーが登場。『無忌[雷霆戦警]主題曲)は日本用にバージョンアップされた演出だった。大太鼓に乗って登場したアーロンは胸元に虎、下は袴、髪につけた白いエクステンションと日本の若武者風衣装。彼はこういうややコスプレ的衣装が本当によく似合う。

 歌い終わり、「いよいよ、コンサートも最後になりました。次のコンサートはいつか、わかりません。みんなといっしょの時間を、大切にします。「皆さんの喝采を香港へ持って帰ります。」の日もあり)皆さんとまた再会できることを、心から期待してます。ときをこえて…ぼくは、皆さんを、ずーーっと、愛してる。」鳴りやまない拍手の中『ときをこえて』のイントロが流れる。ここでの彼の話し方はゆったりと静かで、心を込めて話しているのがよく伝わりました。またお辞儀が長く深かったのがとても印象的でした。

 『ときをこえて』『因愛之名』に日本語の歌詞を付けたもので、最新アルバム「愛情大舞台國粤語新曲+精選」にボーナストラックとして収録されています。クレジットは「日本演唱會主題曲」、日本のファンはなかなかアーロンに会えないけれど、こんなに気遣ってもらえて幸せですね。

 「最後は、みなさんといっしょに、おっどりたいでーーーす!」この掛け声で一斉にスタンディング!! 『ParaParaSAKURA[PARA PARA櫻之花]主題曲)を会場一体で楽しみました。初日大阪ではファンが同じ振りで踊るのを、ダンサー達がびっくりしていた様子。コンサート前に香港人ファン達から振り付けを教えてもらい、みんなで練習したんですよ!

「さよならーー! ばいばーい! ありがとうー、愛してるー!!」
「きょうは絶対忘れられません〜!」
そう、私たちも絶対忘れられない夏を過ごしました。

 最終日横浜では、コンサート終了後別会場でファンとの交流が行われました。赤いノースリーブのTシャツにジーンズで登場したアーロンは、ステージ後でちょっと疲れている感じもしましたがコンサートのお礼などをファンの前で語りました。

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 こうして振り返ってみると今回の選曲、演出は今年2月1度だけ行われた「Aaron Kwok Absolute Charity in Stage」と「Live On Stage in Concert 2000/01」が元になっています。その中でも香港で映画やCMに使われた近年の代表曲が選ばれています。ファンとしては他にも聞きたい曲がたくさんありますが、アーロンの楽曲は演出上バックダンサーの数が有る程度決まっているものもあるし、持ち歌も多いので1回のコンサートで全てに満足させるのは無理というものかもしれないですね。

 誰もが認めるダンスナンバー以外に、バラードもここ数年でとても安定しアーロン独特の魅力あるものになってきています。構成がやや単調だった点と男性ダンサーの実力に差があった点は今後の課題。それを置いてもアーロンの一生懸命さが伝わる良いステージでした。

 私は常日頃友人に「たとえ曲を知らなくても、言葉が通じなくても楽しいよぉ。日本でコンサートがあったらだまされたと思って一度見に来てちょうだい!」と言っていました。今回それが現実となり、「とても楽しかったよ!もっと観たい」と言ってもらえたのが嬉しかったです。

 これから映画出演の候補が何本か出ているようです。そろそろちょっと大人なアーロンにスクリーンで会える事を期待しています。



★おまけ★

 そして、10月に日中国交30周年記念行事として行われた『日中友好芸能フェスティバル』出演の為再び来日。香港迷以外にもお披露目となる『ときをこえて』、メドレーで『PARAPARA SAKURA』『動起来』の3曲を歌った。この模様は10月26日(土)9:30〜11:48(BSハイビジョン)、10月27日(日)19:20〜21:38(BS2)、11月9日(土)19:30〜20:59(総合)放送予定 お楽しみに!!

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(文:了舟ひさみ 撮影:宮崎暁美 協力:Ms.S)
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