4/21 21:00〜 銀座シネパトスにて
銀座シネパトスでただいまレイトショー公開中の『大混乱 ホンコンの夜』。 公開初日の21日、主演の2人とサム監督の舞台挨拶が行われた。レイトショーにも かかわらず、館内は香港映画ファンで目測8割ほどが埋まる勢い。 特にチン・カーロゥファンが全国から駆けつけ、熱い声援を送っておりました。 さっそくその模様をどうぞ。
司会: それでは、三木拓郎役を演じた田口さんからご挨拶を
田口: えー、本日は『ハンニバル』に来ていただいてありがとうございました(場内笑)。これだけたくさんの人が集まってくださって嬉しく思います。僕も初めての香港映画なんで緊張したんですが、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で1度上映したときに、お客さんからかなりいい反応が返ってきましたので、自信をもって皆さんに観ていただけると思います。
司会: 田口さんは香港映画初出演でしかも映画初主演ということですが、現場で苦労したことや印象的なエピソードはありますか
田口: やっぱり言葉には苦労しました。僕の言葉は全く通じないけど、監督が日本語を話せるので、コミュニケーションをとりながら(撮影を)やりました。
司会: ありがとうございました。それでは、チン・カーロゥさん、お願いします(場内、大きな声援がとぶ)
カーロゥ: (日本語で)わたしは、チン・カーロゥです。よ、よろ……
田口: よろしく(と教える)
カーロゥ: よろ……よろしく。サンキュー、サンキュー。ありがとうございました。
司会: チン・カーロゥさんはたくさんの映画に出ていらっしゃるんですが、田口さんの印象はいかがでしたか?
カーロゥ: (北京語で)とってもいい人です。香港で1週間くらい一緒に仕事をしたんですが、言葉はわからなくても、目と目を見ていろいろとわかり合いました。こうやって目を見ていると愛してしまうんじゃないかと恐れています。
田口: 僕も愛してます。
カーロゥ: じゃあ相愛の仲ということですね(笑)。
司会: 今日はチン・カーロゥさんのファンもたくさんいらしてますが、ファンの方に一言メッセージを。
カーロゥ: とても嬉しいです。北海道や名古屋、大阪など、遠くから来てくれた人もたくさんいます。どうもありがとう。
司会: 最後に、サム・レオン監督からご挨拶をお願いします。
監督: (日本語)こんばんわ。これからも楽しい映画をいっぱい作りたいと思いますので、皆さん、ぜひ最後まで応援してください。よろしくお願いします。
司会: どうして今回の映画に田口さんを起用されたのですか?
監督: いろいろ日本映画を観ていて、田口さんが1番ニブい演技ができると……(場内笑)
田口: ニブいじゃなくて、シブいでしょう。
監督: はい。
司会: これから皆さんご覧になるんですが、この映画の見どころを
監督: 初監督作品で、いろいろ不足なところがあるかもしれないんですけど、まあ、ちょっと味のあるコメディ映画を作りたかったと思って、僕にとってはそれが実現できたという気持ちです。皆さんもそう思っていただければ嬉しいなと思います。
サム監督は日本映画学校で留学した経験の持ち主だが、日本語がとても自然。発音というより、文の作り方が日本人的なのだ。というわけで、監督のコメントはあまり整えずに載せました。チン・カーロゥの通訳も、もしかしたら監督がしてしまうのかなと想像していたら、さすがにそれはなく、司会者が北京語で通訳を兼任。
この日は舞台挨拶に続いて、田口浩正とバカルディ改めさまあ〜ずのトークショーが行われ、その後上映開始というスペシャルメニュー。監督とカーロゥも劇場で一緒に映画鑑賞し、上映終了後は残ってファンと交流してくれるというサービスも。さすが香港映画と改めて感心いたしました。
香港返還を直前に控えた1997年6月30日。香港で働くやる気なしサラリーマン 三木拓郎(田口浩正)は、一大決心をしていた。今日は30歳の誕生日。5万香港ドルを はたいて、初恋の人にそっくりな高級娼婦ジョイと一夜を過ごそうと計画をたてたのだった。指定されたホテルに到着、ベッドインまでは順調だったが…… コンドームを用意し忘れた! コンドームがなければダメとジョイに拒否され、慌てて買いに出かける拓郎。その行動が香港中を大混乱に陥れることになるとは知らずに……。
香港映画ファンにとっては、何と言ってもキャストのとぼけた演技が楽しい。顔ぶれがやや地味めではあるものの、それぞれに見せ場があってお腹いっぱいという感じ。
特に、女王に絶対的忠誠を誓う熱血警部パン役のチン・カーロゥと、違法就労者「コトブキくん」役のラム・シュッ(林雪)は絶品。ちなみにこれらキャストは全て監督自身で選んだそう。
また、サム監督が『無問題』、『無問題2』のプロデューサーであることを逆手にとって、拓郎が何を言われても「無問題」と繰り返したために、逆にピンチに追い込まれるシーンを加えているところがニクい。さらに言えば、細かいところまで気がきいていて、アルフレッド・チョン演ずる餐店の主人が読んでいる本は、スタニスラフスキーの演劇理論だし、香港返還後にパン警部が飲むカップも洋風から中華風に変わっている。おそらく中身もそうなのだろう。その割に、サイトウ・ヒロシの文字資料がめちゃくちゃなのは興味深い(場内で最も笑いが起きたところがここだった)。
ストーリーは全く単純、笑わせ方もセオリー通りの直球勝負。それでもついつい笑わされてしまったのは、監督のエンターテイメント好きが画面に表れているからでは。
肩が凝らない楽しい映画が観たいという人には絶対おすすめ。
上映前には、5/10を除いて、日替わりでお笑いライブがついてます (21:00〜お笑いライブ、21:15〜上映開始)。なお日曜は休映ですのでお気をつけて! &公開期間が短いのでご覧になる方はお早めに!