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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
Oct. 13, 2001

「バレット・オブ・ラブ」完成披露試写会レポート

去る9月5日、アンドリュー・ラウ監督の最新作「バレット・オブ・ラブ」の完成披露試写会へ行ってきました。当日は、試写のみで、舞台挨拶などはないと聞いていたのですが、なんと急遽、主演のレオン・ライと瀬戸朝香が舞台挨拶に来てくれました。その模様をご紹介します。

オレンジの開襟シャツにジーンズ姿で登場したレオン。
続いて、袖なしシャツに赤紫のレザーパンツを穿いた瀬戸朝香も登場。
司会者がレオンは来日5回目ということを紹介。でもプライベートでは、何回も日本に来ているとのこと。そこで「日本の食べ物で一番好きなものは?」と聞くと、カニと刺身という答えでした。

共演の感想を聞かれた2人は──

レオン: とても良かった。2人で一所懸命がんばって、上映にこぎつけました。この映画を通して、僕達の仕事に対するスタンスを感じて欲しい。

瀬戸: やはり言葉の壁が大きかった。でもすごく気を使って頂きました。緊張やプレッシャーもあったけれど、それをほぐしてくれて、撮影に臨めたので感謝しています。広東語は特に発音が難しかったんですが、がんばってやりました。

実際に彼女は、広東語に必死に取り組み、ラウ監督から「アサカの発音はすばらしい」とお墨付きをもらい、ラストのサム(レオン)に真実を告白するシーンでは、急遽広東語のセリフに置き換えられたらしい。司会者に広東語で何か一言と水を向けられ、「えーっ!」と言いながらも、「皆さんこんにちは、瀬戸朝香です。この映画を気に入ってくださるよう望んでいます」とちょっとたどたどしいながらも、広東語で挨拶をしてくれました。

最後に、この映画について聞かれると──

レオン:男女は外見から惹かれて(恋愛に発展して)いくこともあります。この映画を楽しんでください。

瀬戸:感動もあり、笑いもあり、ハラハラする所もある映画。アクションも経験させてもらいました。

今年より2年間、香港政府観光局が推進する観光キャンペーン「City of Life: Hong Kong is it!!」の親善大使に任命されたレオン。今後キャンペーンガイドブックやポスターに登場する。また 「東京国際ファンタスティック映画祭」に参加する予定で、ファンにとっては、見逃せない秋になりそうだ。


「バレット・オブ・ラブ」

出演:レオン・ライ 瀬戸朝香 テレンス・イン リチャード・サン
監督:アンドリュー・ラウ
2001年/香港映画/上映時間105分

【ストーリー】

 香港特殊警察部隊のサム(レオン・ライ)は、武器麻薬密売人ナイト(テレンス・イン)を捕えるが、裁判では5年の判決しかでなかった。担当検事でサムの恋人アン(瀬戸朝香)は悔しがるが、2人はそのままパリへ旅行し、サムはアンにプロポーズする。しかし、幸せな2人を銃口が狙い、アンは命を落としてしまう。2年後、警察を辞めて失意の日々を送っているサムの元へ、ユウ(瀬戸朝香:二役)と名乗る日本人カメラマンが現われる。ユウは、亡きアンにそっくりだった−。驚くサム。しかもユウは、アンとサムしかしらない紅茶の淹れ方の好みまで知っていた。アンとユウは別人だと分かっていながらも、サムはユウに惹かれていく自分を押さえる事ができなくなっていた。


【映評】

 偶然にも、前の日にラウ監督の「決戦・紫禁城」をビデオで観て、そのアクションのカッコ良さにクラクラ! 期待大で今回の試写会に臨みました。期待たがわず、前半のレオンのショーウィンドウへの激突シーン(これは、本当に10針も縫う大怪我をしている)や、エレベーターの中でアンが殺されるシーン、ラストでナイトらの犯罪組織とユウが戦うシーンなど、文句なしにカッコイイアクションを見せてくれました。

 ストーリーの方は、前半ちょっと喋りすぎという感じで、後半ユウが現れる前に、ユウが何者か分かってしまいます。それとアンとユウが違う性格だということが、もっと見ている側に分かれば良かったかなと思いました。悲劇のラブ・ストーリーなので、レオンは、最初っから最後まで悲しげな表情をしていたのが印象的。反対に瀬戸朝香は、後半のユウになると、自分に合っているのか、いきいきと演技をしていました。サムを愛しているが為に、彼にちょっかいを出すチンピラ達を、こっそり始末してゆくユウ。そんな内助の功を発揮する恋人は、あり難いような、迷惑なような・・。でもそんなあり難い恋人は、やっぱりあり難いまま自ら死んでしまうのですね。ユウには、もっと図太く生き抜いて欲しかったなと思いました。


*11月有楽町スバル座ほか全国東宝洋画系にてロードショー。
また10/28(日) 東京国際ファンタスティック映画祭の《感じる香港シネマスペシャル》にて上映予定。レオンと瀬戸朝香の舞台挨拶も予定されています。

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(文:水直 岩)
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