北京滞在記+劉徳華のコンサートを見に香港へも行ってきましたの記宮崎暁美 ▼北京の街で中国映画にはまって八年。映画の中でしか見たことのない北京にやっと行って来ました。会社を辞めたので、この機会に長期に行ってみたいと、夏の短期語学留学を利用して北京語を勉強しながら約二ヵ月の滞在。その間に映画関係の書店や出版社などにも行ったり映画関係者にも何人か会えたり、映画をみたりとても充実した日々を過ごすことができました。そんな北京での体験を報告します。 北京に行ったらぜひ行ってみたいと思っていたのが北京映画撮影所。北京市北西部の北京電影学院の隣にあります。広い敷地の中に映画のセットや技術的なものを処理する施設、撮影所の事務所、職員の居住区などがあり、セットなどは入場料を払って見学することができます。中国映画を支えてきた映画人たちの紹介コーナーや似顔絵コーナー、『紅楼夢』で使われたセットや衣装を展示するコーナーがあったり、古い北京の町並みの大がかりなセットがありました。様々な映画が撮影されたということでしたが、なんとなく見た事があるような気がする建物も幾つかありました。『茶館』などもここで撮影されたと言ってました。最近では香港映画の『冒険王』の中のシーンでも使ったと言っていたので、もしそうだとしたらファンタでの上映が楽しみです。映像をどのように合成するのかといったような特殊効果を撮影する場所や、どのように効果音を作るのかといったコーナーなどもありました。ミステリーものを撮影する建物の中には、ほんとは垂直でないのに、いかにも垂直に登っているように写すトリック撮影のコーナーがあったりして、そういうのを見るのが初めての私は感心してしまいました。 北京といえばやはり胡同(フートン)、日本で言えば横丁とか路地裏通りとでも言えるのだろうけど、北京を舞台にした映画といえば必ずと言ってもいいほど出てくるこの胡同をいくつか歩いてみました。のんびりと中国将棋を打っているおじいさんや、うちわを扇ぎながら夕涼みをしている人たち、おしゃべりをしているおばあさんたち。路上で料理を作ったり、子供たちも遊んでいるし、床屋さんもいます。東京でも下町の路地裏に行けばまだ少しは残っているけど、もう東京ではほとんど見られない光景が胡同では残っていました。その北京名物の胡同が建設ラッシュで段々少なくなってきていて、王好為(ワン・ハオウェイ)監督の『夕照街』で描かれた、胡同の取り壊し模様さながらの取り壊し風景があちこちであり、街の風貌もあと何年かしたらおしゃれかもしれないけど味気ないビルばかりが立ち並び、人情味溢れる胡同も無くなっていく運命なのかなと思わせる北京の建設ラッシュでした。今が新旧混在している過渡期の真っ只中なのかなという感じでした。 北京の交通機関は地下鉄やタクシーもありますが、私は北京の街や人を身近に観察できるバスが好きでいつも利用して、張暖忻(チャン・ヌアンシン)監督の『おはよう北京』に描かれた北京のバス事情を実感しました。バスは大抵二両連結だけど、混んでいることが多かった。もちろんラッシュアワー時は日本同様、人、人、人。でもやっぱり中国の混み具合はすごい、なんてったって一三億の人口。バスに乗るとき先頭の方に並んでいても安心はできません。降りる人も待たずに我先に入り口に殺到! 始発のバス停で先頭に並んでいたはずなのに、やっと乗れた時にはもう席は空いていない状態。座ろうと思ったら素早い行動力が必要。降りる時もラッシュアワー時は乗ってくる人をかきわけ降りないと降りることもままならなくなる時があります。それも、二~三回乗ればすぐ慣れます。バスの車掌と客とのやりとりに『おはよう北京』の馬暁晴(マー・シャオチン)の姿がダブります。車掌と客の言い争いも多いし、バスの乗り降りを巡っての言い争いや喧嘩も何回か見ました。もちろん訳のわからない外人相手に乗り換え駅だの、降りる駅だのいろいろ親切にしてくれる車掌もいました。アナウンスや車掌が何を言っているのか、最初全然わからなかったけど、一週間ぐらいで慣れました。 それに窓から見える北京の街並みや、路上で繰り広げられる光景を見ながら、この次はこの辺の街で降りてブラブラしてみようと考えたりあの映画のあの場面はここで撮ったのかな、などと思いながら街を眺めているのがとても楽しみでした。全然座れなくて一時間半もバスに乗っていると、さすがにくたくたになったこともあったけど、それでも私は中国の人の生活をじかに感じることができるバスが好きです。それにバスはすごく安い。 ▼映画、TV事情北京で映画をみるのに、今何をやっているのか知りたい時には、香港と同じく路上で売っている新聞を買うと出ています。毎日出ている「北京晩報」や毎週金曜日発売の「戯劇電影報」などに載っています。ちなみにTV番組は「中央電視報」や「北京広播電視報」が毎週月曜日に出ていますが、これは次の週の番組表ということで水曜日頃には売り切れていて、その週の番組を知りたい時には不便でした。映画雑誌などは日本と違って郵便局の管轄で雑誌ばかり置いてある場所(ボックス)で売っています。売り切れていなければバックナンバーなんかも置いてあります。映画雑誌は日本より種類は多いようでしたし、印刷も前に比べると格段に良くなって来ています。その中でも私のお薦めは「中国銀幕」と「電影故事」です。写真が多いので、字ばかりの雑誌より見易いです。他にも「上影画報」「北影画報」など写真の多い雑誌も結構あります。そして、これらは日本でも東京の池袋あたりの中国人相手のレンタルビデオ屋さんに行くと置いてあります。 映画『秦頌』の看板、首都電影院 さて私が北京でみた映画ですが、結局学校の授業が開始される前にみた『秦頌』だけでした(でも二回行きました)。他にはあまりみたいと思う作品がなかったのです。それでも、新聞をみてチェックして行ってみようと思った作品もあったのですが、授業が始まったら課外授業や補習などがあって、意外に時間がなかったり雨が多くて出かけて行く気になれなかったりという具合で、それでもどうしても行きたいという作品がありませんでした。『秦頌』が期待外れだったこともあるかもしれません。スケールは大きかったし、画像もダイナミックだったのですが、ストーリーがいまいちのように思いました。秦の始皇帝と幼なじみの音楽家との愛憎もので配役の設定としては始皇帝に姜文、音楽家に『再見のあとで』でカメラマンの役、『さらば、わが愛/覇王別姫』では張國榮(レスリー・チョン)のパトロンの役をやった葛優(クー・ヨウ)、姜文の娘役に『人生は琴の弦のように』の許晴(シュイ・チン)と、豪華キャストだったのですが、姜文と許晴が親子にはとても思えなかったし、姜文と葛優の愛憎模様と許晴との関係にどうも無理があるような気がしてしまいました。もっとも、それは中国語の理解力の不足かもしれませんが。でも、中国人の友人もそのようなことを言っていたのであながち私の理解力不足でもないのではと思っています。残念だったのは、すぐ終わってしまった『人約黄昏』を見逃してしまったことです。日本と違って上映期聞が短く、話題作でも評判にならないと一般公聞は二週間くらいで終わってしまうようです。その後は香港と同じように早朝とか深夜、オールナイトなどでやっていたようでした。私が行った映画館は二ヵ所だけでしたが、入場料は二〇元~二五元(二八〇~三五〇円)でした。映画館以外にビデオ上映館のようなところも有りました。今、北京にはどのくらいの映画館があるのでしょうか? 日本同様減っている様です。 私がいた寮のTVは有線放送が入っていて、三〇局近くありましたが、スターTVなどは入っていませんでした。もっとも、中央電視台と北京電視台の二局の中に、ニュースやドラマなどをやる普通放送のチャンネルと、あとは京劇、音楽(クラッシックと流行歌は別チャンネル)、映画、スポーツ、外国のTV番組、教育番組の専門チャンネルなどがあり、他の地方のTV局の放送も時々流れているような感じでした。でも、同じ寮の中で私の部屋のTVには入っていなかった局も入っている人がいてなんか不思議でした。その局では日本のTV番組の市原悦子が結婚式場で介添え人役、宮沢りえが巫女さん役の『花嫁介添え人がゆく』をやっていたり、香港のTV番組でドニー・イエンが主人公の『精武英雄』、『Xファイル』などもやっていたので、もしかすると衛星放送だったのかな? 中国のTVと言ってもニュース、ドラマ、クイズ番組、視聴者参加番組、スポーツ番組などがありで、基本的には日本と同じでしたが、なんといっても違うのは軍関係の番組があったことです。さらに、音楽番組の中にも軍の兵士たちを慰問し、讃える歌の番組などもあったりして(軍歌とはちょっと違うような気がした)、なんとも不思議でした。MTV番組もあって、中国の歌手の歌以外にも台湾や香港の歌手もよく放送されていました。張學友や劉徳華、王菲などはかなりの頻度で放送されていましたが、王傑(ワン・チエ)も古い曲でしたが何度か放送されていて根強い人気があるんだなと思いました。日本人はチャゲ&飛鳥や酒井法子ぐらいしかみませんでした。欧米系ではマドンナ、BOYZ II MEN、スティング、エンヤ、エリック・クラプトンなどを何度かみました。 映画関係は専門チャンネルで結構古い作品や、貴重な作品なども放送されていたし、日本映画はやっているのをみませんでしたが、欧米の映画やインドの映画、香港の映画などもやっていました、それが全部中国語吹き替えで、欧米人が中国語で話していたり、日本のアニメなども中国語で、最初は思わず笑ってしまいました。毎週金曜日には、今撮影している映画や公開されている映画の撮影光景を映して紹介している番組もありました。 北京電影撮影所、三星電子の看板 TVCMには『駱駝の祥子』『覇王別姫/さらば、わが愛』の張豊毅(チャン・フォンイー)を始め、『北京人在紐約』『紅粉/べにおしろい』の王姫(ワン・チー)、『王さんの憂欝な秋』の牛振華(ニウ・チェンホワ)、『北京好日』の大柄な老人を演じた韓善続(ハン・シャンシュイー)など映画俳優の他、歌手の艾敬(アイチン)もシャンプーの宣伝に出ていたし、それぞれ、映画やステージで見せる表情とはまた違う表情を見ることができて面白かった。成龍(ジャッキー・チェン)、劉徳華、何家勁(ケニー・ホー)、鍾鎭潯(ケニー・B夫妻)、鍾麗緹(クリスティ・チョン)など、香港や台湾のスターも結構TVCMに出ていて、コマーシャルを楽しみました。 街の広告や看板にも香港や台湾のスターのものがありました。キヤノンやTVゲームメーカーのキャラクターになっていたのは成龍、商場(百貨店とスーパーの間くらいの店)のキヤノンのコーナーやゲームメーカーのコーナーに行くと商品を持って微笑んでいる成龍の写真があったし、街角の広告などにも等身大の立て看板が飾ってありました。韓国の三星電子のキャラクターは劉徳華、北京に入って最初に目に入ったのがビルの屋上にある三星電子の大きな看板で、劉徳華の姿もありました。その後街中でも等身大の立て看板なども見かけたしTVCMもありました。北京語で宣伝文句を言っていたけどこれは本人の声ではなかった。帰りの北京空港のカートにも三星電子の宣伝があって、これにも劉徳華の写真があったのにはビックリ。啓徳空港にも成田空港にも三星のカートはあったけど劉徳華の写真入りは北京空港だけでした。そして、一番面白かったのは西単の交差点のところにあった金城武の看板。オートバイの宣伝だったけど、何秒かおきに画面が変わる掲示板で、その場面転換が面白くて、行く度にしばらく眺めてしまいました。 ▼映画ロケ地探訪中国映画といえばよく出てくるのが天安門前広場と故宮ですが、映画で見た印象より小さく感じ。大体の映画が撮影時にかなりの広角レンズで撮っているのだなということが判りました。特に故宮の中の皇帝の即位シーンなどに使われる大和殿の前の庭(広場?)などは、自分で思っていた感じの半分くらいだったので余計小さく感じました。とは言えやはり中国、日本とはスケールが違います。 同じ短期の語学講座に来た人で、李連杰のファンの人と出会い、思わず李連杰出演の映画の話で盛り上がりました。その方は大阪から来た小学校の先生で、『少林寺』の頃からの李連杰ファンだそうです。なんと一二年前、ファンクラブのツアーで李連杰に会いに深圳まで行ったそうです。その時作った小冊子を持って来ていましたが、その時の写真と去年ファンタに来た時の李連杰の顔があまり変わりがないのにビックリ。その後、話は盛り上がり、『阿羅漢』の撮影地に行ってみようということになりました。講座も終わりに近付いた晴れた日、授業が終わってからタクシーに乗り、約一時間半の北京郊外にある戒台寺と漂択寺に行ってきました。二つの寺は意外に近く、北京の喧騒から離れた山の麓にある山寺でした。 漂択寺は北京で一番古いお寺ということで、山門やどっしりした建物にも歴史を感じました。中国のお寺の基本の色は紅、緑、青それに金色でとても派手ですが、このお寺は色褪せている分、なんか風格を感じました。私は『阿羅漢』をみていないので、映画のシーンがどこで撮られたのかということは判らなかったのですが、彼女は何度も何度もみているので、ここでこういうシーンを撮っていた、と説明してくれるのです。こんど、時間ができたらぜひみようと思ったロケ地行きでした。 ▼映画関係の雑誌や本を買うには天候が悪くて北京以外の場所は大同しか行くことが出来なかったけど、大同の新華書店では香港の「銀色世界」を売っていました。北京で香港の雑誌を見たことはなかったけど、きっと探したらどこかにあったのかもしれません。映画関係の本は西四の近くに電影書店があって、ここで何冊か買いましたが、その中でも日本で買ったら二千円以上はしそうな阮玲玉の写真集は、なんと七元(約百円)でした。一〇年前に出たもので、その時から値段が上がっていなかったのです。出たばかりという、同レベルの白楊(パイ・ヤン)の写真集などはもっとずっと高かったので、その阮玲玉の写真集は掘り出し物でした。お土産用にもう一冊と思って、後日そこに行った時にはもう在庫がありませんでした。残念。その後、帰国間際に電影出版社に行ってみましたが、やはりそれはありませんでした。その代わりもう一冊貴重な本をみつけました。一九九二年発行の「大衆電影百花奨記録写真集」で五〇元(約七〇〇円)でした。七〇〇円というと日本の感覚では安いけど北京の平均月収が八〇〇元くらいということでそれから考えると中国の人にとってはやはり高い買物です。中国の百花奨を獲った作品の紹介や授賞式の模様をほとんど写真で載せていて、漢字ばかりの本に弱い私にはピッタリです。 ▼音楽事情映画に使われている音楽から入って中国の音楽にも興味を持っている私は、北京に行ったら日本で紹介されていないアーティストたちのCDやテープを捜したいと思っていたのですが、やはり沢山ありました。しかし、こちらではまだまだCDは少なくテープが主流でした。CDのハードもソフトもまだこれからです。もちろん日本で紹介されているアーティストたちのものもありましたが、香港に比べると中国のアーティストはまだまだ紹介されていないな、と感じました。去年あたりから学園フォークとも言うべき校园民歌というのが流行っていたそうですが、その中の老狼(ラオ・ラン)が歌った「同卓的你(同じ机を並べていた君に)」は去年かなりヒットしたし、去年八月、NHKのラジオ中国語講座でも流され、それを聞いた読者からの問い合わせもありました。この曲は今年になって香港でもヒットしていました。香港でカラオケに行った時には彼のこの歌のポスターが貼ってありました。最近は日本でもこのアルバム『恋々風塵』が発売されています。他にも日本で紹介されているロック系やポップス系以外の分野の人たちのテープもたくさんありました。 ライブに行ってみたいと思っていたら学校のそばの山小屋風のスナックで週末にやっているよという情報が入り、行ってみました。舞台といっても六畳ほどの広さで十センチほどの高さのスペースがあるだけのものでしたが、「紅焼肉」という名前のロックバンドが演奏していました。観客は演奏者たちと一メートルと離れていない近くにいたので他の人からは演奏者が見えない状況でした。取り巻いている人の中から交替要員が出て、次から次へと演奏を続けていました。ちなみに二時間くらいの連続演奏でした。 ▼香港での劉徳華コンサート北京から香港に飛び、劉徳華のコンサートに行ってきました。 九四年に続き二回目です。最近のアルバムはバラード中心でアップテンポの曲が少なかったのと、今回のコンサートは大人っぽくしたいと言っていたので、もしかするとバラード中心の盛り上がりに欠けるコンサートになるのではと危惧していましたが、心配無用でした。選曲も良く、アップテンポの曲からスローバラードまでとても良い配分で、今までのヒット曲のオンパレードでした。ソロコンサートは三回目の彼ですが十年間の歌手活動の集大成という感じでした。私は二〇日間に渡るコンサートの最終日までの四日間行ったのですが、歌のできも良く、心配していた「心酸的情歌」〔作詞・劉徳華、作曲・巫啓賢(エリック・モー)〕はヒットさせた巫啓賢に比べたら聞き劣りするから、やめた方がいいのではと思っていたけど、巫さんと同じくらい聴き応えがあってホッとしました。 コンサートの内容もしっとりと歌う場面や、ダンサーたちと踊りながら歌う場面もちょうど良く配分されていて飽きさせません。それにやはり香港のコンサート、歌以外の見せ場がたくさんあって、さながら歌謡ショーでした。途中羽織っていたコートを脱ぐと背中の見える大胆なカットの服、話には聞いていたけどこれがそうなのかと口あんぐり。何しろ初日のコンサートの模様を北京までFAXしてくれた人がいたのです。背中がとてもきれいだったけど、ちょっと気恥ずかしくて正視できない! でも、この服でしっとりとした曲はちょっと合わないんじゃないと思った私でした。ちなみに、この服のデザインはマサキ・マツシマという日本人でした。 この年末には、と言っていた劉徳華の日本でのコンサートが十月に開催されることになって、また楽しみです。でも、香港テイストをそのまま日本に持ってくるのはどうかなと思います。特にあの日本から取り寄せた歌舞伎テイストの白馬と、あの背中があいた奇妙な服。今まで香港で彼を見続けてきた人やファンの中でのあの実験は面白いと思うけど、ファン以外の人も多い初めての日本公演にはのけぞる人もいると思うので(笑)、やめた方がいいのでは?なんて考えている私です。充分、歌の実力もあるのですから。 今回のコンサートは前回にも増して日本から来ている人がいて、コンサート会場や街で読者の方もみかけました。その中でも二〇日間全部通ったという強者は大阪のYさんとTさんでした。すごい! ということで読者のSさんから可愛いいイラストのレポートが届いていますのでコンサートレポートはそちらをお楽しみください。 次の日チャリティコンサートがあり、結局五日間コロシアムに通ってしまった私。カリーナ・ラウ、ケニー・B、ハッケン・リー、イーキン・チェン、レオ・クーなどの出演者たちも見れてラッキーでした。演唱會が終わったばかりで疲れてて出演しないと思っていたアンディも出演し、まったくもってタフな人だと思いました。 映画はレスリーとアンディ出演の『新上海灘』が、もしかしてみれるかなと思っていたけど、終わっていたのが残念でした。 ▼香港でみた映画香港で今回みた映画は『金枝玉葉Ⅱ』と『變臉』。ご存じ『金枝玉葉Ⅱ』は『金枝玉葉』の続編。最初にレスリーとアニタの長いキスシーンがあって、それからレスリーとアニタが同居するところの大騒ぎから始まります。ここで、レスリーはすでに先が思いやられるという顔をしています。今回はアニタ・ムイも出てくるし、また意外な展開がありますが、小春の出番は前よりも多くてとぼけた味出しています。さてこの先は見てのお楽しみですが、でもⅠのほうが新鮮な分だけ面白かったかなという印象です。『變臉』は中国の呉天明監督の作品。『心の香り』『胡同模様』『大地の子』などで有名な中国の名優朱旭(チュウ・シュイ)さんが大道芸人に扮し、一人の女の子との物語です。私は今まで見た呉天明監督の作品『標識のない河の流れ』『人生』『古井戸』が好きじゃないので、どうしようかと迷ったけど、朱旭さんが出ているなら見てみようと思った作品でした。結果は、とても良かった。やっぱり朱旭さんは上手い! 彼は顔のお面?を瞬時に変える技を持つ、大道芸人の役なんだけど、本当に自分でその技をやっている!「江湖(ジャンフー)=芸をして渡り歩く人」の朱旭さんが後継者を養成しようとして男の子を買ってくる(人身売買があった時代)。二人の生活に慣れた頃、本当は女の子だとばれて追い出してしまう。その後、朱旭さんは誘拐犯に間違われ、それを救おうとその女の子が頑張るというような物語。この、もう一人の主役の女の子が上手くて可愛い。そして、この子の健気さがいい。この女の子もきっと雑技団所属の子なんだろうな。単なる逆立ちだけでなく、海老反り型の逆立ち?(体を“つ”の字型にしながらの逆立ち)が出来る。劉徳華のコンサートでも雑技団の女の子が出てきてこの海老反り型の逆立ちをやっていたけど、実は北京でも雑技を見にいった時、こちらは少年だったけどこの海老反り型の逆立ちをやっているのを見た。だから、この映画を見た時、妙な感慨を覚えた。それに、皆八才前後なんだけどこんな小さなうちからこんなことができちゃうことにしてしまったし(つくづく体が柔らかいんだなと)、こういう子たちもいるから、中国はオリンピックの体操選手の層が厚いのかなと勘操りたくもなった。これは余談ですけど。 ▼帰国してから中国・香港から帰って、早々に今年の中国映画祭でやる『新北京物語』を見にいった。そうしたら、見てきたばかりの北京の街がたくさん映し出され身近に感じられて感無量だった。冒頭の水浸しでレンガの上を歩いて宿舎に入っていくシーンには、ついこの間北京で経験した大雨の時の光景が目に浮かび「そう、そう」と、思わず相づちを打ってしまった。宿舎から道路に出るまでの道が水浸しでレンガを置いて、その上を渡ったことが何度もありました。ちなみに今年は天候不願で、一時期(二週間くらい)毎日雨が降っていました。それに、居住場所はだいたい職場単位で、一度もらえば定年退職したあとも住んでいられるようだけど、そのかわり新しい人はなかなか入れなくて、結婚しても別居という例はこの映画のように結構あるようでした。 その後、『D&D(爸爸的信)』をみにいった。ビデオでみた時には、そんなに気にしていなかった景色がとても気になりました。ちなみに、最初に出てきた「安定門」のバス停には行ったことがあります。この映画も日本語字幕付きでみると、全然イメージが違いました。この映画も気にいりました。 北京特集
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