女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

ネタばれあります。ご注意!!

(レオン・ライ ファン)
  1. 1の最初の観覧は香港で日本語の情報がないままに見ましたが観終わって、大変興奮して同行の皆さんと興奮気味で話しました。日本公開で字幕付きで見て、謎解きが出来、更に面白かったです。
    2はショーンにやられました!最初はトニーレオンの若いとき?と疑問符が沢山並びましたが、2を見たら納得。
    3の公開数日前、1の吹き替えをTV放映で見たにもかかわらず、時間の前後、妄想と現実あり、かなり混乱しました。が、これから数回見なければとの楽しみもあります。
    3のプログラムを見て、3部作で傑作としみじみ思いました。
  2. レオンファンの私としては、何はともかくレオンのお姿。本当に組織の一員、スーツの似合う男です。
    印象に残って好きなシーンは、港(船内)での3人の銃撃戦の処。トニー、レオン、チェンダオミンの笑顔が忘れられません。
  3. 3を劇場で見たときは、かなりの混乱がありましたが、今、落ち着いて思い返せば(先ほども書いたとおり)傑作!謎解きの面白さがあり、三部作をチェックしなければ。
  4. しつこいですが、レオンファンとして死んで欲しくなかった。でも物語としてはベストなのでしょうか?ただレオンの死に顔が蝋人形の様で今も怖い・・夢見そう・・。
  5. 前述通り、腑に落ちない箇所が多々あるので謎解きの面白さがあります。また、面白い感銘深い映画も多々ありますが、この三部作は私の今までの人生で傑作の一つです。

return to top

(GO)
  1. 日本語字幕でやっと観られた2度の試写会でしたがアンディに会えた興奮が冷めやらず(笑)、ヨンとシェンの役割がよく掴みきれなかったのですがプレスシート、プログラムを読み込んでからのち、3度見て、やっとそうか・・・という感じでわかりました。
    1,2を観て結末はどうなるのかと思いましたが、やはり1の冒頭の無間地獄から出られないラウを想いました。1,2ともわかりやすかったのですが3は時間の交差が多く、それがファンの私には楽しい謎解きにもなりました。でも鈍い私には、正直1度ではわからない映画でした。昔は映画は1度観たらそれで満足していました。でもここ2・3年同じ映画を何度か観るようになり、小さなことに気がついたり、視点を変えてみたりと、映画の楽しみ方も変わってきました。
    心と経済の余裕から、時間も作るようになり、生活自体を自分の楽しみを見つけたことに素直になったからだと思います。映画大好きから香港映画を知り、レスリーチャンからアンディ・ラウと幸運な出合いをし、そのお陰でいろいろな方とも世代を超えて出会えました。
  2. 印象に残ったシーン
    • 善人になりきれずラウが死を選ぼうとする瞬間、涙を流すシーン
    • 診療室のベッドでサムの手下で居たくないというシーンと目覚めるシーン
    • 庶務の仕事してるときのマリーとの会話・・カップが割れるシーンと制服を届ける時の時間の前後が私にはまだ難解?
    • 鏡に向かって微笑むシーン
    • 車いすに座って遠くを見ているラウの表情とその姿、足を斜めに出している痛々しい姿・・来たのかとどちらのマリーに言ったのか?
    • ヨンの部屋に忍び込もうとするときのラウ・・・帽子をかぶった作業服姿が素敵!
    • 写真撮影頼まれて行く前(妊娠の話をしている)帽子をかぶったラウの顔・・・ちょっと痩せてて決戦紫禁城を思い出させます。素敵!
    • 3の始まりのエレベーターは、暗闇に浮かぶ仏像の顔が印象的で、その中を降下していくエレベーターから、ラウが善人になるべく、仲間を殺し、ピストルであけた穴から、かすかな光は見えるけれど、止まることなく、底のない地獄に堕ちていくと見えたシーン。
  3. 好きなシーン
    • 一見、病んでは見えず、病んでいくラウと、病んでいるからと治療中の穏やかな表情のヤンが両極端でヤンには警官である安心感が溢れていて、アンディ贔屓の私としては羨ましく、でもさすがトニーと思えるの切れ目がないなめらかな演技に凄さを感じ、病んだラウを演じたアンディにも目、動作所作、全ての面で細やかな神経がはりつめていて、今までのアンディとは違う面が見いだせ、シリーズを通しての演技に拍手を贈りたいと思いました。
    • アンディにはインフナル・アフェア1で金像奨をとらせてあげたかったです。
    • ヨンの生き方がラウと重なりながらも頭の良さを感じました。主席2番、うまくやれば善人でいられるしたたかさとでもいうのでしょうか?半端ではあっても必死に生きてきたラウが本当に哀れでした。警官とマフィアの違いがはっきりわかる、銃撃場所の違いも印象的。やはり根本から殺人者として育ったラウを見せた場面でした。シェンの存在感もありました。ヤン、シェン、ヨンの3人で再会を誓うシーンは温かいものがありました。
      はじめのシーンでシェンが香港に戻ってからヨンが始めると言ったことが最後の方でわかり、はじめにも書きましたが謎解きストーリーの展開に最後まで目を見張りました。キョンの存在も光ってました。ケリーとのやりとりは暗い映画のオアシスのように楽しく、トニーの魅力いっぱいでした。
  4. 続く地獄からラウを救ってあげるには死ぬ結果になってもいいかなと思いましたが、何もわからなくなって生き、魂が解き放たれると言う結果もありで、難しいです。
  5. 隙がない作りで、どこかコメディタッチで相容れなかった部分も多かった香港映画でしたが、誰にでも自慢、お薦め出来る作品です。特に1はアンディの代表作というより、香港映画の歴史に残る作品です。これが当たったからと安易に似たものを作らないように、またじっくり時間をかけて良い作品を作って欲しいと願っています。

return to top

(ishi)
  1. 1、2と続けて観ているので初めて3を観る時は、期待でいっぱいでした。ただ、CMなどで3だけを見た方には、ちょっと分かりずらかったのでは。。。と思います。私は、最終集という事で期待していました。個人的には、トニー・レオンファンと言うことで映画の中では、既に亡くなっている人物をどう描かれるのが楽しみでした。3は、アンディが主演という形だったし、トニーがのびのび演技をしていたと感じたったように感じました。
  2. やはり最後のモノクロのシーンで振り返ってウィンクをするシーンです。でもあのウィンクの意味が分からないのは、私だけでしょうか?前後しますがトニー演じるヤンとチェン・ダオミン演じるシェンとの港での攻防ですね。
  3. 1から続けて観ている人は、理解出来ると思いますが3だけ観る方は、やはりわからないシーンが多いと思います。ヨン、シェンをクローズもっとクローズアップして欲しかったです。特にヨンの死に際をもっと詳しく描いていて欲しかったです。ヤン、ヨン、シェンの3者3様に描いて欲しかったです。(3人の関係を。。。)
  4. やはり、ヤンは、既に亡くなっているし。。。3のようにラウが善人になりたいけど無理で映画のストーリーと一緒かなと思いました。
  5. 1で何故トニーがギブスをしてたのかも3を観て納得しましたが、個人的には、1が一番印象に残っています。トニーの表情。。。なんとも切なかったです。香港で観たのも原因の一つだと思っています。
(蓮)
  1. ところどころ、?の所はありましたが、全体的にみればよくわかる話だと思います。1・2と見て3が初めて生きると思うのので、続編というのでなく、あれで一つの作品だと思いました。
  2. 好きなシーンはラウがリー先生の診療所に行き、ヤンのPC記録が残ってることを知るシーン。印象に残ったと言うか、ラストのラウとヤンのシーンは悲しくて切なかったです。
  3. ヨンの人間的な魅力がもう少し描かれていたら、もっと面白いかなと思いました。シェンの魅力はわかるのですが・・・
  4. あのままでいいように思いますが、車椅子にのりモールス信号を打つ、狂気の中とマリーに来たのかと言える正常なラウと両方がいていいと思いました。できればマリーがもう少し出て欲しかった、1のような可愛らしい姿で。
  5. 三部作でひとつの話だと思います。ラウという人間がいかに良い人間になりたいと言いながら、でも良い人間になることはせず(出来ず・方法がわからず)悪い人間から抜け出せなかった葛藤。『インファナル・アフェア 無間道』3部作は現時点での、アンディ・ラウの代表作になると思いました。
(OlievePEKO)
  1. 三部作の締めくくりとしてはいろいろな謎が解けたようですが、単独の映画としては解りにくい映画になっていました。アンディー・ラウ演じるラウの自己崩壊していく姿が恐ろしくも痛々しく、トニー・レオンが演じる生前のヤンの明るさとの対比が印象的でした。
  2. 港での銃撃戦でのヤン、シェン、ヨンの三人がからみあうシーン。銃を向けあう緊迫した関係が、腹のさぐりあいによってお互いが「味方」だと悟る。その心のグラデーションみたいなものの表現が三人とも見事です!
  3. 立場こそ違いますが、ラウとヤンは引き返せない「無間道」への道を歩いてしまっていました。
    「善」と「悪」は「うわべの社会的な」ものと「良心的な」ものとがあって必ずしも一致しないのが悲劇の始まりだったような気がします。自分が変えたいと思っていても、人との関わりがそれを許しません。「無間道」三部作では、主役以外の人物をそれぞれ活き活きと説得力のある描き方で登場させています。これは演技者の力に加えて脚本が優れた映画だ、という証明ではないでしょうか。特に好きなキャラクターはヤン、ソーキョン、シェンです。
  4. 「無間道」三部作の締めくくりとしては、ふさわしい終わり方だと思います。自殺に失敗したラウは、もう自分とヤンが同化してしまっているみたいで本人は苦しくないかもしれないけれど、かつての恋人マリーは見ていて辛かったでしょうね。
  5. 第一作の「無間道」はわたしにとっては個人的な「救済」になった映画です。皮肉なことにこの「救いの無い世界を描いた]映画によってわたしは辛い現実の痛みから癒されたのでした。(映画が日本公開される前に香港製DVDを多分300回くらいみてます!常道を逸してますね。)そんな訳で、人生の5本の指に入る映画です。三部作のなかで一番好きです。トニー・レオンさんのヤンは秀逸ですね。
    第二作の「無間序曲」はちょっとわたしとしては物足りませんでした。三部作の人物関係などを知るには参考にはなりますが、主役の若手さんには荷が重すぎた感じです。
    第三作の「終極無間」は第一部とあわせ鏡のような映画になっています。サイコサスペンス的な要素が強く、ちょっと怖かったです。それだけ主役の二人が活きてるという感じがしました。
    男の映画ですから、女性の描き方に同性としてすこし不満もありますが、こんなに完成度の高い映画のトリロジーを作ってくれたアンドリュー・ラウさん、アラン・マックさん、フェリックス・チョンさん、ダニー・パンさん、チャン・クォンウィンさんに感謝と敬意を表します!
    アメリカでリメイクしても絶対に及ばないと思います。この映画のもつムードというかカラーというか、それは香港映画ならではのものだと感じるからです。

return to top

(コベマル)

「インファナル・アフェア3」評

運命は人を変えるが、人は運命を変えられない。
この台詞が2回ほど語られます。

この3は、1と2をしっかりと観ておかないと少し難解かもしれませんが深みのある完成度の高い作品に仕上がっています。

2は1を裏付ける作品であり、観客が時間軸を動かすことでその解釈は容易ですが、この3は、1の未来形としての位置づけと、2と1を深く掘り下げていく展開とを両方要求している作品であります。だから少し難解に感じるような展開に思えます。

それらの要求を混在させながら、人間に宿る業(ごう)を幻視させたり、時空軸を弄(いじ)ることで、観る者からのイメージを少しずつ屈折させて見えるように 表現しようと試みておりました。

・・・・ここで言う”業”とは、
『善悪の行為は因果の道理によって後に必ずその結 果を生む』
という広辞苑の解釈に等しい意味での”業”です。....
悪人としての生まれ育ちは、善人として生き変わることはできないのか。 そこにある宿命だけが全てなのか。

このインファナル・アフェアという映画、悪人が善の組織に潜入し、善人が悪の組織に潜入する。悪人が善(或いは正義)の組織で、善(正義)に覚醒しても、それを許すことを”社会”は許すことはできない。何故ならば、社会の基盤にある法がそれを許すことができないからだ、という自明の理が、この映画を観ていると揺れてしまいます。

人間は、人間の持つ業を変えようとしても、定め(=運命)に打ち勝つことはできないのか。それとも因業が根っ子にあるのか。仏教がもつ哲学的な自己問答を始めてしまいます。

監視しているつもりが監視され、守り(この映画の場合は正体を見破られないように齷齪(あくせく)する)に入れば入るほど、もがけばもがくほど、人は墓穴を掘り、正体を曝け出すことになるのか。まさか、勧善懲悪主義という解釈で片付けることはできまいし、やはり、それは単に運命である、と片付けて納得するしかないのか。

この映画を見た後に私の中で漂っている大きな余韻は、素晴らしい映画だった、と言うような次元での余韻でありません。
それは、、、

それは、
これからも、この映画の解釈について、1と2までに遡及しながら、自分が納得できるほどの明快さを探し求める為に、ある時に、あのシーンを、あの展開を思い出すこと、つまり、あのシーンのトニーの表情を、あの時のラウの表情を、ふと思い出し、そう言えばそういうことかなあ、と考えてしまうようになるんだろうなあ、という余韻。

インファナル・アフェアの解釈を探し求め、彷徨(さまよ)い続けることをそれはそれで楽しむことができれば、それはそれでいいのかなあ、と言った不完全な感じに(自分の気持ちが)覆(おお)われています。

圧倒的に深いテーゼ、即ち、
『運命は人を変えるが、人は運命を変えられない』
このことを考え続けることになる、いつまでも記憶に残る作品と表現するのが精一杯であります。

それにしても、トニー・レオンは素晴らしい表情をする。惚れました。

return to top

(裕)
  1. 正直なところ、過去と現在が交錯する形式に、頭の中を整理するのが結構大変でし た。でもこのスタイルはキライではないし、3作の中でもっともおしゃれで、光っていると思います。無間道、無間序曲に呼応しているシーンも数々あって、そういう シーンを見つけるたびにとても得した気分というか、3作きっちりみたという充実感が広がってきます。細かい齟齬はありますが、それを補って余りある、おもしろい作品だと思います。
  2. 好きなシーン、印象に残ったシーン
    • 冒頭の、キョンとのシーン。病院でのヤン〜エレベーターで降りてゆくところまで
    • ウォン警視とヤンが銀行で接触するシーン
    • シェンの弟をヤンが殴るレストランのシーン
    • ヤンが携帯でウォンと話しながら歩いているシーン(2つ)
    • 図書館でのシーン(皮條客の話でやりとりするヤンとリー先生)
    • 埠頭での取引シーン〜3人が打ち解けあうシーンまで(ヤン、シェン、ヨン)
    • ヤンのウィンク〜ラストのオーディオショップシーン
  3. 人物設定について
    • ヤンに感情移入しているせいか、ヤンが傷害事件をたびたび起こす乱暴者だということが、シーンを見せられても実感できない部分あり
    • キョンが3作目ではとてもまともで、1作目のバカのキョンのイメージと若干差があるように思える(フロイトの話まで持ち出してくるのでびっくり)
    • ディ・トロが 3作目に登場しないのが残念。いい味出てたので。 
    • 当初、レオン・ライやダオミンの配役をみて、ビッグネームを使えばいいというものではないのでは・・・という危惧もあったが、2人の登場はストーリーに奥行きを与えたと思う。 
    • ラウという人物は、もともとエディソンが出していたごろつきのお兄ちゃん風だったのか、それともスラムで育っていても頭の回転が速く、警察幹部になりそうな、きらりと光る人物だったのか・・・多分後者なのだろうと思うと、エディソンの表現は今ひとつだったかも・・・
  4. ラウは生き残ってこそ無間地獄を彷徨わねばならない運命を体現する主人公なので、この結末で正解だと思います。
  5. 無間道のヒットから生まれた序曲、終極という続編の作り方・設定に一捻りあって、そこに惹かれます。そして何よりも配役の妙。アンディは終極でラウを演じきったと思うし、トニーも深い人物理解でヤンという役柄に奥行きを与えたと考えます。エリック・ツァン、アンソニー・ウォンの存在感は誰も異論を唱えようがないほどです。そして序曲の胡軍、ン・ジャンユー、終極のチェン・ダオミン、レオン・ライは非常に印象的で、周囲での評判も高かったです。
    3つの作品は、私の中では続き物というより個々のもの。3作品はそれぞれにカラーが違うように思います。それからわすれてはいけないのがディテールのおもしろさ。終極では15の謎を前面に 出して宣伝していました。これはこのシリーズを知らない人にはあまり有効なものとは思えないのですが、毎回見るたびに発見がある、疑問も湧いてくる? そんな謎解きのおもしろさが味わえる作品です。この作品を観ることができて良かった!この映画に関わったすべての方々に心から御礼を言いたい気持ちでいっぱいです。

return to top

(ニヤ)
  1. 三部作最終章、どんな結末になるか期待はすごく大きかったです。「インファナル・アフェア1」のように、ラウがうまく立ち回って、そのままエリートコースでいってしまうのか?もしくは大きなダム決壊か?
    ラウの救いの無さ、それに対するように実は友人にも恵まれていたヤン。まったく正反対の2人のそれぞれの最終章。余りにも盛り沢山で、一言ではとても書けません。
  2. 印象に残ったシーンは、ラウがヨンさんの部屋にテープを盗みに入る前に、自分のオフィスのロッカーの鏡に向って、にんまり微笑むシーン。鏡にうつっているのは、ラウの顔ではなくヤン・・・。あの微笑は、ヤンの笑い方じゃないです。一気に寒気がしました。
  3. 大陸から来た、謎だらけの沈さん。大陸からの〜というキャラクターが参加することで、より一層ストーリーに深みと深読みができるようになったと思います。
    ヨンさん・・・まさか「1」からいたとは(笑)クールなエリートかと思っていたのですが、実はヤンを心配していたんですね。いつからヤンが潜入だと気が付いていたのか?彼も謎の多いキャラです。
    この2人でラウを追いつめていく最終章、レオン・ライさんダオミンさんの際立った存在感。俳優さんとしても実力のあるお二方を配するなんて、なんて贅沢なんでしょう。でももう他の人がこの役をするのは、考えられません。
  4. このままでいいです。まさに長生きは最大の地獄。あまりにも救いは無いですが、都合よく終るのは納得いきませんので・・・。
  5. 「インファナル・アフェア」を初めて見たときの衝撃は、多分最初で最後だと思います。何の予備知識なく観に行ったのに、こんなにハマってしまうなんて。
    正反対の立場、鏡合わせの2人のキャラクター。身内がどうであれ「善人でいたい」ヤン。ヤンに出会うことで「善人になりたい」ラウ。どこで、ボタンの掛違えが起こってしまったのか?「もし、あの時」「もしもあそこで、違う選択を」と思うところはたくさんあるのに結局人は自分がその時に出来ることを選んでしまうのですね。スタートでは小さな違いが、時間が経つにつれて大きな違いになってしまう。2人のドラマを最後までパワーを落とさずに作りこまれてて、私の中では三作セットでナンバーワンの映画です。

return to top

(七生)
  1. 日本公開が待切れなくて取り寄せた香港版DVDが初見でしたが、正直なところあまりにも痛すぎる(精神的に)のと、サイコホラーちっくな効果音などがやりすぎな気がして初見ではいまいち好きになれませんでした。あとトニーの夢の中のラブシーンとか(ギャグかと思いました)、辻褄合わせもそこまで合わせなくても…というやりすぎ感が、1の無駄のない演出や編集と比べて気になったのは確かです。ただし観れば観るほどその設定の奥深さに気付くのがこのシリーズの面白いところで、とにかく何度も観てしまう(笑)最初感じたやりすぎ感が薄れてくると、主人公たちそれぞれの末路に涙してしまう。とにかく続編、完結編としては従来のシリーズものとまったく違うアプローチをしていて、それがファンを飽きさせず、シリーズを通してまた観たいと思わせることに成功している思います。
  2. 好きなシーンは、3人の潜入捜査官たちが心を通わせるシーン。印象に残ったシーンは、交通事故を起こした後、ラウが病院からリー先生を送って行く時にヤンになりきってリー先生の手を取るシーン。ラウが痛かった〜。
  3. 1、2に関しては脇役に至るまで(もちろん数少ない女性も含め、少しの無駄もない人物設定だったと思います。3作目のヨンもラウを追い詰める為に必要なキャラだったと思いますが、シェンは必要だったのかどうか?ただシェンを演じたチェン・ダオミンの存在感のある演技で納得させた感はありました。
  4. 主人公が死ぬのでは従来の香港映画とあまり変わらない気がするので、やはり無間道、自作自受という仏教思想に沿ったこの結末が新鮮だったと思います。痛すぎるけど(笑)
  5. 私はトニー・レオンのファンですが、この3作品通して一番共感できたのはラウでした。ラウは自業自得、ヤンが可哀想という意見が多い中で、私はラウが悪人とはどうしても思えずただ弱い人だなと思うのです。だって本当の悪人なら精神が崩壊したりせずのうのうと生きていられますから。人間には出世欲だったり金欲だったり性欲だったりそれは様々な欲があって、それらに逆らって生きるのは難しい。人間は弱いものだなと思うのです。一見するとテイストがバラバラのように見えるこの3部作を貫くのがこの深い仏教思想だと思うのですが、中でも3のエンディングソング「自作自受(自業自得)」が登場人物全てにかかっていると私は考えています。一度世に出たものはいつか消え去り、自分のした行為は(良きも悪しきも)全て自分に還る。
    この一度しかない儚い生の中でもがき、あがき続ける男たちに私はやはり泣いてしまうのです。
  

return to top

(ドンチャ)
  1. この作品だけでも充分楽しめる作品です。ただ時系列がわかりにくく、1,2、もかなり観たと思った私でも途中で「?」になったので初めて見られる方にはつらいかなと思いました。なので私は友人を伴う時は解説つきで鑑賞します。(もちろん上映前に・・・)この作品の印象は俳優それぞれのアクション(演技)です。みんなどの方もオーバーではなくその人であるかのように自然に演じられてるのが印象的です。
    必ずしもその演じているキャラクターと同化してるかといえばそうではないのですが本当にそういう人格であるかのように錯覚するほどの演技でその演技力あってのこの作品だと痛感いたしました。
  2. 私はどうしても演技に目がいってしまうのでそういう観点からいくと
    • ラウ(アンディ・ラウ)はリー先生からヤンからのテープが届いたと電話をもらい慌てて飛び出すシーンです。あの焦りきった、また憔悴しきった演技には正直、本人(ラウ・キンミン)かと思うほどでした。
    • ヤン(トニー・レオン)は数々あるのですがいつも美しいと思うのは、サムが取引先の船に来ず、またブツが消えていると言われ慌てて逃げ、銃撃戦になるシーンです。
      サムに裏切られた思いと自らの命を守るためといろんな思いで逃げたことでしょう。あのシーンは1でのウォン警視が屋上から落とされた姿を目の当たりにしたヤンのシーンに匹敵すると思っています。
    • ヨンのシーンは、シェンと一緒に居るシーンですが屋上でヤンのために線香をあげているところです。
      この映画自体熱い復讐や敵対心を如実に感じるシーンは少ないのですが(運命に翻弄されてる感があるので)この二人のシーンはヤンを殺した相手への復讐が沸々とわきあがっているのが伝わってくるからです。(このシーンは私の涙を誘います)
  3. どんなになってもヤクザ(マフィア)になりきれないヤンをうまく表現されてるしラウはどうやっても善人(警官)になれないのがよくわかります。ヨンをラウが「ラウ・キンミン」と思い込むシーンで「サムの手下は全部殺した」というセリフにどこまで言ってもヤン(=警官)にはなれないラウがいるように見え、そういうことを考えているうちに自分なりの無間道が出来上がり、楽しくてしかたありません。(まだ原作読んでないので好きなだけ想像できます)
    また新たなキャラクターは話に関して重要であり、またそのキャラクターのおかげでラウもヤンも新たにキャラクターが浮き彫りにされたように感じました。チェン・ダオミンさんもレオン・ライさんもはまり役な気がしました。
  4. 車椅子にも乗っていないラウ・キンミンを描くと思います。ベッドに横たわったまま一筋の涙を流しながらモールス信号を送る・・・ ちょっと残酷すぎますかね?(^_^;)
  5. どの作品もなくてはならない作品だと思いました。正直言って序曲はおまけ的だろうと思っていました。ショーン・ユーにエディソン・チャンは所詮若手だと・・・ ところがこれも通うほど魅力的な作品に仕上がっていましたしショーン・ユーのヤンのほうが複雑な家庭環境、状況を表せていたような気もします。1と3のトニー・レオンさんのヤンは開き直ってるのか、運命を受け入れてる気がしました。そういう意味で序曲の二人はこうなる前の複雑かつ微妙な心の変動をうまく表していたと思います。
    全体的に・・・
    アンケートに答えられてるかどうかはわかりませんが(ダラダラ書いてすみません)
    この映画は見ごたえ充分、そして絵的にもかっこよさが満載だと思います。警官と黒社会あがりの違いも雰囲気そのものであらわしています。制服を着ていなくても警官である。それはきっと常日頃からのヤンの心がけだと思います。ラウはやはりどこまでいっても黒社会の手下でしかない様が描かれ、かなりの秀作と思います。
    これからも香港映画が日本にたくさんきてよさをわかっていただけるよう心より願っております。これからも香港映画普及のためによろしくお願いいたします。

return to top

(きらら)
  1. 1ではかなり凝縮された内容が一つずつとき解されていくという感じでした。そしてラウの鬼気迫る様と対象的なヨンの冷静さが絶妙のコントラストを生んでいるように感じました。
  2. リー先生が診察室でヤンの事を思って涙を流すシーンはグッときました。好きなシーンはヤン ヨン シェンの3人が埠頭でお互いの存在を確かめたシーンです(ヤン よかったねぇー!と思いました)
  3. ラウはヤンの人生に自分を重ねる事によって救いを求め生き抜こうとしていたのかなと思います。ヤンが警官としての正義感を心の砦として生きていた事に比べてマフィアでありながら警官の顔を持たなくてはならなかったラウの心のより所はどこにもなかったのだろうなと思いました。それゆえ最後のシーンでヤンになりきったラウはやっと心の平穏が訪れたのかなと思ったのですが・・・
    ヨンとシェンの存在がスリリングでよかったです。
  4. 好みから言うとヨンがラウを撃つ そしてヤンの墓の前に2人が揃うというのがいいですが。重みから言うと本編の終わり方がベストだと思います。
  5. まず最初に「インファナル・アフェア」という作品があったからこそ香港映画、トニー・レオンという素晴らしい俳優さんに出会えた事に感謝します。三部作というと期待が大きい分最終章の結末に不満を覚えたりする事が多いですが、この作品は1から2、3とシリーズが続くにしたがって内容の深みと新しい発見で楽しませてくれました。登場人物の設定 演じる俳優さん達も素晴らしいものでした。トップスター勢ぞろいで・・高級中華をお腹一杯いただた気分です。

return to top

(しまねこ)

「インファナル・アフェアIII 終極無間」を観終わって

ものすごくおもしろかったです。3部作中1番おもしろかった。
複雑な作り方、どこかに何かが隠れているようで一瞬たりとも目が離せなかった。セリフでまくしたてるのではなく、微妙な表情による感情表現、それを読み取ることのおもしろさ。いい意味で香港映画らしくない!と思いました。

好きなところは、アンディ・ラウとレオン・ライがお互いを探り合っているところの演技合戦です。とても素晴らしかったと思います。もちろん他の出演者もみなさん素晴らしいです。
昨年の金像奨で、アンディが「マッスル・モンク」で主演男優賞を受賞したことはあまり納得できません。こちらの演技で受賞してほしかったです。

3はヤンとラウというより、ラウがメインだと思います。「無間道」シリーズには、表裏一体、逆も真なりというテーマがあると思うので、ラウが不幸のどん底だったぶんヤンの幸せな面が強調されたのではないかと思います。

死にたい(無間地獄から解放されたい)のに死ねないラウは哀れすぎますが、それが「無間道」だから仕方がないのかもしれません。でも本当にラウが可哀そうです。

無間道シリーズはすばらしい3部作だと思います。いい脚本があって実力のある俳優たちがいて、時間をかけて丁寧に撮った映画。本来、映画を作るという事はこれがあ たり前ではないかと思います。私はウォン・カーウァイの映画でトニーのファンになり香港映画を観るようになりました。なので根っからの香港映画ファンではありません。今の香港映画は完全に韓国映画に負けていると思います。香港映画も作り手側の層が厚くなって、いろいろなジャンルのものを丁寧に作っていけば、目を向ける人が増えるのではないかと思います。

return to top

(美波)
  1. 3部作のラストを飾る作品としては、決して悪い出来ではない。それは1の重厚なサスペンスとしての面白さ、2の悲劇的、やくざ世界の情緒的な世界と比べると、ある意味無機質的な心理サスペンスとしての面白さが際立って全く違った世界が作られていると感じたからである。字幕無しで最初に見た時の、あまりに悲惨な劉健明の姿に衝撃を受けて1や2より作品的には落ちるのではと思っていたのだが、今回日本語でわかるという余裕から演技面、さらに心理面を深く読み取ることが出来て、この作品の良さを新たに知ることが出来たと思う。絡み合った時間の描写や登場人物の背景をせりふで細かく見ることによって読み取れることのすばらしさ。1や2で出てきた伏線が3ではじめて明らかにされるとか(いくつか矛盾が有るのは仕方がないが)、決して1がヒットしたから柳の下のどじょうをという目的で安易に作られたものではなく、作りたくて作られた作品であると感じさせられた。
  2. どうしてもラウに感情移入してみてしまうため彼のシーンが多いのだが、一番好きなシーンはトニーと長いすに横たわっているシーン。あの催眠療法を受けて知らぬうちに心の奥を吐露する劉健明の姿。そこに見える人間的な彼と、ヨンのオフィスに忍び込んだシーンとか、テープを送ったヨンの後をつけて郵便ポストの中の手紙を処分するシーンの無表情な彼との対照的な姿のどちらも忘れられない。
  3. 1では報われずに悲劇的最後を遂げたヤンが3ではそのつらい生活のなかで、幸せな時を過ごせたという設定と、エリートであり、うまく1では逃げおおせた劉健明があれほど精神的につらい目に合う3の人生交差に関しては脚本のうまさを感じる。
    人間悪いことをしたら必ずその報いはあるのだ、最もつらいのは生き地獄のような現実の世界なのだと教えてくれる人生の描き方には納得できるから。ただどうしても3では陳道明、黎明という新たな大物を登場させたため、比重がばらけた印象は持ってしまった。何しろ陳道明、良いとことりすぎなくらい、かっこよすぎ。
    ちょっと不満に思ったのは、3にいたってはキョンのキャラが目立ちすぎというか強くかっこいいとしか思えなくなってしまっている点。あれでは「オバカな」キョンとしての良さが薄れてしまっている。
  4. あくまで結末としては劉健明には生き地獄を味わってもらいたいのが製作側の意図だと思うのだが、せめて救いが欲しかったなというのが実感。せめて改心して「善人になりたい」のだと、周りの人にだけでも理解させてあげたかったと。その救いがないからこその重み、作品の良さなのだろうが。
  5. 今回の3部作、本当に脚本の見事さを感じた。せりふ一つ一つの重み、さらにそれをより深めてくれる「繰り返し」の見事さ。またそれをうまく生かした演出のうまさと役者の演技力。これらを見事にかみ合わせて作り上げたこの作品の魅力にはまった一般映画ファンも多く、まだまだ香港映画は死んでいないと思わせてくれたところに大いに感謝したい。
    長年香港映画を応援してきた身としては、一般映画ファンをもうならせたこの3部作に映画興行成績ランキングに載ったというだけでもこの作品を絶対に忘れることは出来ない。
    主演の二人もさることながら、その存在感を今まで以上に感じさせてくれた黄秋生とエリック・ツァンの演技にこの作品の魅力があると思う。
    又今回の作品で「音」というものの効果をとても感じさせられた。携帯の音、映画館の音、スピーカーから流れる音、さらに足を引きずる音などなど。だからぜひこの作品はビデオやDVDを家で見るのではなく、音響設備の整った映画館のスクリーンで見てもらいたいと思う。

return to top

(仁仔)

『無間道』雑記

この作品に出会ったことで、私のこれまでの生活は一変しました。作品はもちろん、主演のトニー・レオンに恋に落ち、ネットを通じて同じ想いの友人ができ、毎日がそこを中心にまわっているといっても過言ではありません。

○「無間道」というテーマ性について

仏教思想でいうこの無間道は、生きる上で心の根底に置くべき思想だと感じます。性善説、性悪説とありますが、そのどちらかでなく、悪に身をおけば 悪に、善に身をおけば善になる。心のありようは、求めるものでなく変えようの無い本質でしょう。
何が悪で、何が善か?わかりにくいようで、あきらかなものです。人として、してはいけない事というのは決まっています。自分を含めた周りの生命を心を奪い、傷つけてはならないということです。
善に生きよう、生きたいと思っても、自己犠牲を強いられ、悪役をひきうける必要性も時にはあるでしょう。大儀のためには・・・とか、誰かのために・・・というものです。しかし、善の心はゆるがないものです。

反対に悪とは・・・
人間とはおろかなもので、私利私欲に翻弄され、感謝の心を忘れ、他人を妬み、羨むばかりの感情に支配されることがあります。心は善を求めていても、行いはつまるところ自己防衛であったり、欲の塊であったりいたします。
例えば、同じ行いに見えてもそれぞれの心の奥に抱えているものは、違っています。誰かのためにやむを得ずの行動なのか、自己の欲の追求に過ぎないのか。自らの罪による無間地獄か、どうしようもなく追い込まれた無間の道なのか。そういったことをヤンとラウという対の人間で見事に表現した作品がトリロジー インファナル・アフェア だと感じています。

1で、ただ孤独で哀しい人生のように見えたヤンが、実は、ひとりきりではなかったのだと。共に志を同じくして耐える友がおり、安らぎの場があり、あの日々を過ごす事ができたのだと。3という作品があることで、善の心の本来の行き所が納得できます。
では、まさに無間地獄をつきすすむラウはどうでしょうか?
信じる心を持たず、疑念と欲(善を求める心)で孤独感にさいなまれています。「善人になりたい」と求める心がまず哀しいものです。最初に悪の道に入り、悪に手を染めた時点で、すでに善の心を汚しているのです。「チャンスが欲しい」その為に行う行為の誤った方向性に気付かず、邁進してしまいます。ラウに救いはないのでしょうか?

救いを求める事は、赦しを請うことです。キリスト教的な思想でいえば、懺悔をし、ひたすらに祈る。司祭に罪を告白し、法的に裁きを受け、罪をあがなう。罰に殉じ、神の代言人が「さあ、行きなさい。あなたの罪は許されました。」とお天道様の下にだしてもらったとして、その瞬間は、清清しさを感じるかもしれない。しかし、自分で自分を赦す事ができるのでしょうか。その手で奪った生命や心は決して元にはもどらないのです。

生きている(鼓動を感じる)限りは、懺悔と後悔と孤独から逃れることはできません。自らの罪は他人によって赦されるものではなく自分で自分を赦す事でしか、救われた心境とはいえません。赦されたいという思いこそが、自分を追い込んでいくようです。赦されるべき自分ではないことを認め、罪びとであるがゆえにできることをするほうが心は平安でしょう。生きていくということは、自分の力だけでは、あがないようのないことも背負います。業というものでしょうか。生前の人生が影響するといった考え方や、生まれ変わったらという輪廻思想はいまひとつ腹に収まりませんが、どうしようもない時、それを受け入れ納得する手段としては正しく作用するようです。

終極無間のラストは、確かに衝撃的です。しかし、もっとも納得のいく結末のように思います。

さて、俳優に思いを寄せた場合・・・

私はトニー・レオン迷ですが、アンディ・ラウという役者が一番の 贔屓だったとしたら、心筋梗塞で倒れたに違いない。それほど、 胸をしめつけられました。というのは、3のDVD初見の感想です。 内容を噛み砕くにつれ、彼が苦しさだけではない心底の思いを表現 している、演じているのを感じることができました。 この辛さや重さの中で、明るさを放ったトニーの表現はさすがです。 その解釈が素晴らしい。潜入捜査は、辛い、苦しいだけで続けられ るものではないのだと、楽天的な感情を持たずして正常な精神状態 を保つ事など不可能だと。このヤンという役になりきる役者だから こその理解の仕方だと思います。

ところで、2についての感想がすっぽり抜け落ちているのは、一度劇場で観たにとどまっている為です。 若かりし頃のヤンとラウ。物語の伏線、まさに序章の作品です。 若者ふたりの演技よりも脇を固める個性派揃いの抑えた演技が秀逸でした。 1と3の理解を深める為にも、じっくり腰を据えて観なくてはなりません。 観点を変え、様々な役者に焦点をあて感想がそれぞれにあふれ出す 作品であることは間違いありません。そのことは、香港映画の力、魅力を物語っています。

以上、長々と偉そうな事を連ねてまいりました。
目を通していただいた方に感謝とお詫びを・・・

追記

2.『インファナル・アフェアIII 終極無間』の中で、好きなシーン、印象に残ったシーンはどこですか?

そうですね〜、トニー迷としては、やはりあそこでしょう。ヤンの夢のシーンです。と言いたいところですが、その後のキョンの運転する助手席でにへら〜と笑みを溢れさす、そして、キョンのフロイトの講義への流れが好きです。シェンに羽交い絞めにされ銃を突きつけられているヤンの怯えはとても演技とは思えません。なりきってるのね。

それから・・・
きりがないので、このへんで。

 
(ジュリア)
  1. ハリウッド映画も続編を出している昨今。このシリーズは、「ロード・オブ・リング」に匹敵するほど、続編を重ねるごとに、成長し、熟成されていると思いました。
  2. やっぱり、ヤン・ヨン・シェンの3人が顔を合わせた場面でしょうか・・・。
  3. いやぁ〜、ヨン、シェンの登場は、作品に深みを与えました。良かったです。
  4. ヤンには、死んで欲しくなかったので、最後、同じ施設に居るとか・・・ダメでしょうか?
  5.  私は、1よりも2、2よりも3が良かったです。もう一度観直したいですね。

return to top

(智華)
  1. 1、2を観ているのに、3は一度観ただけでは正直、複雑すぎてよくわからなかった。二度目でなんとか理解できた。たたみこむような展開で、大変よく練られて脚本だと思う。
  2. 錯乱したラウが目に涙をためて「善人になりたい! チャンスをくれ!」と絶叫するシーン。美しい男の苦悩する姿は、もうそれだけで絵になるし、切なさも倍増(グッスン…)。
    まさに「運命は人を変えるが、人は運命をかえられない」というこの映画のテーマの最大の見せ場ではないだろうか。アンディ・ラウの硬質な美しさがゾクゾクするような色気として観る者の旨を騒がせる(アンディ迷ってバレバレやん)。
  3. 主役の二人が各々の個性を生かし、役を演じ切っていた。アンディ・ラウのシャープさ、虚像に生きる男の切なさと翳り。殉職前、線香花火のような一瞬の幸せにひたるはかなさと善良さを見せるトニー・レオン。どちらも見事なキャスティングだと思う。レオン・ライのクールなエリート警官の存在感は意外だった。やるなあ、お主。
  4. ラウを狂気のままに生かし続ける。でも、それでは彼を無間地獄から逃避させることになるのかしら?
  5. 1〜3まで、どの人間像もすばらしい。運命という縄がよじれ、からみあいながら人間を呑み込み、翻弄して行くドラマはダイナミックで、香港映画の底力をみせつけてくれた。でも、リーはラウがヤンを死に至らしめた潜入マフィアであることを知っても、葛藤するシーンがなかったのが不思議。
    ラスト、ラウの正体を知っていたはずのマリーが娘の話をするのは、唯一救いなのか、それとも残酷な仕打ちなのか、私には良くわからないので、どなたか教えてください。
    時間の経過を追って、2、1、3と大画面で上映してくださるやさしい映画館はないでしょうか? この順番の方が、わかりやすい。

編集部注
 2、1、3かどうかはわかりませんが、3本まとめての上映が、キネカ大森で5月21日からあります! キネカ大森に、2、1、3の順で上映してほしいとリクエストしてみたらいかがでしょう。

return to top

(まいど)
  1. やっと結末にたどり着いた〜と喜んで観ましたが、こ、これは1本の映画として観るには難しい。1、2を観たおしたファンだからこそわかる謎解きだらけで、たまたま3を観る人(そんな人は少ないか?)には、何がなにやらわからんのではと、思わず不安になりました。観終わって「あー、面白かった!」と映画館を出るのが一番ですが、これは「ああなって、こうなって」と観た後、?が飛びまくります。先の2本観てこその3ですね。興行大丈夫でしょうか?私はなるほど!と十分面白く観ましたが、解決できないところがまだあります。
  2. ヤンが思い出し笑いをするシーン、リー先生の診療室でラウが涙目になるシーン、「チャンスをくれ!」とラウが叫ぶシーン、 また使われた「被遺忘的時光」をオーディオ店で聴く二人のシーンなどが好きで印象に残っています。最後のモールス信号を誰か解読してくださ〜い!!なんと言いたかったのか気になって。(実はネットで1件見つけたのですが、出自が書かれていませんでした)
  3. 善と悪の境目はあいまいで、はっきりしているのはどの組織に属しているのかでした。悪事に加担しても、「俺は警察官だ」と言えるヤンとシェンはいいよねー。警察内部でヤンを痛めつけといて笑っているサドなヨンsir、良かったねぇ、警察官で。傷害罪にもならない。それにひきかえ、ラウは結局本物の警察官になれず、「善人」と認めてもらえない。マリーのためとはいえこの道を選んだとき、「口封じ」をしてしまったとき、どちらも自分が決めたんだからね、ラウ(劉健明)くん。
  4. 「終極無間」というタイトルどおり生かさねばならないでしょうが、辛いラストです。理想に近づこうと努力したラウにも仏の慈悲がありますように。
  5. よくぞ作ってくれました!スタッフ&主役脇役全てのキャストのみなみな様に感謝。誰もの代表作と言えると思います。観るたび発見があって何度も楽しめる3部作でした。これを観てから、銃撃戦になっても「致命傷を与えない警官」、必殺&口封じのために「頭を狙う黒社会」、では他ではどうか?と思わずそちらに注意が行ってしまうヘンなくせがついてしまいました。

return to top

(月亮)

日曜日アンディーファンの夫を連れて インファナル・アフェア見てきました。

複雑な人間関係は解らない事だらけでしたが、題名のとおり心の休まることの無い地獄のような物語でしたね。孤独に死んでいったヤンも可哀想ですが、死にきれなかったラウのこれからの無間地獄を思えばまだ暖かいものを沢山残しているような気がします。
ヤンが死んだ時、小賢しく生きたように見えたラウでしたが、善人になりたくて、猜疑心の塊で生きたラウ・・・

自分に銃を向ける前に見せたラウの涙・・・一番印象に残りました。
思わず涙が出てしまいました。アンディーって本当に素晴らしい役者。

ヨンやシェン魅力的なキャラクターが出てきましたが私にとってやはり二人の生き方がメイン。3を見ていて2を深く思い出しておりました。ラウが思いを寄せたマリー、”欲望の翼”で見せたカリーナ・ラウは本当に美しく実は大好きでこの物語でマリーの存在は深く印象に残りました。ハウも良かったです。

同時に、二人の主人公に負けないくらい光っていたのは、サムとウォン警視、実に素晴らしい映画でした。香港映画の奥の深さはレスリー亡き後も、衰えることは無いと確信しました。

自分のために沢山の人を亡くしたラウはやはり死ぬことは許されないのですね。画面からはまだ正常な能力を失っていないように見えました。これからの果てしない地獄を生きなければならないラウの結末は・・・ これしかないのでしょうね!

return to top

うぐいす
  1. Iの印象が、強かったので、昨日もう一度観に行きました。IIIの方がスピードが早く感じ、展開も速いような感じで・・・。
  2. 好きなシーン、印象に残ったシーン
    • 後半で、警察の一部屋に皆が勢ぞろいしたところは座り直しました。
    • 迫力があり、俳優さんの熱気を感じました。
  3. 差したりするところが多くありましたが、大阪の試写会で、司会の人の質問に答えて劉徳華が、「難しく観ないで一人の人物に集中して見ると良いです」と言っていたので、余り気にせず観ました。トニー演じるヤンは、すでに亡くなっているから、ヤンが出ている時は過去と。でも新しいキャラクターは、また映画を面白くし、ワクワクしました。
      ヨンが過去に同期で、首席ライバルとは! ヤン、ヨン、ラウ3人の接点がどこかにあれば、よりわかりやすかったと思います。
  4. 最後で、車椅子のシーンはいらないと・・・。 あそこで亡くなっていると無間道の意味が無くなるからでしょうけれど生きる地獄は。 最初に出てるから・・・
  5. 3部作全部を観ての感想、思い
    • 先に字幕なしで観てたのですが、やはり字幕で観るとよく理解できました。
    • 香港映画で、こんなに迫力とスリルと俳優さんの演技と、細かいところに気を使ってるのは無問道I、II、III。
    • 顎を撃つところで、もし本当に死ぬのなら、頭を撃つって事もあるでしようけど、それとももう判断力もなくなっているか? ヤン達三人が港で話し(その前から、三人がやくざの犬がいるらしい、ラウより先に調べている)、それから最初の二人の出会いのシーンにもって行く計算された演出ですので、IよりもIIIのほうが深く感じました。

return to top

李聖霞
  1. 遂に最後かぁとの思い、感慨深いです。
    香港映画に素晴らしいシリーズ作品はいろいろありましたが、先を見通した上でこんなにキッチリと脚本に時間をかけ、出来も素晴らしい3作品を観せて戴いたのは初めてのような気がするので香港映画ファンとしても嬉しい。
  2. 車椅子のアンディ( ラウ )を挟んで新旧マリーが立つシーン、印象深いですねぇ。カリーナが素晴らしい。
  3. 前述しましたが、香港映画では珍しい3年も掛けたと云う脚本で、それぞれの人生が非常に巧くよく描かれていて、特に『無間序曲』は各種雑誌で『ゴッドファーザー』シリーズにたとえられたくらい。「そんな大風呂敷、いいのか‥」とも思いましたが、観て納得!誉め過ぎではないでしょう。誇らしい思いがしました。
    登場人物達は皆いい!ウォン,サム,キョン,ハウ,若きラウとヤン,ルク,台詞のないアンダーカヴァー、ロ・ガイ他‥一人一人書いていては終わらないくらい!香港映画を支えてきた役者の活躍が嬉しいし、新世代の2人も魅力ありハマっていました。
    『終極無間』では、レオン(ヨン)がちょい完璧キャラ過ぎ( 悪道ぶりもエリートぶりも )な気もしましたが、あーゆー結末ならOK!チェン・ダオミン( シェン )が格好良過ぎたねと云うのは、友人達とも意見一致です。
    また5でも書きましたが、アンディ(ラウ)とトニー( ヤン )が、ケリー( リー )の部屋でチェアに座っている( 実際にはありえない )( 香港映画としては洒落た )シーンは、交錯する2人の人生を象徴する素晴らしいシーンですね。
  4. 【無間】とタイトルにつけた時点で、誰かがその【無間地獄】を背負わなくてはならないでしょう。無常でもありますが、映画の結末に「否や!?」な気持ちはありません。
  5. 『無間道』の泥臭さの残る作風から、『無間序曲』では一大サーガに、そして『終極無間』ではエラい洒落た演出もあって「香港映画がこんな洒落た事しちゃダメ!破綻しちゃうのでは!?」と思ったけれど、見事におさまってたので、嬉しい驚きと年月を感じました。世間は韓流、私も韓国映画はよく観ていますが、やはり心は永遠に香流!を強烈に感じました。

return to top


  1. 感想
    • 善人になりたいと願い、ヤンと自分の同一化を望み、狂って行くラウを切なく演じたアンデイ・ラウに惹き込まれた。
    • 音楽が効果的に使われている。
  2. 好きなシーン、印象に残ったシーン
    • クライマックスのラウの涙と口元にうかぶ笑い(安息の笑み?自嘲の笑み?・・・それとも?)
    • 車椅子のラウのモールス信号を打つ手のアップ。
  3. I、II、IIIを通じて主役、脇役、女優、男優を問わず人物像が個性的に描かれてる。特にエリック・ツアン演じるサムの狡猾な所、可愛い所、小心ゆえに張り巡らす策略の数々と、サムを主役に一本の映画が撮れると思う程。
    レオン・ライ演じるクールなヨンも印象的だが、ヨンとサムの関わりが理解できなかった。
  4. あの角度から自分で撃って生きているか?とは思うが、無間地獄と言う意味では生かしておきたかったのだろう。この結末で良いと思った。
  5. I,IIで鍛えられたので、IIIでは 至る所に散りばめられた伏線・仕草の1つ1つ、時間の行き来を上質な推理小説を読んでいるような面白さで観る事が出来た。何度観ても新しい発見が有る、何度も観たくなる映画です。

return to top

LAURA
  1. 根底にある仏教思想が、同じ仏教徒でありながら,日本人にはなかなか理解しづらいのではと思いました。
    華仔のハマリ役である、黒社会と警察官の二つの顔を持った役柄と言う点では2倍お得な気がしました。
  2. 好きなシーンと言うか、警察のマーク入りのマグカップがたびたび出てきましたが、その度に「あれ、欲しい!」と思いました。
    印象に残るのは、1にも出てきましたが、華仔がオーディオショップでトニーと出会うシーンです。もし、違う立場で出会っていたら、この二人はきっと親友になれたのではないかと思えました。それゆえに余計、その後の二人の運命が哀れに感じられました。
  3. 潜入捜査と言う題材は、香港映画では良く出てくるので、その点ではすんなりとストーリーに入り込めました。オリジナルで観たときは理解できなかった黎明の役どころが、今回字幕で観て、やっと分かりました。
  4. 黄Sirは最後まで生かしておいて、トニーに対する上司の責任と言う意味も込めて、華仔の正体を暴くと言う結末はどうでしょう?華仔については、あれしかないって気がします。
  5. ハリウッド至上主義の日本においては、仕方ない事だとは思いますが、1の公開時の最大のウリが、リメイク権の事だったのがとても残念でした。金馬賞受賞と言う事もあり、無間道は華仔にとって、代表作と呼べる作品だと思います。
makky
  1. インファナルアフェア無間道は8回(DVDで)。無間序曲は映画館で2回DVDで2回。終極無間は映画館で2回見ました(DVD買ったら何回見るだろう?)。続編と言うより3つで1つの作品だと思う。どれが抜けても解りにくい。。。たとえばIでヤンのギブス。ただのマイク隠しだと思った私は浅はかだったのか・・・IIIであ〜あそうゆう事だったのか〜と納得させられました。続編物はIよりII、IIよりIIIと内容はおちそうだと思ってた私・・・正直やられました。。。それぞれ抜けのない配役に脚本と見てる人を飽きさせない展開。(I、IIとしっかり見ないと解りずらい作りかな)私の中でこの三部作は香港映画の一番です。
  2. ヨンとシェンとヤンの港でのやりとり。3人の笑顔がとても印象的。とても良かった。再会を約束するシーンは心温まる気持ちになりました。病院の待合室でのラウ。自分とヤンとが交差(錯覚)するシーン。善人になりたいと思ってるがなりきれず少し哀れに思えた。
    最後の車椅子のシーン、どっちのマリーに聞いたのかな?やっぱりカリーナの方かな?
    個人的にキョンは好きな人物(役者さん)であるが・・・1の時のバカキョンとはイメージが違いすぎかな?と思ってしまいました。
  3. マフィアにはなりきれないヤンと警察(善人)にはなりきれないラウ。二人の個性も生きてて良かった。
    アンディ・ラウの精神的(内面的)な演技にはびっくりさせられました。さすがです。ヨンの額を撃ったラウ。やはりマフィアとして生きてきた習性。
    反対にやはり内面は警察官、シェンの足を撃ったヤン。どこをとってもすばらしく細かいところにも見せ場がある映画だと関心させられました。
    個人的にチェン・ダオミィンがとても良かった。ストーリー、映画に深みが出た感じがする。もう少しヨンとシェンの細かい部分を見たかった気がします。(そしたら映画は何時間くらいかかるのか? それでも飽きずに見れそうだと思う)
  4. 善人になりきれなかったラウ・・・底の無い地獄に落ちていってしまう・・・
    生きていくのが最大の地獄、名前のとうりこの結末でよかったのではないでしょうか。ただヨンが死ぬことは無かったような? 個人的には・・・生きててほしかった。
  5. Iでは主役二人にアンソニー・ウォン、エリック・ツァン(引き続きでてくるが)、IIではン・ジャンユー、フー・ジュン、IIIではレオン・ライ、チェン・ダオミィン と脇を固めるキャスティングが最高。私自身エディソンファンですが・・・やはりベテランの役者さん達に囲まれると、まだまだ若いというか演技に深みがないというか(若いからあたりまえだしそれがいいにかもしれないけど)。ベテランの味のある役者さん達にかこまれ若手二人がどう成長してくかも期待です。。。
    Iでのアンソニー・ウォンがビルから転落してタクシーの上で死ぬシーンのトニー・レオンの顔が今も忘れられません。
    I、II、IIIと3部作で一つの映画作品だと思う。どれをはずす事も出来ないし、どれも期待を裏切らなかった。本当にとてもいい映画に出会えたと思う。

return to top

シャオタン
  1. 初めて観た時、過去と現在を行き来する複雑な(?)構成のため、ちょっとわかりにくかった。
  2. ラウが自殺を試み、自分のアゴに拳銃を打ち込んだ後の彼の目の表情(善人になりたい。なりたいけどやっぱりなれない…。何故?と訴えるようなあの切ない目)。
  3. ヨン役の黎明がなかなかだったのでは・・・。はっきり言って、ゾクゾクしちゃいました。ヨンとシェンの二人のかもし出す雰囲気。エリートと大陸の黒社会のボスの黒いつながりかと思いきや・・・ ドンデン返しは正直、衝撃でした。
  4. う〜ん。むずかしいなぁ〜
  5. 3部作を一挙に観てみたい! 久々に見ごたえのある香港映画に出会いました。

return to top

MOCO
  1. 過去と現在の入り乱れ、登場人物の把握などに気をとられ、映画を観るというよりその状態を理解しようという気持ちで観てしまったような気がします。だからかあまりおもしろいとは思えませんでした。全部を理解した上でまた観たら違う感想になると思うので、噛めば噛むほど味が出るスルメのような映画なのかもしれません。それからキョンは『I』より『III』の方が前なんだから、もっとダサくなくっちゃ。
  2. 病院でラウがヤンになったと錯覚?するところ。心理ホラー映画を観ているようにちょっとぞっとしました。恐かった〜。ラストの『I』に続くところは、『I』の時にはまだ『III』を作ることは考えてなかったんですよね?そのわりにはよく出来ていると感心してしまいました。
  3. 陳道明も黎明もよかったんですが、陳道明演じるシェンの役はなくてもいいんじゃないかと思いました。潜入捜査官なのに弟がヤクザっていうのもなんだか…。まあ血のつながりがなくても弟って言うこともあるかもしれないし、弟っていうのがうそかもしれないけど、ちゃんと明確にしてほしかった! でもヤンとヨンとシェンが3人で語り合うシーンは同志という感じでとても暖かいものを感じました。ってことはやはりシェンは必要なんでしょうね(笑)?
  4. ラウを死なせてあげたかったと思うのですが、無間道の意味合いからいえばこれがベストだと思います。
  5. 私はとにかく『I』が好きなので、『III』を観終わったあと「あーあ、『I』で終わりにしておけばよかったのに」と思ったのが正直な感想です。『II』は『外伝』みたいでよかったと思うんですけどね。香港返還のシーンでは、熱いものがこみあげました。『III』はいろんなものを詰め込みすぎた気がしますが、1で書いたようにスルメのような映画なのかもしれませんから、またちゃんと観たいと思っています。アンディファンとしては、アンディが香港映画史上に残るであろう映画に出演、好演したことを誇りに思います。

return to top


  1. いくら「善人になりたい」と望んでも、善人になれないラウの業の深さが心にズーンと来た。 けっこうフラッシュバックも多く、複雑な展開で、ちょっと油断すると話が繋がらなくて?が出てきたところもありました。
    • ランタオ島の大仏で、サムとシェンの二人が話すシーン。10年くらい前に、あの大仏に行った事があるので、なんだかとてもなつかしかったということもあります。
    • アンディが自分を撃つシーンが、なんと言っても衝撃的でした。でも、なぜピストルでアゴを撃っても、生きていたの?と思った。それこそが無間地獄なんでしょうけど。最後の車いすのシーンは、『天長地久/アンディ・ラウのスター伝説』のラストシーンを思い出してしまいました(笑)。あれも、そういえば屋上から飛び降り自殺したのに、生きていたという設定でしたね。あれも、「ありえねー」という設定でした。でも、私の2番目くらいに好きなアンディ映画です。
    • トニーは裏社会で生活しているけど、本当は警察官だという気持ちの上での余裕が見られ、アンディは、警察官でいながら黒社会の人間であることがばれないように戦々恐々として生きている状況が描かれていて、二人のベテランの競演が生きていたと思う。
    • そして、この3作目ではなんと言ってもシェンを演じた陳道明の演技に、目からうろこ状態(笑)でした。彼は中国の映画では、りっぱな軍人の役や皇帝を演じたりと、英雄的な役を演じることが多いけど、それがこの作品では、黒社会の人間と思われるような影のある役を演じていて、こんな役もできるの!と意外だった。タバコを吸うシーンもさまになっていてかっこよく、立ち振る舞いもいかにも悪役っぽく演じていて、それまでの彼の作品を観てきたものにとっては、信じられない変身だった。こんな役ができるとは、おみそれいたしました。
    • キョン役のチャップマン・トウもこの3部作で、すっかり名をあげましたね。
  2. 結末はこのままでもいいと思うけど、やはり、ラウは助からなくてもよかったのでは?そのほうがすっきりする。すっきりしちゃいけないのが、この映画の主題だって(笑)。
    • この3部作の中でエレベーターは重要な意味を持っている。人の生き死にを左右する存在だった。この小道具(とは言わないか)の扱いが、とても印象に残っている。
    • ヤンは記憶力抜群の優秀な警官という設定なのに、何故、警察学校の同級生だった、ラウやヨンのことを覚えていないのか、とても疑問に思い、1と3を見ながら、いつもそのことが気になっていた。みなさんは、変だと思いませんでしたか?
    • 3部作の中では、やはり、1作目が一番印象に残っています。黒社会の人間と警察官である主人公二人の人生が交差した作りは斬新でした。仏教的な要素も入っていて、結構哲学的でもありました。ハリウッド映画では、どのように描かれるのでしょう。楽しみでもあり、どうかな?という思いもあり、期待したい部分とそうでない部分が、半々というところです。
本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。