女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
29号 (May 1994)   pp. 2 -- 18

1993年ベスト10

おまけのベスト20
規定 ☆1993年に劇場でご覧になった作品。(新旧は間いません)
☆洋画邦画とりまぜてベスト10を選出してください。
★1993年にピデオでご覧になった作品(新旧は問いません)
★洋画邦画とりまぜてベスト5を選出してください。
◎各作品のコメントを添えてください。
ご協力くださった皆様本当にありがとうございました。
以下順不同で列挙してあります。



松永 (東京都・40代・女・グラフィックデザイナー)

劇場ベスト10

オルランド
性も時間も超越して生きる"女"を描いた主題がすごい。 決して死なないけれどそこに輪廻転生の本質を見た?

ウェディング・バンケット
アジアとニューヨークの混沌を優しくしかも端的に描いたアン・リー監督の手腕に拍手! 私好みの一本。

ロアン・リンユイ/阮玲玉
ドキュメンタリーとドラマの縦横無尽な組み合わせは真実の重みを充分伝えていて 玲玉をしらない私も感動しました。

クリフハンガー
一体どうやって撮影してるんだあ〜!と思いつつ2回観てしまった。 やっぱりスタローンのアクションはすごい!

月はどっちに出ている
新宿梁山泊ファンの私にとっては鄭さん以外にも梁山泊の役者達が出ているだけで嬉しかった。脚本はさすが!

二十歳の微熱
これは監督の力というよリ主演の袴田吉彦クンの演技を越えた "現在"いまに負うところが大。得したね橋口監督。

ジュラシック・パーク
これでストーリーにもっと奥行があったらと思うのは贅沢でしょうか?  子供の時に観ていたら人生変わったかも。

デッド・ゾーン
本邦での上映はこれが最後というレイトショーに4回通ってまだあきらめられない私。 クリストファー・ウォーケンは不滅です。

ザ・プレイヤー
ハリウッドスターオンパレードのニギニギしさを 軽重浮薄にならずに仕上げたアルトマンのセンスに脱帽です。

嵐が丘
原作のもつ何とも表現しようのない超然とした霊的な雰囲気をよく出していた。 ラルフ・ファインズは楽しみ!

ビデオベスト5

カリフォルニア・ドールズ
前から観たかった一本。ドサ回りの女子プロレスの話でこれがメチャ面白い。 ピーター・フォークもいい味出してる。

てなもんやコネクション
タイトルで敬遠して封切り時に見向きもしなかったのに観てビックリ!  面白いの何の! 騙されたと思って観て!

寝盗られ宗介
封切りを逃したのでビデオに飛びつきました。よっ原田芳雄のハマリ役!  切ない大人のファンタジーにホロリ。

ドラキュラ
オールドマンが全く魅力的じゃないのは監督の責任。でもベストに入れるのは 彼のファンでドラキュラ映画フリークだから!

ミッドナイト・チェイサー
学園青春ドラマで始まりサスペンスの展開からサイコホラーヘとB級娯楽が満載。 クリストファー・ウォーケンの刑事が渋い!


(兵庫県・30代・女・映像制作会社動務)

劇場ベスト10

きらきらひかる
ああいういい関係の生活を私もしたい。ひとりでは孤独だし、 男と女ふたリでは私にはプレッシャー。

アフタヌーン・ティーはベッドで
不思議と日本人の感覚に近い映画。さらりとした演出が良かった。

赤い薔薇ソースの伝説
料理するという行為の神秘性とエロチシズムを感じた。 映像もとっても美しい。ただ、お姉さんは哀れ。

ジュラシック・パーク
あの映像がCGで作られたものと知った時の鶯き。映画もここまできたか!という感じ。

ザ・ファーム 法律事務所
トム・クルーズっていつのまにかすごくしっかリした役者さんになったんですね。 文句なく楽しめました。


アンドレイ・タルコフスキーのファンなので、当然のようにベスト10入り。 大阪の某ミニシアターで緊張して鑑賞。

オルランド
不思議な魅力に取り憑かれたように席を立てず、連続して観てしまった。 私にとっては93年ナンバー1の作品です。

アダムス・ファミリー2
一作目を越えた! ウェンズデイのキャラクターは最高! 観客席に数人いた外人さん達はバカウケでした。

レニングラード・カーボイズ・ゴー・アメリカ
登場人物に対する監督の暖かい眼差しを感じた。切なくもハッピーなこの作品で アキ監督の大ファンとなる。

靴をなくした天使
こういうハート・ウォーミング・ストーリーって好きです。 ダステインのシルエットって哀感ありますね。

ビデオベスト5

ふたりのベロニカ
眠るかの如く映像の中に引き込まれてしまった、美しく不思議なストーリーの映画。

ストーカー
アンドレイ氏のファンなので。容易に理解できないところが良いのだ!

博士の異常な愛情
ラストシーンにキューブリック監督の異才をみた!!

テルマ&ルイーズ
真夏に缶ビール。テンションを高めてもう一度観たい。

仕立て屋の恋
愛ゆえの残酷さ?女って哀しい生き物なんでしょうか? イール氏役の感情を殺した演技が胸をついた。


渡辺 (神奈川県・40代・女・ライター)

劇場ベスト2

森の中の淑女たち
40歳の今日まで観た映画のベスト3に入る作品。 映画という表現手段の"良い所"をまたひとつ発見した気がする。

マルコムX
マルコムXの晩年の精神的変化が描き切れていないと思うが、欠点を補って余りある 監督のパワーと信念が好き。

ビデオベスト5

ドクター
ウィリアム・ハートとエリザベス・パーキンスの美しいシーンに感動した。 テーマ以上に女と男の描き方が好き。

フライド・グリーントマト
一見結びつき難い現在と過去のつながリが素直に心に入ってくる。 重たさと茶目っ気が気持ちよく調和している。

天使にラブソングを
これとか『シコふんじやった。』みたいに、気持ちよく笑える映画が最高。 だって映画って娯楽でしょ。

仕立て屋の恋
映画らしい映画。作り手の"自意識"ではない"プライド"が感じられて好き。 自意識を押しつける映画は嫌い。例えばビリー・クリスタルとか、あ、 そうウデイ・アレンなんか特に!

きらきらひかる
別に出海さんのマネっこをしているわけではありません。 期待を裏切られ通しの邦画の中で、これだけは別格。

*映画館では超娯楽もの中心でしか、ほとんど観ていません。 でもそういうものがベストに入るかというとやっぱリ違いますネ。 特に『ジュラシック・パーク』はひどかった。配役に魅力がないし、 小説で特に面白い出だしとクライマックスが全く取り入れられてない。 エンデイングが平々凡々であれはCFだけみればそれで十分っていう感じだと思います。
『プリティ・リーグ』に腹が立ちました。シチュエーションと配役だけの "いいとこなし"映画なのにマスコミ人は持ち上げる一方。 もっと許せないのは今だに 「映画自体はともかくマドンナのあの一女優としての徹底ぶリがいい」 だのといっているモノ書きがいること。(もちろん男性)
女のこと何一つ描けていない"いいかげんな"映画なのに、 全く正反対のイメージを題名やスチール写真から与え続けていることが許せませんネ。


(広島県・30代・女・会社員)

劇場ベスト10

許されざる者
素晴らし過ぎて椅子に沈み込むしか術がない位。 ラストのマニーの独壇場では昔に戻って拍手喝采。渋いよなあ。

レザボア・ドッグス
久々に通いつめるほど惚れ抜いた映画、黒服の男たちの闊歩に魅き込まれ、 あとはもうなすがまま。カッコ良過ぎる。

ロアン・リンユィ/阮玲玉
正しい?なんて人に聞かなくていいんだよと言ってくれ る人のいなかった時代と人の口に呑み込まれた美しい人。

ソナチネ
監督としてもたけしとしても彼の作るもの全てが私にいろんな形で響いてくる。 好きーだから?私にとっていい。

マンボ・キングス
これ以上ないほど艶っぽい兄弟と愛しのマリアと音楽で楽しくてホロリと泣ける心地よさ。 大好きで素敵な映画。

眠らない街 新宿鮫
東映ってだけで入らないの? もしかして。田中美奈子は置いといて、 これスゴク面白かったよ!と言いたい。

秋菊の物語
ムクムクのコン・リー、味のある妹。 ユーモラスながら突き詰めてゆく事の体力と精神力を見せられた思い。

クライング・ゲーム
好きな人に臆せず好きと言えること、行動すること。 人が人を大事に思うことの限りない可能性を体現するふたりに感動。

ハイヒール
母娘の愛ゆえの闘いは色で緑取られ必要以上に生々しくない。 あくまで美しく、母として散ったパラデスの迫力。

ハードボイルド
何でもできる周潤發だけど、やっぱりアクションものはイイ。 トニー・レオン(梁朝偉)をハードに観せてくれたところも良かった。

ビデオベスト5

神鳥伝説
イメージの豊かさもスゴイが、ユーモアを捨て切ってないところも凄い。 キレイで面白くて大満足。カリーナ・ラウ(劉嘉玲)もいい。

神鳥聖剣
この場合、アンディ・ラウ(劉徳華)とロザムンド・クァン(關之琳)の絡みが全てである。 おバカもたくさんだが、上記のふたりに切なく泣けること請け合い。

ワイルド・ヒーローズ
女といるシーンはやさしいのになんて現実感を伴わないんだろうこの人ってば… とウットリする私。もちろんダニー・リー(李修賢)。

狼の烙印
守るも攻めるも問題山積の香港警察の腕っこき李修賢。 ああ一度は彼に守られてみたい!ミーハーですみません。

ボブ・ロバーツ
ティム・ロビンスってホント魅力だけじゃなくて才能も? きになるあの人を映画をもって納得させてもらえる。

ワースト

はるかノスタルジィ
いい映画だと思うんだけど、あまリにも濃厚にカオを出し過ぎていて 拒否反応を起こしてしまった。

ゴジラVSメカゴジラ
このままなら、いいかげんに懲りてくれ! 懲リずに観に行く私も私だが…。


渡辺 (東京都・30代・女・会社員)

劇場ベスト10

ラスト・オブ・モヒカン
私が5回観に行くほどハマった映画です。義弟役の俳優さんがお気に入り。

逃亡者
最後までハラハラドキドキさせてくれました。 トミー・リー・ジョーンズが憎らしくてかっこいい。

クリフハンガー
実はスタローンの映画を観るのは初めて。 とにかくロケがスゴイ! スタントでも信じられない光景でした。

パブリック・アイ
雑誌で豊川悦司さんが書いていたので観に行ったのですが、 豊川さんに感謝したいほど気に入った映画でした。

生きてこそ
人聞が極限に追い詰められる姿をまざまざと見せられました。 望みを捨てずに旅立った男の子たちに涙。

ジュラシック・パーク
あれが合成とは信じられないリアルな恐竜と人間のシーン。 それだけでも観る価値あり。

眠らない街 新宿鮫
久々で邦画で面白いと思った作品。 昔のようにまた、真田さんにアクションものに出てほしい。

沈黙の戦艦
スケールの大きいアクションものでさすが外さない作り。 思いっきり楽しめました。

クライング・ゲーム
全然内容を知らないで観てビックリ。ヒロインのひたむきなラブストーリーですね。

めぐり逢えたら
大人になってもマジックを信じる心があるっていいですね。 幸せな気分にひたれました。

ワースト

ラスト・アクション・ヒーロー
シュワちゃんファンの私が途中で眠ってしまった・・・

ヌードの夜
評判いいみたいですが、私にはただ情けない男としか思えなかった。


千葉 (東京都・30代・男・会社員)

劇場ベスト10

クリフハンガー
やっぱりシルベスター・スタローンの肉体はスゴイ。 もうつまらないコメデイはしないでほしい。

ラスト・オブ・モヒカン
かっこつけすぎの『ボデイ・ガード』よりずっとよかった。 D・D・ルイスの父親を演っていたインディアンのオヤジがいい味出してて気に入った。

デーヴ
軽重演技どっちも達者なケピン・クラインがますます好きになった。

逃亡者
息もつかせぬ展開が気に入った。

フォーリング・ダウン
不況時代に生きるサラリーマンとして身に染みた。片手にアタッシュケース、 片手に銃のポスターはグッド・アイディア。 ファーストフードの場面はいつも思っていることを代弁してくれて笑えた。

生きてこそ
人間の本質を見せながら、わりとさわやかな映像がよかった。

スニーカーズ
手に汗握るシーンに思わず席を乗り出してみてしまった。 配役も豪華。

ホワイト・サンズ
なんとも心憎いつくりが気に入った。 『ボディ』のウイレム・デフォーはいただけなかったが、こちらの彼は、 ストイックで渋くて、素晴らしかった。

山猫は眠らない
二人の男の駆け引きの描写が絶品。 トム・ベレンジャーの寡黙なキャラクターに憧れてしまった。

ワンス・アポン・ア・タイム 天地大乱
『少林寺』からずっとリー・リンチェイのファン。 相変わらず彼のクンフーは天下一だ。

ビデオベスト5

セント・オブ・ウーマン
期待しなかった分よかったのか、アル・パシーノのキャラクターに酔ってしまった。

ダーク・ハーフ
食事時に観て一瞬ギョっとしてしまったが、 数あるスティーブン・キング原作の映画の中ではベスト3に入ると思う。

ヒーロー(靴をなくした天使)
心が芯から暖まる映画はいい。

アサシン
ハリウッド映画に慣れた自分には『ニキータ』より親しめた。 ブリジット・フォンダは品もよくて、美しい。

キャンディマン
よくできたホラー映画ってこういう作品だと思う。

ワースト

ラスト・アクション・ヒー口ー
アクションもイマイチ、笑いもイマイチで、中途半端。 入場料を返してほしい。


高瀬 (束京都・男)

劇場ベスト10

オリヴィエ オリヴィエ
美しい映画だった。ミッシング・チルドレンのテーマだが、 ラストの衝撃は『ミュージック・ボックス』以来だ。

森の中の淑女たち
久しぶリに新鮮な感動を味わった。 「私は同性愛者よ」と打ち明ける71歳のメアリーがかっこいい。 不思議な映画。

少年、機関車に乗る
ナイーブな映画。映像もまるで一枚の大作画のような作品。旅する映画。 映画の中でいつのまにか旅をしていた。

戯夢人生
今年はアジア映画の年。素晴らしいの一言に尽きる。 侯孝賢監督がまた素晴らしい一面を見せてくれた。この人も天才。

友だちのうちはどこ
ずっしりと重みをもった映画。しっかりとした映画。ピュアな映画だった。

月はどっちに出ている
今年は邦画はなかなか豊作。 でもベスト1といえばこの作品しかない。

ソナチネ
資否分かれる作品だが、私にとっては大好きな作品。 北野武は映画の文法を無視。撮りたいように撮る。やはリ天才。

空がこんなに青いわけがない
三浦友和を見直した。93年度出色の映画。

眠らない街 新宿鮫
和製『ダーティーハリー』か。真田君の意外な好演?!に救われた。 今後の期待をこめて敢えて推した。

キャプテン・スーパーマーケット
こんなに楽しめた映画は久しぶり。冒険活劇娯楽としての映画の原点をみた。


曽我部 (東京都・20代・男・学生)

劇場ベスト5

青い青い海
美しい光を放つ作品であった。

夢を追いかけて
小中和哉監督の中編ファンタジー。 美しい映像、脚本、耽美派的な葛生千夏さんの音楽、いずれもよかった。

天使にラブソングを
両親と観に行った。とても楽しめました。

少年、機関車に乗る
タジキスタン産の渋いロード・ムーピー。初々しいところに好感が持てました。

十月
ダイナミックなエイゼンシュティンの映像に圧倒されました。


保崎 (群馬県・20代・女・書店員)

劇場ベスト9

きらきらひかる
普通っていうことはどういうモノか正しいっていうことがどういうことか… その定規におさまらない人がピュアに見えるのはどういうことなのでしよう…。

ラスト・オブ・モヒカン
映画というのはこういうものだ!というような映画でした。 CFでも何回も流れた髪をなびかせ駈けるシーンは映画館で観てこのシアワセ。

お引越し
ちょうどあの子と同じような時に私にも両親の離婚というものがあったので、 痛いように判った。でも暗くずるずる引きずらない。田畑智子ちゃんあっての映画だった。

シンプルメン
カメラアングルを思いっきリ意識した様なといってしまえばおしまいな、 三人で踊っているシーンがとにかく好き。

許されざる者
ど一してこうもクリント・イーストウッドは素敵なんでしょう。 大ファンて訳ないのにシビれてしまいます。

妻への恋文
人を好きになると色々なパターンの行動に出ますが、 こういう行動は一番おろかであリ愛しいと感じます。

リバー・ランズ・スルー・イット
はじめ墜ちていく弟の気持ちがよく判りませんでした。
しかし神々しいまでの川と対時するフライフイッシングの姿と あの笑顔にそうなってしまわざる得ないものを感じました。

高校教師
鼻にもかけないと思っていたのに胸をつかれてしまいました。 喋らなくっていいんです。演技しなくていいんです。 ただそこに背筋をピンとのばした遠山景織子さんがいれば。

パーフェクト・ワールド
主人公がケビン・コスナーでなければもっと静かだけれど、 凄くいい映画になったんじゃないでしょうか。だっていかにもいい人なんですもん。 泣かされました。

*昨年は95本の映画鑑賞でしたが、総評は不評でした。 というのも観たいものが観れないから…。群馬は文化果つるところです。


大岩 (東京都・40代・女・主婦)

劇場ベスト10

愛の風景
『ペレ』はとても心に響く映画だったが、これはスケールでも、 人間を深く暖かくみて前作以上だ。

オーソン・ウェルズのオセロ
始まりから終わリまで、オーソン・ウェルズのすごさがあふれていました。

こわれゆく女
ジーナ・ローランズがすばらしい。 そしてピーター・フォークがコロンボとは違って良かった。

ラブ・ストリームス
カサヴェデスの映画がもう観られないのは、とっても悲しい。 愛情に押しつぶされていく人間の性さががみごとだ。

二十日鼠と人間
主人公ふたりの関係が、結末でどんなに強い絆でつながっていたかよくわかった。 並のヒューマニズムじゃない。

マルコムX
デンゼル・ワシントンがそっくり。これを観るとマルコムの本が読みたくなる。

お引越し
桜田淳子がうまい。子役の子もすごくうまい。 湖をさまようシーンがちょっと長く感じられた。

リバー・ランズ・スルー・イット
ブラッド・ピットがレッドフォードにそっくりで魅力的。 釣りのシーンがステキ。良き時代のアメリカという感。

月はどっちに出ている
ルビー・モレノが魅力的。彼女のアッケラカンとした大阪弁が映画のムードを現している。

学校
裕木奈江の怪演(メーク)にビックリ。中江有里以外はハマっていた。 映画の出来はクサいが泣かされる.


宮嶋 (東京都・30代・男・公務員)

劇場ベスト10

学校
全国で三千人弱いる夜間中学校の生徒は、みんなつらい事情をかかえているのだろうか。 感想を聞いてみたい。

月はどっちに出ている
面白い。よくわからない人間も出てきたが、違和感はなかった。

二人の息子(61年東宝・監督…千葉泰樹)
一流企業で出世だけを目的に生きる兄と、それに反発し小さな夢を追う弟、 ありふれたような話だが、不思議と新鮮だった。

月光の夏
特攻から生き残った兵士が世間から隔離されていたとは驚いた。 その後、『男たちの旅路』の鶴田浩二が演じた吉岡晋太郎のように苦しむのであろう。

わが愛の譜・滝廉太郎物語
助演女優賞はこの作品を観た途端、藤谷美紀と決めました。 決して古風な人を求めているわけではありません。

望郷
一部の評論家から「今の日本を描いていない」と言われたと思うが、 しかし僕は断然この作品を支持します。

逃亡者
この手の映画は必ず女の人が絡んで話をつまらなくし、テンポも悪くなる。 しかし全くなかった。テレビドラマを意識したのだろうか。

男はつらいよ 寅次郎の青春
安心して観ていられる。併映の『釣リバカ日誌』はとっととやめて、前田陽一の作品を!

まあだだよ
秋〜冬〜春と短いショットに映画的興奮を味わう。

チャーリー
一生をかなり早く、いろいろな話を詰め過ぎた感じはあったが、 それだからこそ最後のアカデミー賞特別名誉賞の授賞式には熱くするものがこみあげてきた。

ワースト

お引越し
どこがいいのかさっぱリわからん。

はるかノスタルジー
好きな監督だけにこの欄に入れるのはつらい。

レザボア・ドッグス
なにが、仁義なき戦い、だ。僕には睡魔との戦いだった。

空がこんなに青いわけがない
監督は本当にこの映画を心底撮りたいと思ったのだろうか。

クライングゲーム
評判の良さにつられて観たら…。というよくあるパターンです。


直井 (茨城県・30代・女・パートタイマー)

劇場ベスト3

神鳥伝説
昨年観た中ではこれが一番。アンディ・ラウはかっこいいし、 ワイヤー多用のアクションもよかった。アニタ・ムイの二役で、 彼女のコメディエンヌぶりにも満足。

天若有情
この作品の役柄が一番、アンデイ・ラウにあっているみたい。 ラフな格好でも光って見えるし…。映画祭で握手ができて最高!

ドラエもん のぴたとブリキのラビリンス
家族で楽しめて何度観ても飽きない。アニメも色々あるけど、やっぱり、 ディズニーかドラエもんがいいですよ。

ビデオベスト7

恋のトラブルメーカー
チョウ・ユンファのいつものカッコ良さはなかったけど、 ドゥドゥ・チェンと息がぴったりあってるラブコメディで、とても楽しかった。

シティ・ハンター
毎度のことながら、ジャッキー・チェンならではのアイデアと コミカルなアクションで笑わせてくれました。

美女と野獣
ストーリーのみならず音楽も素晴らしいし、なにしろロマンティック。 繰リ返し観ても飽きないディズニー映画のすごさを確認しました。

ゴッド・ギャンブラー3
前作に劣らずチャウ・シンチーが面白い。コン・リーの二役もかわいくてグッド。

客途秋恨
この監督の自叙伝的な作品らしいですが、やはり言葉や文化の厚い壁を乗り越えるのは、 大変なことなのですね。

チャイナ・フィナーレ
泣けました! 主人公の宦官が子供時代に去勢するシーンは痛々しかったし、 時代に呑み込まれていく人々のやるせなさに感動しました。

東成西就
字幕が中国語と英語だったので、詳細がわかリませんでしたが、 とにかく主役が十人もいて、ハチャメチャで面白かったです。早く日本語字幕で観たい!


三好 (埼玉県・20代・女・大学教員)

劇場ベスト10

虎の尾を踏む男たち
役者も監督も話の筋も素晴らしい。ごきげんな一本。 こんな映画がなぜ今、金持ち日本で出来ないのか?

女性NO.1
私の大好きなキャサリン・ヘプバーンがこれほど素敵にかっこよく登場する映画は他にない。お気に入りの一本。

アフリカの女王
こういうどこか脳天気な映画は大好き!  これに出てくるヘプバーンもたまらない。

秘密の花園
映像の美しさに感動しました。こういう心がやわらぐ映画をもっと観たい。

妹の恋人
主役の二人のキャラクターが私好み。ジョニー・ディップのファンにこれでなりました。

僕を愛したふたつの国 ヨーロッパ・ヨーロッパ
これが実話というのがすごい。ホランド監督を知って、93年は幸せな年でした。

七人の侍
今までこの映画を長いからと敬遠していた私がバカでした。宮口精二にしびれてしまった。

生きてこそ
カトリック信者のせいかどうか、この手の映画に弱い。 誰も泣いていないのに、ひとり映画館で涙してしまった。

沈黙の戦艦
トミー・リー・ジョーンズがよかったのは無論だが、 私はひそかにゲイリー・ビジーのアホさ加減が好きである。

天使にラブソングを…
一時期これのサントラCDばっかリ聴いていた。これと『秘密の花園』で(今ごろ) マギー・スミスを発見。

ビデオベスト3

リュニオン
わずかな字数でこれを観て考えたこと、感じたこと、動かされたことを書けません。

バベットの晩餐会
観ていて幸せになれる。観て本当によかった。

パレルモ
麻薬問題を扱ったハードな映画だったが、妙な女を出してお色気サービスをまぜたのが、 残念でした。


沢田 (東京都・40代・男・フリーライター)

劇場ベスト10

秋菊の物語
着ぶくれコン・リーが切なく、おかしく、愛しくなる。 川島雄三の喜劇のようなセンスに大陸的大らかさが良い。

トラスト・ミー
オープニングとエンディングの主入公の少女の顔が素晴らしい。 こういう恋愛映画を観れぱ、TVドラマはアホ。

ゲンセンカン主人
つげ義春の原作に十数年ぶりの石井輝男復活というだけで、すべて許せる。 岡田奈々の墓地のダンスがグッド!

月はどっちに出ている
やっと等身大の多国籍トーキョー映画が出現。 辛くて甘酸っぱい上等なキムチのような味わいであった。

ソナチネ
まるでゴダールの『気狂いピエロ』のように、淡々とラジカルに、 ホットでクールで哀しみあふれた逸品。

ジュラシック・パーク
ドラマがどうこうとアラを探せぱキリがないが、 恐竜たち(特にティラノサウルスとヴェラキラプトル)が魅惑的。

キャプテン・スーパーマーケット
サム・ライミはつくづく偉大なリ。この大胆なハッタリと重厚さはB級を越えて、光輝く。 ともかく一見を。

キャンディ・マン
都市"噂"伝説を見事に映像化したモダン・ホラーの傑作なり。 この凶々しさは、現代の恐怖感覚の先端をゆく。

シンガポール・スリング
パレスチナの足立正生のオマージュか。荒っぽい映画ながら、 その熟き志がストレートに伝わってくる。

空がこんなに青いわけがない
大ボケ三浦友和がとても魅力的である。 青々とした空に白々しい気分は、とてもよくわかる。

ビデオベスト3

ティックス
ダニが巨大化するゲテモノテーマながら、なかなか恐怖のツボを心得ている拾いもの。

ダーク・ハーフ
待ってましたのジョージ・A・ロメロ御大。 映画化しづらい原作を低予算ながら奮闘。キングものでは上の部。

トミー・ノッカーズ
これもキングものでTV版のダイジェストゆえ、ビデオはカット版とのことだが、 "ボデイ・スナッチャー"ものの佳作。


スタッフのベスト10


佐藤 (東京都・50代・女・経理事務員)

劇場ベスト7

北京好日
心より笑える映画。老人になっても楽しいことがおこりそう… という夢を与えてくれます。北京の風物が人間くさくてとても良い雰囲気。

ラ・ヴィ・ド・ボエーム
気に掛かっていて場末の映画館で観る。白黒のパリがたまらなくいい。 貧しくても自由な生活。あ〜あこれが人生なのよね。

魅せられて四月
雨ばかりのイギリスから陽の降り注ぐイタリアヘ。 普通の主婦の脱出願望を満足させてくれる楽しい映画でした。

インドシナ
あまリにヒットしているので敬遠していたが、観てびっくり。 仏占領下のベトナムの雰囲気にウットリ。さすが!

マルメロの陽光
最初何がなんだかわからぬまま、ぽーっと観ていて、終って何だこの映画は… と思ったけれど、あとで思い返すと何か忘れられないという映画でした。

伴奏者
陰と陽の女、ロマーヌ・ボーランジェとエレナ・ソフォノの対比に魅せられた。 いつもは買わないパンフを思わず買ってしまった。 原作では伴奏者はとても小さく醜いと強調されているとか。

森の中の淑女たち
92年に東京国際映画祭で観たものですが、去年封切られたので中に入れました。 先日岩波ホールで予告編(再映される!)を観て、彼女たちに再会したような気分になり、 コンニチワと話しかけている私をみつけました。女に生まれてよかったと思える映画です。

*単純に雰囲気が好きという基準で選びました。


岩野 (沖縄県・30代・女・主婦)

劇場ベスト10

お引越し
相米慎二は今の日本映画界で一番心を寄せられる映画をつくる。

火の馬(パラジャーノフ監督)
こういう映像を"めくるめく"というのでしょう。

オーソン・ウェルズのオセロ
オーソン・ウェルズの映画の中では、いつもウェルズ自身が一番かっこいい。

メキシコ万歳(エイゼンシュテイン監督)
竜舌蘭!

マルメロの陽光
ヴイクトル・エリセもロッセリーニの子供だ。

女の座(成瀬巳喜男監督)
日常の生活は晴れたり曇ったり、冷たい北風が吹きすさんだリして過ぎていきます。

ソナチネ
曇り空の沖縄もある。たけしは『パイナップル・ツアーズ』を観ただろうか。

天使(ルビッチ監督)
スクリーンをただ見つめ続けるしかない。このあざやかさには誰も追いつけない。

こわれゆく女
家族の形を保ち続けるためには、強い力で引っ張リあわなきゃいけない。

月はどっちに出ている(WOWWOW版)
日本に住んでいるのは日本人だけじゃない。



柴田 (東京都・40代・女・自由業)

ビデオベスト5

『キャリー』『ミザリー』他スティーブン・キング原作の女性主演もの
裏地の土の中あらニョキっと突き出たキャリーの手。 ミザリーの雨の日の沈み方…。女は怖い、半端じゃないよ。

フイッシャー・キング
狂気と正気が微妙にバランスをとる私たちの社会。 その中で人間性を取り戻す男の話だが、元教授と街で出会った 風変わりなキャリアウーマンとの恋が最高。泣かせますね本当に。

ミストレス(注:ロバート・デニーロの作品の方ではない)
スターになって戻ってくる故郷を後にした女性が主人公。男に囲われて女優修業。 だけど旅先で男が死ぬと関係はそれまで。男に頼りながら いつまでたっても芽の出ない女性の心の屈折と生きざまは観ていて切なくつらい。

バウンティフルヘの旅
息子に配偶者ができた母親の気持ちは日本もアメリカも同じ。 いつのまにか嫁でなく姑の気持ちに肩入れする。 人に世話になりながらも旅をし、思いを果たしたあのおばあさんの気力に乾杯!!

派遣秘書
いつもレンタル中で興味があった。経歴不明のなんだか怖い女。 『白いドレスの女』『ブラック・ウイドー』などに出てくる超セクシーで美人の悪女パターン。 サスペンスも、うすっぺらなどとバカにしながら終わりまで。 気楽に観れてウサン臭い映画も好き。



1993年のシネマジャーナル劇場ベスト17は集計の結果(後出のベスト20も含む) 以下のようになリました。

1. ジュラシック・パーク
1. 月はどっちに出ている(WOWWOW版も含む)
3. マルコムX
3. ラスト・オブ・モヒカン
5. ロアン・リンユィ/阮玲玉
5. ザ・プレイヤー
5. ソナチネ
5. クライング・ゲーム
9. ウエディング・バンケット
9. 許されざる者
9. 眠らない街 新宿鮫
9. 秋菊の物語
9. 逃亡者
9. ワンス・アポン・ア・タイム 天地大乱
9. 森の中の淑女たち
9. お引越し
17.オルランド
17.クリフハンガー
17.きらきらひかる
17.生きてこそ
17.フォーリング・ダウン
17.北京好日
17.ボブ・ロバーツ
17.友だちのうちはどこ
17.キャプテン・スーパー・マーケット
17.レザボァ・ドッグス
(以上26作品)

なお、ビデオをとりまぜたベストで目立った作品は以下の通りです。
1. ダーク・ハーフ   2.シテイ・ハンター   2.天使にラブソングを   2.キャンディ・マン

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