推薦者:Y.山中
推薦の言葉:きれいなブロンドに知的な顔立ち。 長身で最近観たらかなり太めになっていたけど、コスチュームプレイでの 衣装も綺麗に着こなす素敵なオジサマです。今年になってこの方の顔を三度観ましたが、 どんな役を演じてもやっぱり品格がある。この人の低くてよくとおる声で囁かれたら 卒倒してしまうでしょう。きっと。
どこかで観たことはあるという人はいるとは思いますが、日本ではやっぱり知名度は 低そう。なにせ未公開の作品が多いですから。中でも一番観たいのは 『突撃バンパイア・レポーター(原題 Transylvania 6-5000)』主役はあの ジェフ・ゴールドブラムなんですよね。それにもう離婚しちゃったけど、この作品、 彼とジーナ・デイビスの縁結び映画でもあるらしいんです。結構面白そうなんですけど、 行きつけのレンタルビデオ屋さんで観よう観ようと思っているうちにまるで借りる人が いないとかで引っ込められてしまったのです。もし観た方またはこのビデオを持っている方 ご連絡下さい。
1947年 ニューヨーク州バッファロー生まれ。ローレンス大学で医学を学ぶ一方で 演劇にも興味を持ち地方で舞台デビューする。
舞台劇「ボブソンの選択」に出演中タイロン・ガスリー卿に認められ、ミネアポリスの ガスリー劇団に入団、古典劇を得意とし、4年間ロンドンの演劇アカデミーで学ぶ。
カナダのオンタリオのスタフォード劇団で活躍後、ブロードウェイにデビュー。 『エレファントマン』ではデビッド・ボウイと共演。
|
〔フィルモグラフィー〕
『The Revolutionary』('69) 『イージーマネー』未('83 ジェームズ・シニョレッリ) 『アマデウス』('84 ミロス・フォアマン) 『突撃バンパイア・レポーター』未('85 ルディ・デルーカ) 『ハワード・ザ・ダック』('86 ウィラード・ハイク) 『フェリスはある日突然に』('86 ジョン・ヒューズ) 『ハノイ・ヒルトン』未('87 ライオネル・チェトウィンド) 『レッド・オクトーバーを追え』('90 ジョン・マクティアナン) 『マシュー・ブロデリックの緊急事態』未('92 フランシス・ベベール) 『カウチポテト・アドベンチャー』('92 ピーター・ハイアムズ) 『スペース・エイド』未('92 グレッグ・ビーマン) *池袋シネマロサのみで劇場公開
追加(29号)
TV
『Secret Service』(共演:ジョン・リスゴウ、メリー・ベス・ハート)
* ( )内は監督名、「未」は日本未公開作品でビデオ発売のみ
|
[推薦者への質問]
(1)演技力はあると思う? 根っからの舞台人というんですから当然です。そして映画では大仰な演技もせず、 共演者や主演を盛り立て、それでいて存在感のある気持ちよく観れる役者さんだと思います。 それにしても『アマデウス』や『ハノイヒルトン』『レッドオクトーバーを追え』 の非情にシリアスな演技と他の大バカ映画でのマヌケな役のギャップはどうしても 同一人物とは思えません!!ウマイ!!!
『イージーマネー』 主役は『バック・トゥー・スクール』なんかで有名なギョロ目のふとっちょオジサン、 ロドニー・デンジャーフィールド。彼をいじめる義母の甥で兼彼女の秘書が ジョーンズの役どころ。この義母はモナハンズなる大手デパートの社長という キャリアウーマン。小柄な彼女にチョコチョコ金魚の糞みたいに大きな体でくっついて 回る彼はあまりにも滑稽。それに彼は彼女と同じくデンジャーフィールドを 思いっきりいじめて、大金を横取りしようと企むとってもイヤな奴。水色のダサイ スーツも結構イケましたよ。結局は出演者の中で一番貧乏くじをひいちゃうマヌケな 男なんだけど。
ちなみにこの作品にはあのジョー・ペシもデンジャーフィールドのギャンブル仲間で 出演。腋毛の手入れに余念がない配管工のキザな男。それに長身のジョーンズの 肩までしか背がなかったぞ。まだ無名だったせいかビデオのパッケージには ジョー・ペスチと書いてありました。
『アマデウス』 アカデミー賞をわんさと取ったあの作品です。サリエリを演じたF・マーリー・ エイブラハムはこのハマリ役で最近パロディ映画にいくつか出ていたけど、ジェフリー・ ジョーンズはここではモーツァルトのパトロン、オーストリア皇帝ヨゼフ二世。 得意の古典劇の実力発揮か。コスチューム姿も麗しく、出番は少ないけど印象的な役どころ。
『ハワード・ザ・ダック』 前号もティム・ロビンスでお出まししたこの作品。 ジェフリー・ジョーンズも 宇宙物理学研究所のジェニングス博士役で出演。実験に懸命なのはいいけれど、 危うい実験のおかげで逆に暗黒魔王に体を乗っ取られ、エネルギー人間になて大暴れ。 町を混乱に陥れるマヌケな人。体から煙を出し、悪魔の形相になっていく彼は この作品のハイライトシーンの一つ。特殊メイクも体ごとハマる彼は素晴らしい。
『フェリスはある日突然に』 さぼりの天才フェリス(マシュー・ブロデリック)に敢然と闘いを挑む?!校長先生役。 この作品どこをとっても何度観ても完璧に面白い。と、フェリスのズル賢さに相反して 一番間抜けなのが彼が演じる校長先生。いつかさぼりの尻尾をつかんでやる! と息巻くのはいいけれど、体力も若いフェリスには及ばない。犬には靴を取られるわ、 スーツの裾はビリビリになるわ、車はレッカー車に取られるわ、あの大きな体で スクールバスに乗るハメになるわ、踏んだり蹴ったりの惨敗男。
『ハノイヒルトン』 タイトルからわかる通り、シリアスなベトナム戦争、捕虜収容所もの。 主役は『インディアン・ランナー』で品行方正な兄を演じたマイケル・モリアティ。 その他にもポール・ル・マット、デビッド・ソウル(懐かしい!)など渋い面々が出てます。 ジョーンズは捕虜たちのリーダー格になる士官。つらい捕虜生活でくじけそうになる皆を 鼓舞するカッコイイ男。
でもこの作品とってもアメリカ万歳映画で、なんとなく必要以上にベトナム側の 悪の部分が誇張されてたような気がします。前レーガン大統領絶賛映画というのも ウナズケルカナ。
『レッド・オクトーバーを追え』 ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、サム・ニール、スコット・グレン、 ジェームズ・アール・ジョーンズと錚々たるメンバーの中で埋もれてしまったか、 なかなか気がつきませんでした。それもその筈出てたのはほんの5分くらい。 ライアン博士(アレック・ボールドウィン)にレッド・オクトーバーの機能を教える スキップとかいうエンジニアの役。眼鏡をかけた知的な風貌が役柄にぴったり。
『マシュー・ブロデリックの緊急事態』 ここからが今年観た三本で、いずれも大バカ映画で、その中で輪をかけて バカな役をしているのです。それにここからかなりの体重オーバーがみられる彼。 どうしてしまったのでしょう。いわゆる中年太りというものでしょうか。と、 この作品(原題がシャーリー・マクレーンの作品『Out On A LIMB』で同じなのです)では、 ピーターなる悪徳町長と彼の極悪非道人である双子の弟の二役を、絶妙にドタドタと 演じています。タイトルからわかるように『フェリス〜』で対決?したマシュー・ ブロデリックと再び対決。無惨な敗北に終るジェフリー・ジョーンズ。彼がブロデリックに 勝つ日は来るのでしょうか。
『カウチポテト・アドベンチャー』 異次元テレビの大元締めスパイクという悪人。テレビ漬けの気の弱いお父さんを だまして犠牲にせんと奮闘するキレてる男。目つきもえらく意地悪で、コワイ。 彼の武器は腕に装着したテレビのリモコンというのには笑えるけど、取りだし方が まるで『タクシー・ドライバー』のロバート・デ・ニーロみたいにあざやか。 まるでファッション・ショーのように矢継ぎ早にいろんな扮装をする彼だけど、 なぜか中世ファッションが似合ってしまう堂々たる貫禄。フェンシングの腕も けっこうなものとお見受けしました。
『スペース・エイド』 大バカ者しか住んでいないスペンゴなる惑星の支配者(ジョン・ロビッツ) に恋女房(テリー・ガー)を横恋慕され、慌てふためくさえないオトウサン。 太りすぎのためか?働きすぎのためか腰痛に苦しみ、家の前に配達された新聞さえも 車で取りにいく超横着者。お腹が出ているので、 前屈みの姿勢も苦しそう。でも、異星の美女の誘惑にも負けない身持ちのイイ男でも あるのだ。ダサイおじさんシャツ姿しか観られないのかと思ったけど、ラストの戦い? で着る戦士のコスチュームはなかなかカッコイイ。ストーリーよし、SFXよしの オススメ作品。三作品の中で一番面白かったです。未公開ですけど。
(2)好きな作品は? 『フェリスはある日突然に』 奮闘場面が多いから。フェリスもこの校長あってのサボりの天才だったと思いますので。
(3)最後に言いたいことをどうぞ。 これだけコメディに出演なさったのですから、そろそろ真面目なドラマに出て下さい! それとも舞台と映画で役選びを分けていらっしゃるのでしょうか。医師をめざして いらしたということですから、白衣姿も似合うでしょう。できたらベン・ケーシーみたいな 白衣を着てシリアスな医者ものに主演してほしいです。あとシェイクスピアの 『リチャード三世』みたいな鬱屈した役もいけそう。
次作に期待してます。劇場公開作品であることを祈ってます。
|