女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
14号 (1990.04)  pp. 32 -- 33
『セックスと嘘とビデオテープ』記事一覧

『セックスと嘘とビデオテープ』
その後の4人

▽『セックスと嘘とビデオテープ』を巡って、それぞれ思うところはさまざまでした。 結論などは何処にもないのだけれど、私たちはこの映画を巡る最後として、 その後の4人(ジョン、シンシア、グレアム、アン)について考えてみました。



ジョン…

妻、職、愛人と彼は全て失いました。初めての挫折により、 今まで目に入らなかった自分の姿を見つめ、人生にとって大切なものは何かを、 自分自身に問いなおすことができるでしょうか。

登場人物の四人、誰もこの町を離れることなく映画は終わったのだけれども、 町を出る人がいるとしたら案外、この人かも知れません。



シンシア…

できのよい姉へのコンプレックスに支配され、 心のコミュニケーションを肉体的な関係で埋めていたかのような彼女ですが、 映画の最後では、姉(アン)との距離が少し縮まったようです。 これからはお母さんにやさしい言葉をかけたり、お姉さんとも、 もっと素直に話ができるようになるでしょう。

スタッフの間では意外に彼女に人気がありました。



そしてアンとグレアム…

これからが始まりなのだという余韻を残して映画は終わりました。 初めて他人の姿が見えるようになった二人、これからは、自分探しが始まるのです。

このさき二人が共に時間を過ごすに従って生ずるであろうズレ。 それは生活のリズムだとか価値観だとかからくる違いなのだけれど、 そのような「違い」をお互いにちゃんと認めることができた時、 成熟したそれぞれになれるのではないでしょうか。

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