志々目 『バットマン』『エド・ウッド』などで日本でも御馴染みの奇才ティム・バートン監督。 そして監督とは公私共にパートナーという火星の美女役のリサ・マリーが、 『マーズ・アタック!』のPRで来日し、記者会見が行われました。 お立ち見状態の会場は始終笑いと熱気に包まれていました。 ---今回の映画で初めて横長のシネマスコープにしたのはなぜですか? ---『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『エド・ウッド』などでは、 ストップモーション・アニメーションのこだわりを感じていたのですが、 今回エイリアンに関してはすべてCGIを使うことにしたのはどうしてですか? ---今回の映画でも感じたのですが、監督の映画を見るとジェリービーンズを ばらまいたようなカラフルな美しい世界が見えて来ますが、監督には世界が このように見えてくるのでしょうか? ---憎々しい火星人の姿形を誰が思いつかれたのですか? ---光線銃で出てくる光の色が赤と緑があったのですが、その効果の違いは?(笑) ---リサ・マリーさんはいつもチューインガムをかまれていてセリフが無かったのですが、 喋りたかったのではないですか? ---リサ・マリーさんの火星人の動きは撮影の時に多少ギミック(コマ落としや モーションコントロール)などあったのでしょうか? ---最近のSFはエイリアンが悪いというイメージがあるのはなぜでしょうか? ---この作品は、エド・ウッドの『プラネット9・フロム・アウタースペース』 に捧げられているような気がするのですが、その辺はいかがでしょうか? ———監督がB級映画を好きだと言うのはこの映画を見れば一目瞭然なのですが、 リサさんも同じ様に昔から好きなのですか? ---二人そろって好きな作品があったら挙げて下さい。 ---生き残る者と死んでいく者と明暗がわかれるのですが、本当に火星人が 襲ってきたらどういうものが生き残ると思いますか?それから最後にトム・ジョーンズが 「It's not Unusual (よくあることサ)」と歌って終わるのですが、何が一体 It's not Unusual なんでしょうか?(大爆笑) ---この企画のゴーサインをどうやってワーナーの偉い人からもらったのですか? ———監督はハリウッド一の変人とも言われていますが、監督の頭の中をリサ・マリー さんから分析して下さい。 この記者会見の模様をテープで聞き直してあまりにも楽しい会見だったので、 ワープロに向かってまた大笑い。ユニークな質問の数々に、さらにユニークに 愛想よく答えてくれたティム・バートン監督ですが、記者会見が始終楽しかったのは、 とにかく『マーズ・アタック!』がおもしろい映画だからというのは言うまでも ありません。 『マーズ・アタック!』題名通り、火星人の地球襲撃、そしてエイリアン地球侵略と くれば、思い出すのは『インディペンデンス・デイ』。でもバートン監督は地球上で この映画を見ていない、たった一人の人間なんだそうですヨ。『インディペンデンス・ デイ』がセットにお金を掛けたとすれば、こちらは配役が凄いです。大統領と 不動産屋二役のジャック・ニコルソン(本当は全部の役をやりたかったそうです)、 グレン・クローズ、アネット・ベニング、ダニー・デビート、マーティン・ショート、 マイケル・J・フォックス、ナタリー・ポートマン、そしてもちろんトム・ジョーンズ。 ピアース・ブロスナンとサラ・ジェシカ・パーカーにいたっては、『クラッシュ』 も真っ青なスタイルでのトホホのラブシーンを演じています。しかもこんな 信じられない豪華な俳優たちが、火星人の光線を浴びて次から次ぎと惜しげもなく 殺されていくなんて、見ていて痛快極まりないです。 近頃のハリウッド映画というか『インディペンデンス・デイ』もそうなんですけど、 ヒロイズムとでもいうのでしょうか?普通の人がある事件をきっかけにスーパーマンの ように変身して、悪と戦うなんていうのが多くて、ちょっと鼻につくなぁと思っていました。 しかもキャスティングから考えればヒーローになるのは誰かは一目瞭然。しかし、 この『マーズ・アタック!』に関してはそんな公式は当てはまりません。地球を 救うのは一見無力の人達なんです。バートン監督もこの映画のテーマとして 挙げていましたが、人間見かけだけで判断できないということです。 ちなみに火星の美女、リサ・マリーのナイスバディ(カルバン・クラインの 元モデルですから…)は特殊な食べ物ではなく、日本食によって維持されているそうで、 それを聞いた通訳の戸田奈津子さん、「私なんてバリバリの日本食なのに…。」 とおっしゃっていました。私もまったく同感です。 |