女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
40号   p. 80

中国大女優 恋の自白録

劉暁慶著 水野衛子訳 文藝春秋 ついに刊行


 オビ文句「人気俳優姜文との命がけの不倫!」にビックリ! てっきり彼ら二人は「純愛」だと思っていたのに。あれっ、どっちが既婚だっけ? 姜文(チアン・ウェン)ってようやくこの四月に初監督作品『太陽の少年』が 公開されるのに、その前にこんな売り文句に使われちゃってイメージ悪くならない?  なんて色々なことがぐるぐる頭をかけめぐる。

 離婚、不倫、映画スターとしての成功、そしてビジネス界での成功。 「劉暁慶(リュウ・シャオチン)がいなかったら世間はどんなに静かになるだろう」 と言われた彼女、あることないこと報道されて「いっそのこと自分で書いてしまおうと 思うようになった」という。さすが・・・訳者の言うとおり、他にも出版されている 自伝なども合わせて見比べると曖昧な点や、突き詰めるとボロが出てしまうような 嘘もところどころに散見。でもそんな調子の良さも愛らしい?と思わせるのは、 彼女の徳のなせるワザか。

 原本が入荷したとき、「映画女優から億万長者になるまで」なんて ミモフタモナイあけすけなサブタイトルに少しうんざり。こんな下世話な本って やっぱり・・売れるんだろうなあって思った。彼女の他にも出ている著作では モノスゴイ写真がいっぱい。映画の役柄に扮した格好、母(祖母?)に 傘をさしかけている孝行娘、実業界で活躍するバリバリの「女強人(キャリア ウーマン)」としての様子などの他に「くつろぎのひととき」というタイトルに見れば お色気たっぷり(死語)のしどけない暁慶!

 日本初登場の彼女の訳本では、そんな写真もなく、役に投入しきった彼女の表情のみ。 スキャンダルだらけだけれど、映画界実業界で成功した女性の強みかな、 と思います。

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