女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
40号   pp. 24 -- 25
1996年度 読者&スタッフが選ぶベストテン

関口 治美

☆欧米映画ベスト9

  • いつか晴れた日に
    中国人によるイギリス映画という、ボーダーレスな世の中にふさわしい作品。 エマ・トンプソンのもう一つの才能が開花。

  • エグゼクティブ・デシジョン
    懐かしのパニック映画復活! 笑顔でサヨナラのスティーブン・セガールにはびっくり。

  • アキュムレーター1
    96年最大の収穫は、スヴィエラーク親子に決定! 先物買いとして、入れずには いられない。

  • デッドマン・ウォーキング
    意外と批判的な人が多くてびっくり。『フロント・ページ』からサランドンを 追っている私にはもちろんマル。

  • 12モンキーズ
    ブラピなら『セブン』よりもこっち。ブルース・ウィリスの旅は「タイム・トラベラー」 を思い出させた。

  • ベイブ
    アニマトロニクスと実写の見事な融合。イソップ話みたいなストーリーは大人向き だと思うのだが…。

  • トイ・ストーリー
    もしかしたら、私が心底楽しめるディズニー・アニメ最後の作品にんなるかも。 ランディ・ニューマンのテーマ曲も大好き。

  • ウェールズの山
    そのまま落語になりそうな話。ヒュー・グラントはこれからこのセンを狙うべき。



☆香港映画ベスト2

  • 楽園の瑕
    『天使の涙』の退屈さを和らげてくれた。そんなにわかりにくいストーリーだと思う?

  • 女人、四十。
    ジョゼフィーヌ・シャオの魅力につきる。96年の主演女優賞といえば、 邦画洋画を問わずとも彼女がふさわしい。



☆日本映画ベスト9

  • ビリケン
    通天閣はもしかしたら異空間への入り口なのでは?いとおしくてビリケン・グッズを 買い漁りたくなってしまう。

  • クライング・フリーマン
    これまたボーダーレスな映画が生まれた。マーク・ダカスコスの美しい肉体と アクションに魅入られてしまった。

  • キッズ・リターン
    ビートたけしがようやく北野武としての市民権を得た作品。安藤政信という新人を 発掘しただけでも価値あり。

  • Shall we ダンス?
    竹中直人のおかげでヒットしたのかも。脇役の勝利。草村礼子にスポットを当てたのは エライ。

  • トキワ荘の青春
    伝説のトキワ荘時代を、私のイメージ通りに映像化してくれただけでも嬉しい。 当時の漫画に興味ない人に語る資格は無し。

  • ガメラ2 レギオン襲来
    『1』ほどの衝撃はなかったが、『インデペンデンス・デイ』の大いなる予告編でも あったわけで。日本は生き残れるのか?

  • ぼくは勉強ができない
    これは意外な拾い物。なんてことない話だけど、80年代のブラッド・パック物を 思わせるものが…。

  • (ハル)
    確認しそこなったけど、もちろんパソコンはIBMのはず。だって『2001年宇宙の旅』 と同じハルだもの。

  • お日柄もよくご愁傷さま
    バブル時代の映画『お葬式』よりも、身近な感じのする冠婚葬祭映画。 TVバージョンもぜひ観てみたい。



96年元気だったのはハリウッドでも香港でもなく日本映画だった。が、その一方で 文句ナシのワースト映画までズラっと並んでしまった。洋画はやや小粒で、誰にでも 薦められる作品がなかなか見当らず、香港映画も返還への関心度と反比例しているよう。 この傾向はどうやら97年になっても変わらないらしく、2世紀目を迎えた映画界の 未来がやや不安にさえ感じられるのだが…。




★ワースト

  • シベリア超特急
    いくらケナしてもきりがないほど、頭にきた。観てしまった私もいけないのだが。 水野晴郎の誉める映画は信じないゾ!

  • 霧の子午線
    観るたびに情けなくなる吉永小百合。もはやカルト女優の域に達した岩下志麻。 これが日本映画界の現実なのか。

  • 素顔のままで
    大いなる無駄遣い映画。デミ・ムーアの減量(と作った胸?)に制作費は総て 消えてしまったのか?



☆ベスト・ビデオ

  • プリンセス・カラブー
    オクラ入りになってビデオで日の目を見たフィービー・ケイツ主演の実話物 (ホントかな?) 彼女の一生の代表作になりそう。

  • ハイリスク
    こういう面白い映画をビデオのみにしてしまうとは、日本の映画会社って 見る目がないゾ!
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