[キャスト] |
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警官633:梁朝偉 | トニー・レオン | Leung Chiu-wai, Tony |
フェイ:王靖[雨/文] | フェイ・ウォン | Faye Wong |
金髪の髪の女:林青霞 | ブリジット・リン | Lin Ching-hsia, Brigette |
警官223:金城武 | カネシロ・タケシ | Takeshi Kaneshiro |
スチュワーデス:周嘉玲 | チャウ・カーリン | Chow Kar-ling, Valerie |
[スタッフ] |
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監督:王家衛 | ウォン・カーウァイ | Wong Kar-wai |
脚本:王家衛 | ウォン・カーウァイ | Wong Kar-wai |
製作:劉鎭偉 | ジェフ・ラウ | Lau Chun-wai, Jeff |
製作総指揮:陳以[革斤] | チャン・イーチェン | Chan Ye-cheng |
製作補:彭綺華 | ジャッキー・パン | Pang Yee-wah, Jacky |
美術監督:張叔平 | ウィリアム・チョン | Chang Suk-ping, William |
撮影:杜可風 | クリストファー・ドイル | Christopher Doyle |
劉偉強 | ラウ・ウァイキョン | Lau Wai-keung |
編集:張叔平 | ウィリアム・チョン | Chang Suk-ping, William |
奚傑偉 | カイ・キットウァイ | Kai Kit-wai |
[廣β]志良 | クォン・チリョン | Kwong Chi-leung |
音楽:陳動奇 | フランキー・チャン | Chan Fan-kai |
ローエル・A・ガルシア | Roel A. Garcia |
昨年、この映画をビデオでみて、思わずペスト10に入れてしまった。そして、 今年日本語字幕で観て、感動は何倍にもふくれあがった。 監督の王家衛(ウォン・力ーウエィ)は、『いますぐ抱きしめたい』 『欲望の翼』そしてこの『恋する惑星』と、 ほかの香港の映画監督に比ぺ、作品のほとんどが日本で公開されているラッキーな人。 彼独自の映像美、抜群の音楽センスは、『恋する惑星』にも十分に反映されているので、 『欲望の翼』に感動した人には、お薦め。また、ストーリーがシンプルなので 『欲望の翼』でひっかかりを感じた人にも、この作品は入りやすい展開だと思う。 そして、香港映画イコルアクション映画と認識してしまっている欧米映画ファンや 邦画ファンには、香港映画の認識を新たにするきっかけになる作品になることを 期待したい。 なお、エンドクレジットに流れる王靖[雨/文]「夢中人」という曲は、 THE CRANBERRIES のアルバム [EVERYBODY ELSE IS DOING IT, SO WHY CAN'T WE?]に 収められている [DREAMS] という曲のカバーです。 私は、王靖[雨/文]の方が上手いと思うのですが、興味のある方は聞き比べてみてください。 (以上地畑) 『恋する惑星(重慶森林)』は、今年三月パリで公開され、一週間で五万人を動員し、 また、この作品にいたく感動したクエンティン・タランティーノのバックアップもあり、 ミラマックス社による北米公開も決定しています。 昨年の台湾金馬奬(台湾アカデミー賞)では、最優秀男優賞:梁朝偉(トニー・レオン)が受賞。 今年の第十四回香港電影金像奬(香港アカデミー賞)では、 十部門にノミネートされ、最優秀作品賞、最優秀主演男優賞:梁朝偉(トニー・レオン)、 編集賞:張叔平(ウィリアム・チョン)ほか、主要4部門を受賞しています。
金城武(カネシロ・タケシ)来日会見『恋する惑星』(原題・重慶森林)の七月中旬の日本劇場公開に向けて、 去る五月に主演俳優の金城武が来日しました。 すらりとした長身で落ち着いた雰囲気を持つ彼でしたが、いざ映画のこととなると 達者な日本語で、ジョークも交えながら、熱弁を奮ってくれました。 『恋する惑星』撮影周辺について「この映画の撮影は、九四年の四月から始まりました。でもその頃王家衛 (ウォン・カーウェイ)監督は、『東邪西毒』を完成させていなかったのです。 『東邪西毒』は二年余りを費やしていて、そんな時になんで『恋する惑星』 を撮るんだろうって思いました。 結果的には、二作ともさまざまな賞を受賞したわけですが。 王家衛監督は、昔から非常に時間をかけて作品を撮る人で有名だったんですが、 この『恋する惑星』に関しては、僕のパートは一カ月で 撮りあげてしまったんです。王監督にしてはあっさりと撮り上げた作品なんでしょうね。」 ——— 金城さんのパートは一カ月ほどですが、 全部で二カ月半ほどかかってはいますね。王監督の作品の中では、 『いますぐ抱くしめたい』が一番短い撮影期間だったそうで、 その次がこの作品だそうです。王監督自身も『東邪西毒』はかなりハードだったらしく、 もっと自由に撮ってみたいと思ってこの作品に着手したようです。 「自由にという点でいえば、この作品のカメラは全部 ハンディキャリーでした。ライトもです。だからよく動くんです。 王監督のカメラ位置は独特で、眼前までカメラが寄ったりもするんです。 はじめはびっくりしました。」 ——— 重慶大厦(チョイキン・マンション)が撮影のロケーションでしたが。 「香港はどこへ行っても撮影許可をとるのが面倒くさいんです。王監督も 撮影許可が下りるまでの時間が惜しいようで、この作品は、ほとんどが盗み撮りでした。 地下鉄もそうなんです」 ——— トラブルの対処はどうしていたのですか。 「それは、プロダクションが対処するんです。特に*ジャッキーさんが処理して くれました。(*彭綺華/ジャッキー・パンのこと、王監督の作品すべてに関わって いる新進の女性監督) ——— この作品の中で梁朝偉(トニー・レオン)は 制服警官の役ですが、彼の制服は許可をとっていなかったので、本物の警官が きたときには、スタッフで彼を隠して車の中に押し込んだ、ときいていますが。 「そうですね。香港でもバイクに乗るときにはヘルメットが義務づけられて いるんですが、警察がきたらいきなりかぶったりなんていうこともあります。 撮影中も警察の前を通るときには、他の車でカムフラージュしながら通過するなんていう こともありましたね」 王家衛監督について「『恋する惑星』への出演依頼があったのは、撮影開始の十日前くらいです。 ——— 以前梁朝偉(トニー・レオン)が『欲望の翼』の時に、 かなりのテイクをとったことは有名ですが、金城さんはいかがでしたか。 「撮影当初は、言葉(広東語)の難しさもありましたし、シーンの中で立て続けに しゃべって、20くらいのテイクはとりましたね。 ——— 例えばこの作品では、どのシーンですか。 「僕がこの作品で苦労したのは、やはり、走るシーンと食べるシーンですね。 意味は同じなんですが、微妙な動作が違うとか。何度も撮り直すわけです。 ——— そういえば、以前劉嘉玲(カリーナ・ラウ)が、 床を拭くシーンで何度もテイクを繰り返して、汗だくになっていやいや拭いていたら、 OKが出たっていうのも聞いていますしね。 「ほんとに何を考えているのか、わからない人です。王監督は。演じている方も わからなくなってくることがあるんです。だから演るしかないんです。 ——— 監督は金城さんがいくつもの言語を話せるということを 知ってて起用したのですか。 「はじめて王監督に会ったとき、“僕をどうして起用したんですか”って 聞きました。そうしたら、“雑誌を漠然と見ていたら、見たことない顔だったから。 見たことない顔を使いたかったから”って言ってました。気楽な理由ですよね。 だから僕は“監督の思い通りの演技ができないかもしれませんよ”と言ったんです。 そうしたら“大丈夫だよ”っていってました。 ——— 基本的にはご自身の声ですね。 「はい。同時録音ですから。ナレーションだけ後から入れただけです」 ——— 広東語の方は勉強なさったのですか。 「王監督とは、普通語(マンダリン)で話していました。この映画の撮影が終って 広東語が話せるようになりました。 共演者について——— 共演の林青霞(ブリジット・リン)については どう感じられましたか。大女優の方ですが。 「ほんとうに綺麗な人です。はじめの三日くらいは、とにかくコチコチになって しまいました。あの林青霞が目の前にいるというだけで。監督にも緊張するなと いわれました」 ——— 他の出演者の方たちとは。 「実際に会っていたのは、主演では林青霞(ブリジット・リン)だけですね。 あとの人は一日だけです。 ??? 今年の金像奘主演では、梁朝偉(トニー・レオン) と王菲(フェイ・ウォン)がノミネートされていましたが。 「当然だと思います。僕は映画に関わって一年あまりですが、梁朝偉は、 十年あまりのキャリアがあって、演技の味わいが違うんだと思いますね。僕はまだ 経験が浅いし、この作品で王監督にあって、いい先生に巡り合えた感じですが、 今も演技をしていてつっかかるところもありますしね。だから、彼が受賞したことは、 同じ映画に主演していた立場としてとてもうれしいです。 次回作について——— 今、王家衛監督の新作(『堕落天使』)の撮影中ですが、 かなりの緊張感がある一方で、監督と金城さんのやりとりがとてもおもしろかったんですが。 王監督も金城さんといるときは、特に楽しそうでしたね。監督とは波長があうようですね。 「もう慣れましたから。僕も納得のいかないことは聞きますし、意見も言います。 その時は、監督がちょっと指示を出していて、面白くないんじゃないですかって いってた時なんです。じゃあ、自分で考えろっていわれてて。ちょうど下着売り場の シーンでした。下着をかぶるなんてちょっとできませんよ。豚に馬乗りになって 足をマッサージするシーンを考えたりもしました。ストーリーを変更する時点で、 次第にカットされる箇所などもなんとなくつかめるようになりました」 ——— 撮影の進行状況は? 「撮影は、八割がた終っているのですが、カンヌには、毎日撮影した分を 送っているから大丈夫だといっていましたが」 ——— 台湾の芸能界と香港の芸能界の違いについてご自身で 感じられていられることはどんな点ですか。 「香港の方が時代が早いということです。顕著なのはコンサートです。香港では、 コンサートといえばショウを見せるという姿勢なんですね。踊りや衣装も派手で、 香港の観客もそれに慣れているんです。いかに目新しく奇抜なことをするかという点も 含まれています。
後記・とても二十一歳とは思えない静かで落ち着いた語り口やパーフェクトな日本語で 話す話から、彼の俳優としての素質のよさや聡明さ、謙虚さを十分に感じとることが できました。 また、彼が何度も口にしていたアーティストの意味さながら、役者も 一クリエーターであることを話の端々からつくづく感じさせられたりもしました。 語学が達者な(中国語・英語・日本語)彼ですが、彼自身書くのはまず日本語だとのこと。 日本の町を自由に歩き回ることを本当に嬉しそうに話していましたが、 それもスターの悩みのひとつなのでしょう。 アジアを席巻するスターとして多いに期待したいとおもいます。 (以上 地畑・志々目) <プロフィール> 一九七三年台北生まれ。日本人の父親と台湾人の母親を持つ。テレビコマーシャルを 皮切りに芸能界入り。 <フィルモグラフィ>九三年『現代豪侠傅』未(杜[王其]峰・/ジョニー・トウ&程小東/チン・シュウトン) 九四年『沈黙的姑娘』未(陳勲奇/フランキー・チェン) 九四年『恋する惑星(重慶森林)』(王家衛/ウォン・カーウァイ) 九四年『報告班長』未(金鰲勲) 九四年『第六感奇縁人魚傅説』未(羅文/ノーマン・ロウ) 九四年『校園敢死隊』未(金鰲勲) 九五年『中国龍』未(朱延平/チュー・イェンピン) 九五年『無面俾』未(洪金賓/サモ・ハン・キンポー) 九五年『堕落天使』(LOVE IN 1995)(王家衛/ウォン・カーウァイ) 九五年『臭屁王』(朱延平/チュー・イェンピン) *()内は監督名 |