女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
31号   pp. 50 -- 51

AARON と一緒に
對[イ尓]愛不完
歌って、踊ってしまったのだ!

1994年10月28日 郭富城 誘惑演唱會レポート


 とーとー行ってしまったのだ。香港コロシアムに。それもAARONのコンサートに!

 10月28日、午後5時。私たち3人はホテルの部屋でFCのTシャツに身を包み、 「城」のCAPを被りつつ、順番に垂れ幕(友達の力作でなんと全長約4m!)を持って 写真を撮り合ったりして、行く前からこんなで、本当にいいの? というくらい、 テンションはすでにMAX状態。やっぱり盛り上がり過ぎて、時間もかなり押してしまった。 ホテル近くの食堂で雲呑麺を流し込み、いざAARONの待つ香港コロシアムヘ。

 コロシアムが近くなってくると、露店がたくさん出ている。ペンライトや笛は 応援グッズとして納得いくけど、なぜかAARONのお面!を売っている人がいた。 ウーン、香港て所は何でも有りだね。

 香港人の女の子たちがAARONの名前を書いたボードを持っている。 コンサートに来たのは夢じゃないのね、もーすぐAARONに会えるんだ。 友達の一人がコロシアムを目の前にして、嬉しさの余りに腰をぬかすというアクシデントも クリアし、どーにか入口へ。そして、ステッカーをもらって中へ。

 昨日まではVIDEOの中のステージが今日は目の前、思ったより狭い?  でもやっぱり大きい。あー、もーすぐここにAARRONが……。考えただけで クラクラ状態である。自分の席を確認して、Gジャンを脱いで、FCのTシャツになって、 「城」CAPも被って、ペンライトも、垂れ幕も、カメラも準備OK!  どこから見ても立派なインターナショナルFC会員だね。

 そんなわけで、やっと周囲を見渡す余裕が出て来た。 ちょっと後ろの席にすごーくハデな集団がいると思ったら、韓国のFCだ。 全員がチマ・チョゴリを着ていてすごく目立ってる(後日、新聞や雑誌に この事が載っていた。日本垂れ幕隊も載ったぞ)。 やっぱり日本は着物で勝負すれば良かったのかな?

 香港の女の子たちが「AARON! AARON!」と叫ぴ始めた (香港の女の子たちは「エーロン!」って発音するんだよね)。

 照明が落ちていきなりの演唱開始! もー、何がなんだかよく解らないけど、 とにかく「AARON! AARON!」と叫ぴながら、カメラのシャッターを押したけど、 いつだって主役の登場は最後なんだよね。出来上がった1枚目の写真にはダンサーしか 写ってなかった。

「あー、あれがAARONだ……」と認識したときは全身鳥肌状態。 手を伸ばせば届きそうな位置に(ダッシュすれば2、3秒)AARONが立っているんだと思ったら、 恥ずかしいけど、感動の余り、涙が出ちゃいました。

 オープニングは「鐵幕誘轟」。「渇望」「童話小公主」「痛突」「臨行」 (このバラードの時、AARONは泣いてしまったのだ。毎回、泣いたらしいというウワサもあるが…) 「狂野之城」などなど30曲近くを歌って踊った。

 私の席は4列目だったけれど、写真をたくさん撮るために、 ほとんど最前列に駆け寄りっぱなし(スタッフのお兄さん、言うこと聞かなくて 本当にゴメンナサイ)。なのに、AARONのダンスがすごく綺麗で、カッコよくて、 写真を撮るのも忘れて最前列でボーッと見惚れてしまった。

 衣装がまたカッコイイんだ。軍服姿、王子様、闘牛士、CATSのようなのあり、 胸がはだけた超セクシーなのあり。これでもかってくらいにカッコよくて、 クラクラ状態がエンドレス。

 香港名物?“握手タイム”ではAARONに触れることは出来なかったけど、 群がるファンを必死で掻き分けて、ハッと気がついたら、目の前が、 というより視界が全部AARON(それも王子様ルック!)だった。

「もー、どーしよー! 信じらんないくらい、カッコイイ! AARON、カッコイイよぉぉ!」

 コンサートの間中、そして終わってからも、いったい何千回、 何万回言ったかわからないくらいに。(このレポートの中でもかなり使っているけど… これしかないんです)、本当に本当にAARONは、綺麗で、セクシーで、カッコよかった。

 噂には聞いてはいたけど香港のコンサートって凄い! 3時間もやるんだから。 でもその3時間のほとんどを歌って踊っていたAARONも凄いよね。私も友達も ずーっと歌って踊っていたから、横にいた香港の女の子に笑われてしまった。 やっぱり発音が変だものね。おまけに写真もたくさん撮ったはずなのに 「決めポーズ」がない! (例えば「渇望」だったら、胸の前で手を合わせるポーズとかね) なぜなら、一緒に踊っていたから。今日はKARAOKEじゃないぞー! 本物だ!

 そして最後にAARONと一緒に、あの「對[イ尓]愛不完」を歌って、踊ってしまったのだ。 これって、私の夢でした。もう最高に幸せ!

 ホテルに帰ってからも、興奮が冷めなくて、3人でまた垂れ幕持って写真撮ったり (ほとんど抜け殻のようになりながらも)、明け方までぜんぜん眠れなかった。

 AARONに、完璧に「誘惑」されてしまった夢のような香港ナイトでした。

 帰りの飛行機で(帰りたくなかったけど…コンサートの次の日です。) 離陸時に、機内サービスのイヤホンからインタビューに答えるAARONの声が!  何を言ってるかは全然分らないけど、AARONの声……それに重なるように歌が流れて来て、 こんなのって本当に有り? 出来すぎのシチュエーションに、思わず涙が出そうになる…。 帰りたくないよぉ。

 AARONの歌に見送られるように香港を後にした私たちでした。


 私が初めて、AARONの映画を観たのは「ケネディ・タウン・ストーリー」だったと思う。 「あー、死んじゃったぁ…なんでぇ…」

 私の好きなAARONの映画、なぜかいつも、最後にAARONが死んでしまう。「神鳥伝説」 はね、まぁ、悪役だから仕方がないとしても(黒づくめの銀狐は、メチャクチャかっこいい!)。

「天若有情II」は字幕がなかったから、今一つストーリーを把握しきれてないので、 なぜAARONが死んじゃったのかよく理解できなかった。 「天若有情」ではANDYも死んでるからなぁ。 (これは来年、VIDEOが発売されるらしいので解決しそう)。 初めて観たAARONのラブ・シーンにドキドキ  代わって欲しいよ?

 カンフーするAARONがカッコよかった「赤脚小子」でも最後はやっぱり死んじゃう。

 ストーリー的に必要なんだろうけど、好きな映画が全部「最後は死んじゃうの」 っていうのはちょっと辛いかな?

 きっとAARONがあんまりカッコいいから、みんな焼いているんだ! いい男はツライね。

T. 杉田





映画のAARONは
どうして、いつも
死んでしまうの?

「ケネディ・タウン・ストーリー」 「天若有情II」 「神鳥伝説」
「赤脚小子」……大好きなんだけど……ね



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