女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
26号(1993.06-08)   p.28

試写室『アラジン』(Aladdin)

1992年/アメリカ/90分
製作・監督: ジョン・マスカー/ロン・クレメンツ
脚本: ロン・クレメンツ&ジョン・マスカー/テッド・エリオツト&テリー・ロッシオ
主題歌・挿入歌: ハワード・アシュマン&アラン・メンケン、 アラン・メンケン&ティム・ライス
オリジナル作曲: アラン・メンケン
主題歌: 「ホール・ニューワールド」
歌: レジーナ・ベル&ビーボ・ブライソン
声の出演: スコット・ウエインガー、 ブラッド・ケイン(歌)、ロビン・ウィリアムズ、リンダ・ラーキン、 レア・サロンガ(歌)他

第65回アカデミー賞
最優秀オリジナル作曲賞・最優秀オリジナル主題歌賞二部門受賞

第50回ゴールデングローブ賞
最優秀オリジナル作曲賞・最優秀主題歌賞・特別賞三部門受賞


『美女と野獣』に続くディズニーのアニメーション映画の超大作の呼び声どおり 素晴らしい作品である。美しい映像、軽快なテンポ、ストーリーの流れ、 どれをとっても申し分のない作品といえるだろう。 アニメーションというとどうもお子さま向けのように取られがちだが、 『リトル・マーメイド』『美女と野獣』などと同様に『アラジン』 も大人も楽しめる、いや大人のほうがよリ楽しめる作品といっていい。 また前者二作品が、甘いラブストーリーだったのに加えて『アラジン』 ではロマンチックな要素のほかに彼自身の自己発見の旅ももりこまれ、見応えは十分。 私見では『美女と野獣』より何倍も楽しめた。 そしてなんといっても目をみはるのはアラジンとジャスミン(プリンセス) が魔法の絨毯に乗って星空の中を飛ぶシーンで、 このシーンも含めスピード感溢れるアドベンチャーの数々は時間を忘れる面白さ。 アニメーションでここまでの映像を制作できるのかと目を疑わずにはいられない。

また、音楽は前記の通り数々の賞を受賞しているのでいうまでもないが、 主題歌は『美女と野獣』に並ぶ美しさ。 物語が終っても、席をたたずに最後まできちっと聞いていたいもの。

そして、もうひとつのお楽しみはランプの魔人ジーニーの声を担当している ロビン・ウィリアムズのマシンガン・トーク。 ジーニーがランプから出てくる時に色々な姿で現われるのだが、 その素早さはまさに瞬間芸。 それに彼の早ロトークが重なリお腹が痛くなるほど笑ってしまうのは必至。 彼の早ロトークは『グッドモーニング・ベトナム』や『キャデラック・マン』 などでお馴染みだが、今度はそれに画が重なってくるので、 元ネタがわからなくて笑えないということもない。 ちなみに彼はこの声だけの出演で、ゴールデングローブ賞の特別賞を受賞している。



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