そうなのです。『こちらブルームーン探偵社』が終ってしまったのです。 NHKにはずいぶん冷たくあしらわれ、ファンの気持ちにお構いなく 放映時間を勝手にずらされることもしばしば、今週は中止、来週をお楽しみになんて 簡単なメモテロップだけで処理されてしまったこともあったっけ! 最終回探偵祉の社員トピストとハーバートが職場結婚。 そして主人公のデイブとマディが自分たちの探偵事務所にやってくると セットがどんどん取り外されている。 (秘)ブルームーン探偵社の概略●社長…マデリン・ヘイズ(30代) ●副社長…デービット・アディソン(30代) ●アグネス・トピスト 制作…アメリカABCサークルフィルムズ プロデューサー…ジェイ・ダニエル、グレン・ゴードン・キャメロン † 【シリーズのこんなところが魅力】「デービッド・アディソン(ブルース・ウィリス)さんとマデリン・ヘイズ (シビル・シェパード)さんはいつキスするのです」か? シリーズの中盤にテーブルに腰を掛けたふたりが 突然カメラに向ってファンからの投書を読みはじめる。 そして、ふたり顔を見合わせ、 ブルームーン探偵社は実に愉快で温かく、主役ふたりが粋でステキで、 ずーとハマリっぱなしです。でも土曜の夜11時という放映時間だったため夜遊びの折リには 見逃してしまったこともしばしば。そういう日に限ってビデオ予約のセットを忘れたりして イライラしていたのですが…。 NHKに似合わぬ素晴らしきはからいで昨年暮から平日に毎日5時台に再放送がはじまり 一回も見逃さずみてきた次第です。おかげで我が家のテープの背ラベルは 「こららブルームーン探偵社」「新・こちらブルームーン探偵社」のものが急増。 時代劇にはまっている中学生の娘の「水戸黄門」「大岡越前」「暴れん坊将軍」や小六のくせに 「東京ラブストーリー」からすっかりトレンディドラマにはまってしまった次男の膨大なビデオテープを侵食しつつあるのです。 『こちらブルームーン探偵社』は、デーブとマディが知合って探偵社を共同経営していくまでと 仕事の上ではパートナーとして喧嘩しながら、プライベートな面では最愛の恋人どうしとなるまで、 マディに別の恋人ができ、その男の子供ができ、その男とは別の男性と結婚、 でもやっぱリデイブを愛していたことに気づいて解消するまで、 次にマディの親戚の娘とデーブが恋に落ちる… と一方で探偵ドラマとして一話完結のサスペンスストーリ…を展開しながら、 一方では大河小説のごとくデーブとマディのふたりの愛が展開していくのです。 それも最高のユーモアとウイットと奇想天外さがもりこまれた内容で。 このシリーズの人気の秘密はふたりの関係でしょう。『こちらブルームーン探偵社』 ばかりみていてちっとも勉強しない男の子に、 母親がテレビのスイッチを切るシーンが代弁しています。 働く女にとってどんな男が最愛のパートナーか…。 型にはまらない自由な男女関係が展開していく中で、楽しく私たちに提示してくれる。 このシリーズの人気の秘密はそんな堅苦しいものではないかもしれないけれど、 今日的な問題のツボをうまくついた形で見せてくれるのはうれしい。
もうひとりの隠れファンから一言地畑寧子 『ブルームーン探偵社』は、85年からABCで放映され、 第ニシーズンも作られたほどの人気番組だったときいています。 以前はかかさずみていたものの、現在の家に移ってからは電波の都合でNHKが映らないという惨めな私は、 新シリーズをみられず悔しい思いをしています。 こんなファンのためにもビデオは最後まで諦めずに出してほしいと願っています。 ところで、このシリーズって出海さんが熱狂するのもなるほどと思えるほど、 いつも賞獲リ候補に挙がっていたんですねェ。 先にあるように、ブルース・ウィリスはエミー賞で主演男優賞を獲っていますが、 ゴールデングローブ賞のテレビ部門ではふたりで主演男女優賞を獲ったこともあるとのこと、 さらにシェパードはピープルズ・チョイスのTV部門で女優賞を獲っています。 それにしてもシビルは若い! 43歳には見えません。 あの『タクシー・ドライバー』 でロバート・デニーロに一目惚れされた選挙事務所に勤める女性に扮していたころと あんまり変ってないもの。そういえば『ラスト・ショー』でも浮ついた少女役だったけど、 本当に可憐だったし。 70年代のアメリカン・ニューシネマの波に乗って飛び出した人のようだけど、 あまり映画には出演していないのが残念。当時としては、 あまりに正統派の美人だったことがかえって損だったのかな? 歌もうまいのにね。 でも、数年前に12チャンネルで放映された、TVムービー『長く熱い夜』はとっても印象的でした。 この作品はポール・ニューマンとジョアン・ウッドワードで映画化されて有名ですが、 彼女の役どころは、ジョアンと同じ姉の役。相手役はドン・ジョンソン。 ニューマン&ウッドワード版よりも感動しました。映画では、 『ワン・モア・タイム』以来お目にかかっていないのですが…。期待したいです。 一方、ブルース・ウィリスといえば、いわずもがな『ダイハード』ですよね。 加えて『ラスト・ボーイスカウト』に続くアクションとコミカルさで、一気にスター。 ついでに赤ちゃんの声の吹き替えもレギュラーでしてる。 でもどうしたことかアカデミー賞の賞獲りに縁がない彼。 未公開だけどノーマン・ジェイソン監督の『イン・カントリー』 というベトナム帰還兵のシリアスもの(共演はエミリー・ロイド)もあるのに。 なんでアクションスターはだめなの? 今年はやっとこクリント・イーストウッドがいい線までいってるけど、 故スティーブ・マックインも獲ってない。 でも、当の本人は夫人のデミ・ムーアにべた惚れの気のいいお父さんみたい。 いつだったかのアカデミー賞で夫婦で撮影賞のプレゼンターになった時、 奥さんと子供を映したホームビデオを大画面に映して"これは悪い撮影の見本です" なんていって喜んでいたし、何かというと夫婦で出てきて奥さんを誉めたたたえる。 こんなだんなを持った日には女冥利につきるんじゃない。 と思えば、苦節時代に過ごした粗末なアパートを今でも借りていて、 時々そこにいっては自分がおごらないようにしてるらしい。 まあなんともいい男なんですよね。『沈黙の戦艦』のおかげで、 『ダイハード3』は公開が遅れてるけど、一刻も早く彼の作品みたいです。
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