女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
24号   pp.38--39

映画 LIVE HOUSE “この映画をチェック”


『プリティ・リーグ』  
『ハード・ボイルド』  
『課長 島耕作』  


このコーナーでは、配給会社が眉にツバつけて(?)売ろうとがんばった(ている)映画を その映画のキャッチコピー(茶色表示)もつけて わたしたちが独断と偏見でチェックします。

思わず涙してしまう感動ものあり、頭にくる映画あり、どうにかしてくれ〜としか いえない映画あり。

あなたのチェック度はいかがですか?

ご意見・参加をお待ちしています!!!!!




プリティ・リーグ

スカッと感動!世界初!
女性だけの大リーグ映画誕生!

ところどころ笑わせて泣かせる良きアメリカ映画。テンポも良いし。 意外に映画館が空いていたのが残念なくらい。

打席に立つジーナの凛々しい雄姿にみとれました。 老後の彼女の役を演じた女優さんも品があってすてき。 よくまあそれぞれ似た雰囲気の老後の役の中高年の女優さんたちを見つけて来たなあと感心。 (マドンナは自分に似てないって怒ったとか)

ただ、私は女性監督云々は言いたくない主義だけど、 一つだけ文句を言わせてもらえれば、チーム一の強打者マーラの不器量をめぐって 笑いを取ることは疑問だ。彼女と父親の別れやハッピー・ウエデイングなど ホロリとさせるいい場面もあることはあるが。

最後にまたまた発見、『TP』のブリッグス少佐。 ジーナたち"ロックフォード・ピーチズ"の対戦相手"ラシーン・ベルズ"の監督の役。

(雀)


よかったよかった。いきなリ、キャロル・キングの歌がかかって、 ラストにマドンナの曲でしめて泣かせてくれる。 グランドで躍動する彼女達のたくましさに大いに勇気づけられ、 実にすっきりした気分で映画館を出た。

姉にコンプレックスをもっている妹の苦しさ、 バッテリーを組む姉妹の葛藤も描き込まれていておもわずホロリ。 文盲なので、合格発表の掲示板に自分の名前を確認できない仲間を そっと助けるシーンなど細やかな面も多々。 大スターマドンナの押さえた演技も好感がもてた。

加えて、監督のトム・ハンクスの男っぽさにも惚れぼれ。 初めはとんでもないいいかげんむ奴だった彼が、 勝負師の本能が首をもたげてくるのもなかなか。 ジーナをほんのり好いてるのかなっと匂わせる移動中のバスや、 彼女の夫と出会うシーンには、本筋とは別に心を熱くするものが。

中でも痛快なのは、頭の堅そうなリブのおばさんたちが、 彼女たちは見せ物の人形のようだと批判するシーンが入っていること。 この変な人たちを笑い飛ばすように野次や障害もなんのその、 活躍し続ける彼女たちこそ、本当に生きた女性なんだなとつくづく感じた。 これは観なきゃ損する映画です。

(Y)
(ペニー・マーシャル監督作品)






ハード・ボイルド

目がまわる!息がつけない!
これがぶっちぎリ
酸欠ハードアクションの決定版!!

東京国際映画祭での周潤發さまの舞台挨拶を見逃した私はなんて愚か者。 この『ハード・ボイルド』を一般ロードショーで観ることになってしまった。 私はどちらかというとアクションもの以外の發仔の方が好きですが (『誰かがあなたを愛してる』《←似たようなタイトルつけるんじゃないよ、 フジテレビめ》と『大丈夫日記』が私のベスト2)、 松竹セントラルの3のスクリーンを眺めつつ、やっぱリ發仔は私の理想の男性だ!と、 実物を拝まなかった後悔の念を新たにしたのでした。

發仔はもちろんですが、トニー・レオンもかっこいいこと!  髪型のせいかモックンに似ていた。

内容は近年ますますパワフルな(やりすぎと言えなくもないくらい) ジョン・ウー演出のアクション。銃撃戦の派手さはもちろんのこと、 今回はなんと特撮なしで建物を破壊してしまう。 襲仔が爆破される病院の窓から赤ちゃんを抱えて飛び降りるシーンは 『ダイハード』と『バックドラフト』のパクリだろうか。 でも、今度はハリウッドでウー監督の 『狼/男たちの挽歌・最終章』がリメイクされるし、 監督自身もジャン=クロード・ヴァンダム主演作を撮影中なんだって。

(雀)
(ジョン・ウー監督作品)






課長 島耕作

原作を読み切った私としては、いつか映画化されるだろうなと思ってたので、 どの監督で誰が島耕作をやるかとても興味があリました。まあ監督はいいとして、 主役に田原俊彦ときいて初めはがっくり。イメージちがいすぎる!と思い、 観にいくのを躊躇していたのですが、 小誌でファンの多い?!豊川悦司さんがメインキャストに入っているので 観に行った次第です。

当然?!豊川氏は樫村なる人物を魅力的に演じていてまずは満足。 しかし意外だった?!のは、田原俊彦が耕作にはまってなかなかだったこと。 仕事のできる男のイメージには物足りなかったけれど、 耕作の人好きのするいい意味で間の抜けたところなんかは結構よかったんじゃないかな。 演技がさほど上手じやなくても観れちやうのってやっぱリ監督の力なんでしょう。

ストーリー展開も原作のおいしいエピソードをうまく重ね合わせて、 テンポもまずまず。それに脇の俳優陣ががっちりしていて、 特に佐藤慶氏はいつもの存在感で作品を引き締め嬉しい限り。 傑作素晴とはいえないけれど、それなりに楽しめる作品。 ただ、続編を十分におわせるラストが気掛かり。 とりあえず次の京都編は田原"耕作"でいいとしても、 ニューヨーク編はどうするんでしょう。 島耕作って語学が堪能で米国の大手映画会社と取引を成功させちゃうほどの実力の持ち主なんだけどなあ。 まっ取リ越し苦労かな、これって。

(Y)
(根岸吉太郎監督作品)



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