『ジャンゴ 灼熱の戦場』
バイオレンス・アクション映画に、ニューヒーロー登場! |
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フランコ・ネロの主演作品なんぞ久しくお目にかかれず、とにかく出掛けてはみたものの、 そこは場内を通りぬけないと待合室もない、おもいっきり小さい裏通りの映画館。 (名画座じゃないよ) 土曜の午後だというのに観客はまばら。おまけにパンフもなく、 この映画には特に力をいれてませんということはあリあり。 当の作品はというといかにも灼熱といった暑さはわかるんだけど、 このご時勢でマカロニウエスタンのB級映画を観ているようで、淋しさはひとしお。 さらにエンニオ・モルリコーネの例の郷愁をさそう高らかな音楽がバカに目立ってしまって さらにやリきれない淋しさを味わってしまった。 さすがのジャンゴも老いてしまったのかなあ〜。 それにしてもコピーのニューヒーローってなんでしょう。 さっぱリわからない。
(Y) (デッド・アーチャー監督作品)
肉体派が嫌いな人にはお薦めできないけど、 実はジャン・クロード・バンダムのファンだった私には彼が徐々に演技がうまくなって 普通レベルになったのが、なによリうれしい。 隠れた良作『サイボーグ』を抜かしたら、笑い顔がいつも引きつっていて、 しかめっ顔で得意の空手を披露しているときだけがよかった過去は嘘のよう。 余裕を感じました。笑い顔も自然になった。もちろんスタントなしで、アクション指導もこなし、 このまま独自のアクションエンタテイナーになっていってほしいなあ。 脚本や製作もやっているようだけど、くれぐれも誰かのように鷹派俳優にならないでね。
(Y) (シェルドン・レテイック監督作品)
確かにソツはないけど、やっぱりバリー・レビンソンは華やかな世界よりも、郷愁のほうが似合う。 市井の人々を描いてきたこれまでの作品と違い、ギャングには郷愁が感じられない。
主人公は多面性があリ、冷酷な殺し屋であリ、子供のためにバースデー・ケーキを作るパパでもあリ、 かと思うと愛人のためにラスベガスを作る情熱家でもある。 ウォーレン・ビーティーが巧みに演じ分け、いかにも自信満々。
アネット・ベニングはあでやかだが、『グリフターズ』の悪女の衝撃には及ばなかった。
(雀) (バリー・レビンソン監督作品)
実はこの映画を見て疲れちゃった。
目まぐるしく居場所が変わる慌ただしさや話のややこしさ。 コンピューターやハイビジョンを駆使した映像も、しつこく出てくると疲れる。 だけど世界中を巡って最後、オーストラリアに辿り着いたところから、 がぜんおもしろくなった。
コンピューターを自由自在に操る近未来の地球。 国内旅行をするように外国を行き来し、アップテンポで移動が描かれる。
謎の旅を続ける男に『ドクター』『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハート、 その彼を追う女に『ベルリン・天使の詩』のソルベイグ・ドマルタン、 それに主人公の母親役にジャンヌ・モロー。
盲目の妻のために視覚をあたえるカメラを開発した父。 その実験場所がユニーク。
自分の夢を再生映像で見ることに溺れていった涯てに見たものは……
オーストラリアの原住民であるアボリジニーたちが研究者として出ていて 興味本位の民族紹介的になっていないのもお薦め。
(M)
ジョン・ローンの最新作ということでしたが、なんか老けてしまいましたね。 それに、この人可哀相ですね。仕方ないんでしょうけれど、 だんだん役が固まってきてしまった感じがする。これも、 1920、30年代の上海を舞台にしたアメリカ人との友情物語で、 なんかイマイチぱっとしないんですよね。音楽は喜多郎ということでしたが、 クレジットが出てなかったら、彼とはわからなかったでしょうね。 とにかくインパクトがなかった作品。
(S) (レオン・ポーチ監督作品)
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