女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
19号 (1991.06--08)  p. 17

ロミー・シュナイダー

●1982年、43歳の若さで世をさった、ロミー・シュナイダーの映画が2本公開される。代表作、『すぎ去りし日』(1970年/フランス/1h28m)と日本未公開作品の『ありふれた愛のストーリー』(1978年/フランス/1h47m)。
どちらも監督―クロード・ソーテ、脚本―ソーテ/ジャン=ルー・ダバディ、音楽―フィリップ・サルド、撮影―ジャン・ボフェティ。ロミー・シュナイダーを最もよく知るスタッフによる。


●ロミー・シュナイダーはわたしにとって初めてヨーロッパの空気を伝える女優だった。
幼かった少女時代の生活に外の世界を持ち込んだのは、いつも3つ年長の姉だった。その姉が「ロミー・シュナイダーってとっても素敵な女優なのよ」といっていたのは、いつのころだったろう。それは耳なれたハリウッドスターの名前とはちょっと違っていて、とても印象的なものだった。
彼女はスクリーンの中でいつも恋に生きる女だったけれども、男の気をひくために流し目をしたり、まして泣いてみせるようなことはなかった。
洗練された美しさと円熟した気品、女の強さと弱さをもって男たちをそして観客である女たちを魅了する人だった。
それほど美しかった彼女の死因は睡眠薬の過剰服用、あるいは自殺ととれないこともない。実生活では不幸が多かったと雑誌の記事で読んだ。なにかかけがえのない美しいものをなくしてしまったような悲しい気持ちになったものだ。


●今回公開される2本のうち未公開の『ありふれた愛のストーリー』はロミーの「女たちのお話を作らない?男にはうんざりなの!」という言葉から生まれたのだという。ロミーはいつでも女のために恋する女を演じてくれた、きっとそうに違いないのだ。



●どちらも銀座文化劇場で
『過ぎ去りし日』六月二一日から七月四日まで
『ありふれた愛のストーリー』七月五日から七月一一日まで

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