女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
15号 (1990.06)  pp. 12 -- 16

10数年前の記事のため、状況はかなり変わっており、中には もう無くなってしまった劇場もあります。当時の資料としてお読みください。 (2003.10.25)

映画館事情アンケート・報告

どんなにビデオがお手軽だってやっぱり映画館が好き!
だから映画館に一言、ついでに観る人にも一言・・・・・

質問
  1. 性別(年齢)職業(出身)
  2. 月何本ぐらい映画を観ますか a. 映画館で b.ビデオで
  3. 好きな映画館
  4. 最近の映画館に一言



 

(1) ♀(30代) 会社員(東京)
(2) a. 15〜20本、b. 0本
(4) 渋谷辺りのおしゃれな単館ロードショーの従業員の態度が悪いと頭にくるけれど、 浅草辺りの某大手系列の映画館の従業員の電話応対の仕方がぞんざいでも、まあ仕方ないか、 と思ってしまうのはなぜだろう。

 

▼あの無内容なパンフレットは何だ! ミニシアター系のパンフが内容、センスともに向上しているのに対し、 一般ロードショウ系はヒドイ。
ストーリーは聞違ってるわ、スタッフ・キャストの紹介はしてないわ、掘下げは浅いわ、 デザインはダサイわ、値段は4〜500円だわ。

(♂/30代/東京)

 

(1) ♀(25才) 会社員(東京)
(2) a. 2本、b. 1〜2本
(3) 銀座テアトル西友/シャンテシネ1-2
(4) 腹が立つのはシネスイッチ銀座
入替えがいい加減、前回終了まで係員が入口に居て、前の客が全部出てから次回の客をいれて欲しい。

 

▼京都の朝日会館(河原町三条あたり)に観に行った時、入替え制とは聞いていたけど そのやり方がテッテー的! まず、番号札を渡されて、開場の際は一つしかない入口で 「番号札一〜十番の方どうぞ」とか言って、半券をもぎるというわけです。
・・・東京ではもしかすると普通なのかも

(♀/20代/大阪)

 

(1) ♂(26才) 会社員(東京)
(2) a.4〜5本、b. 4〜5本
(3) 池袋文芸坐
(4) シネスイッチ銀座に『誰かがあなたを愛してる』を観に行った時、 映写中に突然煙が立ち込め中断「工事中の為」とのアナウンス。 再開されたもののピントが合わず、「ただ今の煙の為映写不能となり中止します」 とのアナウンス。
映写方式が自動であるため、トラブルが生じた際の対応ができる技術者がいないのだろう。
館側の人間の態度が横柄で頭にきた。

 

▼『エバースマイルニュージャージー』を観に行った時、 全然おもしろくないトコロで「ハッハッハッ」と声を出してワザとらしく笑う人が居た。
それも二回も!!
歯科医に「ハハハ」とは、ヘタなジョークだ。

(♀/28才/広島)

 

(1) ♀(38才) 主婦(北海道)
(2) a. 2〜5本前後、b. 10〜15本
(3) ミラノ座(大きくて昔ながらの映画館)
(4) 釧路市の映画館は二館減って七館に、逆に帯広では二館増えてます(?)
地方で映画館を維持していくのは難しいようです。
(スガイ系列の映画館で二館を経営していますが、五月から工事を始め、一館を縮小して、 七〇席ほどの小劇場を作ることになったそうです。 そこではマイナーな作品が上映されそうで楽しみです。)
釧路東映、金曜日は休館日です。
レンタルビデオ、「サンホーム」で、たまに全品100円はうれしい。 三本レンタルすると二泊三日、利用しやすい。

 

▼観客に関しては、とにかく、とにかく座席では姿勢をくずして座って、 頭が背もたれから出ない努力をしてほしい。
最近はいっそお節介でも、場内アナウンスした方がいいんじゃないかと思うほど胴長の人が多い!

(♀/30代/東京)

 

▼マリオンの日劇プラザは、スクリーンが見づらい。
横に広いので指定席以外はスクリーンが間延びして見え、これで1700円は許せない!
逆に、銀座テアトル西友は座席がぜいたくな上、 立見(通路座り)の人に座布団を貸してあげる配慮が泣かせる。

(♀/25才/東京)

 

▼僕が14〜15才の頃、渋谷には名画座がゴロゴロあって、渋谷文化、全線座、 東急名画座、東急ジャーナルが皆100円。(封切りで450円の時代)
おまけに、二番館三本立てでテアトル渋谷、テアトルハイツ、テアトルSSと さらに恵比須に本庄映画三本立て150円だったんだからスゴイよね。
今、渋谷に名画座ゼロだもんなー。

(♂/30代後半/東京)

 

(1) ♀(39才) 主婦(東京)
(2) a. 5本、b. 0.5本
(3) 岩波ホール
(4) 池袋文芸坐は、名画座受難の時代にいつもがんばってます。
先日「森一生/映画旅」に行き、場内の熱気に、映画を愛し支えてきた、おじさん、 おばさんに応えるような映画が、今日本では作られていないのはケシカラン事だと思いました。
文芸坐さん、苦しいでしょうが、これからもがんばって下さい。
岩波ホールは、高野悦子さんの映画の選択眼に支えられていて、はずれなし!

 

▼シヤンテシネ1・2、内容は良いと思うのですが、映画館がちょっと気取っていて、 好きになれない。
スクリーンを見下ろす、客席の急斜面もやりすぎという感じ。

(♀/30代/東京)

 

▼日比谷シャンテで『ミステリートレイン』や『霧の中の風景』や『ドゥーザライトシング』 や『悲情城市』を観なくてはいけないのは、なんかハラがたつ。
要するにシャンテでは、観たくないの

(♀/20代/東京)



 

▼先日シャンテで『霧の中の風景』を観た時、小耳にはさんだおばさんの会話
「なんだか良く解らなかったわネ〜」
「でも、子どもが可愛かったわネ〜」
「ところで、どこの映画かしらネ〜」
「どこかしらネ〜」
「アラ、フランスよ。フランス映画よ」
(フランス、キリシャ合作のギリシャ映画ではあるよ、確かに)
そりゃ、アンタが何処で何を観ようと勝手だけど、これじゃ「豚に真珠」だ! 涙がでちゃう!!!
淀川先生もおっしやっています。
「映画を観に行くなら、少しは勉強して、最低、映画監督と製作年度は知ってから観てもらいたい。」

(♀/27才/東京)

 

(1) ♂(55才) たばこ店(熊谷市)
(2) a.1本、b. 3本ぐらい
(3) 熊谷シネマサンシャイン
(4) 予告篇は何本でも上映する。テレビでもないのに、 コマーシャルを延々とながす。予告は自館の次回上映を一本やれば良いのだ。
とにかく映画を観に行くのだから。

 

▼銀座文化では、何度もトラブルがあって、その度、劇場の対応の悪さに腹が立つ。
▼おばさんの二人連れ三人連れの近くには、座りたくない。ペチャクチャ、ペチャクチャ・・・・
どうして何処へ行くにも連れだって行くのだろう。

(♀/30代/東京)

 

▼観ながらおしゃべりするわ(若い女)
上映中ガンガン立っては、食べ物飲み物買いに行くわ(若いアベック)
映画が自分向きじゃないと不謹慎に笑うわ(若いヤツラ)
映画館で観るのは、部屋でビデオ見るのと違うんだぞ!!

(♀/20代後半/東京)

 

(1) ♀(23才) 専門学校生(神戸)
(2) a. 3本、b. 約3本
(4) 先日、千日会館で『男たちの挽歌最終章—狼—』を観たときの事、 始まって20分位したら、突然音声が出なくなってしまった。映像は流れていく。 ここで席を立ってもぎりのおぱちゃんに知らせに行くと、きっと話が解らなくなってしまう、 と思ったのは私だけではなかった。
6、70名の観客はほとんどじっと我慢して、誰かが、知らせに行くのを待っていた。 ようやく一人のおっちゃんが知らせに歩いていく。
その中で、もう一人のおっちゃんが(彼は途中入場したため) 「もう一度始めからやり直しや!!こんなん声が出えへんとわからんわい!!」 とか叫んでいたが、それから二〜三分して(その間無声映画状態は続いている) 突如として麗しい周潤發サマの声が映像に混ざった。
上映終了後、詫びの放送もなく、千日会館は相変わらず、“大阪っぽいなア”と思わせてくれる。
でも、ここのもぎりのおばちゃんはボーッとした雰囲気で私は、好きだ。
そして同じ大阪にありながら三越劇場は北浜の三越の八階にあり、 係員の主任ふうのおじさんが、上品な雰囲気で券をもぎってくれる。
「場内は飲食物持ち込み御遠慮下さいませ」との表示があり、びっくり。
その上「途中入場禁止」というのには感動。 実際には厳重に守られているのかわからないが、他の館よりも途中入場者がぐっと少ないのは事実。
さらに、座席の背中のカバーの広告主が野村証券という真面目さ。 場内の造りもまるで「ディズニーランドのミッキーマウス劇場みたい!」と私は思っている。

 

(1) ♂(36才) フリーライター(東京)
(2) a. 4〜7本、b. 15〜20本
(3) 大井武蔵野館/文芸坐/パンテオン/スカラ座
(4) (ロードショウ館に)
椅子の背もたれが、よくないところが多い。 一番前の席からスクリーンの間が狭すぎる。 (天下のマリオンでも、日劇以外は、セコイ椅子の配置)
外で買えば、100円の缶ジュースが販売機で、220円とはどういうわけだ!
お菓子も少なくて高い!
サンドイッチなんぞ最悪!
その点、文芸坐などアンパンがあるからエライね。

 

▼最近の新しい映画館のこうこうと輝くミドリの非常口を許してはいけない! 今って(映画館に限らず)いろいろな無神経さが目につく時代なのね。
セゾン系の館は、明るさを押さえているので○。 中野武蔵野ホールはスクリーン側にボール紙を貼っているいじましさが泣ける。
ちょっと気を付ければいいことだよね。

(♀/23才/東京)

 

▼客席が少ないということは、つまり画面が小さいって事ですよね。
ユーロスペース(88席)、中野武蔵野ホール(73席)はミニシアターの格調のゆえに可でしょう。
新宿東映パラス3は、なんと四八席! これで1600円はオットックッ!!!
銀座シネパトス(81席)は、BGMが電車の音という贅沢さ!!
上野セントラル(71席)、スクリーンを丸く囲むシートは中々よし。 ただし場所がら、おじさん多し。
▼さて、都内の巨大映画館はというと、かのマリオンは、 九階日劇東宝708席、同じく九階丸の内ピカデリー1、913席、 11階日本劇場1008席。
新参者には譲らない、日比谷のスカラ座は1197席。
まだまだ驚くな!大劇場は新宿にあり! ピカデリー1が1151席なら新宿ミラノは1288席だ!!!マイッタカ

 

(1) ♀(24才) 会社員(神戸)
(2) a. 1〜2本
(3) 映画館への不満としては、入替え制がてぬるい、席が悪い(座り心地、前の人の頭が邪魔になる)、 ネズミが出没するといったところ。
やはり関西では、ちょっとマイナーっぼい映画が少ないことが一番不満ですね。

 

▼自室でビデオ見て、映画館で観る人が減るということは、 映画を観るマナーというのを身につける機会が減る、ということだと思います。
映画を観るマナーというのは、一緒に観ている他の人に迷惑がかからないように 一人一人が暗黙の内に身につけ、了解している、いわぱ常識のようなもので、 これはとても基本的なことなので、映画に限らず、 身につけておくと大変にスマートに振舞うことのできる常識ではないでしょうか。
そういう機会が減るということが、どういう事だか、なんとなく予想がつくかと思います。

(♀/40代/東京)

 

▼銀座シャンゼリゼでやっていた『私の愛するテーマ』は、人知れず上映期間が短くなっていて、 なぜか『ファミリービジネス』と入れ替わっていた。
人に観に行くよう勧めた私の立場は、どうなるの!

(♀/39才/東京)

 

(1) ♀(28才) アルバイト(広島)
(2) a. 10本強、b. 3〜4本
(映画館勤務経験あり)
(4) 映画館が日々減っていく現実の中、広島ではなぜか去年一館、 今年又一館と映画館がオープンします。
しかし、映画館はオープンしても観たい映画を上映してくれるかどうかとなると配給会社との関係、 他の映画館との兼ね合いなどもあって巧くはいかないようです。
広島の映画事情は、欲を言えぱキリがないですが、やっぱり“観たくても観られない事が多い” 事情は変わってないように思います。
映画館に対する不満は“本当に映画を愛して欲しい”という事。
そうすれぱ、まだエンドクレジットが終わってないのに幕を閉めたり、 扉を開けたり、同時上映作品を突然打ち切ったり、上映期間が突然短くなったり、 という事はないだろうと思います。
観る人については、相変わらずマナーを知らない人にムッとくることがありますが、 そういう人にも沢山入ってもらって収益を上げて、いい映画を上映して、又お客さんが来て、 そのうち新しい観客も映画を観る時のマナーを学んでいく、 なんていう好循環が生まれるのが理想かなと思ったりします。

 

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